紙の本
ページ数が短すぎた。サラッと内容をおさらいするにはいいかもしれないが、これで終わりにして欲しくない一冊。読者の方には是非小説版も読んで欲しい。
2010/05/22 22:19
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みす・れもん - この投稿者のレビュー一覧を見る
「源氏物語」は、田辺聖子氏の「新源氏物語」と、大和和紀氏の「あさきゆめみし」を読んだ。与謝野晶子氏の「源氏物語」も少しかじっている。
「新源氏物語」は小説にして3冊。「宇治十帖」が2冊。
「あさきゆめみし」はコミック文庫にして全7冊。
決して短い物語ではない。
これを、いかにしてあれほど薄いページ数にまとめているのかと興味があった。
ページにして200ほどである。
さて、正直なところを言うと・・・。
ページをめくってすぐにガッカリした。
絵が違うのである。
どう考えても美少女ではないし、美少年ではない。
「光る君」が光っていないのである。
これは好みの問題かもしれないけれど、「あさきゆめみし」の美しい絵になじんでいる私には大きな問題だった。
そしてやはりページ数の問題か、はしょりすぎ。
情緒がなさ過ぎるのだ。
とても説明的なところが多すぎて、心の移り変わりが表せていない。
「まんがで読破」シリーズには、通常の580円版のほかに、920円版のページ数が多いものがある。そのページ数ならば、今少し突っ込んだ描き方ができたのではないかと思う。
このページに宇治十帖まで組み込むのは無理がある。
しかし、ただ単に源氏物語の筋をなぞりたいだけであれば充分なのかもしれない。
私にはとっても物足りないけれど。
初めてこの本を手にとって、「源氏物語」ってこんなもんなのね、と思って欲しくない。
もっと人間味溢れた人の苦悩や楽しさ、妬み、恋愛の難しさ。そんな、心の動きが描かれた物語なのだ。
人から見れば満ち足りた人生であろうと思われた光源氏の生涯埋められなかった心の空洞。
そして、共に得られなかった女性の代わりにと愛を受けた藤壺の宮と紫の上の苦しさ。
自分でさえ制御できないほどに嫉妬の心にとらわれてしまった六条の御息所。
光源氏の正妻でありながら、最後の最後になるまで心を通じることができなかった葵の上。
娘まで成しながら、その娘に仕える身とならなければならなかった明石の上。
そのほかの女人たちとの粋なやりとり。
まぁ、言ってみれば光源氏の恋多き人生の物語なのだけれど。
それでも、きらびやかで切なく、時には楽しい、壮大な恋の物語なのだ。
本書で初めて「源氏物語」を読んだ方々には、是非とも小説でも読んでいただきたく思う。
おすすめは、前述した田辺聖子氏の「新源氏物語」か、大和和紀氏の「あさきゆめみし」である。
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教養1冊目
量が多いと避けていたが、ざっくり理解するということで。
感じたポイントは
「階級社会」と「自己反省の精神」
結婚が自分の生まれた家によって、ほぼ決まる時代。
親の立場が自分の人生にそのまま反映する。
今の世界でも、同じようなことがあるが
現在の日本は、いたって公平だと感じる。
所得によって教育にかけるお金が変わり
教育格差といわれているが、平安時代は格差どころの話ではない。
それぞれ時代に対して不満は違えど、完璧というものはないと思う。
時代を嘆くのではなく、受け入れてその中で生き抜くことが大切だと感じた。
「自己反省の精神」
他人から裏切られたりしても、自分の行い、存在がいけないと考える。
少しでも、自己中心的な人は見習うべきものだと思う。
自分自身、そこまで愛する人に対して尽くし、自分を犠牲にすることができるだろうか。
日本人の尽くす心は、素晴らしい。
原書もいずれ読みたい。
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「源氏物語」は原文で読めなくても、
現代語への翻訳がたくさんあるし、
翻案のマンガ作品は他にもある。
でもどれも長かったり、
子供向けの教材用だと描写が物足りなかったりする。
その点、このマンガは大作を短くまとめていて、
素早く起伏に富んだ展開が飽きさせない。
プルーストのマンガと同様、
原作の魅力とは違うけれども、
それでも優れた入門書だ。
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絵が……。
中学生や高校生が、源氏の入門として読んでこれで興味持ってくれるのかな…。
それには、マンガのタッチがまずちょっと古いような…。
これだけざっくりまとめたのは勇気ある行為なのかそれとも検討がされていないのか…。
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「源氏物語」は、田辺聖子氏の「新源氏物語」と、大和和紀氏の「あさきゆめみし」を読んだ。与謝野晶子氏の「源氏物語」も少しかじっている。
「新源氏物語」は小説にして3冊。「宇治十帖」が2冊。
「あさきゆめみし」はコミック文庫にして全7冊。
決して短い物語ではない。
これを、いかにしてあれほど薄いページ数にまとめているのかと興味があった。
ページにして200ほどである。
さて、正直なところを言うと・・・。
ページをめくってすぐにガッカリした。
絵が違うのである。
どう考えても美少女ではないし、美少年ではない。
「光る君」が光っていないのである。
これは好みの問題かもしれないけれど、「あさきゆめみし」の美しい絵になじんでいる私には大きな問題だった。
そしてやはりページ数の問題か、はしょりすぎ。
情緒がなさ過ぎるのだ。
とても説明的なところが多すぎて、心の移り変わりが表せていない。
「まんがで読破」シリーズには、通常の580円版のほかに、920円版のページ数が多いものがある。そのページ数ならば、今少し突っ込んだ描き方ができたのではないかと思う。
このページに宇治十帖まで組み込むのは無理がある。
しかし、ただ単に源氏物語の筋をなぞりたいだけであれば充分なのかもしれない。
私にはとっても物足りないけれど。
初めてこの本を手にとって、「源氏物語」ってこんなもんなのね、と思って欲しくない。
もっと人間味溢れた人の苦悩や楽しさ、妬み、恋愛の難しさ。そんな、心の動きが描かれた物語なのだ。
人から見れば満ち足りた人生であろうと思われた光源氏の生涯埋められなかった心の空洞。
そして、共に得られなかった女性の代わりにと愛を受けた藤壺の宮と紫の上の苦しさ。
自分でさえ制御できないほどに嫉妬の心にとらわれてしまった六条の御息所。
光源氏の正妻でありながら、最後の最後になるまで心を通じることができなかった葵の上。
娘まで成しながら、その娘に仕える身とならなければならなかった明石の上。
そのほかの女人たちとの粋なやりとり。
まぁ、言ってみれば光源氏の恋多き人生の物語なのだけれど。
それでも、きらびやかで切なく、時には楽しい、壮大な恋の物語なのだ。
本書で初めて「源氏物語」を読んだ方々には、是非とも小説でも読んでいただきたく思う。
おすすめは、前述した田辺聖子氏の「新源氏物語」か、大和和紀氏の「あさきゆめみし」である。
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紫式部・光源氏・身分・出家
「源氏物語」は前にまんがで読んだことがあったけど
こうやって読み直してみると
けっこう人間関係がややこしい物語だったんだな。。。
それにしても、この時代に女性が
こんなに複雑な物語を書いていたというのがすごい。
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簡単に名作を読めればと思い手にとった。
源氏物語を書いた紫式部の女性らしい視点でかかれた
源氏は根っからの女好きであったのがよくわかった。
人間関係図も漫画であれば、相関図が組み立てられ
複雑な関係をしることができた。
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他の作品を借りるついでにレンタル版デジタルコミックで。
……ていうか、大体後悔するのがオチだから、
もういい加減、このシリーズに手を出すのはやめようと思っているのになぁ。
画風とストーリーの運びをコメディ寄りにして駆け足で――といった印象。
説明的な、学習まんが風テイスト。
でも、人物の関係がわかりやすい点は良。
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ダイジェストとしては良い。要約でいいから振り返りたくなったら、再読すると思う。
たくさんの女性たちとの恋は省略されているし、描写に不十分さも感じるが、一応、最初と最後は合っている。
ただ、最初にある人物紹介は混乱を招く。源氏物語だけは、人物相関図が良いと思う。
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歴史の授業で内容まで学んだ記憶がないので、『源氏物語』と言えば「紫式部」しか想像できなかったのですが、いざ、読んでみると面白いですね。何が面白いかって、いつの時代も恋愛は変わらないなぁーと(笑)。
いつの時代も、男性は正直で単純な生き物、女性は隠し続けるのが上手な生き物。
いつの時代も、男性は女性を不幸にするだけ。時間は戻らないのだから、女性を待たせることは罪。
いつの時代も、恋愛は束縛したくなるものだけど、束縛すればするほどに相手は逃げていく。
・・・と書きましたが、僕は、新入社員当時からずっと女性(の先輩方)に囲まれた社会人生活を送ってきました。女性が活躍する職場から新しい価値が創出され続けるを経験&体感してきました。「女子力」という言葉が世の中で使われる、ずっと、ずっと前から感じている女子力。エモーショナルな価値創出に溢れるオフィス。女性が輝くオフィスは、男性も輝いていました。そういう環境で、多くを学ぶことができて感謝しています。
だからこそ、女性が「専業主婦」という均一化した存在にならず、また、させることなく、女性が飛躍&活躍できることを望んで止みません。
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おすすめ度:70点
登場人物が多岐にわたるにもかかわらず、顔がみな同じ(に見える)ため、内容が頭に入らない。
主な登場人物の紹介にページをもっと割いて、源氏との関係が分かるように示して欲しかった。
源氏亡きあとの、「宇治の浮舟」の物語が良かった。
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センターで源氏きそうだ!!!と勝手に思って熟読しました(実際はセンターはおろか私大入試でもお目にかからなかった)
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西暦1000年ごろに誕生した王朝ロマンス『源氏物語』。主人公は帝と桐壷の更衣の悲恋の末に生まれた皇子、光源氏。生まれもった美貌と才能で多くの女性を魅了し虜にしていく。本当の愛を探す人生の果てに見えてきたものとは…?さまざまな人間模様が交錯する70年にも及ぶ物語。海外でも愛読されている宮中恋愛小説の古典を漫画化。
《あらすじ》
●物語の前半●
源氏が様々な女性と付き合っていく恋愛過程を描いている。(伊勢物語似)。
母親に似ているという理由で父親の後妻に入った「藤壷の宮」に憧れ、一度だけ逢瀬を持ち、不義の子供を作ってしまうが、それ以後は会うことさえ叶わない。
そのやり場のない思いから、少しでも藤壷に似ている人を探しながら様々な人と付き合う。
一方で、藤壷の姪である「若紫」も引き取り、幼い時から自分の手元に置いて、藤壷(=母親)のような理想の女性に育てあげて、後に自分の妻にする。
●物語本編の後半●
身分的には順風満帆で栄華を極めていくように見えるが、逆に恋愛面では因果応報、報いを受けることになる。
「女三の宮」という身分の高い新たな妻を正妻に迎えたことで、それまで正妻のような立場だった最愛の妻の「紫の上」(=若紫)がショックを受けて病になり死ぬ。
しかも女三の宮は期待したような妻ではなく、面白みも教養もない妻。
その上、源氏が息子のように目をかけていた柏木と密通してしまい、不義の子供を儲けてしまう。
若い頃に自分がした行い(=父親の妻を寝とる)を、老いてから自分もやられて、父親の気持ちを経験することになる。
源氏は世の無常を悟り、出家を志す。やがて源氏も死に、物語本編は終わる。
一見単純な恋愛物語に見えるが、「栄あるものは滅びる」「因果応報」「無常」という、仏教思想が根底にある物語。
●番外編の宇治十帖(うじじゅうじょう)●
源氏の死後の物語。
不義密通してできた女三の宮の息子、「薫」と、源氏の息子の息子(つまり孫)の「匂の宮」が主人公。
こちらも恋愛物語に見えるが、最終的には成就せずに無常感で終わる。
因果応報は子供、孫の代まで続くという思想が見て取れる。
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まんがで読破を読破するシリーズ。
源氏物語は「あさきゆめみし」を読んだことがあるだけに、端折り過ぎの感が否めない。本シリーズ全部そうなんだろうけど。登場人物の感情の機微が描かれていないよな。
それにしても、源氏も薫も自己中心のクズ男ですよね。でも、そんな男に魅かれてしまうダメンズウォーカーがいて、それを書いた読み物は、どの時代でも求められていると。
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2018/08/18
「あさきゆめみし」よりも(当然ながら)ざっくりと
あらすじを追っているので、全体をつかみやすい。
それでもかなり長いけど。
こうしてみると、源氏は本当にクズう。。。
演題の価値観点で見るべきではないけれど、それでも女の敵であるよ。
それはそれとして、「男女の情」階級、身分、しきたり、と
様々なもので縛られていた時代を、最大限に利用し
こんなストーリーを描き切った、紫式部という人間は
どんな女性だったのだろう。