１００万ドルの魔法使い （ラズベリーブックス）

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投稿者：めるる　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

ニューヨークの大富豪で、変わり者として知られるトリスタンは魔法の存在を証明した者に100万ドルを与えるという「マジックコンテスト」を開催します。しかし集まったのは金に目のくらんだペテン師ばかり。うんざりしかけたその時、会場上空に箒にまたがった女性が忽然と現れ、墜落したのです！　彼女はいったい何者なのか？　大騒ぎの中、また詐欺師に違いないと決めつけたトリスタンでしたが、箒にも女性にもしかけはないようです。疑いつつも、気絶から目覚めた彼女の黒く輝く瞳を見た時、氷に閉じ込められていたようなトリスタンの人生は一変します。彼女は本当に魔法使いなのか？　そしてトリスタンがコンテストを開いた目的とは・・・？

魔女狩りというツライ要素もありますが、全体的にはハラハラ・ドキドキの楽しい展開でした。
魔法とタイムトラベルという、それだけでワクワクしてきそうですよね。

ヒロイン、アリアンの性格が可愛らしく、300年後にタイムスリップして、現代のテクノロジーに驚く姿もかわいかったです。
しかし、彼女に惹かれながらもなかなか心を開けないトリスタン。過去を思えば分からなくもないですが、何かあるたびにアリアンを疑ってしまうのは、ちょっとマイナスかな・・・。

脇役のコパフィールドやボディガードのスヴェンもいい味だしてましたね。スヴェンがヤギに変えられ、戻ってからもヤギらしさを発揮する姿は笑いを誘います。

都合が良すぎるのではと思える点もありますが、ラストまで楽しく読めました。
悪役のアーサーはきちんと制裁を受けたのでしょうか。親子でトリスタンを騙していたのにはムカついたので、きっちり報いを受けてほしいものです。

続編で、二人の娘が中世イングランドの騎士と出会うという作品もあるようなので、タイムトラベル好きの私ですから、出たら購入、ですかね。