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  • カテゴリ:一般
  • 発売日:2009/09/01
  • 出版社: 毎日新聞社
  • サイズ:20cm/423p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-620-10743-1

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紙の本

横道世之介 正 (「横道世之介」シリーズ)

著者 吉田 修一 (著)

なんにもなかった。だけどなんだか楽しかった。懐かしい時間。愛しい人々。吉田修一が描く、風薫る80年代青春群像。【「BOOK」データベースの商品解説】【柴田錬三郎賞(第23...

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横道世之介 正 (「横道世之介」シリーズ)

税込 1,760 16pt

横道世之介

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商品説明

なんにもなかった。だけどなんだか楽しかった。懐かしい時間。愛しい人々。吉田修一が描く、風薫る80年代青春群像。【「BOOK」データベースの商品解説】

【柴田錬三郎賞(第23回)】青春時代に世之介と出会わなかった人がこの世の中には大勢いるのかと思うと、なぜか自分がとても得をしたような気持ちになってくる−。懐かしい時間。愛しい人々…。風薫る80年代青春群像を描く。【「TRC MARC」の商品解説】

著者紹介

吉田 修一

略歴
〈吉田修一〉1968年長崎県生まれ。法政大学経営学部卒業。「最後の息子」で文學界新人賞、「パーク・ライフ」で芥川賞、「悪人」で大佛次郎賞と毎日出版文化賞を受賞。

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みんなのレビュー451件

みんなの評価4.1

評価内訳

紙の本

忘れてよい事。忘れてはならない事。選びながら進む、「人」という生き方。

2010/05/16 14:16

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:はりゅうみぃ - この投稿者のレビュー一覧を見る

あの時、あんなに輝いていた時間が、いつのまにか光を失う。

あの時、あんなに大事だった人が、いつのまにかくゆり霞む。

あの時、あんなに胸を打った想いも、今や記憶の隅である。



「横道世之介」
一度聞いたら毎度うっかりフルネームで呼んでしまいそうな彼と、僅かに自分の青春を交差させた人々が、二十数年を経てふとその時を思い出す。
あいつといて確かに楽しかったのに…。
こんなに印象的な名前を彼らはすぐに思いだせない。それほど、時は流れていたのだった。


若い時は、手にしよう、つかもうと、前だけを見据えて求めつづけ、今は、手につかんだものを大切にしたいと思う。近い将来は、遺していく大切なものに後ろ髪をひかれつつも、天に召されるのだろう。
誰もがこうやって己の人生を進んでいき、共に歩むと心に決めた伴侶でさえ、各々の人生が重なりつづけるわけではない。
前だけを見つめ続けた青春の時に、わずかに交差する友情。愛情。すべて覚えていられやしない。それがあたりまえだ。


「忘れる」ことは、人が人として生きていくために必要な行為である。
体験・思考・それらをすべて覚えていたら、人の肉体も精神も数年で壊れてしまう。
激しい怒りを和らげ、苦い後悔を許し、過ぎた過去から煌めく想いだけをすくいだす。あたりまえに「忘れる」から出来ることだ。
たくさんの想い。たくさんの忘却。
だから、今、人は野生動物よりも長く生きられる。


人の心を救い、戒め、律するよすがともなる「忘れる」ということ。
だからこそ、忘れ去ってはいけないことがこの世にはある。

作者は、だから、この小説を書いた。書かなければいけないと思った。
これは作者が綴った感謝と警告と誓約の書だ。


過ごした時を忘れてもいい。伝えられなかった想いを忘れてもいい。
でも忘れたままにはしない。必ず思い出し、名前を呼ぶ。たとえ、ほんの時々心でつぶやくだけだとしても。




私にとっての世之介、きっともう出会っている。

まだ、間に合う。心でつぶやくだけでなく、彼に、彼女に会いに行こう。
貴方に会えてよかったって、伝えに行こう。


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紙の本

毎年読みたい傑作

2009/12/22 17:53

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:arayotto - この投稿者のレビュー一覧を見る

迂闊だった。こんな展開になるとは。
吉田修一は好きで、ずっと読んできたが、この本は、単なる作者の若かりし日々の思い出を描いた青春小説だと思い、ちょっと敬遠していた。

タイトルだって主人公の名前そのままの横道世之介ときたから、飛んだり跳ねたり好いた惚れたの毒にも薬にもならない、ほんわか青春物語と思っていた。

ところがどっこい。もっと早く読んでおくべきだった。


世之介はイイ。流されながらも、周囲の人を不機嫌にさせず、カッコよくないけど、なぜだかいつも近くにいたくなり、正直に生きている姿は魅力的だ。
彼女の祥子ちゃんは フシギちゃんで、付き合うには辛いけど見ている分には楽しい。
世之介を取り巻く脇役のみんなもいいね。後半に初めて出てきたキムくんが、その後の世之介を浮かび上がらせる、ある意味象徴となっていて、練り上げたプロットの見事さを感じる。

時折挿入される「みんな」のその後。
はじめは、時代を行き来させていることにとまどったけど、千春のその後で、え!となってしまった。

読者はここから、世之介を見る目を変えざるをえなくなってしまう。


そうか、2001年1月26日に起きたあの事件に世之介は関わっていたのか。
なるほど。世之介ならありえるかも、と納得させる見事さがあった。

あの事件とは…。うーん、書きたいが、書いてしまうと読む楽しさが半減してしまうので、ちょいと我慢。


実際、あの事件は、私自身もショッキングであり、感動であった。なんといっても、当時の新聞記事を切り抜き、今もノートに貼りつけてある。
読み終えたあと、引っ張り出してみた。かなり黄ばんではいたけど、事件を伝える記事を読むたびに悲しくなるが、胸も熱くなる。

吉田修一は、この物語をどういう順番で考えたのだろう。

あの事件がまず最初にあったのだろうか。
あの事件に感銘を受け、モチーフにして何か物語を作りたい。あの事件のあの人だったら、こんな青春だったのだろう、と、逆算して物語を紡いでいったのだろうか。

それとも、横道世之介というキャラクターをまず創造し、彼だったら何をするだろうという帰結で、あの事件を結びつけていったのだろうか。

2009年の終わりがけに読んだ横道世之介。
清々しく美しく愛らしく微笑ましく、生涯何度も読み返したくなる一冊だ。
横道世之介とあの時代を生きた仲間は、彼のことを誇りに思っている。間違いない。

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紙の本

人生における人との出会いの意味を反芻したくなる小説

2010/07/18 08:02

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:yukkiebeer - この投稿者のレビュー一覧を見る


 1987年4月。大学進学のために九州から上京した横道世之介。彼が東京で新たに出会った人々との、さほど波乱に富まない一年の記録。

 2010年度本屋大賞の候補作という程度の知識以外に情報もないまま手にしたのですが、10頁ほど読んで、今さら80年代の青春小説?と思い、一度本を措いたのです。
 一日おいて、別の長編小説にほんのいっとき飽いたものですから、再度手にして読み始めたところ、あるところから俄然物語が魅力的に見えてきて、一日で読み切ってしまいました。

 世之介の一年は、彼を飛躍的に成長させるわけではありません。なんとなく入部したサンバ・サークルで大活躍するわけでもなければ、カモミール・ティーが何だかも知らないし、年上の魅力的な女性・千春とも接点がありそうでなさそう。
 彼の何が具体的に魅力かというと、それは「いろんなことに、『YES』 って言っているような人」という以外には「ほんとになんて言えばいいのかなぁ…」という印象の男の子です。

 そんな男の子の一年を読むこの小説ですが、ところどころに世之介と出会った人々の20年後が差し挟まれるに至って、これが彼の物語ではなくて、彼と出会った人々の物語であることに気づくのです。

 「世之介と出会った人生と出会わなかった人生で何かが変わるだろうかと、ふと思う。たぶん何も変わりはしない。ただ青春時代に世之介と出会わなかった人がこの世の中には大勢いるのかと思うと、なぜか自分がとても得をしたような気持ちになってくる」(171頁)。

 世之介の人生と接点をもったことで、そんなに大きく自分の人生が変わったという手ごたえを得られるわけではないけれど、それでもヤツとの出会いは自分の人生に意味があったという気がしてくる。
 そんなヤツ(ら)との出会いが人生を少しずつ形作っていく。
 自らの人生を振り返ってそんな風に思わせてくれる小説です。

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紙の本

大学、上京、バイト三昧、ときどき帰省

2010/01/12 11:55

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:カフェイン中毒 - この投稿者のレビュー一覧を見る

映画『スタンド・バイ・ミー』の原作(スティーヴン・キング)に、
「友人というものは、レストランの皿洗いと同じく、ひとりの人間の一生に入りこんできたり、出ていったりする」という一節があります。
10代の頃の私には、少なくとも素通りできない言葉として頭に刻まれたのですが、
今回、横道世之介という男(の子?)の物語を読みながら、
幾度となく、この一節が頭に浮かびました。

吉田修一による青春小説(しかも80年代)……微妙かも。
著者本人の青春時代と重なるので、思い出てんこ盛りの、
とりあえず80年代語録が山と出てくる、男の子の成長物語かなという
ものすごく勝手な(でも当たっていそうな)先入観がぬぐえません。

ところが読み始めてすぐに、先入観を持っていたことすら忘れてしまって没頭してしまいます。
世之介、いいです!
田舎から出てきたごく普通の、どちらかというと間の抜けた感じの男の子。
人懐こく、愛されて育った人間特有のわかりやすい優しさを持っていて、怠惰で、隙だらけ。
その世之介の実況(?)である語り口が、絶妙なツッコミにもなっていて、
なんというか、世之介のぽかーんとした感じを、目の前で見ているような錯覚すらおこしてしまいます。

横道世之介のという18歳の男の子が、九州の実家を離れて上京した日から物語は始まります。
のっけから新宿をぼけら~っと歩いている世之介の描写に、グイグイと引き込まれてしまいます。
「あ、いるよ、いるよ、こういう子!」などと、
自分もそうであったかもしれないということは都合よく忘れて、
世之介と一緒に、いざ新居であるワンルームマンションへ。
大学生活の最初の一年が、世之介ベースで語られ、
合間に彼と親交のあった人たちの、後年の様子が挟まれています。

世之介、魅力的なのかどうか、よくわからないのです。
ルックスが良いわけでもなさそうだし、たぶん本当に気のいい優柔不断な子で、
友達としても「まあ、いいヤツかな」、恋人なら「うーん、悪い人じゃないけど物足りないかも」、
そんな印象なので、紹介しろと言われたら、
「あんまり期待はしないでね」とひと言加えたくなるような……。

などと言いながら、もう頭の中は世之介でいっぱいというのは、いったいどういうことなのでしょう。
彼の周りの人たちも、いい味を出しています。
調子のよい同級生や、お嬢様育ちのピントのずれた女の子。
そして、その会話の妙。
とてもリズムの良い文章なので、終始笑っていたように思います。

世之介の魅力は、ある友人が大学時代を振り返って、彼のことを評した言葉に尽きるかもしれません。

・・・・・・・・・・・・・・・・・
世之介と出会った人生と出会わなかった人生で何かが変わるだろうかと、 ふと思う。
たぶん何も変わりはない。
ただ青春時代に世之介と出会わなかった人がこの世の中に大勢いるのかと 思うと、
なぜか自分がとても得をした気持ちになってくる。
・・・・・・・・・・・・・・・・・

本当にそう思わずにはいられない、そういう魅力が世之介にはあり、
それは実際に彼と一緒にいないとわかりにくい、ましてや言葉にするのはむずかしい。
その恩恵にあずかったことさえ、あとにならないと気づかないようなものなのだろうなと、
容易に想像できてしまうのです。

で、冒頭のキングの一節に戻るのですが、
(少なくとも大学の最初の一年間に)世之介と親しかった人たちは、世之介の近況を知りません。
それでも彼らはひょんなことで世之介を思い出し、それはたいてい彼らの心を温かくしてくれるのです。

ああ、友人関係が長く続くことがなくても、
こうして誰かの人生の一部に居座ったりすることもあるんだ。
それでいい場合も、たくさんあるのかもしれない。
キングがその小説で意図したこととはズレるのかもしれませんが、
なにかストンと胸に落ちるような、妙に納得してしまう世之介の生き方なのです。

世之介の一年は、バイトと授業とテストと睡眠で成り立っています。
誰かが亡くなったり、スパイス程度の恋愛も、ときにはサークル活動もあるのですが、
どうしても、いつも寝ているかバイトをしているかの印象が強い。
それなのに、きちんと一年は過ぎていき、上京したての顔とは違ってくるのですね。

このあたりは、なんとなく自分の経験とも照らし合わせてしまって、
何もないような日々でも、確実にその人の中に積もっていくものはあるのだなあと、
感慨深くなりました。
あ、きちんと青春小説していると思った瞬間でもあります。

うかつにも、1冊の本で笑って、胸を締めつけられて、涙を流してしまいました。
その溢れ出る感情のどれひとつも不快ではなく、
読後感のみなら、文句なく吉田修一の最高作なのではと思うくらいに。
いえ、私の好みでいえば、物語そのものもいちばんかもしれません。

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紙の本

パッとしなくたって、大きなことができなくたって、あなたが生きているだけでいい

2011/04/11 08:59

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:かつき - この投稿者のレビュー一覧を見る

「好色一代男」の世之介の名前をもらっているのに
パッとしない18歳の大学生・横道世之介。
長崎の田舎町から東京に上京したものの
家賃の都合から東京の田舎に住むことになる、
やっぱりパッとしない男です。

しかし、とらえどころがないようでいて
自分のやりたいことはなんとなく押し通すずうずうしさを持ち
けれど、それが嫌味ではなく
それだからこそ、人と深くかかわることができます。

成り行き上、サンバサークルに参加したり
赤坂の一流ホテルでバイトをしたり
恋をしたり、昔の恋人と再会したり、
試験前に必死に人のノートのコピーを取ったり。

時代はバブル真っ盛りで、その恩恵を少し味わいながらも
世之介たちの日常はけっこう地味です。
そんな日常を1年をかけて追いかけていきます。

なによりも、20年後、
世之介のことを思い出す、当時の友人、知人たちの挿話がいい。
彼らはなんとなく幸せで、満ち足りています。
「世之介と知り合えなかった人生なんて考えられない」
と述懐する友人もいるのですが
世之介はそれほど大人物ではありません。
ほのぼのとした等身大の友人像です。

そして、その挿話はだんだん悲しい真実を映し出します。

それに至る伏線のエピソードもさりげなく、
こういうセンスのよさは、実は80年代後半から
90年代前半のバブル世代の持ち味。
著者はまさにこの時代に青春をおくっています。

この年代にとっては切なく、愛しい小説です。

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電子書籍

80年代後半から90年代前半までを東京の大学ですごした者にはたまりません。

2013/12/26 20:28

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:けんちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

すごく良かったです。今まで読んだ本の中でも最高かもしれません。
それは多分自分が過した大学時代と時代背景がほぼドンピシャ(多分世之介が2歳上)だからだと思います。正にこんな感じでした(大学は違いますが)。
読み終えて本当に切なくて愛しい気持ちになり泣いてしまいました。
それってきっと自分の大学時代が愛しいからでしょうね。
ちなみに私は大学1年の秋からつきあった子とそのまま結婚しました。
今は3人の子供に恵まれ上の子は大学1年生です。でもわかんないだろうな。
今の子は。まじめで大人しいし冷めてるから。
でも同じ時代を生きた特に男性に是非読んでほしいです。
今になっては幻のようなバブル期の大学生活がリアルに思い出されること間違いなしです。絶対に大切な本になるし、いつも心にしまっておきたくなる本になります。

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電子書籍

最高!

2013/04/01 14:24

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:世之介さん - この投稿者のレビュー一覧を見る

なんだかまだ読んでいたい落ち着く本でした。こんな人に出会いたい。

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紙の本

世之介の魅力がずば抜けていて大好きな本になりました。ネタバレ注意。本を読む予定の方はどうかこの書評を後回しにしてください。

2012/08/24 17:59

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:タール - この投稿者のレビュー一覧を見る

『この若者、名前を横道世之介という。大学進学のため、たった今東京へ出てきたばかりの十八歳』

 上京してきたばかりの若者のコミカルな行動と心理を活写する冒頭。ほんわかした空気感に、なんとなく民話や股旅物を思ったりする。こと世之介に関して、こうした描写はラストまで徹底されるのだけど、読み始めた時は首を傾げた。なにせ書き手は吉田修一だ。この、ただですませてはもらえないはずの作家が、このあとしかけてくるものが何なのか、あっけらかんとした明るさの影の部分に仕込まれた狙いは何なのかと、ついガードを固めたものだ。

 ところが、読み進むうち、「呑気」で「隙だらけ」な世之介の持つずば抜けた魅力にすっかりはまってしまった。ガードを固めようと取っていたファイティングポーズは、早々に、読み終えたくないと強く願う、祈りの組み手に取って代わっていた。

世之介は、大理石の置時計をバッグに入れて持ち運んでしまう。
世之介は、人ごみに流されまっすぐ歩けない。
世之介は、怒るとヘンな敬語を使ってしまう。

 生真面目で邪気のない性格から発散されるのは、世之介と過ごした若い日を思い出す人々の心を揃って温かくさせ、ほほえませる力を持った強いオーラだ。
 世之介の恋人、祥子もまた世之介といい勝負の、ちょっとヘンな人だけど、世之介の良さを見極める感性がとてもいい。そんな彼女の口から語られる世之介も、すごくいい。
――いろんなことに『YES』っていってるような人。

 何に対しても、基本姿勢である『YES』に総身を預けて、ノーブレーキでつっこんでいく世之介。ストッパーを持たない彼は、人との垣根を取り払うだけでなく、生と死の境界線をも"うっかり"越えてしまいそうな場面にたびたび出くわすのに、元来の「呑気」と「隙」とを保ったまま、自己防衛の優先順位は甘い。「優しい」し「いい人」には違いないのにそうは言われない世之介は、危うさを伴いながら、どうしようもなくそういう人、なのだろう。

 衝撃は、中盤を過ぎた頃に訪れた。完全にガードを解いて油断しきっていたから、まともにパンチをくらってしまった。衝撃の中で、けれど、ものすごく納得した。他者に紹介しようとするのに似た観察者の視点の理由が、理解できた。これが出発点だったんだ、と、いろんなことが腑に落ちた。

 あの事故を知った人の反応の多くは、「なぜ?」だったのではないか。「なぜ?」の行き所が美談に落ち着かせたのではないだろうか。形式的になりがちな美談の種子は根こそぎ省いたその上で、『YES』『大丈夫』の反射神経を駆使することのできる力を持った彼らの人となりを知ってこそ、悼むべきだったのではないか。

 美談にすがることなく「なぜ?」の答えを探ることが課せられた小説なのだとしたら、そうした吉田修一の選択と視点がうれしい。求められてもいないのに、他人の手助けをうっかりしてしまうような危うい反射神経を自分にも認めるせいか、取り上げられることの少なかったあの事故のあの人を世之介として、スポットライトを当ててくれたことが、僭越だけど、個人的にすごくうれしい。

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紙の本

ネタバレしないようには書きにくい書評です。

2011/01/14 22:58

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:kumataro - この投稿者のレビュー一覧を見る

横道世之介 吉田修一 毎日新聞社

 第三者の視点で観察記述が続きます。第三者は「神」です。また、時間移動の記述があります。本作品の場合、一行空間をあけたあとの語り手が誰なのかが明瞭ではありません。横道君は長崎県から東京の大学へ進学します。時代背景は1970年代後半から80年代前半でしょう。読者自身の体験とも重なります。
 横道君の個性は明確ではありません。読者は、読み始める前に、横道世之介という氏名から西郷隆盛氏のような豪放快活なイメージをもちますが、彼の性格は平凡です。対して、彼がつきあう与謝野祥子さんの個性は常識を突き抜けています。ふたりがつきあうとは思いがたいのですが、読みながらその点は妥協できます。
 1年間の物語です。章は月(1月、2月…)で成り立っています。あまりいいことではありません。制限は退屈です。起承転結の展開ではなく、日記の掘り起こしで出来事がつくられています。読後感は「郷愁」です。
 登場人物たちは、理論とか理屈に基づいて動くのではなく、「流れ」とか「勢い」で行動していきます。無駄な動きが多いのですが、それが青春であることには共感します。

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紙の本

良かったです。

2015/09/11 22:26

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:eri - この投稿者のレビュー一覧を見る

不思議とひきこまれる本だと思いました。何の先入観もなく読んだのがよかったのかもしれません。なぜかとても懐かしさを感じる本でした。

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2009/09/27 13:15

投稿元:ブクログ

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2009/10/10 22:39

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2009/10/11 01:43

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2009/10/13 00:56

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2009/10/13 23:56

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