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紙の本
「僕たちは生き延びた。だから、次はもっと上手くやる」
2009/12/06 16:21
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:成瀬 洋一郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「創造者」と呼ばれる存在がいた。
それがまだ存在するのか、何を考えていたのか分からないけれど、彼らの造ったシステムは今も生きている。
そのシステムによって地球を無数の欠片に分割されてしまった人類は、否が応でも何万年という歳月の間にゲートワールドに呑み込まれてきたさまざまな異世界やその住人と接触せざるをえない。しかし、それは生身の人間が生き延びることのできる世界ではなかった。
ゲートと呼ばれる一方通行の小さな門によってつながった幾つもの世界を渡り歩いてきた高校生・赤羽玖朗と紀野国可耶が辿り着いたのは、生徒会長・小此木エリスが指揮する<学校>と呼ばれるコミュニティだった。
その欠片では、共生することで人間に異能を与える円環族と契約することで文明を保ち、平和を維持することに成功していたのだが……。
★
瀬尾つかさの他の作品にも言えることですが、読み終わって「ああ、SFを読んだなあ」と満足できる話でした。科学書でも哲学書でもなくサイエンス・フィクションを。
少年少女が恋愛したり喧嘩しながら大きな目標に立ち向かうという基本線を押さえながら、そこにいろいろなSFのガジェットをぶち込んできます。そして、そうしたガジェットに振り回されることなく、きっちり遊ばせた上で集約する。そこが好きなところです。
今回のネタは、さまざまな世界が渾然一体となった「パッチワーク世界」と「寄生生物」。難解な話、長い話は読んでいる暇はないけれど、手頃に面白いSFを読みたい人に薦めたい本です。