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商品説明
その「呪い」は26年前、ある「善意」から生まれた—。1998年、春。夜見山北中学に転校してきた榊原恒一(15歳)は、何かに怯えているようなクラスの雰囲気に違和感を覚える。不思議な存在感を放つ美少女ミサキ・メイに惹かれ、接触を試みる恒一だが、いっそう謎は深まるばかり。そんな中、クラス委員長の桜木ゆかりが凄惨な死を遂げた!この“世界”ではいったい、何が起こっているのか?秘密を探るべく動きはじめた恒一を、さらなる謎と恐怖が待ち受ける…。【「BOOK」データベースの商品解説】
恒一が転校した中学校のクラスは何かに怯えていた。不思議な存在感を放つ美少女に接触しても、謎は深まるばかり。そんな中クラスメイトが凄惨な死を遂げ、未曾有の恐怖が幕を開けた…。『野性時代』連載を加筆修正し単行本化。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
綾辻 行人
- 略歴
- 〈綾辻行人〉1960年京都市生まれ。京都大学大学院博士後期課程修了。87年に「十角館の殺人」でデビュー。「時計館の殺人」で日本推理作家協会賞受賞。他の著書に「最後の記憶」など。
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書店員レビュー
クラスというひとつの...
ジュンク堂書店鹿児島店さん
クラスというひとつの閉鎖された空間に感じる奇妙な歪み。
みんなは何に怯え、何から逃れようとしているのか。
この異様な結束は何なのだろう。
クラスの結束がこんなにも怖いものとは…
学生のころは考えませんでしたが、確かによくよく考えるとクラスの結束って、ある意味怖いものかも。
読んだあと、ゾワリとします。
ミステリ好きにもホラー好きにもお勧めしたい一冊です。
文芸文庫担当
紙の本
ホラーとミステリーが見事にブレンドされた作品。
2009/11/25 23:46
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:SPRINGーRING - この投稿者のレビュー一覧を見る
綾辻行人さんの待望の新作です。
著者の“囁きシリーズ”、特に「緋色の囁き」を彷彿させる作品。
そして、新しい綾辻作品の代表作が誕生したと言っても過言ではないでしょう!
ハードカバー677ページなので、その厚さに驚きましたが、
とても読みやすくて、どんどんとアヤツジ・ワールドに入り込めました。
この構成力。やっぱりとても好きです。
舞台は、1998年、春。
夜見山北中学に転校した榊原恒一くんが主人公。
恒一は、3年3組はクラス全体が何かに怯えているような異様な雰囲気に違和感を感じる。クラスメートの不思議な存在感を放つ美少女、ミサキ・メイに惹かれ声をかけるが、謎は深まるばかり。そんな中、クラスメートの1人が壮絶な死を遂げます。
26年前のホントに子どもらしい善意がもたらした、呪い
どこにでもいる等身大の中学生が遭う事件に背筋がゾワッと怖くなりました。子供の頃、学校の怪談や言い伝えって必ずあって、そのリアルな怖さを思い出しました。
3年3組の生徒たちが、一致団結したり、時には反発したり、話し合ったりしながら、謎を追及する姿は著者の新しい面をみたように感じました。(私は恒一くんとメイちゃんを応援したくなりました。)
ホラー色がとても強い作品ですが、ミステリーの醍醐味も忘れていないのが
綾辻作品の魅力です。真相(トリック)が分かった時は、“やられた!”と思ってしまいました。よく読むと伏線は散らばっているんですが、私はミステリーは好きだけど。犯人当てはダメみたいです。(でも、この「やられた!」って気持ちになりたくて、またミステリー小説を手に取るんでしょうね)
沢山の人にお勧めできる素敵な作品です。
紙の本
繰り返される悲劇の先にあるもの
2010/07/19 22:25
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:はぴえだ - この投稿者のレビュー一覧を見る
分厚い本で、読むのに苦労しそうな予感がしていたのだが、ページをめくり始めると、読みやすくするすると。途中からは手が止まらなくなる。
エンターテイメントに徹しているので、存外読みやすかったのだ。
主人公が中学生なので、悩みとかいろいろ延々と書かれてしまうと、停滞しかねないのだが、そういう書き込みはなく、さらっと進んでいくので、物語の展開だけに集中すればいい。
装丁や、あらすじを見ると、ホラーを連想させるような作りになっているが、読んでみると実は違う。
おどろおどろしい部分や、囁きシリーズ・殺人鬼シリーズを彷彿とさせるシーンもあるのだが、それだけではない。
謎がいくつもちりばめられていて、伏線がいくつもはりめぐらされている。ストーリーが進むにつれ、それらがきちんと回収されていくミステリ仕様となっていて、長大にも関わらず無駄が一切ない。
ホラーの要素が物語の世界上での決まりごととなっているので、パズラーとしてきちんと成立しているのだ。
クライマックスの、最大の謎が明かされる部分に至っては、意外性に満ちていて秀逸。
驚愕の後には、後日譚的事実が僅かだが語られる。非日常から日常へと帰結する役割を果たしていて、読者を現実へとすんなりと帰してくれる。
それは、夏の終わりの寂しさとどこか似ていて、せつなさをおぼえるのだが、読後感は悪くなく、むしろ良いな、と感じた。
ホラーとしても、本格ミステリとしても大変魅力的な作品で、手に取った読者は間違いなく虜にさせられるであろう1冊である。
紙の本
ホラーでもなくミステリーでもなく、新境地に立ち会えた面白み
2009/11/24 16:02
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:空蝉 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書を持って綾辻氏のホラーとミステリの融合が完成した、と見る人が多いだろうが、むしろどちらにも属さない新境地を開拓したと見るほうがしっくりくる。
そもそもホラーとミステリ、ことに猟奇的な殺人事件やおどろおどろしい伝説の類が絡んでくるものとは仲が良い。事件解決を目的とするかどうかという点を除けば、基本的にその中身は謎と恐怖に翻弄される人々が描かれ、いつしか読者もその一員となったような錯覚に陥り、彼らとともに恐怖、もしくはスリルを体験するという意味ではよく似ているからだ。
さて、ではこの作品はホラーか?ミステリか?その両方か?
おそらくは著者自信としては両者の融合を目指していたのかとも思われるし、それももちろん一つの見方ではあるが、ここではそのどちらでもない、という視点で読んでみた。
まずストーリーとしては学園ホラーの王道であり同時にミステリーの素質を十分に含んでいる。
転校生と彼だけに見える謎の少女、奇妙な現象に恐ろしい呪いと言い伝え、暗黙の了解に隠された約束とそれが破られたことにより始まった死の連鎖・・・。なぜこんな「クラスの決め事」があるのか?死者が続くのかを主人公は過去に問い続ける。
亡き母親の母校である田舎の中学校に三年生男子、榊原恒一は転入したのだが、そのクラス、3年3組はどうにも様子がおかしい。クラス中から「居ない者」として扱われる眼帯の少女、その昔クラスの人気者だった生徒が突然死し暮らすが一段となって「居るフリ」をし続けたという伝説、それ以降、3-3には死者が一人紛れ込み関係者が次々と死んでしまうという「超自然的現象」、それを阻止するために「申し送り」され続ける従うべきクラスの決め事。
死も謎も不可思議な現象も、ホラーでありミステリであるには十分なパーツがそろっているが、それらはどれもクールで、終わった物語を淡々と読んでいるような希薄さがある。
相次ぐ死にクラス全員が怯えているにも拘らず感情の塊であるはずの「呪い」は「超自然現象」という言葉に置き換えられる。
各章の冒頭に挿入される第三者的な会話(対話)文は盛り上がってきた臨場感を一気に噂話や怪談話の一つであるかのようにトーンを落とす。
さらに主人公が時折過去形で「今」を振り返るように語るのだから、読者はこの物語で彼が助かるだろうと安心感を得るだろう。そういう意味でなんとも温度の低い物語ではあるのだ。
なのに、面白い。見逃せない。
謎めいた少女が魅力的であったり、なんとも共感と好感をよぶ主人公や、細やかかつ謎を含んだ人間関係の描写の面白さに加えて、これほど淡々としていながらも、謎は謎のまま最後の最後まで引張られるもどかしさのさいだろうか。
ミステリにしては根本的な謎が解明されないまま結末を迎え、ホラーにしては恐怖の終結が保障されない、なんとも歯切れの悪い作品であるはずなのに、その冷めた前半~中盤と最後の大立ち回りのギャップに目を見張り、それこそ憑き物が落ちたように静かなラストを味わうだろう。
恐怖という感情によるブレもなく、論理的推理と現実によって味気ない結末を迎えるでもなく、程よい謎と感傷と仮初かも知れぬ安心を彼らと読者に与えて終わるこの物語は、やはりホラーでもミステリでもない。
綾辻氏の新境地、非常に興味深いものを読ませていただいた。
紙の本
本書全体に漂う妖しげな雰囲気がGOOD。
2010/10/26 16:52
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みす・れもん - この投稿者のレビュー一覧を見る
読書ブログを巡回していると、頻繁に出てくる作品。綾辻氏の作品は、デビュー作である「十角館の殺人」しか読んでいなかった。館シリーズと呼ばれるものをある程度手元に揃えて読む準備をしていたが、興味が抑えきれず、積ん読のまま本書を図書館で借りてきてしまった。
当然、ミステリだろうと思って読み始めた。私は読みたいミステリの情報は読む前にはできるだけ目にしないようにしているので、本書に関する知識もあまりなかった。どんなストーリーかも全く知らなかったのだ。
冒頭から、何やら妖しげな雰囲気が漂う。<呪い>だの、<いないもの>だの、”不思議オーラ全開の少女”だの・・・。これはミステリではないのか?
ミステリ、というより推理小説の定義としては、恐らく「超常現象」や「霊の存在」などが介入するストーリーは除外されるのだろう。そう考えると、本書はミステリではなく、ホラーの部類に入るのかもしれない。けれど、魅力的な謎はあらゆる所に散りばめられていて、伏線も見事。ミステリと呼びたいが、やはり「理論的に説明できない現象」が前提となっているので、無理か・・・。
最初、本の分厚さに「読み終えるのに何日かかるんだ・・・?」と心配したけれど、読み始めてみるとあっという間だった気がする。いったん本を閉じても続きが気になってまた開く。開くと今度は閉じるのが難しい。いろんな謎めいた言葉が気になって気になって仕方ないのだ。
やはり一筋縄ではいかない作家だ。
はまってしまった・・・。
紙の本
非道、でいえば西澤保彦『収穫祭』の教師はもっと非道だし、大量に人を殺すなら貴志祐介『悪の教典』のほうが凄い。これで新境地はないでしょ。
2010/09/13 20:23
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
じつは、です。綾辻行人の小説が理解できないのです。『びっくり館の殺人』本格ミステリでいえば、ワケが分からん、というのではないのですが、上手いなあ、って唸ったことがありません。最近書き始めたホラーになるともっと分からない。『最後の記憶』『深泥丘奇談』も、編著である『贈る物語Mystery』もピンときません。おまけに今回取り上げる『Another』、遠田志帆の装画がなぜか怖いです。
大学生になったばかりの次女などは大層怖れていました。それとタイトル文字です。これが怖い。無論、怖がらせよう、っていう気満々のデザインだとは思いません。頁数があるので、それとこのカバーであればファンタジー本の一冊と見えないわけでもない。にも関わらず、コワイオーラを発しているんです。これって装丁の鈴木久美(角川書店装丁室)の狙い通りなんでしょうか。
で、お話です。出版社のHPには
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比類なき謎と恐怖・・・・そして驚愕と震撼の結末!
その「呪い」は26年前、ある「善意」から生まれた――。
1998年、春。夜見山北中学に転校してきた榊原恒一(15歳)は、何かに怯えているようなクラスの雰囲気に違和感を覚える。不思議な存在感を放つ美少女ミサキ・メイに惹かれ、接触を試みる恒一だが、いっそう謎は深まるばかり。そんな中、クラス委員長の桜木ゆかりが凄惨な死を遂げた!この“世界”ではいったい、何が起こっているのか?秘密を探るべく動きはじめた恒一を、さらなる謎と恐怖が待ち受ける……。 名手・綾辻行人、新たな代表作の誕生!
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とあります。主人公は榊原恒一、父親が仕事でインドに行ってしまい、中学の最終学年を東京の有名中高一貫校から祖父母の住む夜見山市の中学で迎えることになった15歳の少年です。母の理津子は15年前彼を産んだ年に26歳で亡くなっているので、転校してくるまでは父子家庭でした。自然気胸という病気のため呼吸困難になることがあり、今回も転校早々に入院したため、登校は五月になってしまいました。
恒一の父・榊原陽介は東京の有名大学で文化人類学だか社会生態学だかの研究をしています。妻を亡くしてからは男で一つで息子を育てている父子家庭、と書きましたが、祖母に預けて海外に行ってしまうなど、育児よりは仕事を優先し、それに何の疑問も抱かない男性です。といっても、息子のことに人一倍気にかけてはいるのですがが、不器用というか・・・
ちなみに、東京の学校にいた頃、恒一が料理研究部部員だったのは、自分で料理できなければ生きていけない、という切羽詰った事情がったからです。孫の面倒をみることになった祖母・民江は痴呆気味の夫と娘・怜子の三人暮らしをしていました。叔母にあたる怜子は、恒一の母である理津子より11歳年下で、ということは30歳になる画家です。
転校直前に体調を崩し入院していた恒一のところに見舞いに来たのが、三年三組の恒一のクラス委員長・桜木ゆかりとクラス委員長の一人・風見智彦でした。そして、病も癒えて漸く登校した恒一が教室で見かけた左目に白い眼帯をした少女というのが、ミサキ・メイこと見崎鳴です。何故か、同級生は彼女の存在に誰一人気づいていない。そしてクラスの仲間が相次いで死んでいき・・・
私が他の本に取り掛かっている最中、先に次女に読ませていたのですが、本当に怖がっていました。わざわざ姉の部屋に行って、この本のことを詳しく報告しないではいられないほど怖かったそうです。それを先に聞いていたので、どんなものかとかなり構えて読み始めたのですが、正直いって人が死にすぎます。しかも中学生がどんどん死ぬ。もうこれだけでリアリティを感じない。リアルでないところに恐怖はない。
だから、この話を綾辻がどうまとめるか、という方に興味が向かってしまうのです。同じ学生を襲う暴力であるならば、西澤保彦『収穫祭』のほうが遙に理不尽で、人間というもののあり方、現代の病根に迫っていると私は思います。ともかく、人間の狂気を感じない。そして、ただただ中学生が死んでいく。あれほど怖がっていた次女が、本を読み終わったらケロッとしていましたが、その理由はここらにあるのではないでしょうか。無論、話自体がそれなりに理に落ちているせいもあるのですが・・・
これでは「比類なき謎と恐怖・・・・そして驚愕と震撼の結末! 名手・綾辻行人、新たな代表作の誕生!」といううたい文句が泣きます。私と綾辻の相性の悪さだけではない、と思うのですが・・・
紙の本
「このミステリーがすごい」を見て読みました。
2014/10/11 23:41
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:shingo - この投稿者のレビュー一覧を見る
「このミステリーがすごい」を見て読みました。
この作家さんが、このジャンル、しかもでかい、と思って避けていましたが、安定感はバツグンで楽しかったです。やっぱり表現がうまいです。ただ、そうはいってもこのジャンルで話が長いので、そこをどう感じるか、で評価が分かれるかな、と思いました。
紙の本
可もなく不可もなく
2009/11/01 15:04
7人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:芽里 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ハードカバーでかなりのページ数はありますが、短時間で意外とさっくり読めました。ノリはライトノベルと同じ感覚。
推理を期待して読むと退屈なので、あくまでも謎は謎なままのホラーと割り切って読んだ方が楽だと思います。
登場人物や舞台設定の状況説明が進む前半は読んでて中だるみもしますが、そこをクリアすればラストまで一気に読めるはず。
最初からこれでもかというくらい用意されたフェイクを考えれば(だからこそなのか)、ラストは…衝撃的というほどのものではなく、ラストに向かって回収されていく伏線の中で予測はつくので、それはそれとして。
ホラーのままで終わらせるのであれば主人公の友人の能力は余計だったかな、というのが少し残念。