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CMSやwikiの起源に興味があり購入。デザインパターンがどのようなものか知らずに読んでみたので、概念としては理解できても、実際にどのようなものが使われているのかはまったくイメージできず、その点が残念だった。今度はデザインパターンそのものについて書かれた本を読んでみたいと思う。
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「クリストファー・アレグザンダーなんて、昔読んだ柄谷行人以来、久しぶりに見たわ」「HyperCardとか、使ったなー」などなど、お懐かしメソッドてんこ盛り。
こういう他業態のアナロジーをやすやすと並列するを見るにつけ、プログラミング業界って発展途上だねと噛みしめること、ひとしきり。
文章も構成も丁寧で、面白い読み物――技術解説書ではなく「読み物」ですのでご留意を。
はてなを評しweb2.0とかいうとなんだかキナ臭いですが、「wiki技術を面白くつかっている日本式wiki展開の会社」と書かれるあたり、慧眼です。
べつに創造的ではないです。
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2010 11/5読了。筑波大学図書館情報学図書館で借りて読んだ。
江渡さんご本人にお会いする機会も幾度かあり、pingpongプロジェクトでも自分のブログで取り上げたサイエンスアゴラ(http://d.hatena.ne.jp/min2-fly/20091102/1257184329)やWikiバナ(http://d.hatena.ne.jp/min2-fly/20100612/1276326074、http://d.hatena.ne.jp/min2-fly/20100613/1276380049)でもたびたび話題にあがっていながら、なぜか今まで手にとっていなかった本。
L-1グランプリ参加チームでやっているUstream、「図書館情報学チャンネル」で取り上げるかも・・・ということでやっと読んだ。
なかなか手に取らなかった一因は、アレグザンダーの「パターンランゲージ」というのがなんか難しそうというかとっつきにくそう、というイメージがあったからなのだが、読んでみると確かにアレグザンダーの考えはとっつきにくそうであるものの、本書自体は非常に読みやすい上にめちゃめちゃ面白かった。
「ちょっと時間あるし、少し読んで帰るか」と思ってたのに最後まで読み通してしまったことが面白さの証(現在 3:56a.mでまだ研究室)。
研究関連の本で手が止まらないってのは久々かも。
何十年も前に建築の世界でとなえられたパターンランゲージがプログラミングの世界に取り入れられ、さらにそれが普段身近に接している(Wikipediaはもちろん、qwikWebも非常にお世話になっています)Wikiにつながっていく・・・という、「時を超えた創造の原則」の指摘が素晴らしかった。
で、図書館情報学者としてはそのWikiにまでつながる思想が、情報探索者・発信者にどのような影響を与えているのか・・・ってところに興味があるわけで、今後関連研究を読むときには留意したい。
あともちろん、pingpongプロジェクトに関わるときにも。
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アレグザンダーの「6つの原理」がデザインパターン、XP、Wikiへどのように影響しているのかが非常に分かりやすく解説されている。分厚い「パターンランゲージ」はなかなか読む気が起きないので、こうしてその内容を端的にまとめ、その波及の仕方まで描かれている本は非常にありがたい。
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2年近く積読したものの、読み始めたら 1日で読み終わった。
XP やデザイン・パターンの源流が建築家アレグザンダーのパターン・ランゲージに影響を受けているという話は有名だし、僕も知識として知ってはいたのだが、実際にここまで似通ったものだとは、この本を読むまで知らなかった。適用分野こそ異なるものの、XP の原則はアレグザンダーが提唱した(たとえばオレゴン大学の実験で示した)原則のアナロジーどころか、一言一句同じと言ってもいいくらいだ。
常々、ソフトウェア業界が抱える問題の一つは「建築のアナロジー」であって、あたかも高層ビルを建てるかのようにプログラムを開発しようとする姿勢だと思っていた。しかし、建築業界にもソフトウェア業界が抱えているのと同じ問題があったらしい。それを解決しようとしたアレグザンダーが建築業界では異端とされ、ソフトウェア業界では主流になりつつあるという現象は面白い。
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評価の高い書籍であることは前から知っていたが、予想していたよりもはるかに読後の衝撃は強い。アレグザンダーのパターンランゲージ、GoFのデザインパターン、ハイパーカード、XP、そしてWiki。それぞれは知識として知っていたが、それが有機的に繋がるとは思いもしなかった。そして、この書籍を読了したいまとなっては、この一連の繋がりこそが個々の概念の本質を理解する道なのだと分かった。
文芸であろうとプログラミングであろうと建築であろうと、何を作り上げようとする人には有益な書籍だと思う。
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アジャイル開発の手法の一つ、XPについてその思想の源流をたどっていく。
元々は建築家の都市を、利用者と一緒に漸進的に作り上げていく、という考え方にその原点とも言えるものがある。
自然な都市には言葉に出来ない何かしかの価値がある。
それは全てを計画してから作ったからではなく、中の生活者達が作り上げていくなかで生まれたもの、との考え方だ。
その例としてwikiを上げる。
wikiとは利用者がページを作り上げていくことが出来る仕組みだ。
この中にも上記の都市と同様に、漸進的に利用者によって作り上げられている、という特徴がある。
それによって、全てを設計して作ったページとは異なるところに価値がある。
アジャイル開発も同様だ。
顧客を開発に巻き込み、一緒に価値のあるものを生み出していく。
システムとは、構築を任された者だけが作るのではなく、利用者も一緒に作り上げて行くものだと感じることが出来る。
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webの登場により複数の作業者による並行編集が目に見えるカタチになったけど、世の中に本しかない時代にもアイデアはあったのだ、という話。wikiとアジャイル開発を結びつけて考えたことがなかったが、源泉は同じなのだな。思考はハードウェアに導かれるのであり、その逆ではない、とかも思った。
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XP目当てで読んだけど、理論的な新情報はなかった。
タイトルの通り、成り立ちとか、前身になってる考え方を物語風に紹介している。
XPとかをやるときに、よく自分達で変えていくんだ的なことを言われるけど、それって結局どうやってくの??って辺りの参考にはなるかも。
というか、ベックさん達はパターンとか考えながら自分のベストプラクティスまとめたんだなーというお話。
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題名から何となく、避けていた一冊だが
読んでみると、結構面白かった。
あとwikiってハワイ語とはしらなんだ。
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本書はデザインパターン、XP(エクストリームプログラミング)、Wikiの三つに共通する設計思想の背景を建築家アレグサンダーに求め、アレグサンダーの思想がどのようにソフトウェア設計に取り入れられてきたかを紹介した本である。
したがって技術書として読むと物足りないように思うかもしれないが、ソフトウェア設計の思想的背景を知りたい人にとっては面白いと思う。
Wikiっていつの間にか流行っていたし、ウェブサイトの編集を簡単にしただけのものぐらいにしか思ってなかったけど、こういう背景があったのかと興味深く読んだ。
気になった点をいくつか。
・アレグサンダーは建物そのものではなく、その設計プロセス・生成過程が重要であると考えた
・建築を一回作って終わりのものではなく、漸進的に発展するものだと考え、拡張の余地を残した
・ユーザビリティーを重視した人間中心の設計
・アレグサンダーはもともと数学科出身であったが、あえて「無名の質」という名付けえぬ概念にこだわった。
・XPで重要なことは「今いらないものは作り込まない」。なぜなら将来的にもどうせ必要にならないから。
・修正を入れたらすぐにテストする。結合テストも頻繁に行うべきである。そうすることで常に品質が保たれる。
・Wikiはプログラムでありドキュメントでもある。
・Wikiではそれ自身の編集方法、記述のルール、各ページの階層関係といったメタ情報もまたWikiページとして記載される。フラットな構造である。
個人的には、プロダクトに注目することから設計プロセスに注目するという移行が、20世紀における人間認識に対する大きな変化の一つの表れのような気がするが、それを今考えるのはちょっと手に余るのでそのうち考えたいと思う。
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建築家クリストファー・アレグザンダーが提唱した6つの「創造の原則」が今日のソフトウェアの礎になっている。
この事実を歴史を追って理解できることがとても素晴らしい。
特に、この原則がケント・ベック、カニンガム、コプリエンらの活動の源流にあることを知るだけでもこの本を読む価値がある。
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良い本だと思う。
技術書ではなく、読み物。
情報共有のためのWiki
開発プロセスのXP
別々のものだけど、起源を辿ると建築家アレクザンダーのパターンランゲージに行き着く。
これを読んでおくと、XPを学習した時に思想や起源が分かるので入りやすいのかも。
(XPの学習はしてないから、なんともいえないけど)
読んでて、
Wikiで設計書を書いたら面白いんじゃないかなんて事も考えた。
(設計書書くためのWikiエンジン作ってしまうとかね)
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タイトルに上げられた3つの一見すると関係なさそうな項目の起源や関連を見ていくという野心的な本。自身としては「一見すると関係なさそう」と最初に思ってしまったので、無理な理論展開などがあるんだろうなと思い込んでしまい、しばらくの間「積読」状態でしたが、一旦読み始めるとかなり引き込まれました。
というのもそれは、クリストファー・アレクザンダーの建築における多大な実績によるところが大きいと思う。彼が解決しようとしていた問題のスケールの大きさや、問題解決に対するアプローチの仕方が非常に興味深く、ソフトウェア業界がそのような功績に注目したのも頷ける。
ソフトウェアにおけるパターンムーブメントについても、GoFといった人たちのことは知ってはいたが、実際にどのような形で進んでいったかという歴史・背景を知る上で非常に参考になった。比較的同時発生的に、幾人かの人たちがこのような問題に着目して、OOPSLAなどで洗練されていったというも興味深い。
またKent BeckによるXP(eXtreme Programming)のプラクティスがプロセスパターンなども含めたパターンの成果から生まれてきたというのは、これまで全く想像していなかったことなので、それについても興味深かった。
あとはWikiに関する章については、単純に読み物として面白かった。
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パタンランゲージのことを勉強したくてこの本を読んだ。
第一部は、ソフトウェアに全く関係なく、アレグザンダーの建築のことが述べられている。
パタンランゲージに興味なかったら頭に入っていなかっただろうと思うと、今のタイミングで読んでよかった。
パタンランゲージの片鱗だけでも理解できただろうか。もっと奥深そうだなぁ。
-引用-
アレグザンダーの思想の中心にあった価値観は、無名の質を備えた建築を作り上げることでした。無名の質とは、古い年の調和した街並が備えている生き生きとした建物や町が持つ特性です。
ベックは無名の質を備えたソフトウェアを目標とし、カニンガムは無名の質を備えたWebサイトを目標としたのだと言えるのではないでしょうか。
パターンと同じように、ここの意味や社会的背景、組み合わせ規則といった性質を持つものがほかにもあります。それは「単語」です。人は単語を組み合わせて文を作ります。このような活動と概念の集合を言語と呼びます。...そのために、1つの建築活動に必要なパターンの集まりを「パターンランゲージ」と名付けたのです。
6つの原理
1. 有機的秩序の原理
2. 参加の原理
3. 漸進的成長の原理
4. パターンの原理
5. 診断の原理
6. 調整の原理