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- カテゴリ:一般
- 発売日:2009/10/30
- 出版社: 文藝春秋
- サイズ:20cm/527p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-16-328660-0
紙の本
ソウル・コレクター (「リンカーン・ライム」シリーズ)
著者 ジェフリー・ディーヴァー (著),池田 真紀子 (訳)
科学捜査の天才リンカーン・ライムのいとこアーサーが殺人の罪で逮捕された。自分はやっていない、とアーサーは主張するも、証拠は十分、有罪は確定的に見えた。しかしライムは不審に...
ソウル・コレクター (「リンカーン・ライム」シリーズ)
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商品説明
科学捜査の天才リンカーン・ライムのいとこアーサーが殺人の罪で逮捕された。自分はやっていない、とアーサーは主張するも、証拠は十分、有罪は確定的に見えた。しかしライムは不審に思う—証拠がそろいすぎている。アーサーは罠にかかったのではないか?そうにらんだライムは、刑事アメリア・サックスらとともに独自の捜査を開始、同様の事件がいくつも発生していることを知る。そう、姿の見えぬ何者かが、証拠を捏造し、己の罪を他人になすりつけ、殺人を繰り返しているのだ。犠牲者を監視し、あやつり、その人生のすべてを奪い、収集する、史上もっとも卑劣な犯罪者。神のごとき強大な力を持つ相手に、ライムと仲間たちはかつてない苦戦を強いられる…。【「BOOK」データベースの商品解説】
そろいすぎた証拠、タイミングのよすぎる不自然な通報。真犯人は他にいる? 膨大な電子データをあやつり、犠牲者らの人生を破壊してゆく狡猾な犯人を相手にライムは苦戦を強いられ…。リンカーン・ライム・シリーズ第8弾。【「TRC MARC」の商品解説】
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紙の本
「ソウル・コレクター」でIT最先端の犯罪を体感する!!
2010/06/07 16:51
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オクー - この投稿者のレビュー一覧を見る
「データというのはおもしろいものだ。人は何の疑いもなくデータを
信用する」というフレーズが後半に登場する。当たり前のことを当たり
前に言ってるだけだが、この物語を読み進めていってこのフレーズにい
きあたるとその意味はすごく重い。データが正しければ問題ないが誰か
に改ざんされたものだとしたら…。たとえばまったく無関係の人を殺人
犯に仕立て上げるためにデータを利用するのだとしたら…。
ジェフリー・ディーヴァーのリンカーン・ライムシリーズ最新作「ソ
ウル・コレクター」(といっても去年の秋に出たのだが)。いつもほど
にドンデン返しはないのだけど、今回はまさにコンピュータ時代の犯罪
をテーマにしていてググッと引き込まれる。読み出したら止まらない。
科学捜査の天才ライムのいとこアーサーが殺人の罪で逮捕される。そ
れが発端。調べるうちにあまりに証拠が揃い過ぎ、タイミングよく通報
が入ってることにライムは疑問を抱く。もちろんアーサーにも身に覚え
はない。ありとあらゆるデータを採掘(マイン)し分析・販売するデー
タマイナーという情報サービス会社の存在…、ほかの場所でも同様の事
件が起きていると言う事実、普通の人の普通の人生がいとも簡単に奪わ
れていく。真犯人は何のために、いったい何をどうしたのか。ライムと
犯人との頭脳戦はまさに息をのむおもしろさ!そしてこの話、あまりに
恐ろしい。
ブログ「声が聞こえたら、きっと探しに行くから」より
紙の本
あとがきまで気が抜けない
2009/12/29 01:02
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:さあちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
待望のライムシリーズの最新刊。常に新しい超人的犯人像を提示してくるディーヴァだが今回の犯人は膨大な電子データを操り犠牲者の人生を破壊していく。証拠を操り罪を他人になすりつけそれを楽しみながら欲望のまま次々と殺人を犯していく。その巧妙な手口にライム達は苦戦をしいられていく・・・
この作品ではプライバシーというものが描かれている。この現代社会においてプライバシーを保つことは容易ではない。ごく普通の生活をおくっていてもその人に関するデータは膨大なものになる。その誕生から現在までの人生のすべて・・・作中に一例として羅列されているがその量には圧倒される。分析されたデータによって未来までも予測されていく。情報は力になると登場人物の一人に言わしめているがその力がある意図とをもって使われたとしたら・・・その恐怖に胸がしめつけられそうになる。しかも私たちは買い物をしネットをしカードを使う事によって無意識のうちにデータを提供し続けているのだ。これは近未来の話ではなく今この時代に起きている事実なのだ。目には見えない情報というもののもつ力の危うさと脆さに愕然とさせられた。
いつものようにライムメンバーが顔をそろえているのもうれしい。シリーズ物の醍醐味かな。旧友が元気で活躍しているのはうれしいものだ。いつものように最初の書き出しから最後まで気が抜けないのもディーブァの作品ならでは。今回も最後までノンストップ。つぎの展開が早く知りたくてペーシを繰る手が止まらないこととまらないこと。ディーヴァと言えばどんでん返しに次ぐどんでん返しなのだがただこの作品はいつもよりその衝撃度は弱かったような・・・まだ何かあるはずと思っているうちに読み終えてしまった。ただこれはディーヴァに対する期待度が非常に高いからなのだが。
常に新しい世界を見せてくれるディーヴァ。次はどんな作品をで私たちを驚かしてくれるのかが楽しみだ。
紙の本
ライムが丸くなったのか、私が年をとったのかはともかく、『ボーン・コレクター』を読んだ時の不快感が、この作品にはありません。ただね、いとこだから無実だ、っていう思い込みは嫌いだな、そんなことで捜査が左右されるなんてね。やっぱり英国の警察小説の足元にも及ばない人物描写、アメリカの限界?
2011/01/12 19:25
3人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
私はディーヴァーの『ボーン・コレクター』を読んで、ともかくリンカーン・ライムの存在が不快でたまらず、その後、ライムものは全く読まずにきました。それはダン・ブラウンにもいえて、『ダヴィンチ・コード』だけで十分、なんて思ったものです。ま、そんな私の苛つきをよそに、この二人の作品は、新刊が出るたびに書店の平台と、年末のミステリランキングを賑わせてはいるのですが・・・
といっても、彼らの動向が気にならないわけがありません。本を手にすることはありませんが、チラ見だけはする。売れるんだろうなあ、二匹目のどぜう、なんて思いを抱いて。で、スルー。ところがです、今回はどうもそれだけでは済みそうにありません。タイトルとカバーがいい。私は〈ソウル〉という言葉に弱いんです。例えば、「マイ・スウィート・ソウル」「ソウルメイト」、ま、同じソウルでも私の中では韓国のソウルに勝手に翻訳されてますけど。それに水戸鉄也のカバー装画、格好いい。文字の並べ方にも工夫があって、なんだかSF本のような雰囲気もあります。装幀は関口聖司。
で、私としては『ボン・コレ』のことがあるわけですから、いつ放り出してもいいや、なんて軽い気持ちで読み始めたわけです。結果、面白かった。え、リンカーン・ライムって、もっと嫌な奴じゃなかった? 俺が、俺がって威張り、叫んでいるだけのマッチョ気取りの身障者じゃなかった? その一方で、なぜか女にもてるという・・・
そう、ライムについて〈科学捜査の天才〉は噴飯ものですが、それ以外は記憶の中の『ボン・コレ』ライムとは違う。それと、刑事アメリア・サックスがあまり登場しないのがいい。私は、刑事ものの男女関係って嫌いじゃないんです。特に英国の警察小説に描かれる男女関係は、ものすごく肯ける。でも、です。アメリカン・ミステリの性愛主体のそれには魅力を感じない。伝統のない国での獣性の発露としか思えないわけです。それが今回は控えめ。
その分、サスペンスに集中できます。ま、容疑者がライムのいとこアーサー、っていうところは気に喰いません。ライムが真剣になるのも、要するにコネだろ、情実ってやつなんだ、警察なんて・・・そう思わせちゃうマイナスはある。でも、多くの登場人物を上手に操る手際は、想像以上に上手い。ま、それでも人物についての掘り下げはイアン・ランキンやP・D・Jの足元にも及びません。女性も描けない。それにユーモア感覚の欠如も欠点として大きいわけです。
そういう意味では、ネルソン・デミルにも負けている。新味もない。伊坂幸太郎はうまいなあ、なんて思ったりもする。とはいえ、一切無視するのは行き過ぎだったかな、と反省させるだけの力はあります。新刊も出たことだし、今後の付き合い方、変えようかな・・・
内容紹介は、カバー折り返しの言葉を写して、省エネ、環境配慮。
*
闇の中で嘲笑う卑劣な殺人鬼。
そいつは罪なき者を殺し、無実の罪を着せ、
その人生を破壊する――。
ただ楽しみのためだけに。
科学捜査の天才リンカーン・ライムのいとこアーサー
が殺人の罪で逮捕された。自分はやっていない、とア
ーサーは主張するも、証拠は十分、有罪は確定的に見
えた。しかしライムは不審に思う――証拠がそろいす
ぎている。アーサーは罠にかかったのではないか?
そうにらんだライムは、刑事アメリア・サックスらとともに
独自の捜査を開始、同様の事件がいくつも発生してい
ることを知る。そう、姿の見えぬ何者かが、証拠を捏
造し、己の罪を他人になすりつけ、殺人を繰り返して
いるのだ。
犠牲者を監視し、あやつり、その人生のすべてを
奪い、収集する、史上もっとも卑劣な犯罪者。神のご
とき強大な力を持つ相手に、ライムと仲間たちはかつ
てない苦戦を強いられる……!
*
でも、私としては次の帯の言葉の方が好きかな。
*
千兆バイトの
闇にひそむ
もっとも卑劣な
殺人鬼。
ベストセラー
『ウォッチメイカー』
につづく
リンカーン・ライム
シリーズ最新作!
*
ね、なんたって〈千兆バイト〉ですから。ちなみにテラバイトは一兆バイトのこと。1000テラバイトは1ペタバイト(PB)というんだそうです。〈千兆バイト〉よりは〈ペタバイトの闇にひそむ〉のほうが格好いいと思うんです、私。だって〈千兆バイト〉って、「千疋屋のバイト」みたいじゃありませんか。「吉兆のバイト」みたいでもあるし・・・
最後は目次のコピペ
目次
第一部 共通点
第二部 トランザクション
第三部 予言者
第四部 アメリア7303
第五部 すべてを知る男
著者あとがき
謝辞
訳者あとがき
紙の本
情報化社会の恐怖
2021/09/06 15:25
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kochimi - この投稿者のレビュー一覧を見る
この個人情報の集積、
もう現実のものなんでしょうね、恐ろしい……
握っている人の良心と、
それが隅々まで行き届くことを
願ってやみません。
紙の本
リンカーン・ライムもの、というだけで読む側の期待値は高い。
2015/12/21 00:54
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かしこん - この投稿者のレビュー一覧を見る
リンカーン・ライムの従兄弟が殺人罪で逮捕された。
もうずっと長い間会っていない従兄弟なので彼が殺人を犯すような人間だと声高に言い募ることはできないが、どうも証拠が揃いすぎていることに疑念を覚えるライム。 調べてみると、言い訳ができないほど証拠はきっちり揃っているというのに無罪を訴えている被告が何人かいることが判明。
これらがすべて、仕組まれたものだったら?、という事件。
いつもなら一気読みなのに、個人的諸事情により幾度も中断を余儀なくさせられたので、どうも読後感が微妙である。
リンカーン・ライムの他のシリーズ作品にあったどんでん返しも今回はなかったからか、前作で逃げられた“ウォッチメイカー”の追跡もわずかながら併走しているせいか、一連の事件・一人の犯人に焦点が絞りきれなかった感がある・・・が、そのくせ作者は容赦なく、被害は甚大なのであった。
どうもじっくり悲しみや怒りに浸りきれないまま終わってしまったのが消化不良なのか・・・。
リンカーンファミリーはまた増えつつあって、そこがレギュラーが増えていく・実際にライムが関わる人々が増えてきているということで、彼にとっては微笑ましいことなんですけどね。
あ、面白くない、ということでは全然ないのですよ。
ただこういう話ならライムものでなくても、単発作品でも行けたのに(つまり他の作家でも書けるんじゃないか、みたいな気持ち)というような思いを拭いきれないからですかね。
『ボーン・コレクター』以来、ディーヴァーに期待してしまうハードルがどんどん高くなってしまっているのは申し訳ないのですが。
でも次の『バーニング・ワイヤー』は結構面白いという評判をちょこちょこ聞くので・・・
やはり期待してしまいますね。
紙の本
毎度おなじみ、あのリンカーン・ライムシリーズだ。毎度おなじみであるから、いささか食傷気味なのだが、ついつい手が出る柿の種みたいなところで今回も手に取った次第。
2009/12/09 00:33
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:よっちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
このシリーズだが、シリーズごとに生み出される超人的な知能をもつ犯罪者、その残虐、異常な個性が魅力的である。そしてライムチームと知恵比べをゲーム感覚で楽しむ。疾走感がたまらない。
………さて今回は。
「科学捜査の天才リンカーン・ライムのいとこアーサーが殺人罪で逮捕された。自分はやっていないとアーサーは主張するも、証拠は充分、有罪は確定的に見えた。しかしライムは不審に思う………証拠がそろいすぎている。同様の事件がいくつも発生していることを知る。そう見えない何者かが、証拠を捏造し、己の罪を他人になすりつけ、殺人を繰り返しているのだ。犠牲者を監視し、あやつり、その人生のすべてを奪い、収集する、史上最も卑劣な犯罪者。神のごとき強大な力を持つ相手に、ライムと仲間たちはかつてない苦戦を強いられる………!」
第三者を殺人犯にでっち上げる。よく使われる手なのだが、これの弱点はその他人にアリバイがないという状況を完璧には作れないところにある。さて完全犯罪をもくろむ犯人はここをどうクリアしたのだろうか。まさか偶然にたよったといういい加減なことをディーヴァーはやらないだろう。もしかしたらアーサーは真犯人なのだろうか。などといささか出足がスローではあるが、楽しめそうな気配が充分に感じられた。
「膨大な電子データをあやつる」
「千兆バイトの闇に潜むもっとも卑劣な殺人鬼」
「膨大な」?「千兆バイト」?
電子的に得られる個人の情報をすべて集約するとどれだけのものになるか?
作品が具体的に示すところに及ぶと愕然とさせられる。巨大情報集積産業と政府が結託したらこれは恐ろしい管理社会が到来すると読者に警告を発する社会的主張もあるのかもしれない。
それはさておき、これを犯罪に悪用するところに今回の犯罪者の特異性がある。なるほどこれはまさに神の仕業だ。私の懸念したアリバイの不在も完璧だ。
近未来SFを思わせるところでちょっとマユツバかなとリアリティが薄らぐ節もある。が、軍需産業と政府との癒着で起こる陰謀を暴くという冒険活劇が数ある中で、さすがディーヴァー、軍需産業ではなく新興の情報産業を背景にしたところは慧眼である。
しかし、リンカーンとアーサーの成長期の愛憎やアメリアが母代わりに見守っている少女・パムの恋愛など人情劇の挿話が平板だけにまどろっこしくて、全体としてかつての疾走感は遠のいた。
大技のどんでん返しも大いに楽しめたものだが、今回はいまひとつであった。