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商品説明
山中にひっそりとたたずむ古い洋館—。三年前、近くの湖で不審死を遂げた実業家朝霞千沙子が建てたその館に、朝霞家の一族が集まっていた。千沙子に育てられた映画監督峠昌彦が急死したためであった。晩餐の席で昌彦の遺言が公開される。「父親が名乗り出たら、著作権継承者とする」孤児だったはずの昌彦の実父がこの中にいる?一同に疑惑が芽生える中、闇を切り裂く悲鳴が!冬雷の鳴る屋外で見知らぬ男の死体が発見される。数日前、館には「訪問者に気を付けろ」という不気味な警告文が届いていた…。果たして「訪問者」とは誰か?千沙子と昌彦の死の謎とは?そして、長く不安な一夜が始まるが、その時、来客を告げるベルが鳴った—。嵐に閉ざされた山荘を舞台に、至高のストーリー・テラーが贈る傑作ミステリー。【「BOOK」データベースの商品解説】
山中に佇む古い洋館−。3年前、不審死を遂げた実業家・朝霞千沙子が建てたその館に、朝霞家の一族が集まっていた。千沙子に育てられた映画監督・峠昌彦が急死したためであった。だが、屋外で見知らぬ男の死体が発見され…。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
恩田 陸
- 略歴
- 〈恩田陸〉1964年宮城県生まれ。早稲田大学卒。「夜のピクニック」で吉川英治文学新人賞、本屋大賞、「ユージニア」で日本推理作家協会賞、「中庭の出来事」で山本周五郎賞を受賞。
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紙の本
装幀の盛川和洋に★五つ。こんなにシンプルでいて、楽しく、奥が深いデザイン。今までの祥伝社の本史上最高の出来!小説のほうは、なんていうか映画にしたら面白いかな、っていう雰囲気。悪くはないけれど、最高、とまでは・・・
2009/10/31 20:54
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
ともかくカッコいいデザインの本です。正直、今まで祥伝社で出した全ての本の頂点にあるカバーデザインだと思います。まず色がいいです。地のクリーム色、背などに使われる青みがかったグレイ、或は著者名のグレイが買った紫、左の赤とも茶ともいえるマーク。著者名と同じ色の○、同じ寸法で色違いの○。この緑色にもグレイが入っています。
カバーの英文を見てみると、折り返しとでは同じ文が色違いになっています。ちなみにその文は
*
THE VISITOR
by Riku Onda
Life Story
THE PINK GIRAFFE
The Little House
Faituful Elepants
Rain Drop
The gigantic turnip
*
かっこいい・・・。でも、冷静になって良く見たら、章のタイトルの直訳でした。とはいえ、英文字の入れ方、線無し図形のレイアウトと色、されらのバランス、全てがピシッと決まっていて、それはカバーの折り返しにも言えます。扉もいい。不満があるのは目次の頁と章扉。網がけと線あり白抜きボックスの野暮。なに、これ?
とはいえ表紙の柔らかさ具合、本文紙の色合い、肌触り、カバー折り返しの長さも文句無し。もしかして今年の装幀ベスト?装幀の盛川和洋に拍手です。そういえば、盛川の装幀では森谷明子『矢上教授の午後』も良かった。だいぶ前に出た有栖川有栖『白い兎が逃げる』でも品がいい仕事をしていました。どれも、書棚に置く時は、背ではなく表を見せるようにしたい絵画的なものばかり。
閑話休題。早速、内容をカバー折り返しから見てゆきましょう。
*
山中にひっそりとたたずむ古い洋館――。
三年前、近くの湖で不審死を遂げた実業家朝霞千沙子が建てたその館に、
朝霞家の一族が集まっていた。
千沙子に育てられた映画監督峠昌彦が急死したためであった。
晩餐の席で昌彦の遺言が公開される。
「父親が名乗り出たら、著作権継承者とする」
孤児だったはずの昌彦の実父がこの中にいる?
一同に疑惑が芽生える中、闇を切り裂く悲鳴が!
冬雷の鳴る屋外で見知らぬ男の死体が発見される。
数日前、館には「訪問者に気を付けろ」という不気味な警告文が届いていた……。
果たして「訪問者」とは誰か?千沙子と昌彦の死の謎とは?
そして、長く不安な一夜が始まるが、その時、来客を告げるベルが鳴った――。
嵐に閉ざされた山荘を舞台に、至高のストーリー・テラーが贈る傑作ミステリー!
*
です。
話のほうも、当然ながらこの通りで、悪くはありませんが、「至高のストーリー・テラーが贈る傑作ミステリー」とまでは行かないかな。よくあるよなあ、このての展開、まちっと何とかなりませんか、です。いや、決してラストが悪いわけではない。でも、途中までの展開があまりにありがちで、なんとなく最後まで見通せた気に読者をさせてしまう。これって損です。あまりに勿体無い。
ただし、劇の台本としてはかなりいい。場面があまり動かないで、そこに入れ替わりで様々な人物が登場する、っていうのはまさにお芝居です。でも、更科裕子に関してはもっと若い設定でもよかったかな、と。ま、そうするともっとありふれた設定になっちゃうのですが、でも自然ではないでしょうか。
で、もう一つ何とかならなかったかな、と思うのが各章のタイトルです。目次を写しておけば
第一幕 せいめいのれきし
第二幕 ももいろのきりん
第三幕 ちいさいおうち
第四幕 かわいそうなぞう
第五幕 ぶるやのもり
終 幕 おおきなかぶ
なんですが、どうして同じ字数にしなかったのかな、って思うんです。見ていてお尻のしたがモゾモゾしてとっても座りが悪い。よく言うんですが、森博嗣だったら絶対に工夫して同じ字数にします。それだけの価値がある。ま、遊び心っていうかデザインセンスっていうか、そういうものなんですけど。繰りかえしますが、勿体無い・・・
以下、簡単な登場人物紹介。
井上唯之:自称 週刊Kの記者で、取材で山中の朝霞邸を訪れる。
羽澤愛華:十歳くらいの少女。美少女でもないし、賢くも愚かでもないけれど存在感はあります。
羽澤澄子:愛華の母で、暴力をふるい、妻にたかることしかできない夫から逃げている。
更科裕子:朝霞邸の家政婦兼ヘルパー。五十歳前後と井上は思ったが実は六十代半ば、非常に有能ですが、それを殆ど表に出しません。なんていうかお手伝いさんの鑑っていうか、こういう人が家にいたら最高だろうなあ、って思います。確か、クリスティのミステリにも同じタイプの若い女性が登場しましたが、彼女は当然、素晴らしい相手に巡り合い結ばれました。
朝霞千沙子:大治郎亡き後、家督を継ぐ。この屋敷を建てた人。湖で溺れ死ぬ。
宮脇協一郎:千恵子の夫で、二流の写真家。一応美術学校の講師もしている。
宮脇(朝霞)千恵子:朝霞大治郎の末娘。
峠昌彦:有名な賞を連続してとり、これからという時、三十九歳の若さで自殺したといわれる映画監督。千沙子によって母の晶子ともども朝霞屋敷に連れてこられる。晶子は千沙子の高校時代の後輩。
朝霞大治郎:今は亡き実業家。
千蔵:朝霞大治郎の長男。大治郎の持っていた財団の理事長。事業全体を引き継げる器ではない。
千次:朝霞大治郎の次男。今は個人的に歴史の本を書いているというが、大学で歴史を教えていたこともあり文学にも造詣が深く、著名ではないが玄人内での評価は高い。
千衛:朝霞大治郎の三男で、父親の事業の流通関係の会社を任されていた。
小野寺敦:自称 劇団の俳優。若いが意外な面を見せる。
長田:自称 というか井上の紹介ではプロ・カメラマン。