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商品説明
いじめに遭っている中学2年の太刀川照音は、その苦しみ、両親への不満を「絶望ノート」と名づけた日記帳に書き連ねていた。そんな彼はある日、校庭で人間の頭部大の石を見つけて持ち帰り、それを自分にとっての“神”だと信じた。神の名はオイネプギプト。エスカレートするいじめに耐えきれず、彼は自らの血をもって祈りを捧げ、いじめグループ中心人物の殺人を神に依頼した。「オイネプギプト様、是永雄一郎を殺してください」—はたして是永はあっけなく死んだ。しかし、いじめはなお収まらない。照音は次々に名前を日記帳に書きつけ神に祈り、そして級友は死んでいった。不審に思った警察は両親と照音本人を取り調べるが、さらに殺人は続く—。【「BOOK」データベースの商品解説】
いじめの渦中にある中2の少年は怨念を日記帳「絶望ノート」に書き連ねていた。エスカレートするいじめに耐えきれず、少年は自らの血をもって、神と信じる石にいじめの中心人物・是永の殺人を依頼。是永はあっけなく死んで…。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
歌野 晶午
- 略歴
- 〈歌野晶午〉1961年千葉県生まれ。東京農工大卒。88年「長い家の殺人」でデビュー。「葉桜の季節に君を想うということ」で第57回日本推理作家協会賞、第4回本格ミステリ大賞受賞。
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紙の本
まさに絶望
2020/04/23 12:34
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あおたいがー - この投稿者のレビュー一覧を見る
こわい。
見事に色々裏切られていく展開に心が削られていく感じ。
ラストスパートがとにかく半端ない!
本当に『絶望』。
何が嘘で本当なのかわからなくなるし、騙される。
誰がどうやって、どういう思いで、とか考えると困惑していく。
すごく面白い。
癖になる後味の悪さ!
紙の本
いじめの話が面白くないのは、もしかすると自分が昔、いじめる側にいたせいなのかな、なんて思います。ともかく、話が暗くなるのも好きじゃあない。エンタメにイジメは似合わない・・・
2009/10/27 19:56
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
歌野晶午、どうも私の中で位置付けがはっきりしません。私が読んだ歌野作品も数えるほどしかない、と思ってチェックをしたらそれなりにあります。『生存者、一名』『葉桜の季節に君を想うということ』『魔王城殺人事件』『女王様と私』『安達ヶ原の鬼密室』『そして名探偵は生まれた』『舞田ひとみ11歳、ダンスときどき探偵』。決して多くはないけれど、年一冊くらいは手にしている。
ただし、褒めているのは『魔王城殺人事件』と『舞田ひとみ11歳、ダンスときどき探偵』くらいで、今も彼の代表作とされる『葉桜の季節』についてはダメ。我が家の娘たちも認めていません。ま、今読めば、よく出来た話だと冷静に評価する可能性題ですが、私にはそういう時間がない、ということで何ともキモチが悪いわけです。
で、この本の出版社の謳い文句の一つが
歌野晶午、再び──。
「このミス」第1位『葉桜の季節に君を想うということ』から6年、鬼才が放つ、あれ以上の衝撃作!
です。また『葉桜』かよ、って思います。歌野に「鬼才」っていう言葉があうのかどうか、何だか言葉のイメージと違う気がするし「あれ以上の衝撃作!」っていうのもねえ、「あの衝撃」って、けっこう際どいケレンみたいなもので、アレを強調するっていのは私のように『葉桜』を評価しない人間にとっては、マイナスでしかありません。
そういう意味であまり気乗りせず、とはいえ無視できないなあ、と読み始めました。ちなみに、てっきりオブジェだと思ったカバーイラストはチカツタケオ、カバーデザインは鈴木成一デザイン室、で書き下ろしだそうです。で、ミステリなので深く内容に触れることはできません。出版社もHPで
*
日々いじめられる中学2年の太刀川照音は苦しみを日記帳に書き連ねた。ある日「神様、是永を殺してください」と書くと、是永は屋上から転落死した。以降、次々に死ぬ級友と教師たち――。
*
としか書いていない。ということで、私としても登場人物中心の紹介に留めます。
大刀川照音、たちかわしょおん、と読みます。縮めて「タチション」、14歳。光岡中学の二年生ですが、この名前でどれだけ酷い目に合ってきたか。小説家志望で国語の成績以外は殆ど駄目、ってまあ、いじめられても仕方がないキャラではあります。ともかく、この男の子全く魅力がありません。
で、息子に適当な名前をつけて喜んでいる愚父というのが大刀川豊彦。ジョン・レノンと誕生日が同じことから、ジョン・レノンマニアになり、コピーバンドで活動を続けるが、芽が出ず、今は単なる中年ニート。集中力が無く仕事が続かないため、家事をしていますが、その言動の悉くが無責任。で、稼ぎもないのにヴィンテージのギターコレクター。
今の妻・瑶子とは、ヨーコ、という連想で結婚を決めたというオオバカ。バンドはやめたものの45歳の今になってもジョン・レノンへの投影はやむどころか暴走状態。ギターもだが衣服、趣味、言動、日常生活全般においてレノンを模倣し続けています。ちなみに息子の名前・照音はレノンの息子ショーンに倣ったというのですが、アンチ・ビートルズ、アンチ・レノンの私にはチンプンカンプン。
で、弱いもの苛めをして楽しんでいるのが是永雄一郎、身長180センチ80キロの巨漢。とはいえ、表の顔はとってもいいのでクラスの人気者。ただし、その裏で仲間とつるんで照音にイジメを繰り返します。金を巻き上げる、万引きをやらせる、それを写真に撮る、脅す、暴力を振るうなど、まさに悪魔のような中二。こういうのが大学に行って女性に乱暴働く、っていう感じ。
で、その取り巻きが庵道鷹之。是永とつるんで照音にイジメを繰り返す一方で、是永に取って代わろうともくろむ子悪党。倉内拓也も同じ苛め仲間。ほかにも、照音が想いを寄せる同級生・国府田夏美や学級委員長の諸井、或いは照音の同級生で、同様にイジメにあっている大迫や、苛めにあっているものの、自分の生き方に自信を持っていて動揺しない副島真菜などが面白い動きを見せます。
ついつい読んでしまうんですが、苛めテーマのお話って、楽しくないんです。苛める側が悪いのは当然ナンですが、じゃあ、被害者は魅力的か、っていうと少しもそうではありません。まして親が親でしょう。村八分になっても当然じゃあないか、なんて思ったりもして、そんな自分に嫌悪感を抱いて・・・
ともかく、読ませるお話ではあるし、仕掛けも聞いているし、で評価する向きがそれなりにいることは理解できますが、正直、楽しくないわけです。『葉桜』もそうでした。トリックは認めても、小説として認めたくない。同じ子供を扱うにしても『魔王城殺人事件』と『舞田ひとみ11歳、ダンスときどき探偵』のほうが明るさがあってよかったな・・・
以下は目次です。
ショーンの魂
ぼくを見て
母
神
オー・ヨーコ
血まみれの日曜日
アイ・ノウ
心のしとねは何処
ハウ?
眠れるかい?
あいすません
真実が欲しい
しっかりジョン
マインド・ゲームス
愛
スターティング・オーヴァー
イマジン
プライマル・スクリーム
夢の夢