紙の本
一歩間違うと自己完結的でイタいことになる
2009/08/13 17:30
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投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
ぷりるん。何か全く分からない。あらすじを読んでも見当がつかない。決まった時刻に現れる妖怪だろうか、とも思った。しかし、本文を読めばすぐ分かる。
ぷりるん。だが、未だに意味は分からない。
複数の女性から好意を寄せられる高校生ユラキの心の動きを描いた作品なのだが、登場人物の言動はどれも極端で、中庸という言葉を知らない。遠くから見ている分には指を指して笑えるが、お近づきにはなりたくない感じの人たちだ。美人なのに。
まあしかし、この極端さも、一般的な問題を考える上での極限を取っていると考えれば理解できなくはない。誰しも彼ら彼女らの様な要素は少なからず持っているわけであり、一般解はこれら特殊解の間にあると捉えられなくもない。
再びタイトルに戻って、特殊相対性とは何だろう。単にゴロでつけただけの可能性も大いにあるが、ここは敢えて、何かこだわりがあると考えてみる。
人の心は時間や距離が容易に変えてしまう。ある時点では相思相愛だった関係も、どちらかの気持ちが冷めれば、心の距離は開いていくだけだ。片方だけががむしゃらにがんばっても、一時は何とかなるかもしれないが、どうにもならない。そういう関係性が相対性なのだろう。
では、何故に一般ではなく特殊なのか。登場人物たちが特殊だから、と解釈するのもありだが、ここは本家に敬意を表し、これらの関係性に何か不変なものがあるから、と解釈してみたい。そう思って見てみると、変わらないものが一つある。ぷりるんである。ぷりるんは徹頭徹尾、変わらない。その言動は常に一貫しているし、それを支えるものも揺るがない。ぷりるんが変わらずにいるからこそ、ユラキは他者との関係を定義できるのである。
小学生には間違っても薦めない。中学生にも躊躇する。ただ、何か伝えたい想いは強く感じられる作品である。
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2009・8・1 初版 270p 9784758040921
主人公【ユラキ】の周りには【ぷりるん(通称)】【姉・綾】【妹・うずみ】【桃川みう】【小野塚那智】といった美少女がいる。だがいろいろな事実を知っていくことでユラキは人生のどん底に嵌ってしまう。
主人公【ユラキ】の心情描写は強く引き込まれる。
ユラキの人生のどん底にはまっていく姿に目が離せなくなったらもう一気読みしてた。一巻で終わってしまうのは残念。内容を膨らまして複数巻にしてもよかったなあ。でも、まあこれで終わって丁度いいとも思う。
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表紙で軽いギャルゲーチックに予想して買うと痛い目を見ますよ。普通の高校生がちょっとしたきっかけで普通を無くし妙にモテる……とは問屋が卸さない! つい一気読みしてしまいましたが純粋な感想は「すごい」一言に尽きます。
自分の考えと周りの考えが違うから何となく嫌いになったり、分からないから考え込んでみたり、全部どうでも良くなったりetc……はっきり言って鬱々とする内容です。でも、皆体験してるんじゃないかな。あの心理状況。とはいえ主人公のような状況になる人はかなり真面目で繊細な人でしょうが。
読んでいて結構落ち込んだりもしちゃうかも知れませんがやっぱりこんな考えに囚われる事はあったし、全否定は出来ないんですよね。その苦悩の様をありありと書ける十文字先生はやっぱりすごいよなぁ。
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あーうーん。
読み終わったけど好みじゃなかったなー。
馬鹿には理解し辛いです。
まあ、暗めのギャルゲな内容です。
さらっとヤバい事件的なものもあったりしますので
読後感的にはそういうの駄目な人もいそう。
ぷりるんは可愛いけれど、あんまり突拍子もないので
慣れるまで時間がかかりました。
慣れればカワイイし、ぷりるんの理由も大体が予想つきますが…でもちょっと裏切られたかな。そこが良かった。
十文字さんの「ふぁoく」という単語の愛し方は異常。
1冊に最低一回は出すくらいの勢い。
ギャルゲとして読んでも、成長ものとして読んでも、恋愛ものとして読んでも、十文字さんの真価が発揮されていない感じで、ちょい残念でした。
ユラキのキャラが弱いような…惜しいです。
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<ラブラブ光線絶賛放射中な妹―うずみ(♀)。元・天才美少女、自由奔放な姉―綾(♀)。みんなのアイドル、気になるクラスメイト―桃川みう(♀)。脚がステキな憧れの先輩―小野塚那智(♀)。彼女たちに振り回される人―ユラキ(♂)。ユラキの悩みは今日もつきることなく、“ぷりるん”はまた現れる。新感覚系ラブストーリー誕生。>この(←)あらすじと内容の合ってなさ‥‥羊頭狗肉ここに極まれり。評価に困る一冊。
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人には薦められませんが☆5。
タイトルとイラストで判断すると騙されます。内容はものすごくヘビー。粘度が高いかんじで。
とはいえ読み終わってみればとても満足な青春モノ。主人公の修羅場での言動も『説教』などではなくただ素直な気持ちをぶつける風なのもイイです。
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2010 8/23読了。WonderGooで購入。
『ヴァンパイアノイズム』と同じ第九高校が舞台、ということで読んでみようと思い購入。
ということで少し考えれば表紙とあらすじに騙されてはいけないことなんて明白だったのに、軽いものが読みたい気分の時に読み始めてしまい・・・重い、重いよユラキの青春・・・。
それでも最後は願っていた通りの展開になってくれて良かったけども。
表紙とあらすじ変えたらヤングアダルトコーナーにあってもおかしくないんじゃないのか、これ。
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特殊性相対理論・・・価値観の形は人それぞれ
そんな感想を抱きました
近年に蔓延しているラブコメに辟易している人にはいいかも
この人の文体は好きです
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深い。不快。
一人称なのに他人を描写しているような変わった文体でたんたんと物語が進む。こんなラノベもあるのかとラノベを見直した。
何故星5つでないのか理論的な説明ができない自分に悩む。
●良かった点
淡々とした文体でドロドロの人間関係を書いているところ。かーなりぶっ飛んでいるけど根底の悩みは日常ありそうで自分をなすりつけているのが良い。親友と喧嘩するとか。
●気になった点
目立った点は無し。強いていえばあまりにあっけなく問題が解決するところ。
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徐々に盛り上がるタイプではなく、最初に一旦心折ってから直してめでたしめでたし、みたいなストーリー。
なので前半が読むのキツい。
その分後半の直し始める辺りのカラオケとか姉のシーンは良かった。
けどこの流れで全部上手くいきました的な終わり方はあまり好きじゃないかな。
しかしハーレム系ラノベの主人公がEDて。
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表紙やタイトルからは想像もできないような内容の重さ・・・。
普通にヤったりするし・・・。
ライト(見た目軽い)なようでライトじゃない(内容的な意味で)、けどライト(ある意味ハッピーED=明るい?)な作品なんじゃないかな・・・、と僕は思う。
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よくみる典型的なラノベ主人公がいたとして、フィクションによるご都合主義を排除した場合、こんな現実が待っているんだと言わんばかりの内容でした。 こんな痛い目に遭うかもしれないんだぞと示唆してくれた。 いや、考えすぎかもしれないけれど。
でも最後はハッピーで閉じているので読後感は悪くないです。良しです。
この作品はつまり幼馴染み最強説を証明するために論じられた小説と言っても過言ではないのではなかろうか。 幼馴染み最強説を支持する私としては、この点を強調してみたい。いや、何を言ってるんだか……。
うん、面白かった。
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書評家・坂上秋成さんが十文字さんの新刊『果てなき天のファタルシス』解説で語られていたので、読んでみました。カバーイラストとかを見るにどんな電波系エロコメディだ、とか想像をしていざ読み始めると……。ということで、ここからはネタバレ丸出しで行かせていただきます。
おい、やり過ぎじゃねぇか、と。学園のヒロインというのは清純で容姿端麗・成績優秀、そんなイメージだったんですよ。読み始めてみると一変、ただのビッチじゃねぇか。非処女の上毎日性行為を行いそれを主人公にきっかり1時間報告する。でも、主人公が勃たなくて性行為につき合わされるけれどそんなことができるはずものない。ではその理由は、というのが今回の物語の根幹になります。いやはや、こんな物語を書けるってライトノベルは広大だわ……。
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体のふれあいではわからないこと。
どんなに体で繋がりあっても、心の壁を打ち破るのは容易ではない。
本当に触って、撫でて、温めてほしいのは心なのに、どうしていいか分からずに体のつながりを求める。