紙の本
花はやがて散り、木々もいつかは枯れる。だが、言葉は永遠に心に咲きつづける。
2009/09/07 17:05
10人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:蜜香 - この投稿者のレビュー一覧を見る
2003年の6月、『思うとおりに歩めばいいのよ ターシャ・テューダーの言葉』(2002年10月 メディアファクトリー)に出合って、早いもので6年が経つ。ターシャの「自分は自分らしくあればいい」という言葉を励みに、苦労や挫折を幾度も乗り越えてきた私だが、2008年6月18日にターシャが帰らぬ人となり、ぽっかりと心に穴が開いた。この本は、心の穴を埋めるだけではなく、人生に必要なもの、幸せを求めて努力することの大切さを、改めて思い起こさせてくれた。
「本書は、月刊MOEに掲載された彼女最後のインタビュー2編と、家族の証言をまとめたものです。暮らしについて、仕事について、人生について、ターシャ92年の生涯を締めくくるインタビュー集です」とあるが、同時に写真集のようでもある。暖かな雰囲気と厳粛な空気を感じ取れる写真が、神々しくて印象に残るほど。生き生きとした花や木々、まるで楽園のように、うっとりしてしまう素敵な庭。おとぎの国の絵本から抜け出たような可愛らしいキッチン、ゆらゆらと炎が燃えている暖かそうな暖炉、季節の移り変わりや自然を慈しみ楽しんでいる様子のターシャが、まるで天使のよう。
数あるインタビューの中で、私が一番気になる質問だったのが、「日本では、二〇〇七年に加島祥造さんの詩集『求めない』(小学館)が出版され、話題になりました。「求めない-すると本当に必要なものが見えてくる。求めない-すると自由になる。」『求めない』より。この詩のような生き方を、どう思われますか。」というもの。私は、『求めない』を何度か読んだものの、「求めない」ということの意味が釈然とせず納得できずにいた。だが、ターシャが答えた「-昔ではなく、今のこの世の中での最高を追求し、そして私たちが心に思い描く幸福を求めて努力するべきではないかしら」という解釈に、ようやく私は納得できた。自然に囲まれてシンプルに暮らすターシャだからこそ、「求めない」ことに賛同するのかと思っていたが、そうではなかったからだ。
ターシャは、「私は多くのものを求め、その中には必要なお金もありました。(中略)美しいアンティークやドレス、本、植物や動物を求めてきましたし、大きな家と納屋や離れ屋も求め、こうしたものを手に入れるために、お金を稼がなくてはならなったのです。」と。ターシャは、好きなことを追い求めた生涯で、「人生で本当に欲しいものは何なのかよく考えてみたいですね」といっている。本当に自分にとって求めているものか、そうではないのかを、“自分自身に問う”ことで見えてくるものだ、ということなのだろう。
私にとって、人生の指針となる“宝物”となった一冊。辛いとき、立ち止まったときなどに、読み返しては、心を落ち着かせ、自分を見失うことなく生きていきたいものだ
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字も大きく30分くらいで読めます。
ターシャは、自分のように生きたいと言う人たちに、
私のように生きたいのなら、そうすればいいじゃない・・・
と答えるそうです。
ごもっともです。ターシャらしい言葉だと思いました。
私には、彼女の真似は出来ませんが、あこがれの女性です。
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ターシャさんにいろんな物をもらったなぁ。
彼女の絵本を見れば、ターシャさんがどんな生き方をされてたのか
よくわかる。
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頭の中にしかなかった世界で、昔ながらのお住まい・お庭に憧れました。
厳しい真冬の白い世界にすら夢見ました。
読んでるだけで癒されます。
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お年寄りの人生のうんちくはスゴい♪
こういう老後もいいよね〜。
逝く時は穏やかに安らかに逝きたいよ。
でもそれには、今を精一杯生き抜くこと、後悔しないように全力でやりきること、時々は息抜きすること、時には勝負に出ること、周りを享受すること、、、、、なんかいっぱいあるよね〜。
優しい気持ちで生きていきたいな☆
ま、まずはちいさな「良かった」探しでもするか。。。
・・・などど、つい考えてしまった。
でも、この本は他のターニャの言葉シリーズの本を何点か先に読んでから読んだ方がいいと思う。
この本から読んで失敗したと思ったよ〜〜。
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なぜこれを読んでしまったのか。
いや、読むつもりは毛頭なかった。
「頭巾を被ったおばあちゃんの写真」が欲しかった。資料に。
どんぴしゃだった、ってだけの話。
でもなんか、ヒーリング効果のある本でした。
ざっくばらんに植えられたお庭の花と、
それを無造作にまとめたあふれんばかりの花瓶のお花が素敵だった。
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誰もがこんなふうに生きてみたいと思いながら、誰にも真似のできない人、ターシャ・テューダー。彼女の晩年の2年間に亘るインタビューと美麗な写真を中心に編んだ一冊。
今回じっくり読んでみて気づいたが、ターシャは挿絵画家として多大な成功を収めたことを非常に誇りとしている。自給自足の19世紀の生活を体現した人物としては一見似つかわしくないようだが、こうした生活を送れるのは経済的に成功しているからであって、しかも夫や子どもに養われているわけではなく、自活できていることが要であると繰り返し説いている。
それで気がついた。ターシャほどではなくても、好んで田舎での自給自足に近い生活を送る人たちはいる。こういった人々は真に人間らしいとして、マスメディアでけっこうもてはやされる。だが、その多くが、現実の社会生活では何の仕事をしているか、またはしていたかとなると、これといった肩書きがない。自然の中で暮らす以外に、何の仕事をしているのか実態がつかめないのだ。つまり職業人としては成功しなかったか、または中途半端に終っている人が目立つのだ。
はっきりとは言えないが、ターシャはこうした人々に、まず人生において大事なことは今ある現実の生活に目を向けること、為すべき仕事を成し遂げることが先であって、若いうちに田舎に逃げ込むことが得策ではないと、警鐘を鳴らしているような気がするのだ。それが最後の言葉であることを、心強く思う。
それにしても、このインタビューと写真の分量で1300円ってどうなんだろう。せっかく内容はいいのに、これでは高すぎて、あまり一般に浸透しないのではないか?出版社は白泉社…。なるほど。白泉社はマンガ以外の出版物って、たいていスカスカの内容だもんね。マンガ出版の質では日本一だと思うのに。白泉社にはそのへん考えてほしい。だから、☆2つで。
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ターシャ・テューダーという人を初めて知ったのはNHKの番組だったけれど、「こんな人がいるんだ〜」と驚きました。その華奢な体からは考えられないような強さを持った女性です。素晴らしい庭と動物達との暮らしは、彼女が自身の手で一から作り上げてきたものです。洋の東西を問わず魅力的な人というのは、自分の生きかたを模索し自分にあった生きかたをしている人なのだと思います。『遅かれ早かれ、人はみな死を迎えます。それでも、私たちは人生をより良くするために多くのことができるのです』私も自分にできることを考えながら生きていこう!
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前から気になっていたターシャの本。
そんなに多くない活字の中からも、ターシャの素敵な生き方や哲学が伝わってきました。
優しい気持ちにさせられます。
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文面から良い言い回しが二三あったので書き記しておこう。「たとえ、退屈でつまらないときがあるとしても、暮らしに喜びを見出そうとすれば、きっと暮らしはより良いものになるはずですよ」「人生で本当に欲しいものは何なのかよく考えてみたいですね」「遅かれ早かれ、人はみな死を迎えます。それでも、私たちは人生をより良くするために多くのことができるのです」ありがとう、そしてさようなら、ターシャ。大好きなターシャがこの世を去って、もう早くも一年が経った。僕も可愛がっていたマギー(ターシャの飼っていたメガンから名前を貰った)も亡くして半年が過ぎた。犬はもう一匹M・ダックスのパルが居るが、本当はコーギーが大好きで(ゴ、ゴメンよパル)(初代のコーギーもパルだった、今のは名前を継がせた)いずれまた飼いたい。おっと、ターシャの話から自分の事になってしまった。ターシャの様な暮らしは羨ましい、けど今の様な物に頼りきった生活をしている以上、難しいだろうね。憧れではあるけど、現状では現実的ではない。まだ全てを読んだ訳では無いので、全てを語るには、もう少し時間が懸かるかな。
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「美は見るものの目に宿る」「自分のまわりを美しい考えで満たし、そして自分と親しい人々に対して愛と優しさのこもった行動をとることをおすすめします。」ターシャの言葉に共感し、憧れます。けれどその暮らしは決して易しいものではないと、ターシャやターシャの家族が伝えてくれます。自分の身の丈にあった豊かな生活を心がけて、と教えてくれる本でした。庭の写真がとてもきれいです。
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月刊MOEに掲載された、ターシャ・テューダー最後のインタビューと家族の証言をまとめたもの。
写真がきれいで、何度も映像で繰り返し見たターシャの声が脳内で再生されるような文章でした。
ターシャ好きなら必ず気に入る内容だと思います。
ただもっとボリュームがあれば……と。
ちょっと、物足らないです。
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ステキな写真と、言葉が綴られた本。
ボリュームがなくて残念という方もいるようだけど、
ゆっくり、読みたい時にいいと思う。
優しい言葉が、心にしみ込みます。
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ターシャの本はもう目新しいものは出ていないので
言葉の総集編という感じ。
MOEの掲載になったものをまとめているものなので
MOEの読者なら既読な内容になるとおもう。
まとまっていてきれいな本ではある。
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ターシャさんについての本を読むのははじめてです。
近頃、ミニマリストという言葉が流行るなど、シンプルであることの価値が見直されていると思います。
ターシャさんの生活はとてもシンプル。仙人のようです。
生活は私にはとても真似できないけれど、彼女の考えは見習いたい。
美しさは見るものの目にやどる。
つまらない義務や仕事にもいい面を見出し、暮らしを楽しむ。
周りの人を大切にする…
心にとめておきたい考え方がたくさんありました。