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商品説明
大富豪の館でメイドとして働く妹に頼まれ、名探偵・西園寺とその館にかけつけた神尾は、奇妙な殺人事件に遭遇する。衆人環視下、謎の方法で館の主が殴り殺され、容疑者は、なんと館を訪れていた計百人!誰もかれもが疑わしい!?しかも外界に通じる唯一の道である橋が爆破され、閉鎖空間内で次々事件が…。鬼才があなたに“本格ミステリ”の意味を問う、驚愕の最新作。【「BOOK」データベースの商品解説】
大富豪の館でメイドとして働く妹に頼まれ、名探偵・西園寺とかけつけた神尾は、奇妙な殺人事件に遭遇する。衆人環視下、謎の方法で館の主が殴り殺され、容疑者は、なんと館を訪れていた計100人! 驚愕のミステリ。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
山口 芳宏
- 略歴
- 〈山口芳宏〉1973年三重県生まれ。横浜国立大学卒。「雲上都市の大冒険」で第17回鮎川哲也賞を受賞してデビュー。他の著書に「豪華客船エリス号の大冒険」「妖精島の殺人」など。
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紙の本
容疑者100人?! 『こんなこと誰も思いつかん』なミステリ!
2010/04/08 12:16
8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:惠。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
物語の舞台は大富豪の館。その邸宅でメイドとして働く妹・結衣子から「死人が出るかも」とのメールを受け取った神尾(求職中)は、叔母の知りあいの名探偵・西園寺と共に山中にひっそりたたずむ豪邸に潜入する。しかし結衣子の悪い予感はあたり、パーティー中に館の主が殺された。殺害当時、主が立っていたのは舞台の上。そしてその舞台を見守っていたのは招待客と使用人合わせて、100人だった。
容疑者は館にいた100人という前代未聞の事態。館に通じる橋は爆破され、電話もつながらない。そしてお決まりのように殺人が次々と起こる…典型的なクローズドサークルだ。…といいたいところなんだけれど、容疑者が100人と設定がぶっとんでいる。あぁこのチャレンジ精神、大好きだー。
通常、クローズドサークルという設定における殺人事件が次々起こる過程では、登場人物たちは疑心暗鬼になり不安になり人間性が露わになったりして、その恐怖感が読む側の楽しみでもあったりするのだけれど、本書ではそういったスリルはそれほど感じなかった。おそらく著者も、恐怖心を煽ることを目的にはしていないのだろう。
それよりも楽しむべきは容疑者100人という異様な設定。良くも悪くも癖のあるキャラクター。思わず噴き出しそうになる会話の応酬にコメディの香が漂う。『悪夢のマンション』シリーズが楽しいわたしの心は鷲掴みされてしまった。
衆人環視下で殺された館の主の殺害方法については、いわゆる物理トリックが使われているのだけれど、これがまたまぁ、笑っちゃうのだ。ちゃんと成立はしているのだけれど、なんせ著者自身が名探偵の西園寺に「こんなこと誰も思いつかん」と言わせるようなウルトラEなのだ。まぁ、それも本書の楽しさのひとつとも言えるのだけれど。
あぁ、楽しかった―っ!!!
ちなみにわたくし、登場人物一覧を一目見たときからこの作品の虜になりました。だって、本当に100人の登場人物が載っているのだもの。こんなこと山口さんをおいて他にするひとがいるだろうか(いや、いない)。