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投稿者:ペンギン - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本の主張は要するに、「予測はするな、信じるな」だ。ゴールドラットの本にも需要の予測をするなと書いてあったけど、これとよく似ている。真理だと思う。
細かいところでは、第5章の数列の話が好きだ。人は無意識に「だめです」と言われまいと余計な憶測をして、複雑で面倒くさいことを考える。その結果、身動きが取れなくなるわけだ。思い当たるフシがありすぎる(笑)。
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ナシーム・ニコラス・タレブ (Nassim Nicholas Taleb)
文芸評論家、実証主義者、デリバティブトレーダー、大学教授。
不確実性科学を研究。
「懐疑的実証主義者で怠け者読書家、アイディアを深く深く突き詰めることに全力を挙げる人間」
"My major hobby is teasing people who take themselves & the quality of their knowledge too seriously & those who don’t have the courage to sometimes say: I don’t know...."
http://www.fooledbyrandomness.com/
http://en.wikipedia.org/wiki/Nassim_Taleb
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ブラック・スワン
?普通は起こらない。
?とても大きな衝撃がある。
?事後には予測が可能である。(事後に説明をでっち上げる)
ブラックスワンは予測できない。それがいる世界順応するしかない。
ブラックスワンを集め、それに対するエクスポージャーを最大限まで高める。
人間は事実ばかり学び、法則を学ばない。
メタ法則?
人間は軽薄で、不公平。
・人知れず大災害を未然に防いで私たちの命を救った哀しい英雄たち。
彼らは足跡を残さないし、自分たちが大きな貢献をしたことさえ気づかない。
・「飛行機の操縦席に防弾ドアをつけて鍵をかけなければならない」という法律を
2001年9月10日につくり、即座施行させていたら英雄になっていたか?
・本に書かれることもない貢献をした人たちの犠牲のうえに、歴史の本に名を残した人たちを、私たちは崇め奉る。
ベル型カーブ = 壮大な知的サギ Great Intellectual Fraud
プラトン性
純粋で扱いやすい「型」(イデア)にばかり焦点を当てる傾向。
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不透明の三つ子(歴史に接したときに出る症状)
?わかったという幻想。世界は実感するよりずっと複雑・ランダム。
?後づけで解釈する。
?実際に起こったことに関する情報を過大評価する。
私たちの住む世界が、実際よりも分かりやすく、説明しやすく、だから予測もしやすいと思い込んでしまう。
後講釈のせいで、起こったことがどれほど稀で、どれほど考えられないことなのかが見えにくくなる。
ほとんど何でもつじつまを合わせられるし、すべえtの現象に山ほどの説明をつけられる。
歴史や社会はながれてはいかない。ジャンプする。
私たちは、歴史が少しずつ変わっていくと信じ込んでいるため、簡単に予測ができるのだと思ってしまう。
第二次世界大戦の始まりのころを生きた人たちは、何か大変なことが起こっていると書き留めていたに違いない、
と今の人はそう思うかもしれないが、そんなことはない。
ブラックスワンが生まれるとき
・凝り固まったプラトン性。
・「分類」により複雑性が低下。
・単純化→部確実性の源が無視される。
イスラム教過激派は共産主義の脅威に対して共に戦える連中だと思って、彼らの成長を手助けしていると、
ある日マンハッタンのダウンタウンのビルに飛行機が二機突っ込んできたりする。
効率市場論との���会い → 新聞を読まなくなり、テレビも見なくなった。本は増えた。
科学のいくつかは、めったに起こらないことが与える効果を過小評価(あるいは完全に無視)しているので、
現実の世界では使い物にならない。
プラトン性の境目に賭ける。
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第3章
2種類の仕事
・仕事量を増やさなくても稼ぎを何桁も増やせる仕事
・仕事量と仕事時間を増やさないと稼ぎが増えない仕事
前者は競争が激しく、格差が大きく、まぐれに影響され、努力と成果が結びつかない。
成功すると「才能」があることになるのであり、その逆ではない。
能力だと思っていることのほとんどは、結果からの後づけで決められる。
月並みの国
特定の事象が単独で全体の大きな部分を占めることはない。
体重、身長、カロリー摂取。
果ての国
データ1つが全体に圧倒的に大きな影響を及ぼす。
財産、本の売上げ。社会的な問題。
ブラックスワンが生まれる。
P82
いくらか予測可能なブラックスワン=灰色の白鳥、マンデルブロ的ランダム性
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第4章
帰納の問題は間違いなく人生のすべての問題の源。
観察でえられた知識には罠がある。
感謝祭前後の七面鳥
1000日間エサをもらっていたからといって、次の1日についてまったく何もわからない。
過去を延長しただけの安易の予測は、どこにでも現れる。
過去は典型的な未来を表現した一番信頼できる予測だなんて安易に思い込むからこそ、ブラックスワンがわからない。
タイタニック号のスミス船長
「私は一度も事故に遭わなかった。」(1907)
沈没(1912)
よい方のブラックスワンは、効果が広もあるのに時間がかかる。
株価の上昇、ベストセラー本、テクノロジー。
悪い方は早い。
地震、9.11。
博識になるということは自分の知識に満足していないということであり、そういう不満があると、
プラトン性だの単純化だの、専門バカの学者の俗物根性だのに陥りにくい。
ブラックスワンを見るのに不自由だと
a. 追認の誤り:目に見える一部を、目に見えない部分に一般化する。
b. 講釈の誤り:自分のプラトン性を満足させる講釈で自分をごまかす。
c. 黒い白鳥がいないかのように行動する。
d. 物言わぬ証拠の歪み:目に見えるものが全てではない。歴史は黒い白鳥を隠した。
e. トンネル化:素性のはっきりした不確実性の源ばかりに集中する。
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第5章 追認
行きと帰りの誤り
可能性があると示す証拠はない ≠ 可能性はないと示す証拠がある
テロリストはほとんど皆イスラム教徒だ ≠イスラム教徒はほとんど皆テロリストだ (5万倍に)
私たちは、自分の話や世界観を裏付けてくれる例を探そうとする。
自分の説に合った過去の例を探し、それを証拠として扱う。
判例を積み重ねることで、真理に近づける。裏づけを積み重ねてもダメ。
白い白鳥を集めても、黒い白鳥が存在し��い証拠にはならない。
ジョージ・ソロスは相場を張るとき、自分が立てた最初の仮説が間違っていると示す例を探し続ける。
普通は、自分の仮説が正しいと示す例を探す。=追認の誤り
ヘンペルのカラスのパラドックス
白い白鳥を一羽見かけるたびに、黒い白鳥はいないことの裏づけがとれると思うなら、
理論的には、赤いミニクーパーを見かけるたびに黒い白鳥などいないことの裏づけがとれる
と考えていることになる。
白鳥はみんな白い=白くない物体は白鳥ではない
後者が追認されるなら前者も追認される。
白くなく、かつ白鳥でない物体を見かけたら、白鳥がみんな白いという命題が追認される。
1923年、東京での地震で、日本のGNPは3分の1も減少した。今起こったら・・・。
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第6章 講釈の誤り
要約・単純化・次元を落とす →講釈の誤り
連なった事実を見ると、理論的なつながりや関係を無理やり当てはめてしまう。
理論化をせずにいるのは努力が必要。
分離脳の患者に、動作(右脳)を依頼する。動作の理由を尋ねると講釈(左脳)を口にする。
因果関係をほしがる性質は生物学的なものだ。
ドーパミンがたくさん出ていると、ものを疑わなくなり、やたらとパターンを読み取るようになる。
パーキンソン病の治療にLドーパを投与すると、なんにでもパターンを見出したり何かを信じて疑わなくなる。
ギャンブル中毒になることも。でたらめな数字にパターンを見出してしまう。
→「知識」や「講釈」は、ある意味、病気の一種。
講釈のついた黒い白鳥 →過大評価
モデルに取り込めないので誰も話さない黒い白鳥 →過小評価
保険を買うとき、
可能性は高いが影響は小さい損失にたいして保険をかけるのを好む傾向がある。
可能性は低いが影響は大きい損失は置き去り。
めったいないことの影響を直感的に測るのはうまくない。過小評価してしまう。
抽象的な統計データの情報は、逸話ほどには人の気を引かない。
井戸に落ちた子ども。
スターリン:「人が一人死ねば悲劇だが、100万人死ねば統計にすぎない」
システム1: 経験的思考、直観、ヒューリスティック、いい加減で手っ取り早い
システム2: 演繹的思考、思考、努力必要、演繹的、遅い、論理的、逐次的、斬新的、意識的
推論をして間違いを犯すのは、システム2を使ってるつもりで、実はシステム1を使っているとき。
講釈の誤りを避けるには、
物語より実験を、歴史よりも経験を、理論よりも臨床知識を重んじること。
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第7章 希望の控え間で暮らす
直観は非線形なことに向いていない。
注意は、大事なことではなく、衝撃的なことに向く。
★毎日勉強すれば、勉強量に比例して何かが身につくだろうと期待する。
現実では、線形的な進歩なんてめったにない。がっかりしてあきらめてしまわなければ、
ある日突然何かがわかるのだ。
幸福はいい気分の強さより、いい気分になった回数のほうに��っと強い影響を受ける。
→少しずつ何度も収入を得るほうが好き。
→吹き飛ぶリスクは大きいが、短期では利益を追求できる戦略をとる。インチキトレーダー、銀行。
「血を垂れ流す」戦略
長い期間、毎日毎日損をするが、ごく稀に事件が起こるとものすごく儲ける。
また、どんなことが起こっても、吹き飛ぶことはない。
海馬は、慢性ストレスをモロに食らって萎縮し、元には戻らない。小さくても慢性的なストレスは
人を強くはせず、切り刻む。
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第8章 尽きない運
物言わぬ証拠の問題
彼の才能は私たちが思っているほど特別ではない。今では私たちの頭から
完璧に消えてしまっている何千人もの作家がいることを考えてみればいい。
そういう人たちのデータは分析に入ってこない。
拡張可能な生業には、負け犬がものすごくたくさんいて、勝ち馬は一握り。
俳優と会計士の稼ぎが平均で同じでも、食えない俳優は食える会計士よりずっと多い。
★化石の形で発見できる種は、生まれて消えた種の、ほんの一部にすぎない。
種が絶滅する割合は私たちが思うよりもはるかに大きいかもしれない。
地上に現れた種の99.5%近くは今では絶滅してしまっている。
種の絶滅に罪を感じたり、食い止めるために努力する必要なんてない。
★ビギナーズラック(Survivorship Bias)
命題「その後はダメになるが、ギャンブラーははじめはついているものだ」は実証的に正しい。
ギャンブルを始めた人は運のいい思いをするかしないかのどちらか。
運のいい思いをした人たちは、自分はいい星の下に生まれたのだと思い、ギャンブルを続ける。
そうでない人たちはがっかりしてギャンブルをやめるので、サンプルから外れる。
ギャンブルを続けた人たちは、始めたころに運がよかったのを覚えている。
落ちこぼれた連中はギャンブル界に生き残っていない。
わかりやすくて見える結末ばかり見て、分かりにくい結末や見えにくい結末は見ない。
見えない結末のほうが、だいたいは重要。
・カトリーナ被害の支援金はどこから来た?ガン研究に回すはずだったお金かもしれない。
・911テロで2500人が亡くなった。その後3ヵ月で自動車事故による死者の数は前年比で約1,000人増加。
私たちは強がりでリスクをとるのではなく、何も知らないから、そして確率を見るのに不自由だからリスクをとる。
将来を予測するとき、外れ値や不利な結果を無視してしまいがち。
私は黒い白鳥 − 人間バイアス
今ここに生きていることは、確率の低い事象がいくつも重なった結果だ。
近年大規模な戦争が起こっていないことの恩恵。
たった一度の稀な事象が、とても長い間かけて適応してきた種族を吹き飛ばす。
私たちは自分の経験する現実を歪めて認識してしまう。
その原因となる「物言わぬ証拠」。それのおかげで、現実は実際よりも説明が可能なように
そして安定しているように見えるてしまう。
「追認の誤り」や「講釈の誤り」に加えて「物言わぬ証拠」が効果を発揮すると、
黒い白鳥の影響がいっそうゆがんで見える。
実際、これらのおかげで、過大評価(文学作品の成功など)、過小評価(歴史や人類の不確実性など)
が起こる。
私たちは生まれつき浅はかにできていて、見えるものや情緒的に関心を引くものにのみ注意が行かない。
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第9章 お遊びの誤り
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第10章 予測のスキャンダル
知識が増えれば、同時に混乱も、思い上がりも、うぬぼれも増える。
私たちは、不確実な状態がとりうる範囲を押し縮めて、
自分が知っていることは過大に見積もり、
不確実性は過小に見積もる。
本当の私の価値どおりの値段で私を買って、私が思っている価値で売る方法が見つかれば、
ものすごく大きなサヤが抜ける。
専門家が専門家であることが多い仕事
専門家が専門家でないことが多い仕事
繰り返しのない過去の調査にもとづいて未来を相手にする仕事
自分がたまたま当ったときは、自分はよくわかっているからだ。自分には能力があるからだと言う。
自分が間違っていたときは、異常なことが起こったからだと言って状況のせいにするか、
自分が間違っていたことさえ分からずに、講釈をたれる。
自尊心を守るように働いている。
将来について非現実的な期待
結婚、家の購入
川の深さが平均で4フィートなら渡ってはいけない。下限(ワーストシナリオ)に注意!
予測の正確さ(誤差率)は、予想そのものよりもずっと大事。
予測期間が長くなれば予測が劣化する。
賢者とは、将来に起こることが見える人ではなく、遠い将来に起こることなんか見えるもんじゃない
と知っている人のことだ。
下巻へ
http://booklog.jp/users/kou1980/archives/4478008884
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ブラックスワン
1. 予測の枠外であること
2. 衝撃が大きいこと
3. 起こった後に適当な説明をでっち上げて、予測が可能だったことにしてしまうこと
1. 追認バイアス
- 自分が正しいと示す例を探してしまうこと
- 行きと帰りの誤り(a->bの事例でb->aと認識していまうこと)
- 推定の裏付けではなく、反例を探せ。
2. 講釈の誤り
- 一連の事実に論理的なつながり、あるいは関係を示す矢印を無理やり当てはめること
- 情報の次元を落とすこと
3. 推論に情緒が入り込む
- 衝撃的なことと大事なことは非線形
4. 物言わぬ証拠の問題
- 終わった後の立場で、通った道しかみないこと。
歴史に接するときに出る3症状
1. わかったという幻想
- 世界は実感するよりずっと複雑(あるいはランダム)
2. 振り返ったときのゆがみ
- 後づけでものごとを解釈する。経験する現実よりも歴史の本がわかりやすい
3. 実際に起こったことに関する情報を過大評価する
- 分類をしたりするとプラトン化(型にはめる)して、それに縛られる
歴史は流れない。歴史は移る(ジャンプする)。
世の中の仕事は、仕事量と仕事時間を増やさないと稼ぎが増やせない仕事(すなわち重力に縛られた仕事)と、仕事量を増やさなくても稼ぎを何桁も増やせる仕事(ただし、一握りの巨人とたくさんの小人の世界)がある。
いいかえると拡張可能性があるかどうか。
拡張可能性がないと、弱い不確実性やランダム性。
拡張可能性があると、強い不確実性やランダム性。
情報は、
第一に手に入れるのにはコストがかかる
第二に溜め込むにもコストがかかる
第三に複製したり取り出すにもコストがかかる
パターン化して講釈化されていればいるほど、保存したり書いたりするのが容易になる。情報がランダムであればあるほど次元が高くなり、要約するのが難しくなる。要約すればするほど、当てはめる法則は強くなり、でたらめでなくなる。そんな仕組みが一方で、私たちに単純化を行なわせ、もう一方で私たちに世界が実際よりも偶々でないと思い込ませる。
腹(システムI, ヒューリスティック、情緒的、経験的、素早い)と頭(システムII、思考、演繹的、遅い)
お遊びの誤り(未知の未知を考えられるか。または枠の外側を考えられるか。または焦点を絞りすぎにいられるか)
表と裏出る確率が同じコインを99回投げて表。次の1投で裏が出る確率は?
そのコインの前提が間違っている。
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「まぐれ」の著者が書いた不確実性についての一冊。行動経済学とも密接に関わっており、パーソナルファイナンスにも役立つ一冊。
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※上・下巻込みのレビューです
20世紀後半〜21世紀は「非線形」・「不確実をいかに評価するのか?」が学問、世の中の主流になるんじゃないか、とは頭の片隅にはあった。
物理学は、20世紀の段階で古典力学の範囲からすでに離れていた。経済学は理想的すぎてしっくりこない。金融は実際崩壊を起こしたし、予想が外れることはままあることだ。でも、僕らは20世紀の考え方(著書は、それを「ガウス的」と呼んでいる。)に染まっている。経済なんてバカでかいものに統計学の知識をつぎ込む。回帰直線を何となく引いてみたり。
分からない事なんて世の中にたくさんある。21世紀には21世紀の思考方法がある。そんな危機感をあおってくれる本。
また、経済学が嫌いになった。
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読んでいて示唆に富んでいたり、面白い点は多かったものの、作品全体として見たときに「じゃあ、一体何が言いたいんだろう?」という感じだった。
本書は、一般的な経済書というよりは、著者自身が本文で書いていたとおりエッセイなのだろう。そう考えれば、なんとなく雑然とした構成も理解できるし、知識人たちをこき下ろしているものそれなりに痛快ではある。
どうしてこの本がアメリカで100万部以上も売れたのか不思議でしかたない。というのも、本書の内容は決して万人が理解でき、且つ読みやすいものではないと思ったからである。この点は、僕個人の知的レベルが低いのか、理解力が乏しいのか、あるいはアメリカの一般ピーポーがこの分かるようアン分らないような作品を読むことによって、知的虚栄心が満たされるからなのか、良く分からない。
そういった意味では、読んでみても損はない作品かもしれない。とにかく僕にとっては微妙で印象的な1冊であった。
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(2009/9/29読了)すいません私は上巻で挫折します。全米ベストセラーということだし同じ著者の「まぐれ」も良書だという話ですが、私のツボにははまらなかった・・・
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決断し、行動するためのメンタルブロックを、簡単に粉砕するための1冊
http://cyblog.jp/modules/weblogs/2382
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まず、日本と欧米のリスクへの認識の違いを前提におく必要があること。経済や戦略などで割り切れないものが世の中にあると思えること。
この2点を理解したうえで読んだので、価値観が多様化するなかでどのようにリスクヘッジしていくかの参考になりました。
役員層にまず読んでもらい、マネジメント層(≠リーダー層)におすすめ
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ちょっとしつこい位、統計学の問題点を指摘。もうちょっと不確実性や外れ値に関しての説明を分厚くして欲しかった・・・
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● 七面鳥の最初の1000日を観察した(しかし1001日目の衝撃は見ていない)人なら、大きな事象、つまり黒い白鳥がいる可能性があると示す証拠はないと言うだろう。まったくそのとおりだ。でも、よく注意していないと、この命題と、黒い白鳥がいる可能性はないと示す証拠があるのとを混同してしまう。
● 「保守派の連中はだいたいバカだなどと言うつもりは決してない。言いたいのは、バカの連中はだいたい保守派だということだ。」ジョン・スチュアート・ミル
● 私が言っているのは、裏づけになる事実をいくら集めても証拠になるとは限らないということだ。白い白鳥をいくら見ても黒い白鳥がいないことの証拠にはならない。
● だから、楽しく暮らすには小さな「ポジティブ感情」をできるだけ長い間にわたって均等に配分するのがいい。まあまあのいいニュースがたくさんあるほうが、ものすごくいいニュースが一回だけあるよりも好ましいのである。
● 私たちは説明をほしがる動物で、ものごとにはすべて特定可能な原因があると思い、一番わかりやすい話を唯一の説明だと思って、それに飛びつく。でも、目に見えるなぜならなんて、ないかもしれない。むしろまったく逆で、説明なんてなんにも、ありうる説明の範囲なんてものさえなかったりする。
● 「賢者とは、将来に起こることが見える人のこと」とよく言う。でもたぶん、賢者とは、遠い将来に起こることなんか見えるもんじゃないと知っている人のことだ。
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とにかく池田信夫さんが絶賛していたので読んでみました。
同じ著者の『まぐれ』も読みましたが、訳者も同じで非常にくせのある文体(特に章タイトル)です。ただし、読みにくいと言うわけではなく、不思議です。英語でネイティブにはどういう印象になるのか、興味があるところです。とにかくひねくれ感がよく出ています。
巷では、今般の金融危機を予測した書と呼ばれているようですが、内容は真っ当。経済のリスク評価はガウス分布に従うことを仮定していますが、現実はそんなものではないので、外れ値の発生確率(いわゆるファットテール)とその影響の大きさが過少評価されていますよ、ということを言っています。
「黒い白鳥」とはその白鳥が見つかっただけで白鳥はすべて白いという確からしかった命題が一瞬にして崩れ去ることから取られた、そのような出来事一般を指すものです。その特徴としての、予測できないこと、影響が衝撃的であること、後付の説明がなされること、とされていますが、この後付の説明というのがタレブらしい観察です。
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確率論では事象は正規分布でおきるが、まれに突出した事例が発見される。人の身長は正規分布の世界だから3メートルの巨人はいない。しかし株価は正規分布の世界ではないから時としてとんでもないクラッシュを生み出す。それがブラックスワン。
ナシーム・N・タレブによれば、ブラックスワンには三つの特徴がある。それは、 ①発生を予測できない ②インパクトが非常に強い ③発生後、責任者は逃げ回る
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経済に興味あるなら読むべき。余談だけど、著者の主張のエッセンスは上巻でほぼでているので、無理して下巻を読む必要はないかも。
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「まぐれ」で御馴染みのタレブの著書。
ネットでの話題で、楽しみで仕方がなかった。
中を読み進めてみると、その期待を損なわない内容だった。
今までの考え方の根底が揺らいだ、そんな一冊だったと思う。
超おススメ。
下巻も早いとこ、読もう。