紙の本
入門書としても読み物としても良い
2018/08/25 20:25
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投稿者:T - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者は知財、エンタメ関係の法務に携わる人ならば知らない人はいない有名な弁護士である。読み物として普通に面白く、すらすら読めるが気付くと著作権法の基礎がわかっているという良書。
紙の本
著作権とそれへの “挑戦” に関する諸問題を理解するのに最適
2011/01/07 00:35
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Kana - この投稿者のレビュー一覧を見る
「著作権の世紀」 というタイトルからは 20 世紀のことだけを書いているような印象をうけるが,実際は 21 世紀にはいってからのクリエイティブ・コモンズや 「グーグル・ブック検索」 に関する訴訟と和解などについてが半分以上のウェイトをしめている. これらは著作権に挑戦するこころみのようにみえるが,著者によればクリエイティブ・コモンズは 「著作権を前提にしてその条件を一部緩和したいときに有効なモデル」 だという. 現代におけるこういう意味での著作権に関する諸問題を理解するのに最適な一冊といえるだろう.
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福井弁護士の著作権シリーズ第2弾。
世界はデジタル化されて、ネットワーク化が進み、情報はあふれるほど流通するようになった。これからもこの流れが加速する中で、交通整理をするのが著作権なんだと思う。
情報の流通を促進しつつ、著者の創作環境を守らなければいけない。
コンテンツを生み出す苦しさや難しさを知れば知るほど、僕の著作権への興味も膨らんでいく。
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目次
はじめに
第一章 情報の独占制度
第二章 対立するテクノロジーと著作権
第三章 多次的創作の時代-カヴァー、アレンジと二十世紀藝術
第四章 PD、オア・ノットPD、それが問題だ-著作権は何年間守られるべきか
第五章 アーカイヴィングの現在-電子図書館、番組ライブラリー、フィルムセンター
第六章 変容する著作権-リフォーム論、DRM、パブリック・ライセンス
第七章 疑似著作権と情報の「囲い込み」
終章 情報の「世界分割」
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勉強になりました。
なんでもかんでも著作権、な昨今の状況を整理するのに
役立つ本です。
こうしてレビューを書くときや、ブログに写真とかアップするとき、
身近に関係することたくさん出てきているしね。
そもそもグレーな領域の多い決まりごとではある。
でも建設的に議論していかないと、文化が尻すぼみになる危険もあると思う。
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多次的作品(コラージュ、モンタージュ)、アーカイブ化、著作権リフォーム、フェアユース、擬似著作権問題等々の懸案ポイントを網羅的にスキャンしており、問題全体を俯瞰できた。
主張が錯綜した事柄、法的にグレーな事柄を形式的に割り切らず、事柄に即してクリアに出来るまで説明していて、具体的な争点の把握に便利。
特にお袋さん問題での著作権人格権とJASRACの問題などは興味が持てた。
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最近ニュースになった著作権絡みの問題を例に挙げている。
著作権を死守!という立場を貫くものではなく、メディアの多様化、
ネットの発達等にあわせ、
今後著作権をめぐる問題は様々な方向へ向かっていくことが予想され、
そのことについて考えさせられた。
クリエイティブ関連の仕事に携わる人にとっては、最初は自身の想いを発表できれば満足であったはずなのに、やはり利権や金銭が絡んでくると、
著作人格権、著作隣接権について主張していってしまうのが人間の性かもしれない。
日本と諸外国のビジネスモデルの違いもあるので今後めまぐるしく変わる分野であるが、キャラクターやコンテンツビジネス大国日本としては、
いっそう規制がかかってしまいそうな気がして、非常に悲しい。
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[ 内容 ]
著作権は、「作品」という情報を占有するための、最強の制度である。
ディジタル化やネット化で情報の海が爆発的に広がり、作品の囲い込みが技術的に難しくなっている状況下、著作権の存在感はますます大きくなっている。
世界的にコンテンツ産業の再編が進行している現在、著作物の独占と共有のバランスはどうあるべきか。
豊かな芸術文化が育まれる制度とは?さまざまな事例を挙げながら、変りゆく著作権のかたちを第一人者が解説する。
[ 目次 ]
第1章 情報の独占制度
第2章 対立するテクノロジーと著作権
第3章 多次的創作の時代‐カヴァー、アレンジと二十世紀芸術
第4章 PD、オア・ノットPD、それが問題だ‐著作権は何年間守られるべきか
第5章 アーカイヴィングの現在‐電子図書館、番組ライブラリー、フィルムセンター
第6章 変容する著作権‐リフォーム論、DRM、パブリック・ライセンス
第7章 擬似著作権と情報の「囲い込み」
終章 情報の「世界分割」
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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さくさくっと読めてしまう。
かなり記憶から遠ざかりつつあるが、
川内康範と森進一との間でトラブルになった、
『おふくろさん』における著作権上の解説あり。
ジャスラックの立ち位置もよくわかったが、
音楽の著作権というのは、作詞と作曲で権利が別なのがややこしい。
著作権法の基礎を学ぶというよりも、
興味関心を喚起する本というべきか。
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特に勉強になったこと
擬似著作権(著作権以外の権利として保護されているものと、そもそも保護されていないものの両方)についての部分
許諾を得るためのコストのうち、権利者に支払われない部分の膨大さ
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「著作権とは何か」の続編のようなもの。バージョンアップし、中身も発展的に。今回から「索引」が付いたので、調べたいものがある人にとっては便利だと思います。
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ネットの本格的な普及、社会のデジタル化を受けて最も議論が多いイシューの一つである著作権。本書は弁護士である筆者が豊富な事例を挙げつつ現状の問題点や論点をわかり易く説明している。
なによりも、現場に近い筆者の「簡単ではないが皆で考え変えていかねば」というアツい気概が、しかしソフトに伝わってくるのが良い。
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デジタル複製が容易になり、多くの人がインターネット上で情報発信や多次的創作を行える現在、近代的な個人(作者)の意識に基づいて作られた著作権という制度のあり方が問われている。この本では、「おふくろさん騒動」「464jp」など近年のアクチュアルな問題を扱いながら、著作権をめぐる現在の動きをコンパクトにわかりやすく説明してくれている。個人的には、19世紀のベルヌ条約が基本となっている著作権という発想それ自体が、もはやかなりそぐわないものとなっている気がする。DRMなどアーキテクチャによる制限が先行しそうな現状にあって、豊かな芸術文化を生み出すために、著作者の権利として何を/どこまで守るべきなのか、議論を深める必要があると感じた。前著「著作権とは何か」とセットで読むと良い一冊。
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著作権は学生時代に少し学んだけれど、無方式であるがゆえにグレーな点も多く、実際に実務として取り扱う場合は非常に困難な判断を強いられることもあるお思う。その際に何らかの参考になれば後々生きてくるかも・・・と思って購入。新書だけど情報量は多く、現在の著作権制度のスキが簡潔にまとめられている良書。
特に最近は「擬似著作権」が多く周りに跋扈しているような気は確かにする。
マナーとか良識とか常識とか、必ずしも守ることが強制されていない根拠に基づいているのはあくまで「お願い」であるはずだが、それがあたかも法律によって規定されていると意図的に感じさせているのは始末に悪い。
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失敗しましたぁ~(笑)。
積んでおいた未読新書を読み始めたのですが、この本、もっと早く読んでおけば良かったです。
著作権関係の本は、何冊か読んでいるんですが、こちらが一番読みやすく、楽しく(笑)読み進める事が出来ました。とても平易に、わかりやすい言葉を選んで書いて頂いているので、著作権に関して全くの初心者の人にもお勧めの一冊ですね。
全てが事例ベース、しかもその事例が取っつきやすい、とても身近に感じられるものなのも要因かな。また、所々にウィットがあって、僕は電車の中でニヤニヤしてしまいました(^^;)。あとがきにも書かれていましたが、著者の福井さんは、著作権を自分たちの問題、今、そしてこれからの課題として抵抗無く捕まえる事が出来るように、若い年代の方や色々なジャンルの方からお話を聞いていらっしゃるんですね。好感が持てます。おそらく、お亡くなりなったお父様のステキな影響を受けられているんでしょうね。
個人的には最終章『情報の「世界分割」』が嬉しかったです。わずか10Pなんだけど、本書を図版一枚でまとめて頂いています。この方の講演は、わかりやすくまとめやすいんだろうな、と想像出来る内容になっています。急ぎの方は、ここから読み始めても良いかも?もちろん、保証はしませんが(^^;)。
と言う訳で、納得の☆4つです。
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集英社ホームページから。
情報占有の「最強」制度著作権の現在が分かる!
ディジタル化やインターネットの影響は?
コンテンツ産業の世界的再編のゆくえは?
著作権は、「作品」という情報を占有するための、最強の制度である。ディジタル化やネット化で情報の海が爆発的に広がり、作品の囲い込みが技術的に難しくなっている状況下、著作権の存在感はますます大きくなっている。
世界的にコンテンツ産業の再編が進行している現在、著作物の独占と共有のバランスはどうあるべきか。豊かな芸術文化が育まれる制度とは? さまざまな事例を挙げながら、変りゆく著作権のかたちを第一人者が解説する。
http://shinsho.shueisha.co.jp/kikan/0527-a/index.html
福井 健策(ふくい けんさく)
弁護士・ニューヨーク州弁護士。一九九一年東京大学法学部卒業、九三年弁護士登録(第二東京弁護士会)。米コロンビア大学法学修士課程修了。二〇〇三年骨董通り法律事務所For the Artsを設立。専門分野は芸術文化法、著作権法。日本大学藝術学部客員教授、「著作権保護期間の延長問題を考えるフォーラム」世話人、各審議会・委員会委員を務める。著書に『著作権とは何か―文化と創造のゆくえ』、編著書に『エンタテインメントと著作権』全四巻など。