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1Q84  BOOK2  7月−9月
a novel

1Q84(新潮社) 村上 春樹著
税込価格: ¥1,890 (本体 : ¥1,800)
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出版 : 新潮社
サイズ : 20cm / 501p
ISBN : 978-4-10-353423-5
発行年月 : 2009.5
利用対象 : 一般

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コメント・書評

手の温もりを人生のどこかで確かに感じることが、明日を生きる糧となる
yukkiebeer
2011/02/01 22:58:58
評価 ( マーク )
★★★★★

 青豆は教団内で少女をレイプしているといわれる教祖の求めに応じてその筋肉をほぐすためにホテルへと向かう。教祖をあちら側へと送った後は名前も顔も変え、逃亡生活に身をやつす覚悟だ。 天吾が手を入れた小説「空気さなぎ」の作者ふかえりが失踪。そこへ新日本学術芸術振興会専任理事を名乗る牛河という男が訪ねてくる。小説家として天吾が名を成す経済的な支援をしたいというのだが…。 物語は混迷を極めつつある、といってよいかもしれません。 青豆ばかりでなく天吾の暮らす世界にも二つ目の月が姿を現します。青豆は自分を1Q84年の世界にいざなった首都高の非常階段を見つけることができません。リトル・ピープルとは一体いかなる…  全文読む 評価する

青豆さんと天吾くんが出会えますように。
かず吉。
2010/10/07 08:40:19
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★★★★★

1Q84を読んでいて、何よりも心に残っているのは、青豆さんの天吾くんへの想いの強さ。そしてそれは天吾くんから青豆さんに向けた想いの強さでもある。どうか、青豆さんと天吾くんが出会えますように。Book2を読み終えて、それだけを強く願った。主人公二人の視点を交互に読めるこの小説は、とてもいいと思うけれど、残酷でもある。今近くにいるのに!っていう瞬間を二人の視点から読めていて、二人の気持ちまで手に取るように分かるのに、すれ違ってしまう瞬間に、本当に切なくなった。または、青豆さんが下した決断に、その瞬間に、一緒に決断を下した気がした。それほど、1Q84の世界に引き込まれてしまった。そして、今回、今更な…  全文読む 評価する

村上春樹は『1Q84』book2によって、新たなる決意と覚悟と持つに至った、そして僕は、ハルキストとなった
トグサ
2010/03/16 03:48:01
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★★★★★

『1Q84』book1では、延々と続く性描写に少し辟易しましたが、青豆が問題の宗教団体へ潜入へと物語が進行すると、次は次はと読む手が押さえられず、二日くらいで一気に読めました。結果、この『1Q84』book2の物語の佳境である青豆とオウム真理教を思わせる宗教団体の“リーダー”とのリトル・ピープルの怒りの象徴である激しい雷鳴が轟き渡る夜のホテルの一室での息詰まる会話の攻防は、僕の脳裏にありありと映像が浮かぶようで、まるで僕がこの『1Q84』book2の本の世界に入り込み、青豆と“リーダー”との手に汗握る遣り取りを聞いているような、これまでの読書経験ではかつてなかった“読書体験”を僕にもたらした。…  全文読む 評価する

村上春樹の文章が持つ、謎の魅力を分析する。
反形而上学者
2009/11/29 15:44:22
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★★★★★

この村上春樹久しぶりの長編小説も、日本ばかりでなく隣国の韓国でも100万部の達しようとしているほど売れているという。なぜこれほどまでに国や言語を越えて村上春樹は支持されているのだろうか・・・。本書の内容についての書評は、みなさんとても良いものを書かれているので、私は別の角度から村上春樹が売れる理由を考えてみたい。私は村上春樹をずっと読み続けているが、必ずしも彼の著作が全て好きというわけではない。私が個人的にどうしても気に入らないのは、「春樹好み」とも言われる、小説に出て来る「音楽」などの名称だ。長編小説には必ず「春樹好み」の音楽が詳細にタイトルやアーティストも含めて、それに対する思いのようなも…  全文読む 評価する

物語の力とは何か?
K・I
2009/10/01 22:43:02
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★★★★

物語の力とは何か?村上春樹が『1Q84』の『BOOK3』を執筆中だというニュースが流れた。そのインタビューで村上春樹は、自分は物語の「善き力」を信じている、と言っている。物語の「善き力」とは何だろうか?僕は『1Q84』を発売直後に読んだ。物語としてはおもしろかった。『海辺のカフカ』のように、まったく好きになれない人物が出てくるわけでもなく、『ダンス・ダンス・ダンス』を、あるいは『ノルウェイの森』をほうふつとさせるような物語に夢中になった。それはそれでいいのだ。たしかに。エルサレム賞の受賞スピーチで、村上春樹は「卵」と「壁」について語った。「卵」はたとえば、白リン弾を浴びせられる市民であり、「壁…  全文読む 評価する

愛がすべてさ!
misaru
2009/08/25 11:08:21
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★★★★★

「…たぶん意識下にある何かが喚起されるのだろう。だから読者は引きずりこまれてページを繰ってしまう」。村上春樹が青豆に言わせたこの言葉は、とりもなおさず彼が「1Q84」の読者に感じて欲しいことだろう。私はシンプルかつストイックな青豆の生き方が、ページが進むにつれ魅力的に思えたけれど、最後に彼女がゴムの木に執着するシーンでなんだか救われた気がした。天呉の思い出という支えを胸に生きてきた青豆であったけれど、やはり人間は生身の生き物が周りになくては生きていけないのだ。対象がゴムの木であったとしても、愛情がなくては生きていけない生き物なんだ。  全文読む 評価する

はたして僕らの2009年は200Q年となり得るのか?
dimple
2009/08/20 00:58:51
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★★★★★

村上春樹『1Q84』(新潮社、2009年)を読了した。将来確実に日本文学の正典(canon)の一つとなるに違いない村上作品に、同時代人として接することができるのは幸せなことである。例えば、本作品中のJR中央線や首都高3号線・三軒茶屋付近の細かな描写を、僕らはリアルなものとして受け止めることができる。これに対して100年後の読者は、僕らが漱石や鴎外作品の中の蒸気機関車や人力車の描写に接するのと同様の感覚で接するにすぎないはずである。また、僕らは、宗教集団「さきがけ」のリーダーの外見から、殺人罪で逮捕・起訴された、実在の宗教団体教祖を想起することができるが、100年後の読者にそのようなことができる…  全文読む 評価する

登場人物の一人がディスレクシアであることの意味
wildcat
2009/08/16 22:41:27
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★★★★★

私が本書を購入したきっかけは、それぞれの内容紹介に書かれていたセンテンス(購入してみるとその言葉は帯に書かれていた。)に惹かれたからだった。  「こうであったかもしれない」過去が、  その暗い鏡に浮かび上がらせるのは、  「そうではなかったかもしれない」現在の姿だ。  心から一歩も外に出ないものごとは、この世界にはない。  心から外に出ないものごとは、そこに別の世界を作り上げていく。だが、購入してから本書を開くまでは、時間を要した。最近は、インプットもアウトプットも早く回したい欲求でいっぱいで、BOOK1とBOOK2で合わせて千ページ以上もあるものを読もうという気持ちにはなかなかなれなかったの…  全文読む 評価する

やっぱり読まなければ意味がない
楊耽
2009/07/31 01:49:34
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★★★★★

BOOK2を読んでも、やっぱり「読まなければ意味がない」と思いました。でも、意味がなければ読まないので、ここではその意味を考えてみようと思います。ちなみに、もちろんこれは、同じ著者の「意味がなければスイングはない」がデューク・エリントン楽団の曲「It Don't Mean A Thing (If It Ain't Got That Swing)」の逆を言ったものであることを念頭に置いて言っているものです。では「1Q84」を読む意味とは何でしょうか。読み終えて思うのは、それは、読んだ僕が「想像をする」と言うことです。まず、物語のその後を想像します。「1Q84」は最近のテレビド…  全文読む 評価する

さまざまな思いのあとに来るのは厳粛な感動・・・
ゆこりん
2009/07/30 20:21:06
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★★★★

この世の中、私たちが存在している世界が確かなものだなんて、いったい誰が言えるだろう。皆が確かなものだと錯覚しているだけかもしれないのに。自分自身についてもそうだ。自分の本質を見失わないように生きているつもりでも、いつの間にかその本質が失われてはいないだろうか。「空気さなぎ」は、何もないところから新しいものを生み出すものではなく、本来あるべきその人の「本質」を、目に見える形で示すべき手段ではないのか?そして、「空気さなぎ」を作り出す「リトルピープル」は、人の中に存在する「核」のようなものではないのか?この作品の中では、天吾と青豆の物語が交互に語られている。天吾と青豆、ふたりの思いは同じだった。ど…  全文読む 評価する

やっぱり村上春樹
simplegg
2009/07/28 05:54:21
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★★★★

読み終わりました.結局,まる2日間“1Q84”に取り付かれてしまったようです.こうして,1000ページ近い小説を一気に読破するのは随分久しぶりのように思います.そのせいもあってか,小説の世界から無事日常に戻っていけるかがいささか心配でもあります.BOOK 2の率直な感想を言うと,この本を書いたのはやっぱり村上春樹だったという感じだ.BOOK 1を読んだときは,少々俗っぽいというか,エンターテイメントよりの本かもしれないと思っていたのだが,その予想は見事に裏切られた.BOOK 1で見られた社会性は徐々にフェードアウトしていき,春樹ワールドへと移行した.昔から,村上春樹が好きな人は好きだろう,そし…  全文読む 評価する

人間が、性あるいは宗教という「システム」に抗するということ
まむ
2009/07/25 15:23:08
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★★★★★

 村上春樹がこの物語を通して何を言わんとしているのか、エッセンスだけを取り出して考えてみたい。1、宗教と子ども 親の宗教(価値あるいは信念)が子どもにどのような影響を与えるのか。宗教が身体化されて育つ子どもたち。宗教(あるいは組織)の教えが身体化されるということは、そこからは「逃れられない」。自分では逃れたと思っていたとしても、身体はそれを覚えている。青豆の口から時折出る「祈り」とはまさにそういったものだ。2、親と子ども 天吾は父親と暮らしてきたが、「違和感」を覚えていた。本当は自分の父親は他にいるのではないかと考えてきた。物語の中では、天吾と父親の関係が実際どうであったのかに関しては最後まで…  全文読む 評価する

終わりではなく始まりの物語
栗山光司
2009/07/13 13:12:10
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★★★★★

「1Q84」であれ、「1984」であれ、作者の手になるフィクションであるのは自明であって、月が二つ空にかかっていようがいまいが、読み手が奥深いところから、感染して行く一種の症候に犯されたと身震いするような作家の言葉に浸されて時、その作品はリアルなものとして立ち上げる。読者の僕は逃げることの出来ない当事者性を獲得する。多分、すぐれた作品はそのような意味で読者を拉致するのであろう。拉致され得ない安全地帯で村上春樹の小説を批評しても見当違いか砂を噛むような思いになるのは春樹の小説にはある種のイニシエーションが要請されるのかもしれない。アイロニカルな僕は春樹ワールドの住人の資格はないかもしれない。にも…  全文読む 評価する

「ミステリアスな疑問符のプールの中に取り残されたままに」その2
夏の雨
2009/07/09 07:57:44
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★★★★★

 「三億円事件」から1年後の1969年12月12日。某新聞が「容疑者浮上」の記事を掲載する。翌日には「犯人逮捕」と表現が変えられ、街は騒然とした。結果的にはこれは新聞史上に残る大誤報だったのだが、「三億円事件」は1年経っても話題性の高い事件であった。  誰もが「謎」は解けると考えていたし、「犯人」は見つかると思っていた。  村上春樹の『1Q84』の謎はとけるのか。作中の「リトル・ピープル」とは何か。「空気さなぎ」とは何を暗示しているのか。  そもそも、題名の「Q」とは何を意味しているのか。  「Q」の意味は上巻にあたる「BOOK1」の中盤あたりにこう示されている。  「Qはquestion m…  全文読む 評価する

ドストエフスキーとハードボイルド・村上ワールド
カワイルカ
2009/06/28 10:33:52
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★★★★★

 村上春樹の文章はひたすら心地よく、そこに書かれている物語はなんとも言えない不気味さがある。それが微妙なバランスを保ちながら、読者を最後まで惹きつけてはなさない。青豆と天吾というふたりの主人公の物語が交互に語られ手法は、『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』と同じだが、この作品で完成の域に達した感がある。 青豆がタクシーに乗っている場面から始まる第1章がまず素晴らしい。渋滞している首都高を走るタクシーの車内には、FM放送からヤナーチェックの『シンフォニエッタ』が流れている。タクシーのカーラジオにしては音がよすぎるし、タクシーの運転手の態度もどこかおかしい。仕事の待ち合わせに遅れそうな…  全文読む 評価する

世界をむしばむ邪悪なものたち
あまでうす
2009/06/14 14:49:52
評価 ( マーク )
★★★★★

村上春樹がこの小説で描こうとしたのは、リトル・ピープルによって代表される眼には見えない陰険で邪悪な敵意、世界全体を覆う殺意と反感と無関心、冷酷なニヒリズムと問答無用の暴力の氾濫、狂信と原理主義の愚かさではないでしょうか。そのために作者は、言葉という小さなチップを丁寧に並べて、壮大なドミノのタペストリーを編みました。言葉という砕片をひとつひとつ積み上げて、目のくらむような高さの虚構の大伽藍を構築しました。ほんの一押しで跡形もなく崩壊してしまう幻影の城を……。これらは作者のおおぼら吹き、嘘八百の口から出まかせ、すなわち文学上のフィクションとは到底思えず、西欧のゴシック大聖堂に匹敵する精緻さと実在性…  全文読む 評価する

村上春樹ファンには肌になじむ感じの物語
YO-SHI
2009/06/05 17:19:39
評価 ( マーク )
★★★★

 出版社によると、発売1週間後の昨日(6月4日)現在の発行部数が、BOOK1が51万、BOOK2は45万だそうだ。敢えて指摘するまでもなく空前の売れ行きだ。出版界のみならず経済全体の景気が悪くて社会が沈鬱な現在、明るいニュースの部類にはなるのだろう。良いことには違いない。 しかし、どういった内容の本か?とか、面白いのか?という情報が皆無に近い中での雪崩のような売れ方に疑問がないわけではない。「売れている本だから買って読んでみたい」というのは自然な感情だが、ある閾値を越えると量的な違いは質的な転換を伴う。1週間で百万部という量は尋常ではない。本書との関連を指摘されるオーウェルの「1984」が描き…  全文読む 評価する

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