紙の本
ジュニア新書なのに、実は大人向けの「勇気」論。最近、何か勇気を発揮しましたか? わたしは発揮してないです。この本を読んでハッとしました。勇気、発揮したいです。
2011/03/01 00:12
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちひ - この投稿者のレビュー一覧を見る
いろいろな人が、人生のいろいろな局面で発揮した「勇気」に焦点をあて、「勇気」を考える本。ピックアウトした人選、本文には現れない江川氏の聞く姿勢、「勇気」に焦点を当てた構成、どれもすばらしい。ジャーナリストとしての立場や姿勢には江川氏と大きな違いがある立花隆氏の『青春漂流』(講談社文庫)と似たテーマの本であると思う。
ジュニア新書なので子ども向けである。が、自分の子どもや甥・姪に読ませるつもりで購入し、自分が先に読んだ人が「わたしにも勉強になりました!子どもにも早速読んでもらいます!」などの感想をTwitterで江川氏に寄せているのを多く目撃した。子どもに解りよくて大人に解りよくない本はそうそうない。本当に大事なことは何なのか。わたしにも大変に勉強になった。甥や姪にあげようと思っている。
紙の本
こういう生き方もある。
2011/06/20 19:41
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kumataro - この投稿者のレビュー一覧を見る
勇気ってなんだろう 江川紹子 岩波ジュニア文庫
子どもさん向けとしては、むずかしい内容です。この本は、自分の意思とか、良心をつらぬく生き方をしてきた人たちへの取材結果を文章にまとめたものです。5人の個人と、最後はイスラエルの人たちとなっています。いずれも一般大衆からみれば、標準の枠の外で生きることを実行した人たちです。孤立とか孤独という厳しい環境を体験されています。
「スポンサーの期待を裏切ってエベレスト登頂を途中で2度断念した登山家」悪天候に阻(はば)まれ登頂を断念する勇気に始まり、最後は、中国支配のチベット問題にまで言及します。
「公設秘書の給与を流用して収監された元国会議員」うーむとうなるしかない。作者が犯罪者をかばうのはなぜか。作者は、再起可能な社会を提案しています。
「内部から追い出された拉致問題元事務局長」朝鮮半島の人は日本人をうらんでいる。いっぽう、日本人には加害者意識が無い。親族を取り戻すまでの作業は、分厚い壁を少しずつ削っていくようです。
「裏金を内部告発して干された警察官」家族は悲惨な目にあいました。彼のように生きていくことはできない。日本社会は八百長で成り立っていたし、八百長で経済成長してきたことがわかります。
「イラクで誘拐され日本人から自己責任と猛攻撃を受けた女性」島国暮らしの日本人は、井の中の蛙(かわず、井戸の中のかえる)で、大海(たいかい、世界)を知らない。なぜイラクなのか。27歳のとき友人に誘われて縁があったから。日本は、他国に戦争を仕掛けた過去の歴史を踏まえて、紛争時に武力行使に賛成してはいけない立場にあることがわかります。
「パレスチナの人たちを追い出して建国したイスラエルの人々」イスラエルの政策に反対する若いイスラエル人たちです。書中に圧倒的な権力をもつと、人の倫理観は崩壊する。イスラエル人はパレスチナ人への人権侵害をなんとも感じなくなった。間違っているのは自分のほうじゃないかと気づけるか。歳月が経過していく中の世代交代で、社会は変化していく。古い世代の考えは間違ってはいなかったが、現代に合致しなくなってきた。世代間闘争の面があります。
投稿元:
レビューを見る
一回ごとに成功とか失敗とか結論付けるのではなく、人生をトータルで考えよう。
自分自身の心に正直な決断を実行した方が気持ちはずっと楽。
大事なのは、勇気というより、物事を批判的に判断する考える力。
大勢の人が同じ意見を言っていても、それが正しいとは限りません。
投稿元:
レビューを見る
2010.01.24 朝日新聞に掲載されました。
11人に「勇気とは」と問いかけたもの(朝日新聞掲載文より)
投稿元:
レビューを見る
100514現在 最終章からで196迄. 161,182自分に正直に。自分の良心に従うことが一番。186,189,
100124by朝日
---
1 自分に正直に―野口健さん
2 過ちと向き合って(秘書給与で有罪に)―山本譲司さん
42,43,45,51,52→『獄窓記』『塀の中から見た人生』『累犯障害者』
3 柔軟に考える―蓮池透さん
4 信念をつらぬく(警察官として内部告発)―仙波敏郎さん
90,91,93,97,102,108,110-4,
オンブズマン←「代理人」sweden
5 「命」にこだわって―高遠菜穂子さん
122,124,128,148,154,
『ハロー、僕は生きてるよ。―イラク最激戦地からログイン』2008 ←139
『戦争と平和ーそれでもイラク人を嫌いになれない』2004 ←150
6 暴力を止める声―イスラエルの人びと
7 おわりに
ジャネット・ランキン:真珠湾後にただ一人「非戦!」 213
バーバラ・リー下院議員:9.11後にただ一人同! 214
216
---
勇気って、なんだか大げさで、自分にはちょっと…と思うもの。でも一方で、あのときもっと勇気があれば、と思ったことはありませんか。厳しい状況に置かれながら自分と向き合い、信念を貫いた人たちが話してくれた、悩みや後悔、葛藤を聞けば、きっと少しだけ勇気を身近に感じられます。
---
⇒『人を助ける仕事ー「生きがい」をみつめた37人の記録』小学館
投稿元:
レビューを見る
読み助2010年4月25日(日)を参照のこと。
http://yomisuke.tea-nifty.com/yomisuke/2010/04/639-97e1.html
投稿元:
レビューを見る
本当の勇気とはいったいどんなことなのか、ジュニア向けに書かれた新書なのだが、実際、大人が読んでも心に響くものがある。
どんな窮地に立たされようが、どんな中傷誹謗を受けようが、自分が正しいと思った信念を決して曲げない、そんな強さを持つことの大切さがわかる。
家族がいて、生活もかかっている仙波敏郎さんが警察での裏金問題を明らかにし、酷いいじめに遭いながらも定年まで勤め上げた話には、どんなに辛かったかを思うと心が痛んだ。
自分自身、ここまで強くなれる自信はないが、信念を持って生きていきたいと思った。
投稿元:
レビューを見る
Twitterで誰かがつぶやいていたのでメモしていた本です。ジャーナリストの江川詔子さんが、中学生や高校生向けに書いた本ですが、年齢を問わずたくさんの人に読んで貰いたいなあと思いました。江川さんの飾らない、真摯な文章が水のように体に沁み込んできます。
江川さんがその勇気に感銘を受けた5人の人と、イスラエルの若者たちへの取材から綴られた6つの章には、自分に正直に向き合って生きている人達の姿が描かれています。読み進むうちに自然と目頭が熱くなるところもありました。
取材対象には、あのイラクの人質事件でものすごいバッシングを受けた高遠菜穂子さんも含まれています。あのころの日本を取り巻く異常さを思い返すと同時に、その後高遠さんが周囲の人々に支えられ、自分も人々を支えるために悩みながら、それでも一歩一歩歩んでいることを知りました。本当に考えさせられました。
3時間もあれば読んでしまえる本ですが、しっかり自分に響いてくる本だとおもいます。岩波ジュニア新書なのですが大人にもお薦めです。
投稿元:
レビューを見る
国民全員横並び、出る杭は打たれる、同調圧力、世間体圧力といった日本特有の
「みんな一緒の暴力」に対して、
自分と正直に向き合い、自分の信念をいかに貫き通すか?
その「勇気」がテーマの一冊である。
どういうわけか最近自分のブログに書いてきたテーマとマッチする本と立て続けに出会うことができた。
不思議なものだ。
「勇気」の人として、
登山家の野口健さん
元議員の山本譲司さん
北朝鮮拉致被害者家族の蓮池透さん
警察の裏金問題を告発した仙波敏郎さん
イラクで捕まった高遠菜穂子さん
イスラエルの徴兵制に反対する皆さん
が取り上げられている。
とても狙いのよい作品なのだが、
江川さんの自虐的歴史観が鼻について不愉快であった。
特に蓮池さんのところではそれが全開で読むに耐えられなかった。
北朝鮮に対して話し合いで拉致問題が解決すると信じ込んでいるあたりが、
この人の限界なのだろう。
とにかく日本は昔植民地支配で悪いことをした、村山談話は正しい、北朝鮮に対する制裁はやめろと
繰り返し書いてある。
江川さんはいつから北朝鮮の代弁者になってしまったのだろうか?
ムカムカしてきて、本を投げ捨てたくなった。
図書館で借りた本だから、もちろんやらなかったけど。
イスラエルのところでもナチスのホロコーストに関して、
昔の日本軍が中国などで行った行為はどうだったのでしょうか。
なんて出てくる。
興醒め。
兵役を拒否して3回も刑務所に入れられたことがあるサハルさんの言葉。
自分自身の心に正直な決断を実行に移したほうが、
気持ちはずっと楽なんですよ。
兵役を拒否すれば、社会から孤立するとは分かっていたけれど、
軍隊に行けばきっと「これは違う」って悩んで辛かったと思う。
結局、自分自身に正直であることが一番ハッピーなんですよね。
そう考えるようになると、
他の人達から無視されたり批判されたりしても、
あまり気にならなくなりました。
自分の良心に従うことが一番じゃないかしら。
ね?
せっかくいい取材しているのに自虐的歴史観のせいで、
台無しになってしまった残念な一冊であった。
というわけで評価は星ひとつ。。。
勇気ってなんだろう
江川紹子
出版社: 岩波書店 (2009/11/21)
ISBN-10: 4005006396
ISBN-13: 978-4005006397
発売日: 2009/11/21
投稿元:
レビューを見る
子供向けのようだけど、大人が読んでもためになる。
イスラエル問題ではいろいろ勉強になり、考えさせられた。
ユダヤ人が隣人を愛せるようになる日がいつか来て欲しい。
投稿元:
レビューを見る
考えさせられる問題ばかり。
若者向けの本ではあるが、大人も真摯に読むべき本。
著者は相当がんばって取材をしたという印象あり。
特に、イラクで人質になった高遠菜穂子さんやパレスチナ問題に対するルポは、興味深い。
投稿元:
レビューを見る
勇気ってなに?
きっとここには誰の答えもなくて、みんな1人1人が自分の答えを見つけないとならない。苦しくても考え続ける。こころを鍛える。そうすれば少しずつ見えてくるはずだ。
そう信じる。
投稿元:
レビューを見る
自分のいやな面にも向き合い、それを受け入れ、よりよい方向に向かうこと。自分が正しいと思うことは信念を持ってやりとげること。いずれも難しいが、そうなるようにあきらめずに取り組みたい。子供たちにも読ませたい。
投稿元:
レビューを見る
勇気をもって自分の信念に素直に生きている人々に、著者がインタビューして、まとめた本。 アルピニストの野口健さん、拉致被害者家族の蓮池透さん、イラクで人質になった高遠菜穂子さん等々に、何が彼らをそうさせるのかについて、語ってもらっている。
自分の気持ちに素直に行動することは、時に困難を伴う。困難とは、人に迷惑をかけるとか、理解されないとか、反対されたりということ。だから、素直に生きるには勇気がいる。 私自身、自分の気持ちに素直に、誠実になって、勇気ある人生を送りたいと思っている。だからこの本に出てくる人達の心が手にとるようにわかった。特に高遠さんには感動した。