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紙の本
東京島 (新潮文庫)
著者 桐野 夏生 (著)
清子は、暴風雨により、孤島に流れついた。夫との酔狂な世界一周クルーズの最中のこと。その後、日本の若者、謎めいた中国人が漂着する。三十一人、その全てが男だ。救出の見込みは依...
東京島 (新潮文庫)
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商品説明
清子は、暴風雨により、孤島に流れついた。夫との酔狂な世界一周クルーズの最中のこと。その後、日本の若者、謎めいた中国人が漂着する。三十一人、その全てが男だ。救出の見込みは依然なく、夫・隆も喪った。だが、たったひとりの女には違いない。求められ争われ、清子は女王の悦びに震える—。東京島と名づけられた小宇宙に産み落とされた、新たな創世紀。谷崎潤一郎賞受賞作。【「BOOK」データベースの商品解説】
【谷崎潤一郎賞(第44回)】【「TRC MARC」の商品解説】
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紙の本
極限の生
2010/07/31 14:16
6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:hisao - この投稿者のレビュー一覧を見る
無人島に流れ着いた32人、女は清子一人
極限状況の中で人間はどの様に生きていくか?
桐野氏には“愛の世界”は無縁である
思い切りグロテスクな“生存への戦い”を描き切る
この小説のモデルは“アナタハンの女王蜂”“ナタハンの毒婦”と騒がれ映画にまでなった数奇な史実“アナタハン島事件”と云う
http://www.nazoo.org/distress/anatahan.htm
何故著者はこのような舞台設定を選んだのか?
ただ一人の女は何故男たちの母親と云えるような年齢か?
”サバイバルな状況下で自分のことしか考えない女という存在・・・”
新潮社のホームページで桐野氏自らが“東京島”を解説しておられます
http://www.shinchosha.co.jp/shinkan/nami/shoseki/466702.html
嘘をつき、媚を売り、男を食らいつくす事で生き残らねばならぬ”女の性”
おぞましい欲望の葛藤と垣間見る狂おしいユーモア
確かに恐ろしくて不愉快です、でも桐野氏の筆に遠慮会釈はない
私は読むうちに氏の創る“虚構のリアリティ”に戦慄する
映画化され8月末には公開されます
私の好きな美人女優・木村多江さんが、この”グロテスク”な存在を演じるのかとちょっと心配です
紙の本
予想もつかなかったラスト
2021/10/14 23:09
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
第44回(2008年)の谷崎潤一郎賞受賞作、「薄情(絲山秋子)」「ミーナの行進(小川洋子)」「センセイの鞄(川上弘美)」「容疑者の夜行列車(多和田葉子)」と素晴らしい受賞作が並んでいる、ここにあげることができなかった作品たちも素晴らしいものばかり、まず、この賞を獲得した作品ははずれがないどころか、絶対に人に勧めることのできる作品が目白押しだ。「東京島」は世界一周航海の途中で無人島に流れてしまった夫婦の話から出発する、といっても桐野氏の小説だから甘い二人の生活を描くということには全くならない、与論島を脱出してきた男たち、島に捨てられた中国人、最後は遭難したフィリピンの踊り子たちまで登場する、そして予想をはるかに越えてしまったラストへと突き進む、ほんとおもしろかった"
紙の本
この設定を思いつく作者を尊敬してしまいます
2015/08/23 15:04
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:piyopurin - この投稿者のレビュー一覧を見る
無人島にたどりついたのは、女一人とあとは男。
アンバランスな社会の中で、エグいぐらいにむき出しになるジェンダー。
ご堪能ください。
面白すぎたので、読み終わった後に映画を見ました。が、本が面白すぎたので描き切れていない映画が薄っぺらく見えました。
本で読んだ方が断然面白いです。
紙の本
無人島に漂流した一人の女性を含む30数名の若者たちの末は?
2016/06/26 09:07
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、桐野夏生氏の代表作です。無人島に漂流した中年カップル、若者たち、それに中国人の少年たちは、それぞれ個性を発揮しながらサバイバル生活を送ります。中でも唯一の女性である清子の心情と行動は詳細に描かれており、彼女を取り巻く日本人の若者、および中国人の若者との力関係や仲間意識などがとても微妙に変化していく様がこの小説の魅力となっています。また、最後の章では、数十年後が描かれるのですが、これがまた非常に素晴らしいというか、筆者ならではの展開となっており、目が離せません。ぜひ、一度、読んでみてください。
紙の本
ある日突然無人島での暮らしを余儀なくされたら・・・。人間はどうなってしまうのだろう。
2010/07/05 01:16
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みす・れもん - この投稿者のレビュー一覧を見る
桐野氏の作品を読むのは「OUT」に次ぐ2作目。
「OUT」は、非常に好みの作品だったように記憶している。
その雰囲気を期待して、本書を手にした。
清子は、夫に世界一周クルーズに行こうと半ば強引に誘われ、付き合ったものの、遭難し、たどり着いたのが無人島。
そこへ、同じようにたどり着いた20人の日本人の若い男たち。そして、11人の中国人の男。
この無人島でただ一人の女性となった清子。
ここから、文明社会から隔絶された島での人間たちの感情が入り乱れた物語が始まる。
人間の様々な感情というものを、ここまで見せつけられた作品は初めてである。
無人島を「トウキョウ島」と名付けてしまうのも、精神的なバランスを保つための現実に対するささやかな抵抗のように思える。
読んでいて気持ちのよいものではない。
「OUT」より、描写は原始的というか、あからさまと言うか・・・。
好き嫌いがハッキリ分かれる作品だろうなぁ。
最後はどうなるの?
それだけで読み手を引っ張っていってくれる。
そして待っていた意外な結末。
それだけで、全てのアラを帳消しにしてしまった。
映画化されるそうだけれど、清子に木村多江さんはイメージが合わない気がするのは私だけだろうか・・・。
もう少し、ふてぶてしさというか、図々しさというか、そういうものを匂わせる女優さんがいいような。
でも、どう演じられるのか、楽しみでもある。
紙の本
無人島に31人の男とひとりの女。極限状態に置かれたとき、人はどのような行動をとるか。
2010/05/21 09:25
5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:惠。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
久しぶりの桐野作品。桐野作品はあまり読まないし、それほど読んだこともない。数年前に数冊読んで以来、止めてしまった。どの作品もかなりヘヴィで、真剣に読まないといけないのだもの。
クルーザーが難破しほうほうの体で夫と二人、無人島に流れ着いた清子。その後、日本人の若者に中国人も漂着し、孤島の人口は32人となった。内訳は男31人の男に、女は清子ひとり。電気もガスも、文明と言えるものが何一つない極限の状況。あるのは野性の植物と動物たち。21世紀の文明社会から突然、原始的生活を余儀なくされた32人の漂流者たち。文明に憧れて名付けた東京島からの脱出を夢見て生き続ける。男たちの関心は、島で唯一の女、清子。清子は女であることの最大限の恩恵を受け入れ、代わりに身体を提供する。希少性が生み出す絶対的地位。男たちによる争奪戦――それは、清子にとっても悦びであった。しかし乗り日本人たちを裏切って、清子が中国人の誘いに乗り手製のボートで島からの脱出を図ったことから、清子を頂点とした東京島のバランスは崩れる…。
極限状態に陥ったとき、人は人であり続けられるのだろうか。空腹に苛まれ、絶望に包まれた時、それでも人は矜持を保ち続けられるのだろうか。
孤島で生きのびる上で、仲間は大切だ。しかし…地獄から連れ出してくれるボートが目の前にやってきて、「お前だけは連れて行ってやる」と言われたら…? 共に苦境を乗り越えようとする仲間を、絶対的存在として崇めてくれた男たちを、切り捨てなければならないとしたら…?
8割の人は、ボートに飛び乗るのではないだろうか。わたしは…たぶん、乗る。数年間、何の救いも差し伸べられなかった孤島にすがりつくより、一縷でも、希望を見出すことのできる旅立ちを選ぶだろう。たとえ、それが今まで一緒に励ましあってきた仲間を裏切ることになったとしても。
本書で描かれているのは人間の性(さが)。打算と計算。賢すぎても、愚か過ぎてもダメ。一番いいのは賢すぎる性質をひた隠し、普通のふりすること。強者と弱者のバランスを見誤らないこと。絶対的王者だからといって、安心してはならない。いつだって下剋上の可能性がある。使えるものは何でも使う。媚びるべきときは媚びる。顔色は伺え。引き出せるものは引き出せ。裏切るべきときは裏切れ。信じたほうが愚かなのだ。裏切り者には制裁を。ただし自分がいつ裏切るかは、本人にもわからない。
オソロシカッタ。人間も動物だったのだ、ということを思い知らされる。
桐野作品は、読んでいるこちらの体力を奪っていく。久しぶりに読んだ本書もやはりヘヴィだった。でも…たまに、読んでみるのもいいかな、とも思った。また数ヵ月後くらいに何か、手にとってみようかな。
紙の本
一人のおんな
2020/06/16 16:19
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:deka - この投稿者のレビュー一覧を見る
40歳を過ぎた夫がいる女性が30人もの男性その中には自分の子供でもおかしくない年齢もいる・・・性格とか考え方とか関係なくただsex相手としてだけで選ばれるなんて想像できない世界。。。。新聞でこの本が紹介されていて作者の別の作品も読んだことがあったから読んでみたがもし自分が清子だったらなど想像もできず、男性はこの作品に対してどんな感想なのか気になった。
紙の本
やっと読み終えた
2019/11/07 22:43
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Sota - この投稿者のレビュー一覧を見る
何度も読むのを止めようと思いつつ、最後まで読みました。
純文学ってやつでしょうか?
読み手を選ぶ作品です。
そして、私には合わなかった。
人間の本質を描いた作品なんだろうけど、読んでる途中、何度も気分が悪くなりました。
ラストの展開は、少し面白くて、持ち直しましたが。
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女性は強い
2020/03/03 01:33
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:chieeee - この投稿者のレビュー一覧を見る
何もない所に行くと、人間はこんなに欲望的になるのか?通常であれば、大勢の男性に囲まれるとチヤホヤされて嬉しい気持ちよりも、怖さが勝つ気がする。だけど主人公は怖さよりも自分の気持ちに正直にドンドンとワガママになっていく。ここまで好き勝手に頭の中を見せつけられると、逆に気持ちがいいほど。映画も観ましたが、木村多江さんでは綺麗すぎる。もっとしっかりと年齢を感じさせるような人だからこそ面白い物語になるんだと思うんですが。でも、誰も観ないのかな??( ^-^)