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  • カテゴリ:中学生 高校生 一般
  • 発売日:2010/01/01
  • 出版社: 筑摩書房
  • レーベル: ちくまプリマー新書
  • サイズ:18cm/234p
  • 利用対象:中学生 高校生 一般
  • ISBN:978-4-480-68826-2
新書

紙の本

かのこちゃんとマドレーヌ夫人 (ちくまプリマー新書)

著者 万城目 学 (著)

かのこちゃんは小学一年生の元気な女の子。マドレーヌ夫人は外国語を話す優雅な猫。その毎日は、思いがけない出来事の連続で、不思議や驚きに充ち満ちている。【「BOOK」データベ...

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かのこちゃんとマドレーヌ夫人 (ちくまプリマー新書)

税込 946 8pt

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紙の本
セット商品

「いま」を考える中学生からのプリマー新書 (ちくまプリマー新書) 15巻セット

  • 税込価格:12,914117pt
  • 発送可能日:購入できません

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商品説明

かのこちゃんは小学一年生の元気な女の子。マドレーヌ夫人は外国語を話す優雅な猫。その毎日は、思いがけない出来事の連続で、不思議や驚きに充ち満ちている。【「BOOK」データベースの商品解説】

小学校1年生の元気な女の子・かのこちゃんと、外国語を話す優雅な猫・マドレーヌ夫人。その毎日は思いがけない出来事の連続で、不思議や驚きに充ち満ちている−。万城目学が紡ぎ出す、新たな物語の世界。書き下ろし長編小説。【「TRC MARC」の商品解説】

著者紹介

万城目 学

略歴
〈万城目学〉1976年大阪府生まれ。京都大学法学部卒業。2006年「鴨川ホルモー」でボイルドエッグズ新人賞を受賞しデビュー。ほかの著書に「鹿男あをによし」「プリンセス・トヨトミ」など。

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書店員レビュー

ジュンク堂書店新潟店

かのこちゃんは小学一...

ジュンク堂書店新潟店さん

かのこちゃんは小学一年生。
マドレーヌ夫人は優雅な猫。
かのこちゃんの世界とマドレーヌ夫人の世界は一緒だけど全然違う。

かのこちゃんと「フンケーの友」すずちゃんとの出会い、マドレーヌ夫人の身に起きた不思議な出来事。

鴨川ホルモー、鹿男あをによしの万城目学がおくる、切なく優しい不思議に満ちたあたたかい物語です。

文庫・新書担当 中村

ジュンク堂書店岡山店

全体的にほっこりした...

ジュンク堂書店岡山店さん

全体的にほっこりした癒し系です。

万城目さんの「鹿男あをによし」
を読んでるとさらに楽しめると思います。

猫と犬の夫婦という一風変わったカップルが素敵です。

かのこちゃんとお友達の「鼻てふてふ」、
私も昔似たようなことをしたなぁ・・・
と妙に懐かしくなりました。

文芸・文庫担当 M

みんなのレビュー426件

みんなの評価4.1

評価内訳

紙の本

切なく温かな出会いと別れを描いた愛おしい物語

2012/03/25 09:15

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ちゃき - この投稿者のレビュー一覧を見る

出会いと別れの季節にぴったりな
心がほっこりあったかくなる可愛らしくて素敵な小説。

外国語(=犬語)を理解するアカトラ猫のマドレーヌは、
その優雅な雰囲気から近所の猫達にマドレーヌ夫人と呼ばれている。

マドレーヌの名付け親であり飼い主のかのこちゃんは、
小学一年生になったばかりの好奇心旺盛な女の子。

かのこちゃんは人生初の「ふんけー(刎頸)の友」となるすずちゃんと出会い、
友情を深めていき、かたやマドレーヌ夫人は、ふとしたことから
大切な夫の玄三郎(なんとこれが柴犬だったり」する!)
のために、不思議な冒険をすることに...。

並行して語られる一人と一匹の物語は、異なる種の目線を通して、
つかず離れず、けれど時に交差しながら展開していく。

玄三郎を思うマドレーヌの心が、そうとは知らぬかのこちゃんを動かし、
そのかのこちゃんの心がマドレーヌ夫人をまた別の冒険へと駆り立てる。

最後に全てが明らかになった時に
じんわりと広がる温かな感動がなんとも心地よい。

中でも、犬たちの「マドレーヌ」の大合唱の
シーンでは、危うくほろりときそうになった。

そして、すべてが終わった後、
マドレーヌが下す決断は、はたしてどちらなのか?

切なさの中に少しの希望を残すこのラストも私は大好きだ。

最後のシーンのマドレーヌを待つかのこちゃんの姿に、
冒頭の、まだどこか幼児のおぼつかなさを残した、
ぼんやりした印象はどこにもない。

ほんの半年ほどの出来事。
けれど、小さな少女にとって、それは大人の数年にも匹敵するくらい、
あるいはそれ以上に中身の詰まった時間。

子供の頃の出来事を、様々な出会いと別れを
思い返したくなる、そんな愛しい物語。

児童書として、子供が読んでも良い本だと思うけれど、
小さな子供を持つ親世代にとっても、
さらに猫好き、あるいは犬好きにも、
幅広い層に支持される、素敵な本だと思う。

『鹿男あをによし』の彼の、ほのぼのとした父親振りも
なんだかちょっと嬉しいおまけでした。

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紙の本

犬も猫も人間も

2010/04/24 10:51

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ジーナフウガ - この投稿者のレビュー一覧を見る

奇想天外な作品を次々と世に送り出して来た万城目学氏最新作は、
書き下ろし新書と言う読者にうれしい1冊だった。その優しい姿勢に作品全体が覆われているので、

読んでいて心が『ほんわり』柔らかく揉み解されて行くのが感じられる。
猫のマドレーヌ夫人を初め、彼女が理解する外国語によって種族間の垣根を

乗り越え夫婦関係を築いている柴犬玄三郎、そして鹿からのお告げによって
(万城目ファンにはニヤリとしてしまう演出だ。) 「かのこ」と名付けられた春が来ると

小学校に入学する主人公かのこちゃん。動物、人間を問わず、登場して来るキャラクターの姿が
実に丁寧に描かれていて微笑みを覚えずに居られない。指しゃぶりを、

どうしても止められなかったかのこちゃんが、マドレーヌ夫人との画期的なやりとりを経て、
知恵が啓かれる場面の描写等は、些細な日常生活の中から、

生きる上で大切な知恵に気づくのだなぁ、等と得心した次第である。
そこから小学一年生のかのこちゃんが凄いスピードで知恵を吸収していく日々が始まる。

思わず、『そうそう!低学年ってば、そうだよな!!』との実感があったのが『これは何?』
『あれは何?』と疑問をぶつけ始める点や、「難しい言葉かつ変な響きをもつ言葉を覚えたがり使いたがる」

点だった。子供なのに、その中に大人的な成分が入ってくる快感を懐かしさと共に思い出した。
だから「男子と女子、どっちが難しい言葉を知っているか合戦」の、

男子や女子の白熱するプライドを賭けた勝負の行方には、こちらも熱くなる物があった。
その他に、もう一つ、小学一年生にとっての大切な事。友達をつくる事!

これはどんな友達でも良いと言う訳ではなくて、ある意味、人生で初の自ら友達関係を築く為に
行動して得る友人である。かのこちゃんのお父さんが言う通り、正に『刎頸(ふんけい)の友』でなくてはならない。

かのこちゃんが出逢い、大親友となるすずちゃんのなかなか簡単に
友達にならない意地の張り方には爆笑してしまった。負けず嫌いもここまで行くと超一級品である。

さて、かのこちゃんと並び作品タイトルに名前が表記されている、猫のマドレーヌ夫人の事を書き記そうと思う。
雷鳴る日に、庭に現れた彼女。かのこちゃんによってマドレーヌと名付けられたメスのアカトラに

「夫人」との名称が冠せられたのも、猫族で、彼女のみが「外国語」=「犬語」
を話せる不思議と無関係ではないだろう。ご主人である老犬玄三郎さんの全て大らかに包み込む、

器の大きさも手伝って嵐の日の二匹の出逢いのシーンには犬と猫とが互いの
「言語」の壁を乗り越えるだけの圧倒的な美しさが存在する。美しさは優しさへと通じ、

優しさは愛や絆を強く深くさせ、奇跡さえも起こしてみせる!マドレーヌ夫人の身の上に生じた魔法は、
一重に、玄三郎さんやかのこちゃんへの純然たる想いがあるからで凄く素敵だなと感じた。

愛や、絆についても考えさせてくれて心が暖まる一冊です。大切な人を思いながら読んでみて下さいね!!

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紙の本

猫も犬もニンゲンも、それぞれがみんな自分らしく生きて行ければいいなぁ。

2011/08/18 20:14

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:道楽猫 - この投稿者のレビュー一覧を見る

マドレーヌ夫人が猫だったとは!
知人の書評を読んでびっくり。
この本はタイトルだけは知ってましたが、「女の子と近所に住むフランス人のおばさんが何かをするお話」とか勝手に思い込んでいて、あまり興味がなかったのです。

猫ならば読まねば!
ということで早速読んでみました。
私、無類の猫好きで(愛読書は「ねこぱんち」)、猫と名の付くものならなんでも読みたいのです。

で、マドレーヌは「夫人」です。「婦人」じゃなく「夫人」。
そう、夫がいるのです。種を超えた愛がそこにあるのです。
マドレーヌ夫人と玄三郎の夫婦愛はとても素晴らしいものでした。
これを読むと、人種争いなんてほんとうにくだらないなとつくづく感じます。
好きな相手がたまたまそういう種だった。それだけです。
人間も、みんながもっとシンプルに、あるがままに物事を捉えることが出来れば、世の中はもう少し生きやすくなるのではないかなぁ。なんて思います。
作者は別にそういう大袈裟なことを言いたかったわけではないと思うけども。

ところで、マドレーヌ夫人とその夫は種を超えてお互いの言葉を理解することができますが、人間であるかのこちゃんにはマドレーヌ夫人の言葉はわかりません。
かのこちゃんの「知恵を啓いた」のも、かのこちゃんのために色々活躍したのも実はマドレーヌ夫人だけれども、当のかのこちゃんはそれに気付いていない。
けれど、猫であるマドレーヌ夫人は特にそれについて何とも思わない。
どう動こうが自由。
至って猫なのです。

猫を擬人化したお話は世の中に本当にたくさんあるけれど、「ああ猫だ」ときちんと思えるものって意外に少ない。でもこのお話は、きちんと「ああ猫だ」と思えたので、猫である、いや猫好きな私は大満足です。

しまった。
このお話は、かのこちゃんの成長とすずちゃんとの友情が主題のはずなのに、猫のことばっかり書いてしまったよ。イカンイカン。

もちろん、かのこちゃんのお話もとても面白いです。
かのこちゃんとすずちゃんの「鼻てふてふ」や、「茶柱」をめぐるお話は爆笑もの。
そう、こどもって大体があんな感じで、意味のないことやキタナイものが大好きなのよね。
でもそれもね、小学2年生ぐらいまで。
(私の感覚からすると、女の子の場合もっと早く面白くなくなる気がする)
子どもに絵を教えている方が以前おっしゃっていたのだけど、小さい頃とても伸び伸びとした素敵な絵を描いていた子も、3年生ぐらいになるとヘンに知恵がついちゃって、他人を意識した"小賢しい"絵を描くようになることがとても多いらしいのです。
もったいないよなぁ。でも仕方ない。ニンゲンダモノ。


ラストは余韻の残るとても良い終わり方でした。
マドレーヌはどこまで行っても"猫"を貫き通すだろうし、かのこちゃんもすずちゃんもそれぞれの道を自分らしく歩んでゆくことでしょう。でも大人になっても「ふんけーの友」であることはきっと変わらない(笑)。
みんな幸せになってほしい。心からそう思えるお話でした。

それにしても、かのこちゃんのお父さんて…。

ん?あの方?

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紙の本

かのこちゃんの世界とマドレーヌ夫人の世界、それぞれの日常性とファンタジーが、うまくかみあって心地いい。

2010/10/10 13:01

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:うっちー - この投稿者のレビュー一覧を見る

 マドレーヌ夫人は、アカトラの猫である。雷が鳴る豪雨の日に、かのこちゃんちの飼い犬・玄三郎の犬小屋に突然入ってきて、それ以来、2匹はいっしょに住んでいる。犬と猫なのに、なぜか言葉が通じるのだ。
 小学1年生のかのこちゃんは、天真爛漫。かつ「知恵が啓かれて」から、好奇心いっぱいで、健全そのもの。かのこちゃんは、同じクラスの女の子すずちゃんと「刎頚の友」になるのだが、その過程がおもしろい。
 かのこちゃんが、すずちゃんの何に惚れたのか、行き違いがあり、なかなか仲良くなれなかったふたりが、一気に近づいたきっかけなど、とても愉快。しかも、このふたり、なかなかの知恵者なので、考えること、やることが粋で楽しい。
 かのこちゃんが、どうして「かのこ」と名前をつけたのかと聞くと、お父さんは、「鹿がそう言ったんだよ」と答える。鹿が「かのこ」という名前がいいと。そうだった、そうだった!作者は、万城目学だった!してみると、このお父さんは…?
 マドレーヌ夫人は、あまり自分からは話さないが、「外国語(犬語)が話せる」ということで、猫仲間から尊敬されている。空き地の集会での、猫たちの会話が秀逸。
 かのこちゃんもマドレーヌ夫人もそれぞれの毎日を生きているのだが、お互いがとてもよく理解できていて、べたつかず、思いやりが深い。それは、かのこちゃんの家族もそうだし、かのこちゃんとすずちゃん、夫婦である玄三郎とマドレーヌ夫人の関係もそうで、賢くて、健全で、穏やかで、優しく、さりげなくて深い。とても心地いい関係なのだ。だから、このお話も、とても気持ちがいい。マドレーヌ夫人が、玄三郎やかのこちゃんに報いようと奮闘する場面は、ファンタジーだけど、荒唐無稽ではなく、とても自然で、説得力がある。また、頑張ったところを見せないマドレーヌ夫人のかっこいいこと!
 もちろん、誰との関係もずっと続くわけではない。すべからく、別れはある。かのこちゃんとマドレーヌ夫人、それぞれの大切な相手との別れの場面もすばらしく、こうした別れが、人の思いを深くし、成長させるのだなぁと思ってしまった。その場面ゆえに、この小説が大好きになった。人の現実の日常があり、ユーモアがあり、ファンタジーがある。文句なしの小説だ。
 
 ひとつ、疑問なのは、この「ちくまプリマー新書」のコンセプト。この小説がどうして、ここから出されたのか?内容からいうと、別のレーベル、違った装丁の方が生きるのに、と感じた。

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紙の本

平凡な日常に”不思議”が寄り添う物語

2020/07/16 23:14

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る

小学一年生の女の子(かのこ)とネコ(のマドレーヌ)が主人公というのが、この作家にしてはまず珍しい。しかし、そこに、いつもの不思議ワールドをいきいき添わせて、日常の冒険譚というか珠玉のファンタジーというか...のたたずまいがいい感じである。
読み進むたび、日常生活がいつも冒険に満ちていた子どものころを思い出し、ココロがジーンと暖かくなる。

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紙の本

ポカポカ

2012/01/25 17:28

4人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:hirok - この投稿者のレビュー一覧を見る

秋晴れのベランダで日向ぼっこしながら一気読み。心がポカポカする本でした。

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紙の本

現代版、我が輩は猫である、大人のための童話としても最高!

2010/09/26 12:35

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ぜのぱす - この投稿者のレビュー一覧を見る

『かのこちゃんとマドレーヌ夫人』、私にとっての2作目の万城目作品である。

前回読んだ『鴨川ホルモー』とは、また、趣を異にした、新たなマキメ・ワールドが展開していた。

主人公の一人は、かのこちゃん、小学校一年生の女の子。もうひとりは、マドレーヌ夫人、因に旦那は、玄三郎。かのこちゃん一家と共に暮らしています。

あっ、夫人は猫で、旦那は犬です。

ま、敢えて云えば、現代版『我が輩は猫である』と云えなくもない。幸いにして、件の「名前はまだ無い」猫とは異なり、夫人は名無しではなく、毛色がその名のお菓子を連想させることから、かのこちゃんからマドレーヌと云う名を頂戴しています。

物語は、かのこちゃんの視点と、夫人の視点から語られ、それらが交差し、出来事の表裏を補い合い乍ら、心地良いテンポで進んで行く。

かのこちゃんとマドレーヌの視点からの物語が、それぞれ生き生きと描かれており、相変わらず作者の力量には感心させられる。とは云え、それが単なる想像力だけの賜物ではなく、 謝辞に依れば、実際の小学校の先生や一年生達に取材をしているらしく、地道な努力の上に成り立っていることも察せられる。勝手な推測だが、作者は猫を飼っているか、飼っていたことがあるに違いない、それ程、マドレーヌも生き生きと描かれている。

本作は『鴨川ホルモー』(他の作品を未だ読んでいないので、他がどうかは知らないのだが)のような奇想天外な破天荒な展開ではなく、割とタンタンと進んで行くが、そこはやはり万城目、現実的にはあり得ない夢の展開も含まれて居り、対象読者は中学生以上となっているが、読み易い平易な内容の良質のファンタジーとして小学生でも充分に楽しめる。また、深読みをすれば、かのこちゃん一家を通した家族愛、 玄三郎 、マドレーヌを通した夫婦愛についても考えさせる大人の為の童話でもある。

具体的なストーリー展開については、敢えて書かないでおこう。是非、実際に読んでマキメ・ワールドを楽しんで貰いたいからである。ただ、ひとつだけ。結末は、どちらとも取れる終わり方となっており、続編の可能性も残されている。余韻が心地好い。

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紙の本

中高生に読んでもらいたい、ほのぼのとしてちょっと切ないファンタジー

2010/05/27 14:17

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:YO-SHI - この投稿者のレビュー一覧を見る

 「鴨川ホルモー」や「プリンセス・トヨトミ」で、奇抜な設定で笑わせたり、呆れさせたりしてくれた著者の次なる作品は、ほのぼのとしてちょっと切ないファンタジーだった。タイトルになっている、かのこちゃんは小学校1年生の女の子、マドレーヌ夫人は外国語を話すメスの赤トラの猫だ。
 かのこちゃんは、お父さんとお母さんと暮らし、犬の玄三郎を飼っている。ある豪雨の日に、マドレーヌはやってきた。そのままかのこちゃん家に住み、玄三郎と夫婦になった!?マドレーヌ夫人が話す「外国語」とは、犬の言葉。正確には玄三郎の言葉が分かる。

 第1章と3章はかのこちゃん、2章と4章はマドレーヌ夫人の視点から描かれている。かのこちゃんの元気さが微笑ましい。かのこちゃんは、難しい言葉で変な響きを持つものが好きだ。「やおら」とか「すこぶる」とか「いかんせん」とか「ふんけーの友(刎頚の友)」とか。
 そんな中で「茶柱」のエピソードは出色だ。かの子ちゃんがもう少し成長していたら、このエピソードは生まれなかっただろう、小1限定と言える。これは「はなてふてふ」とともに、著者のユーモアが垣間見られる部分だ。まぁ、これじゃ何のことか分からないと思うが、詳しい説明は控えるので読んで確かめて欲しい。

 そしてマドレーヌ夫人は、実に優雅で愛情深い。昔から物語に度々登場する「猫の集会」が、この物語でも重要な場面なのだけれど、そこでも一目置かれる存在だ。そして、仲間や玄三郎やかのこちゃんを想う心と行動に心洗われる思いがする。
 対するかのこちゃんもマドレーヌのことを誰よりも理解している。1人と1匹が、人間と猫という関係よりほんの少し近づいた触れ合いを見せる感動物語。本書が属する「ちくまプリマー新書」は、中高生対象の新書シリーズだそうだ。確かに中高生に読んでもらいたい本だ。

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紙の本

生真面目なマキメさんらしい素敵なファンタジー

2010/05/20 13:47

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:nyanco - この投稿者のレビュー一覧を見る

手に取ってみると、あ!これは猫だったんですね!
WEBではチューリップか何かだと思っていたんで…。
アカトラの美しいマドレーヌ夫人のお姿でしょう。

物語は猫たちの集会での会話から始まります。
今回は鹿じゃなく、猫なのね…(あ、でもファンのために鹿ネタが1回出てきますw)
キジトラの和三盆、三毛猫のミケランジェロ、老猫・キャンディー。
キャンディーはマドレーヌ夫人にお願いをします。
外国語を話せるマドレーヌ夫人を通じて、夫に伝言を頼みたいと…。
マドレーヌ夫人の夫は、犬の玄三郎。
マドレーヌ夫人の話せる外国語とは犬である夫・玄三郎との会話のことだったのです。
マドレーヌも玄三郎も他の犬や猫の言葉は解らない。
お互い同士の言葉だけが解る。
そう、それは愛のなせる技…。
半年前の嵐の日に二人は巡り会い、夫婦となりました。

マキメワールド、今回は児童書にチャレンジです。
少しファンタジーの入った優しいマキメなら、この選択もあり、かな。

マドレーヌ夫人と玄三郎の出会いのシーン、そして年老いた玄三郎との別れのシーン、出会いと別れのシーンはまるで映画のように美しい。

この作品を描くにあたって小学生たちを取材したというマキメさん。
やっぱり真面目な方なんですね。
かのこちゃんが可愛く、そしてクラスの様子がリアルに描けていると思います。
かのこちゃんの夏休みの自由研究、「マドレーヌのお散歩地図」をクラス皆で仕上げていくシーンが楽しい。

玄三郎が死に、かのこちゃんがマドレーヌに
「玄三郎がいなくなったんだから、マドレーヌがどうするか決めていいよ」と三日間の猶予をくれます。
そして、マドレーヌがかのこちゃんに最後の恩返しをしたのは…。

マキメワールドの真骨頂であるべき、マドレーヌの変身活躍シーン、ドキドキワクワク感がイマイチ伝わりにくかったのがちょっと残念。

優しく真面目なマキメさんらしい児童文学でした。
でも、そろそろ破天荒なマキメワールド炸裂したのも、ひとつヨロシクお願いします。

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紙の本

小学生の女の子を見るとかのこちゃんかなと思ってしまいます

2010/06/14 23:21

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:さあちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

 京都・奈良・大阪と奇想天外な大きな世界を描いてきた万城目さんの新作は小学校1年生のかのこちゃんとお父さんとおかあさんそしてかのこちゃんが生まれる前からお父さんと暮らしている犬の玄三郎。1年前にふらりと現れた猫のマドレーヌ夫人。そんな小さな世界をかのこちゃんとマドレーヌ夫人の目を通して描いている。
 この小さな目はなかなか好奇心にあふれおりかのこちゃんの廻りの世界が生き生きと語られている。一方マドレーヌ夫人の目からは不思議な猫の世界が語られる。どちらも同じ世界の事が無邪気な子供の目と思慮深い大人の目から語られている。そのバランスが心地よい。
 かのこちゃんが経験することは多かれ少なかれ誰しも身に覚えがあることだ。だからこそ懐かしい。あの蝉の鳴く一年生の夏休み。素晴らしい。
 一方マドレーヌ夫人の体験は驚異と幻想に満ちている。特に夫玄三郎との別れのシーンは美しい。愛する者との別れが淡々と語られそれが切ない。いいシーンだと思う。
 この作品は登場人物それぞれに感情移入ができる。かのこちゃんにマドレーヌ夫人に玄三郎にお父さんにおかあさんに。だからこの作品かこころにほのぼのと染み入るのだろう。
 

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2010/02/09 20:45

投稿元:ブクログ

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2010/01/29 21:35

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2010/01/28 21:29

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2010/02/02 23:01

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2010/01/30 21:02

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