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紙の本
すじぼり (角川文庫)
著者 福澤 徹三 (著)
ひょんなことからやくざの組事務所に出入りすることになった大学生の亮。そこは個性豊かな面々がとぐろをまく強烈な世界だった。就職先もなく、将来が見えないことに苛立ちを感じてい...
すじぼり (角川文庫)
すじぼり
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商品説明
ひょんなことからやくざの組事務所に出入りすることになった大学生の亮。そこは個性豊かな面々がとぐろをまく強烈な世界だった。就職先もなく、将来が見えないことに苛立ちを感じていた亮は、アウトローの男たちに少しずつ心ひかれていく。しかし、時代に取り残された昔ながらの組には、最大の危機が訪れようとしていた。人生をドロップアウトしかけた青年の一夏の熱くたぎる成長ドラマを描いた第10回大藪春彦賞受賞作。【「BOOK」データベースの商品解説】
【大薮春彦賞(第10回)】【「TRC MARC」の商品解説】
ひょんなことからやくざ事務所に出入りすることになった亮。時代に取り残され、生きる道を失っていく昔ながらの組の運命を、人生からドロップアウトしかけた青年の目を通して描く、瑞々しい青春極道小説。【商品解説】
著者紹介
福澤 徹三
- 略歴
- 1962年福岡県生まれ。デザイナー、コピーライター、専門学校講師を経て作家活動に入る。『すじぼり』(角川書店)で第10回大藪春彦賞受賞。その他の著書に『アンデッド』『アンデッド 憑霊教室』(角川ホラー文庫)、『怖い話』(幻冬舎)など多数。
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紙の本
青春任侠小説
2009/08/07 23:44
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:迷跡 - この投稿者のレビュー一覧を見る
“角川ホラー文庫”ではなくて、“角川文庫”。ホラー作家福澤徹三の書いた青春任侠小説である。
主人公は4年生になって就職活動もすることなく、地方で自堕落な大学生活を送る亮。ひょんなことからやくざの組事務所に出入りするようになり、強烈な個性の面々に惹かれていくうちに否応なく事件に巻き込まれてのっぴきならない状況に陥っていく。
この手の作品だと、大過去では『人生劇場』、中過去では『青春の門』などのシリーズもの青年成長物語を連想するが、亮は成長していない、たぶん。自分の中途半端な生き方を思い知らされ、強い挫折感と空虚感だけしか残らなかったようだ。それを象徴する“すじぼり”で終わった背中の龍。
一方、よくある青春グラフィティにもなっていない。著者のホラー小説でもおなじみの強い閉塞感が終始支配しているのだ。
おもしろいけれど、読後の感情が落ち着かない、ちょっと困った作品。一方、大薮春彦賞受賞作で、文庫解説がゲッツ板谷と、これは妙に納まっている。
紙の本
中途半端
2011/04/17 13:48
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kumataro - この投稿者のレビュー一覧を見る
すじぼり 福澤徹三 角川書店
なんだか中途半端な結末でした。書きかけで終わっています。大学生がやくざ修行をする内容になっています。
読み始めは、高校生の頃に読んだり映画で見たりした五木寛之氏の「青春の門筑豊編」を思い浮かべました。主人公の知的水準が男子中学生並みなのは、意図的な作為なのでしょうか。父子家庭の環境が嫌なのか、主人公大学生滝川亮くんはずるずると組織に関わり続けます。腕力と強気な人間が勝つ世界のように見えますが、どこの世界でも最大の武器は知力になります。
法令の外で生活することの快感があります。方言記述が少ないのは物足りない。携帯電話の記述が入るのは現代的です。長編ではあるけれど、1ページあたりの文字の密度が濃くはないので、長編とは受け取りがたい。父と息子の絆(きずな)へのこだわりあり。やくざになるための学習は、予備校日記のようでもある。
すじぼり」というのは、背中に描いた書きかけの龍の刺青のことのようです。わたしは、最初、中学生のとき社会科だったか理科だったかの先生に教わった、福岡県の筑豊から北九州市へ流れていく遠賀川(おんががわ)沿いに住む気性の荒い男たちを表した川筋気質からきているものと勘違いしました。