紙の本
やるせない気持ち
2021/11/28 09:14
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投稿者:岩波文庫愛好家 - この投稿者のレビュー一覧を見る
刑事物という内容で、ストーリーとしてはミステリー小説です。
読了して色々思い巡らせてみました。○○である前に人間である・・。こういう台詞は時折耳にします。本書では刑事である前に人間である・・。
一般的に○○である前に人間である、の台詞は肯定的に捉えられます。但しそれは○○に入る言葉を限定します。なんでもかんでも認められる訳ではないという事です。
他方で同情という捉え方もあります。そう考えたくもなるわな、という気持ちです。
とは言いつつ、では同情するから、良しだと断定出来るのか?・・そうとは言い切れない。そもそも人道的に許されるのか、という見方がもたげてくる訳です。私はこの気持ちに傾倒しました。
人間は弱く、不完全な生き物であり、それ故にそれに立ち向かう姿勢が美しい・・。ただ中々その様に振る舞えない、だからこそ頑張ってもがく、月並みですがこの繰り返しである気がします。
紙の本
刑事の家族も巻き込んだ事件に引き込まれる
2019/07/06 08:22
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投稿者:タラ子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
堂場瞬一さんの本を初めて読んだが、とても楽しんで読めた。
あまり刑事ものは読んでこなかったので、自分の勘を大切にし、瞬時に的確な判断と洞察力を要する刑事の仕事の大変さを知った。
また愛する人が事件に巻き込まれ、自分の前から去ってしまうという主人公の悲しみから、刑事の孤独さも感じた。
天職と周囲も自分も思っていた刑事を辞めた鳴沢刑事が今後どうなるのか続編も読みたい。
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新潟で祖父・父と3代続く警察官の家庭に生まれ、自分もなるべくして刑事の道にすすんだ、鳴沢了。
推理モノと言うより鳴沢の心の描写が好きです。
シリーズ第一弾。
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新宿鮫とちがって刑事物と言うよりは一人の男の心理描写を警察の仕事を通して書いてるって感じかね。わりと好き
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映画「ブリット」を思わせる新警察小説。あそこまでスタイリッシュではないが、新潟が舞台という日本的背景の中で、その映画のようなテイストは生かされていると思う。
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祖父・父を継いで、幼いころから刑事になることを天職と考え、正当な理由と権力を持って人が人を狩ることの快感を本気で信じている人物が主人公。
かつての新興宗教の教祖が殺された事件を探るうちに、50年前の殺人事件に繋がって、人格者であるはずの祖父の影が見えてくる。。。
四角四面で頑固で協調性もない、とても感情移入できそうにないキャラクターですが、最後には、どう信念を通したものか、うやむやのような形で終わってしまいます。人間が円くなっていくという成長物語なんでしょうか。とりあえず、次巻には目を通さずには済まされそうにないようです。
それにしても、新潟はまだ行ったことも無いし、ここを舞台にした小説も、ほとんど読んだ記憶がありません。米所とか地震とかのイメージしかありませんでしたが、本書を読んで都市としてのイメージもぼんやり見せてもらえました。そろそろ東海北陸自動車道も貫通するので、その際には是非ともひとっ走りして行ってみたい所です。
(2008/2/21)
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面白かったです。堪能できました。刑事・鳴沢了シリーズ第1弾です。事件はほぼ予想通りの展開だったけど、ラストの展開は予想外でした。次作以降、鳴沢了はどうなるの?非常に気になります。
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刑事 鳴沢了シリーズ・・・というわりには、主人公の魅力がイマイチ伝わってこなかったな。
一人称なので、本人の描写があまりなく、言動でもどうもとらえにくい・・・こういう物語は物語以上にキャラの魅力が需要だと思う。いっそ三人称の方が良かったんではないですか?
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主人公の人物像を中心に書かれた小説であり、シリーズものの1作目としてはいいのかもしれないが、単品としてみたときには厳しい。
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祖父・父も刑事の鳴沢了。
老女・本間あさが殺される。「天友会」という宗教団体の教祖だったらしい。新米刑事・大西海と組む。新谷に愚痴を言ったり鋭く指摘をされながら少しずつもつれた糸がほどけるように。最後はなんだか寂しい思いになった。次も読んでみるかな。事件がらみで喜美子と会い惹かれ合う。2人の関係も気になるところ。頑固というか曲がったことを嫌う正義感の塊みたい。妥協のできない許せない性格。2008.5.25
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ストイックで少し屈折した主人公鳴沢了。
最初は少し読み進めるのに抵抗があったけど途中からはグイグイいけました。
気がつけばシリーズ8作読了。
少々無理な設定もあったけど面白く読めました。
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俺は刑事に生まれたんだ
―祖父・父を継いで新潟県警捜査一課の刑事となった鳴沢了は、
晩秋の湯沢で殺された老女が、かつて宗教教団の教祖で、
五十年前に殺人事件に関わったことを突き止めた。
了は二つの事件の関連を確信するが、
捜査本部長の父はなぜか了を事件から遠ざけるのだった。
正義は、そして歳月は、真実を覆い隠すのか?新警察小説。
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警察小説というよりは、主人公の成長を記した小説と感じた。
最初、なんだかいらいらするなーと感じたが、(主人公の性格とか!?)物語が進むにつれてドキドキしながら読んだ。
読んで損はない1冊だと思う。
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刑事−鳴沢了シリーズ1作目。
ただの意固地で強情っ張りな、単におじいちゃんにばかり懐いて父親に歩み寄ろうとしない図体ばかりがデカく、歳だけはいっちょ前に29歳の小学生みたいな主人公にはどうも感情移入しにくい。
そこまで父親を拒み続ける根源と、それに見合うだけの理由と確執があるならいざ知らず、それすらもそもそも弱く納得するに至らない。女々しく、いつまでも愚図愚図やってるだけで、軽く潔癖が入った様な鳴沢了には魅力を感じない。大西海の方が未だマシだった。仮にも主人公なんだから、もう少し丁寧に且つ魅力的に描いて欲しい。シリーズ物みたいなので、今後の鳴沢了の成長に期待。
ストーリー自体は多少無理矢理っぽい気がしないでもないけど、展開は楽しめたし何よりテンポ良く読み進められたので、その点だけは良かった。今回の舞台は故郷の新潟・西新潟署所属だったけど、次回は「雪虫」での一件で故郷を捨て、警視庁の採用試験を受けて多摩署に配属される。さて、どうなるか−。
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刑事鳴沢了シリーズ1作目。
鳴沢新潟時代の物語。祖父、父親との交錯する
物語が今後の鳴沢の刑事意識を縛るために必要だった作品か。
とは言え、祖父に対しての了のとった行動自体は小説的にも
弱い気もする。そこまでのトラウマになるのかな...。
やけに書店で推してた為に読んでしまったが
ここから鳴沢漬けの日々になろうとは...。