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商品説明
「ママは余計なこと考えないで、無事に赤ちゃんを産んでくれればいいの」平凡な主婦みどりは、一人娘で産科医の曾根崎理恵から驚くべき話を告げられる。子宮を失う理恵のため、代理母として子どもを宿してほしいというのだ。五十歳代後半、三十三年ぶりの妊娠。お腹にいるのは、実の孫。奇妙な状況を受け入れたみどりの胸に、やがて疑念が芽生えはじめる。「今の社会のルールでは代理母が本当の母親で、それはこのあたし」。【「BOOK」データベースの商品解説】
平凡な主婦みどりは、一人娘で産科医の理恵から代理母出産を依頼される。33年ぶりの妊娠、お腹にいるのは実の孫…。奇妙な状況を受け入れたみどりの胸に、やがて疑念が芽生えはじめる。『小説新潮』連載を単行本化。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
海堂 尊
- 略歴
- 〈海堂尊〉1961年千葉県生まれ。医学博士。2005年「チーム・バチスタの栄光」で第4回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞しデビュー。「死因不明社会」で科学ジャーナリスト賞受賞。
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紙の本
日本での代理母の扱いって、実際どうなっているのか、マスコミは芸能人が絡んだときだけ報道するので、その後が分かりません。でも、分かるんです、産みの親の存在の重さ。種の問題じゃあない・・・
2010/09/24 20:32
5人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
娘たちに、どう、読む? と確認すると、必ず「読む!」と返事が来る作家が何人かいます。村上春樹、小川洋子、椎名誠、西尾維新、宮部みゆき、伊坂幸太郎、桜庭一樹、そして海堂尊。海堂については、近々、彼の既刊を全て読み終わると思いますが、それほどに評判がいいわけです。ただし、これは娘二人にも言えることですが、あ、この人はあの小説に出てきた、と前後の関係がすぐにわかることは稀です。
それは、海堂が東城大・帝華大を中心にした何十年にも及ぶ壮大な医療世界を、ある時系列に沿ってではなく、飛び飛びに描くことで築こうとしているからで、その全貌を知るには、彼自身が2009年に書いた『ジェネラル・ルージュの伝説』を読むのが一番だろうと思います。とはいえ、『マドンナ・ヴェルデ』は『伝説』出版後に書かれたものなので、『伝説』に登場はしませんが、
World 海堂尊ワールド
各作品の鍵を握る登場人物を徹底解説! メインキャラクター解析
全登場人物表
登場人物相関図
●現在 2006~2008
●過去 1988
●未来 2010~2022
を見れば、あ、この人が、とか、あ、あの人は、と全体把握が進み、読みやすくなることは確かです。ま、私などは人物相関図だけは、海堂の本、全てに付録として、もしくは見返しに必ず印刷するとかするべきだとは思うんですね。そこに小説のタイトルもつけて、この時代の誰々を知りたかったら、この本を読めばいい、というのがすぐわかるようにする。他の作家ではあまり必要ないかもしれませんが、海堂の時だけはやったほうがいい、そう思います。
閑話休題。で、この本、、海堂の言葉を借りれば「『マドンナ・ヴェルデ』は、二〇〇八年に出した『ジーン・ワルツ』と同じ時系列で、視点を変えて書いた小説」ということになります。さらに言えば2007に出た『医学のたまご Doctor-to-be』は、後日談になるのでしょう。ついでに『マドンナ・ヴェルデ』について、出版社のHPに言葉まで借りてしまえば(多重債務はこうして生まれる・・・、たぶん・・・)
*
正義のために、良心を捨てた女。海堂史上最強の魔女、ふたたび降臨!
桜宮市に暮らす平凡な主婦、山咲みどりのもとをある日一人娘で産婦人科医の曾根崎理恵がおとずれる。子宮を失った理恵のため、代理母として子どもを産んでほしいというのだ。五十歳代後半、三十三年ぶりの妊娠。お腹にいるのは実の孫――この子はいったい、誰の子なの? 医学と母性の葛藤をせつなく激しく描く最先端医療小説!
*
となります。『ジーン・ワルツ』は、『マドンナ・ヴェルデ』の先触れに過ぎなかった、と思わず言ってしまいたくなる、そういうお話です。この話は、代理母出産をめぐる母子の意識の違い、日本における代理母の扱い、代理母の親権、産婦人科の抱える問題などを扱います。一気に読み終わる内容なので、詳述は避けます。人物紹介を詳しくしたいところですが、今回は読む楽しみをうばいそうなので止めておきましょう。
ちなみに、わが国は現在、代理母を日本は認めていませんが、法整備を考える有識者会議では、母親は卵子の提供者ではなく、赤ん坊を産む人間がなるということになっているそうです。少子化を嘆く人の多くは老人で、その多くが女性は家庭に入るべし、という考えを持ち、夫婦別姓を否定し、国旗掲揚と国歌斉唱を支持し、憲法改正と軍備を推進し、原発賛成と言う構図と、代理母を認めないということには実は密接に関係があります。
そういう観点で、この小説を読むのも一興かもしれません。
最後ですが、殆ど字の表現だけで見せるデザインは、なかなかの手腕。誰か画家が絡んでいるかと思ったのですが、装幀 新潮社装幀室、とだけ記載があります。傑作とまではいいませんが、凡百ではない意匠。温かみのある色合いは悪くありません。初出 「小説新潮」2009年3月号~2010年2月号、となっています。『ジーン・ワルツ』の連載は2007年6月号~12月号ですから、丸一年の期間が空いています。当初から続編が念頭にあったのか、産婦人科医の現状が海堂に書くことを求めたのか、知りたいところではあります。
最後は目次。
一章 菊花開
晩秋・寒露二候
二章 楓蔦黄
晩秋・霜降三候
三章 虹蔵不見
初冬・小雪初候
四章 雪下出麦
仲冬・冬至三候
五章 東風解凍
初春・立春初候
六章 菜虫化蝶
仲春・啓蟄三候
七章 牡丹華
晩春・穀雨三候
八章 腐草為蛍
仲夏・芒種二候
九章 半夏生
仲夏・夏至三候
十章 涼風至
初秋・立秋初候
十一章 寒蝉鳴
初秋・立秋二候
十二章 玄鳥去
仲秋・白露三候
紙の本
冷徹なヒロイン
2020/10/12 14:46
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
クール・ウィッチこと曾根崎理恵が、産婦人科学会にメスを入れます。代理母の問題を通じて、新たな家族の形を模索しているようでした。