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W杯に群がる男たち 巨大サッカービジネスの闇 (新潮文庫)
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紙の本
欧州を中心に、全世界にまたがるサッカービジネスの舞台裏を描いたノンフィクション
2010/06/10 22:36
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:サトケン - この投稿者のレビュー一覧を見る
欧州を中心に全世界にまたがるサッカービジネスの舞台裏を、FIFA、UEFA、電通、アディダスといった組織や企業と、個性豊かなアクの強い登場人物たちとその人脈を中心にして描いたスポーツビジネス分野のノンフィクションである。
南米大陸ブラジルのアベランジェが、なぜFIFA会長として、欧州中心のサッカー界でのし上がることができたのか。この問いに対する著者の探求から始まる本書は、欧州、南米、北米、アフリカ、アジアと、現在ではすべての大陸にまたがる巨大ビジネスと化したサッカー界が、いかなる構造となっているか、そのなかでプレイヤーとしての日本の存在がいかなるものであるのか、を知ることができる内容になっている。
善戦してきたとはいえ力(ちから)及ばずというのが、偽らざる日本の姿であろうか。ピッチの上だけではなく、舞台裏でもそれは変わらなかったのである。
私にとってもっとも興味深かったのは、この欧州中心のビジネスのなかに、なぜ、そしていかにして日本の電通が食い込み得たのかについて、その経緯を詳しく知ることができたことだ。
登場人物たちが展開する権力闘争は、オリンピックもそうだが、限りなく密室政治に近い様相を示している。理事に選出され、インサイダーに成らない限り、情報を得ることができないという閉鎖的な世界。ビジネスにおけるポリティクスという観点からも面白いノンフィクションであった。
2010年6月にはFIFAワールドカップ南アフリカ大会が始まるが、巨大ビジネスと化したサッカービジネスの行方については、ぜひ著者による続編を読んでみたい。