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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2009.5
  • 出版社: 角川書店
  • サイズ:20cm/396p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-04-873959-7

紙の本

雪冤

著者 大門 剛明 (著)

平成5年初夏—京都で残虐な事件が発生した。被害者はあおぞら合唱団に所属する長尾靖之と沢井恵美。二人は刃物で刺され、恵美には百箇所以上もの傷が…。容疑者として逮捕されたのは...

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雪冤

税込 1,650 15pt

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商品説明

平成5年初夏—京都で残虐な事件が発生した。被害者はあおぞら合唱団に所属する長尾靖之と沢井恵美。二人は刃物で刺され、恵美には百箇所以上もの傷が…。容疑者として逮捕されたのは合唱団の指揮者・八木沼慎一だった。慎一は一貫して容疑を否認するも死刑が確定してしまう。だが事件発生から15年後、慎一の手記が公開された直後に事態が急展開する。息子の無実を訴える父、八木沼悦史のもとに、「メロス」と名乗る人物から自首したいと連絡が入り、自分は共犯で真犯人は「ディオニス」だと告白される。果たして「メロス」の目的は?そして「ディオニス」とは?被害者遺族と加害者家族の視点をちりばめ、死刑制度と冤罪という問題に深く踏み込んだ衝撃の社会派ミステリ、ここに誕生!第29回横溝正史ミステリ大賞&テレビ東京賞W受賞作。【「BOOK」データベースの商品解説】

【横溝正史ミステリ大賞大賞(第29回)】【横溝正史ミステリ大賞テレビ東京賞(第29回)】時効直前、死刑が確定した男の父親にかかってきた1本の電話。それは、真犯人を名乗る人物からだった。15年前の殺人事件は冤罪だったのか、それとも…? 死刑制度と冤罪に真正面から挑んだ社会派ミステリ。【「TRC MARC」の商品解説】

著者紹介

大門 剛明

略歴
〈大門剛明〉1974年三重県生まれ。龍谷大学文学部卒。「雪冤」で第29回横溝正史ミステリ大賞&テレビ東京賞をW受賞。

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評価内訳

紙の本

死刑制度を冤罪から考えない

2009/09/01 09:11

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:かつき - この投稿者のレビュー一覧を見る

死刑制度と冤罪の問題を描く社会派ミステリー。
京都の鴨川で、ホームレス支援を行っていた合唱団の
男子学生長尾靖之、女子学生沢井恵美が、
同じ合唱団の中心的メンバーである八木沼慎一に殺されます。

しかし、慎一は冤罪であり、しかも死刑判決が出て4年を過ぎ、
いつ執行されてもおかしくない時期を迎えています。

彼の冤罪をはらすために、元弁護士の父親は
ひとり、京都の町に住み、駆け回っています。
彼と慎一は高校生のころから絶縁状態で
今も慎一は面会を断っています。

奇しくも慎一の弁護士は、事件当時、苦労しながら
司法試験を受け続け、慎一とも顔見知りだった石和洋次。
慎一は21歳で司法試験に合格した京大生という立場が
現在では入れ替わっています。

ひとつの事件をきっかけに、人生や生活が
逆転してしまう現実を鮮やかに描く冒頭から
真犯人「メロス」と名乗る男との接触、
冤罪が晴らされるかどうか(=雪冤)、事件の真相への疾走と
グイグイと引っ張っていく力量に圧倒されました。

後半、事実が二転三転するのは、わかりにくく、
もう少しすっきりと描いたほうがよかったでしょう。
ただメロスの正体をあれこれと読者に考えさせる伏線と展開は見事でした。

裁判員制度が始まり、死刑制度を考える機会も増えるでしょう。
冤罪から考える死刑制度という流れに、一石を投じています。

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2009/07/10 21:16

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