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  • みんなの評価 5つ星のうち 3.7 416件
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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2009.9
  • 出版社: 講談社
  • サイズ:20cm/387p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-06-215761-2

紙の本

ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。

著者 辻村 深月 (著)

“30歳”という岐路の年齢に立つ、かつて幼馴染だった二人の女性。都会でフリーライターとして活躍しながら幸せな結婚生活をも手に入れたみずほと、地元企業で契約社員として勤め、...

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ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。

税込 1,760 16pt

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商品説明

“30歳”という岐路の年齢に立つ、かつて幼馴染だった二人の女性。都会でフリーライターとして活躍しながら幸せな結婚生活をも手に入れたみずほと、地元企業で契約社員として勤め、両親と暮らす未婚のOLチエミ。少しずつ隔たってきた互いの人生が、重なることはもうないと思っていた。あの“殺人事件”が起こるまでは…。辻村深月が29歳の“いま”だからこそ描く、感動の長編書き下ろし作品。【「BOOK」データベースの商品解説】

“30歳”という岐路の年齢に立つ、幼馴染だったみずほとチエミ。みずほは都会でフリーライターとして活躍しながら結婚し、チエミは未婚で地元企業で契約社員として勤めている。互いの人生が、“殺人事件”で重なり合い…。【「TRC MARC」の商品解説】

著者紹介

辻村 深月

略歴
〈辻村深月〉1980年生まれ。千葉大学教育学部卒業。2004年「冷たい校舎の時は止まる」でメフィスト賞を受賞してデビュー。ほかの著書に「名前探しの放課後」「太陽の坐る場所」など。

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みんなのレビュー416件

みんなの評価3.7

評価内訳

紙の本

すべての女子のものがたり

2009/09/28 22:35

8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:はぴえだ - この投稿者のレビュー一覧を見る

本を読んでこんなに苦しくなったのは、初めてだ。

女子の人間関係が丁寧に描き出されている。
母と娘、友人同士・同僚同士の関係。
女子が誰しもが抱いているであろう思いが散りばめられている。

すべてがあまりにリアルで、自分の中に、チエミやみずほを見出してしまったり、重ねてしまったりして、どうしようもなく引き込まれ、大いに揺さぶられた。
キャラクターと、自分を同一視というのは言い過ぎだが、あまりに近くに感じ、心を寄せ過ぎてしまうと、その世界にどっぷりつかってしまって、どうしようもなくなってしまう。身動きが取れなくなってしまうというか……。
実際、逃げたくなってしまった瞬間が幾度となくあった。
それでも、この作品には読ませる力が、魅力が、溢れていて、結局は逃れることはできなかった。
そして、たどり着いたラストには、苦しみや悲しみ、やるせなさだけではなく、感動もきちんと用意されていた。

たまらないけれど、とても大事だ。

現実を生きている上での、閉塞感や言葉にできなかった思いを代弁してくれている、すべての女子の、物語。
ほとんど気づくことのない、あいの物語。

新たなる辻村深月の一面を見せてくれた今作品は、多くの人に最高傑作と言わしめる作品だと思う。

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紙の本

アラサーガールの苦悩を見た

2009/09/23 12:30

8人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:山茶 - この投稿者のレビュー一覧を見る

ものすごく良い作品にめぐり合えました。
私は男ですが、アラサー女性にこそ、読んで欲しい作品です。

女性って色んな事考えているんですね、
母親と娘の関係は正直よくわからないのだけれども、
この本を読んだら、色々と問題があるのを知った。
女性友達同士の関係も男にはよくわからない問題があるのも知った。
妊娠、結婚に対する考え方も教わりました。

そして全体を通してちょっと、悲しかったです。苦しかったです。
そして、ものすごく感動しました。
チエとみずほ、全く違う幼馴染の二人の昔の話と、今の話。
痛いほど伝わってきました。
母親のすごさ、娘に対する愛情を感じました。

辻村深月は、
嫌な軽薄な男を書くのが上手くて、
女性を包み込むような男を書くのが上手くて、
単純ないわゆるバカな女性を書くのが上手くて、
そして主人公はいつも悩んでいる。
その辻村ワールドが好きです。

辻村深月は、
何気ない事でも物凄くココロに残るというか納得する言葉にしてくれます。
------------
私は私の心にきちんと「素直」なのに、お母さんの言う「素直」はあの人にとって都合のいい「素直」なの。思い通りにならないって事を、こっちの責任にして怒るんだよ
------------
あぁ、胸が痛い。素直でありたいから僕は常に素直を心がけている。
そして、それを時には押し付けている。。。
素直にも色々定義があって、本人はほんとは素直かもしれないのにね。

本のタイトルの意味が分かった時、ゾクゾクっとしました。
母親の死ぬ直前のホントのすごさを感じました。

今は、もうホトンド忘れられている、赤ちゃんポストについても
改めて考えさせられました。
早速検索して調べます。

こういう本が好きだと言ってくれる人と知り合いになりたい。
そんな本です。

ほんまに、一度読んで欲しい本でした。

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紙の本

失われた十年を生きた世代は奇蹟を起こす

2010/07/15 01:52

5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:楊耽 - この投稿者のレビュー一覧を見る

冒頭で、誰かが、倒れている母親を置き去りにして自宅をあとにするシーンが示されます。どうやら、彼女が母親に害を加えた模様です。
改めて本編=第一章で、失踪した望月チエミを尋ねる、幼なじみのノンフィクションライターの神宮司みずほが登場します。
チエミに何があったのか。今、どうしているのか。
この謎を追いながら物語が進みます。

主人公は、今年三十一歳になる年回り。仮にこの物語が、出版された二〇〇九年のお話しだとすると、一九七八年生まれ。成人式は一九九八年。バブル崩壊不況「失われた十年」のまっただ中に就職する時期を迎えた年代です。
冒頭のシーンでは、母親に対する娘の接し方が、いわゆる家族依存症のように感じられ、特殊な家庭の特殊な事件を扱う小説なのか、と思いました。しかしながら、本編が始まり、みずほが尋ねて回るチエミの同級生や職場の同僚、恩師の取材を読み進むに従い、必ずしもチエミの家庭が特殊ではなく、彼女らの世代=特に地方都市の学校を卒業し、地元で就職した女性に共通な、経済的背景と地域性に縛られた、致し方なさがあることを知りました。
この小説は、以上のようにバブル崩壊不況期に社会に出た団塊ジュニアを先頭とする現在のアラサー世代の実情を、世代の内側から描いている世代の旗手としての役割を果たした側面があると思います。

ただし、この小説の価値は、上記のような同世代への訴求だけに留まらない感動があると思いました。
それは、一種の妖精譚(フェアリーテイル)の類です。おそらく長く文学の主要なテーマでもあった、「身近な人を救う」と言う事を主人公に体現させ、読者に示している感動です。

人が後悔を強く認識する事象の一つに「親しい人を救えなかった。」と言うのがあると思います。例えば目の前で知人が事故にあったり、絶望の中にいることを知りながら自殺を止められなかった事があれば、それは強い後悔の念を起こさせるであろうと思うのです。
この後悔から、「何か救う手だてがあったのでは」と考えます。
ただ、これは多くの人には「後悔」だけで終わってしまうのではないかと思います。僕が今まで生きてきた中で、本当に「助けてほしい」と思ったときに助けてくれる人はいなかったし、誰かを「助けたい」と思ったときには、もう手遅れでした。
でも(僕の読書に偏りすぎかもしれませんが)この小説では違います。
主人公のみずほは、おそらく、チエミが助けを求めていると信じており、それに手を差し伸べて救いたい、と強く願ったのだと思います。そして、困難を克服し、ついにはチエミを救った、と僕は感じました。

この書評のタイトルの「奇蹟を起こす」は、この感動を表現したものです。僕には到底出来るとは思えないことを、小説の中の主人公がやってのけたお話しであると感じたからです。
でも、もしかすると、僕にもみずほのような強い意志と、行動力があれば、誰かを救うことが出来るかもしれない。と考えてしまうのが、著者の意図だとすれば、著者の小説に込めた魂というのは、すさまじいものですね。

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紙の本

女と、友達と、母と、私と。

2009/11/12 15:25

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:空蝉 - この投稿者のレビュー一覧を見る

私はなぜ、辻村の作品を読み続けるのだろう?読むたびに、そっと隠しておいた心をえぐられれ、丁寧にしまっておいた思いを暴かれ、傷つくのに。さらにいえば、そうして傷ついた自分に酔いしいれている浅ましさを発見して、苦笑すらしてしまう。おそらく著者は様々な自分の部分部分を吐き出して等身大の「彼女たち」を作り上げている。
偶然にも著者と同年同月生まれである私にとって、そんな「彼女たち」の姿は驚くほど自分自身に酷似しているから本書で「彼女」に投げかけられる言葉はそのまま自分にダイレクトに届く。

田舎という狭い世界で育った彼女らは、世界を知っている井中の蛙のようだ。
両親にパラサイトして生きることを選んだ蛙は都会という外の世界を知りながらそれを敢えて蹴り、「娘代」と称して親の元、生ぬるい井戸の中に甘んじる。
窮屈な田舎から都会へひたすら飛び出した蛙は、井戸の中、自分の奥底に燻り続ける思いをうずめたまま逃げ場所を探して結局、落ち着く。 都会で20代のうちに結婚するという「勝ち組」にこだわる外の蛙たちは、「女友達」の枠にしがみつく中の蛙とどこも変わりはしない。

若い女友達の枠から漏れないうように計算高く相槌と駆け引きを繰り返し、
劣等感やプライドを「嘘」という虚勢と見栄で、羨望と賛美の言葉でそうしたドス黒い腹の内を必死に隠す。
なんでもないような仮面をつけて当たり障りのないイイ関係を、緩くキープしておくこと、それが何より大切な、しようもない生き物、それが女なのだろう。

女にとって一生付きまとうもの、それは女としてのプライドを満足させる、あるいは妥協できる交際や結婚の取捨選択だろう。
そしてそれらをコントロールする理性と、女としての年齢と、自分を作り上げた「母親」という存在が全てのネックになる。
本書はそうした女という生き物が等身大に描かれている。

母親を殺害して失踪した「負け組」のチエミの行方と事件の真相を追って、都会で雑誌のライターとして活躍・結婚を果たした「勝ち組」の幼馴染ミズホが関係者のもとを訪れる。
異様なほど隠し事一つなく密着しすぎていた母のもと地元で契約社員として地味に生きるチエミ、そんな彼女を心配しつつも嫌悪する旧友、合コンで知り合い彼女を捨てた男、彼女の弱さと家庭をなじる同僚、失踪直前に彼女とコンタクトを取った恩師・・・。
同時に取材する「赤ちゃんポスト」が意味するところと、ミズホ自身の厳格な母親との葛藤、30歳という「勝ち組」に入れるかどうかの岐路に立たされた彼女たちの心が浮き上がる中、次第にチエミの謎が明らかになっていく。

30歳を迎えた彼女たちがこの物語の最後に何を思うのか?
これから30を迎える人にはありえる未来、既に過ぎた人にはありえた過去、今そのときにいる「私たち」には切実なまでのリアルを、この物語に感じるだろう。

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紙の本

母に電話したくなりました

2009/11/06 06:16

3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:kako - この投稿者のレビュー一覧を見る

女とは、こんなに醜く、見栄っ張りで腹黒く、なんて愛らしいんだろう。

いやぁ苦笑してしまいました。
合コンにおける細かい描写心理、女友達との打算的な計算、登場人物に様々なバリエーションの性格の女性が登場し、これを読んだ女性は、昔の自分がいるような、または今の自分にそっくり当てはまるような気がすると思います。
正直私もそうですけど。
本音と建前を駆使し、表面をうまく取り繕っている様々な女の若々しさに懐かしさが漂っていました。
参考文献に「負け犬の遠吠え」があったのが納得の作品です。

女性の分かりやすい基準って、同じ女性からみてどのように捉えられるかという判断でいけちゃいます。
自分では意識せずとも、無意識のレベルでしたたかに計算していることもあります。
特にそこに男性が絡んでくると、もう見栄の張り合い、まさに山のように高いプライドが連なっていくわけで・・・。
幼なじみであったチエとみずほであっても、互いに譲れぬ自尊心ゆえ心が離れていってしまいました。
取り返しのつかない「殺人」というものが再び彼女たちを結びつけるまで、なんとなく心の片隅にはあるけれど存在を見なかったことにしていた幼なじみのみずほ。
みずほを捜す為に昔自分が切り捨てた女友達を訪ねるチエは、かつての友達が年を重ね経験をある程度積むにつれて、依然と変わっていることに気付きます。
しかし、それはチエ自身も同様でいろんなことが許せるようになり、周囲が段々見渡せるようになってきているのです。
そういうチエを取り巻く様々な女性たちの心の変化や、まだ未だ発展途上にいる若い女性との対比が作中に見事に描かれていました。

そして母と娘という女性関係もまた、複雑怪奇。
母娘がべったりと隠し事のない親密な関係と、互いに干渉することを避けているドライな関係。
極端な二組の母娘の関係がこの作品には存在しています。
一見仲が良かったように思えるのに、何故みずほの母親は殺されたのでしょうか?
当人同士でしかわかることの出来ない『何か』を理解した時、どうしようもない切なさでいっぱいになりました。

この作品の気持ちよさをもう一点あげるなら、ぴったりと物事がつながっていくところです。
あぁ、ここにこう着陸していくんだと本当見事に、無理なく事象がピッタリと収まるのが気持ちよかったです。

一応ミステリーなんですが、なぞ解きをしていくというよりも女という物語を読んでいる気分になった一冊です。



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紙の本

母を喜ばせたかった不完全な娘

2011/04/15 23:46

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:kumataro - この投稿者のレビュー一覧を見る

ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。 辻村深月(つじむらみづき) 講談社

 この物語には、ふたつの「秘密」があります。ひとつは読者のためのもので小さな核となっています。もうひとつは、登場人物が登場人物をかばうためのもので、最初の秘密である秘密の核を包み込む円となっています。0807とは暗証番号です。そのいわれは、ここには書けません。
 31歳の娘、望月チエミさん(作中ではチエちゃんでとおされます。未婚)は行方不明になります。チエちゃんの追跡活動をするのが、同級生の神宮寺みずほさんです。変則的な構成となっています。第一章と第二章のふたつしかありません。かつ、第一章が298ページという大量のページ数で、第二章が387ページまでの少ないページ数というアンバランスです。起承転結の構成からいうと違和感があります。もうひとつの特徴は、主人公の姿が第一章でほとんど登場しません。だからといって、よくないという意味ではありません。読みはじめて途中で感じたのは、小説という形式を借りたエッセイではなかろうかというものでした。作者はこの作品で何を目指しているのか。その部分を読んでいるときはそう感じていました。人間は年齢を重ねるほど、心に暗い部分が蓄積されていく。登場人物たちの小学生から31歳までが語られていきます。横並び年齢女子の物の考え方は同類項で、浅さがあります。読み手にはそれがじれったさになります。いつまでも若い人でいたい時期です。
 第二章はだれかにあてた手紙のようです。陽の当たる場所にいる女性に嫉妬する影の場所に居る女性がわたしという位置づけです。
 親にとってみれば、大切に育ててきた娘に、一瞬にして長年積み上げてきた実績を壊されたわけで、母親の動揺する気持ちはよく伝わってきます。されど、過保護に暴力はないけれど、過保護は虐待に通じるものがあるのでしょう。娘は大人になりきれていませんでした。娘は親に気を使って、親を喜ばせるためのロボットになっていました。母親と娘の衝突には、柔らかさで、はぐらかす、あるいは時間を稼ぐ、クルマのハンドルの遊びのような空間がなく、緊張感をともなった尖(とが)ったもの同士がぶつかりあうことになってしまいました。母親は娘を愛していました。その起源となったのが、0、8、0、7なのです。
(この感想を書いた翌朝、目覚めて思ったこと)
 同じテーマで、別の手法で書いてはどうだろうか。しみじみと感慨深い作品ができあがるだろう。この作品について、他の書評を読みました。たいへん評価が高いものもありました。感動する条件として自分の生活と登場人物の生活に共通点が存在することがあります。この作品の場合は、女性であること、未婚であること、妊娠したことがあること、堕胎したことがあること、児童虐待を受けていたことがあること、あるいは今、親として子に虐待をしていることなどがあげられます。

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母とは、そういうものなのか・・・

2010/11/15 15:49

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ゆこりん - この投稿者のレビュー一覧を見る

望月チエミが、母を刺し姿を消した。幼なじみだった神宮司みずえは
彼女の行方を追う。チエミと関わりのあった人たちを尋ね、何とか
手がかりを得ようとした彼女だったが・・・。

チエミは、なぜ母を刺して命を奪ったのか?あんなに仲が良かったのに。
みずほはチエミの知り合いたちを尋ね、話を聞いていく。そこから浮かび
上がるチエミと家族との絆・・・。第3者から見て、それは異常とも思える
仲の良さだった。逆にそのことが、チエミと母との間に溝を作ってしまった
のか?絆の深さの分だけ、溝も深くなってしまったのか?一方、みずほと
母の関係は決していいとは言えないものだった。みずほは常に、母との間に
距離を置こうとしている。仲が良くても悲劇は起きる。仲が良くないことも
悲劇だ。けれど、チエミとみずほ、どちらの生き方にも是非を問えないような気がする。どんな場合でも、母と娘の関係は特殊で微妙だ。ラストは、
胸が締めつけられるようだった。読んでいて、私も無性に母に会いたく
なった。母は、いつでもどんな時でも娘を愛している。母とはそういうもの
なのだと、強く心に感じた。

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3つの都市と女

2021/03/08 14:25

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る

東京、山梨、富山と3つの場所を行き来しながら真実に迫っていてスリリングでした。神宮寺みずほから望月チエミ、そしてチエへと名を変えていく女性も美しいです。

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紙の本

人間の心。

2010/07/09 09:32

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:かず吉。 - この投稿者のレビュー一覧を見る

人の気持はわからない。
他人の気持ちもわからないけれど、
家族でさえ、どう思ってるのかわからないんだよなぁと
改めて思いました。

冒頭で、母親が亡くなり、その現場から逃げ出す娘。
その娘の幼なじみが、どうしてそんなことになったのか、
いろんな人に聞きまわりながら話は進んでいく。

娘は母親を殺したのか、殺していないのか。
仲のよかった二人に何があったのか。

家族の関係も、友達との関係も正解はないと思う。
だけど、虐待している親とされている子供は明らかに
親子関係としては不正解で、親離れできていない子供と
子離れできていない親はきっとグレイゾーンだと思う。
過保護もどこまでがよくてどこからがよくないのか。

この小説の中にはいろんな人間のいろんな感情、そして
本音が溢れていて、ときに考えさせられるし、ときには
痛い。人間の心の本音は読めない分、わからない分、怖い。

だけど、タイトルの言葉が語られた状況を読みつつ、
その状況が想像できて、そしてその場にいる人間の気持ち
を考えたら涙が出ました。

最後の最後に明るさがあって、なんか救われた気持ちに
なれたので、よかった。

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2009/09/22 11:42

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2009/10/01 13:43

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2009/10/02 23:37

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2009/10/18 20:53

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2009/11/02 09:25

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2009/10/12 21:48

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