紙の本
多くの滅びと、つつましい再生のレファレンス
2023/08/15 23:14
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投稿者:ブラウン - この投稿者のレビュー一覧を見る
人類が一斉に消えたらどうなるか? シミュレーションが困難なテーマに対して、数多くの事例と推察を手がかりとして挙げている。単に時系列で描いては胡散臭い予言の書となってしまうところを、読者に想像させやすいヒントを散りばめることによって、読者を深い洞察へと誘ってくれる。
紙の本
世界から人類が消えたら? この問いの答えを知りたい方は是非読んでください。
2017/01/21 11:37
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投稿者:コスモス - この投稿者のレビュー一覧を見る
人類が消えた世界。
本作品を読む前は、人類が消えたらどうなるのかということについて、
ひたすら科学的に説明していく本なのか、と思っていました。
しかし、著者が興味のある分野について調べている過程も丁寧に描写されているので、
本作品はノンフィクションのドキュメンタリーとして楽しむことができます。
科学書になじみのない人にも読みやすくなっているので、いろいろな人にお勧めできる本です。
個人的には、もっと詳細に、人類が消えたらどうなるのかというのを知りたかったので、
星4つです。
紙の本
タイトルは鮮烈ですが・・
2021/11/14 12:26
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投稿者:岩波文庫愛好家 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書の最初に8ページのカラーの挿し絵があり、人類消滅から数日後~50億年後までを時系列で描いてあります。これらが一番本書で面白かったです。
本書はタイトルにある内容が書かれているというよりは、様々な学者や研究者からの話を中心に予想される世界について述べられたものです。挿し絵の方はSFチックな要素もありますが、本書自体の内容は数字や化学元素、環境をベースに推察よりも至って現実的な未来について言及されています。まぁ実際人類がいなくなった後は、そういった未来になるのは正しい予想だと思われますが、それ故に読む前に何となく期待していた未来の世界とは違う感じがし、今一つ高揚感に欠けました(あくまで個人的な感想です)。踏み込んで言うならば絶望感に満ちたドキドキ性が無かったという事です。
但し実際はそんなドキドキ性のある空想的なものではなく、もっと現実的であるのは間違いないと言える訳です。自然と動植物と人間との三者が織り混ざっている関わりから人間が欠落するとどうなり、残る二者によってなされた世界について予想を説明した一書としての価値は見出だせます。
紙の本
時間軸があちこちに飛びます
2019/11/30 00:25
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投稿者:magoichi - この投稿者のレビュー一覧を見る
将来、人類滅亡後に起こる事象を科学的に解明すると思いきや(リード文は確かにそう書いてある)、現代にの残る未開に文明の話や人類誕生前のストーリーであったり、時間軸があちこちに飛んで何の話かわからなくなった。
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人類がいなくなった世界を思い描くために
人類が行ったこと、人類が世界に残したものを描き
今の人類が未来に向けて何をするか考えさせる本
カラーのイラストは殆ど無関係
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20090911購入。読み始める。
20091120ほとんど片道5分の電車の中だけで読み終える。生きているのがこわくなる。人間ってやはり罪深い。MOTTAINAIで生きていくしかないのかな。やっぱり、人口抑制かぁ。
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人類の存在が地球に与える負荷は計り知れない。本書は、ある日突然、全人類が姿を消した後、どれくらい経てば地球は人類出現以前の姿に戻れるのかを淡々と語ったノンフィクション。
農地や家畜は自然と同化するのに然程時間を必要としない。犬は人が居なくなれば絶滅するが、猫は野生化して生き延びる。建築物は持って数千年、いずれ来る氷河期までだろう。厄介なのは、プラスチックと核燃料。これらは気が遠くなるような時間をかけて土に還る。地球外へ発した電磁波は減衰して宇宙ノイズに紛れてしまう。人類が存在した痕跡を最も永く残せるものは、太陽系外へ旅立った惑星探査機だろう。
人が滅ぼしてしまった動物は元に戻らない。しかし、生物は幾度も大量絶滅に遭い、その度に進化してきた。厳しい環境下を生き延びた種だけが新しい世界を築ける。人の手によって絶滅した種は、遅かれ早かれ消える運命だったのかもしれない。また、いつか滅びるのは人類にも言える。どれだけ科学が発達しても避けられない。どうせ、50億年後、膨張した太陽に飲み込まれて地球は消滅するのだから。
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「人類が消えた世界」3
著者 アラン・ワイズマン
訳 鬼澤忍
出版 ハヤカワ文庫
p462より引用
“ことわざにあるように、私たちは「命あっての物種」であり、
地球もまたしかりだ。”
あらゆる科学的データを元に、
今突然人類が地球上から消えた時、
どの様な変化が訪れるかを考察した一冊。
近代都市の建築物から大海まで、
その行く末を科学的根拠に基づいてシミュレートされており、
自分達の普段の生活について考えさせられます。
上記の引用は、
最後の章の冒頭の一文。
少しでも元気に長く生きる事が出来れば、
今問題になっている事が次々に解決される所を、
見る事が出来るのでしょうか?
出来ると思いながら出ないと、
気分が滅入ってしまいそうな現状だとは思いますが。
想像をめぐらせるのが好きな方に。
ーーーーー
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人類が消えたら世界がどう変化するか。人類が蔓延る前の姿に世界が戻るのかを環境問題と歴史を絡めて検証したノンフィクション。ナルシズムに酔った感が拭えないが(人がいなくなって悲しいのは人)、読むにはいいタイミングだった。
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久しぶりに読み応えのある読書。未来を考えること=過去を学ぶこと=今を知ること。
以下、引用
●ナードルと呼ばれる小さな粒は、年間5500兆個、重量にして約1億1350万トンが生産されていた。ムーアはこの粒をどこでも見つけたが、それだけではなかった。クラゲやサルバー海中にきわめて多く生息し広く分布する濾過摂食動物ーの透明な体に取り込まれたこのプラスチック樹脂の粒をはっきり目にしたのである。海鳥と同じように、明るい色の粒を魚卵と取り違え、肌色の粒をオキアミと取り違えたのだ。いまやいったい何千兆個のプラスチック片が、ボディースクラブ材に配合され、大型生物の餌となる小型生物が飲み込みやすい大きさとなって海へ流されているのか、見当もつかない。
●チェルノブイリのハタネズミに関するそのほかの研究でも、このげっ歯目動物もツバメと同様に、ほかの土地に生息する同じ種より短命だとわかった。それでも、性的成長と出産を早めて埋め合わせをしているらしく、生息数は減少していない。
●現時点で、人間が地上から忽然と姿を消したとしたら、世界はどう変わっていくだろうか、と。この問題を考えることによって、人間が地球に対してどれほど負荷をかけているのか、地球は今後どんな運命をたどるのかについて、多くのヒントが得られるのではないだろうか。本書の著者であるアラン・ワイズマンは、そう語りかける。
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いやー、スゴい本だ!
てっきり人類がいなくなって1年後、10年後、100年後、世界はこうなってますよーって本かと思った(巻頭のイラストはそうなってる)。
もちろん、そういう記述はあるんだけど、この本は「人類が突然消えました」ってのをテーマに、筆者が好奇心のおもむくままに様々な分野を取材、調査する本なのだ。
だから、テーマと関係がなくても、ついつい筆がすべる。
カッパドキアの地下遺跡に教会や醸造所があったことなんて、テーマと直接関係ないだろ!
しかし、それが面白い。
読みすすめていくうちに「へー」って思う箇所がたくさん出てくる。
こっちの知的好奇心を刺激しまくり。
そして、筆者が言うように、未来を知ることは現在、過去を知ることなのだということがわかる。
スゴい本だ!
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多くの知的好奇心を満たしてくれる一冊。
人類がいなくなった世界はどのように自然に還っていき、人類の痕跡としてどのようなものが残るのかを色々な目線から追っている。
しかし読み終えるまで長かった…自分には少し難しかったため、疲れているときに読むとすぐに文章に集中できなくなってしまう。
今まで不思議に思っていた答えはすべて複雑なものなのだなと思う。
ボイジャー1号は最近太陽系を脱出したらしい。その先にいるかもしれない知的生命体に人類の痕跡を伝える為に人類が滅亡してもひとり飛び続けるというのはなんと壮大で寂しいことだろうと感じた。
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ナショナル・ジオグラフィックの番組のようなテイストの本.ケニアの山中や太平洋のサンゴ礁から,果てはニューヨークの地下鉄やヒューストンの石油化学プラントまで,世界各地の様々な環境を題材に,その地域の環境がどのような歩みを経て,今現在どのような状態にあり,今後どうなるのかを,それぞれの環境に詳しい専門家が語る,といった内容.地図は付いていないので,Google Earthなどでそれぞれの場所を確認しながら読み進めるとよいかも知れない.
全体を通して,人が滅んだり痛い目を見たりすること,或いは人間以外の生命が消えゆくことのどちらについても,著者自身は良い悪いと言った評価を取り立てて下していない.従って何があるのか/あったのか/これからあるのかが,ジョークを交えつつ,専門家の言明を借用しながら,ただひたすら淡々と語られていく.それでも,今まで知っているようで知らなかったことが沢山出てくるお陰で,読んでいて飽きないし,考えさせられることも多かった.人が残した痕跡で最後まで残るものは,実はかなり意外なところにあるというのも面白い.
英語になるが,原書のホームページ( http://www.worldwithoutus.com/ )に色々コンテンツがある.これ以外に,中で出てくるVHEMT「自発的人類絶滅運動」のページ( http://www.vhemt.org/ )も面白かったので,参考までに貼っておく.
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2009年(底本2008年)刊。
地球環境に多大な負荷を及ぼす人類。その人類が突如消滅したら、地球環境はどのように変化するか。
この変容について、人類の出現前の状況や現代の実例、化学的・地質学的知見から推測するのが本書である。
具体的に言えば、温暖地域の都市は、大理石構築物を除き、植物繁茂と水の膨縮作用、水・酸素による腐蝕にて僅かの間に変貌を遂げるとのこと。その予測に関連して、現代の興味深い実例として挙げられるのが、キプロス島ヴァロシャである。
しかし、放射能汚染(放射性廃棄物)の原状回復と、プラスチック等石油化学製品の分解には考古学的・地質学的期間を要し、容易ならざる事態である点を指摘する。
また、動植物は、放射性廃棄物等の汚染による影響を除き、概ね一万年ほど前の状況を回復と予測する(ただし、個別絶滅種は存在する)。
とあるように、本書からは、人類の生存を度外視しうるなら、地球環境の強靭さを逆に印象付けられた。
一方、人類の活動、特に産業革命以降のそれは、大型隕石の衝突・ペルム紀のCO2極大化の時期に匹敵するともあって、人類存在そのものが地球に与える影響と人口の極端な減少が環境負荷を低減するというのは、余りにも明快な結論とはいえ、複雑な心境でもある。
なお、大型類人猿から人類への進化を、環境激変による個体数の極小化、近隣種との異種交配、かつ種としての存続が可能だったケースであったとみる点は、その適否はともかく興味を引く。
また、地球史・人類の未来像のモデルケースとして、マヤ文明の興亡を準えているのは興味深い。
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ある日突然、地球上から人類がいなくなったら地球はどうなるのか?
という問いに専門家の意見を中心に解答していくノンフィクション。
文庫で450ページ以上のボリュームがあり、
前半は人類誕生前の地球環境について解説している。
中盤から後半はかなりネガティブな内容となっていた。
文化的な人工物(建造物)は短期間に自然のなかでは跡形もなくなり、
数万年以上残る主なものとして、
・すべてのプラスチック
・停止した原子力発電所から放出される放射能
・ダイオキシンなどの化学物質
などが挙げられていた。
文化的なものでも残ると思われるものもあるものの、
ほとんどの人工物は跡形もなくなるという点の説明に終始納得させられた。
人類が今後も生きながらえるためには、
人口の爆発的な増加が抑えられるかどうかの重要さを再確認。