サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

e-hon連携キャンペーン ~5/31

「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。

電子書籍化お知らせメール

商品が電子書籍化すると、メールでお知らせする機能です。
「メールを登録する」ボタンを押して登録完了です。
キャンセルをご希望の場合は、同じ場所から「メール登録を解除する」を押してください。

電子書籍化したら知らせてほしい

  • みんなの評価 5つ星のうち 4.2 14件
  • あなたの評価 評価して"My本棚"に追加 評価ありがとうございます。×
  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2009.4
  • 出版社: 岩波書店
  • レーベル: 岩波新書 新赤版
  • サイズ:18cm/203p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-00-431184-3
新書

紙の本

琵琶法師 〈異界〉を語る人びと (岩波新書 新赤版)

著者 兵藤 裕己 (著)

皇族や将軍に仕える奏者として、あるいは民間の宗教芸能者として、あの世とこの世の「あいだ」に立つ盲目の語り手、琵琶法師。古代から近代まで、この列島の社会に存在した彼らの実像...

もっと見る

琵琶法師 〈異界〉を語る人びと (岩波新書 新赤版)

税込 1,078 9pt

予約購入とは

まだ販売されていない電子書籍の予約ができます。予約すると、販売開始日に自動的に決済されて本が読めます。

  • 商品は販売開始日にダウンロード可能となります。
  • 価格と販売開始日は変更となる可能性があります。
  • ポイント・クーポンはご利用いただけません。
  • 間違えて予約購入しても、予約一覧から簡単にキャンセルができます。
  • honto会員とクレジットカードの登録が必要です。未登録でも、ボタンを押せばスムーズにご案内します。

予約購入について詳しく見る

ワンステップ購入とは

ワンステップ購入とは、ボタンを1回押すだけでカートを通らずに電子書籍を購入できる機能です。

こんな方にオススメ

  • とにかくすぐ読みたい
  • 購入までの手間を省きたい
  • ポイント・クーポンはご利用いただけません。
  • 間違えて購入しても、完了ページもしくは購入履歴詳細から簡単にキャンセルができます。
  • 初めてのご利用でボタンを押すと会員登録(無料)をご案内します。購入する場合はクレジットカード登録までご案内します。

キャンセルについて詳しく見る

このセットに含まれる商品

前へ戻る

  • 対象はありません

次に進む

商品説明

皇族や将軍に仕える奏者として、あるいは民間の宗教芸能者として、あの世とこの世の「あいだ」に立つ盲目の語り手、琵琶法師。古代から近代まで、この列島の社会に存在した彼らの実像を浮彫りにする。【「TRC MARC」の商品解説】

著者紹介

兵藤 裕己

略歴
〈兵藤裕己〉1950年名古屋市生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。学習院大学文学部教授。専攻は日本中世文学、芸能論。「太平記〈よみ〉の可能性」でサントリー学芸賞受賞。

関連キーワード

あわせて読みたい本

この商品に興味のある人は、こんな商品にも興味があります。

前へ戻る

  • 対象はありません

次に進む

この著者・アーティストの他の商品

前へ戻る

  • 対象はありません

次に進む

みんなのレビュー14件

みんなの評価4.2

評価内訳

紙の本

語りとテクストの意味

2009/08/28 18:16

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:wildcat - この投稿者のレビュー一覧を見る

本書を手にしたのは、副題と帯の言葉に惹かれたからだった。

  <異界>を語る人びと

  あの世とこの世の境で彼らは語った

本書の内容については、そでの言葉に見事に濃縮されている。

  モノ語りとは<異界>のざわめきに声を与え、伝えることである
  ―皇族や将軍に仕える奏者として、あるいは民間の宗教芸能者として―
  聖と俗、貴と賎、あの世とこの世の<あいだ>に立つ
  盲目の語り手、琵琶法師。

  古代から近代まで、この列島の社会に存在した
  彼ら実像を浮き彫りにする。
  「最後の琵琶法師」による演唱の稀少な記録映像を付す。

序章 二人の琵琶法師
第一章 琵琶法師はどこから来たか―平安期の記録から
第二章 平家物語のはじまり―怨霊と動乱の時代
第三章 語り手とはだれか―琵琶法師という存在
第四章 権力の中の芸能民―鎌倉から室町期へ
第五章 消えゆく琵琶法師―近世以降のすがた

DVDには「最後の琵琶法師」といわれた
山鹿良之(やましかよしゆき)演唱の
『俊徳丸』(第三段の一部)が入っている。

全七段バージョンの梗概が付いているので、
DVDが三段の一部であってもどの場面なのかがわかる。

著者は、卒業論文を平家物語で書いて以来
三十数年このテーマを追っており、
1982年から10年余り、
九州の琵琶法師のフィールドワーク調査を行なってきた。

90年代半ばで終わってしまったのは、
琵琶法師のフィールドがその時期にほぼ消滅してしまったからだ。

本書は、出発点となった問題をまとめたものであると著者は述べている。

著者はフィールド調査にビデオ機材をもちあるき、
撮影したビデオは200本以上にのぼるという。

200ページあまりの新書形態で、
琵琶法師の生きた歴史とその存在の意味が凝縮されている。

ひとつのテーマを追い続けることの意義と深さを感じた。

私がもっとも興味を持ったのは、
「語り」と「テクスト」の関係についてである。

それは、「聴覚」と「視覚」ということなのかもしれない。

耳なし芳一について書かれたところでこんな表現があった。

  耳という聴覚器官が、琵琶法師とあの世のものとの
  交渉をささえていた。

  その耳があの世にもち去られたとは、なにを意味するのか。

  また、芳一のからだをこの世にとどめたのは、
  耳だけをのこして全身に書きつけられた経文である。

  この経文とはなにか。

  耳なし芳一の話は、耳という聴覚器官について、
  また経文というマジカルな文字言語について、
  あるいは、<異界>とこちら側の世界との
  はざまにある琵琶法師の位相に関して、
  さまざまな寓意をはらんでいる。

  (p.8)

そして、なぜ盲人なのかについては、このように書かれている。

  巫病(ふびょう)を必須の階梯とする召命型のシャーマンにたいして、
  巫病のプロセスを経ないシャーマンを、修行型という。

  修行型のシャーマンは視覚の障害者に多いのだが、
  視覚障害者のばあい、
  心身の変調・錯乱などを経験しなくても、一定の修練によって、
  この世ならぬモノ(=霊)とのコンタクトが可能だったのだ。

  (p.11)

  聴覚と皮膚感覚によって世界を体験する盲目のかれらは、
  自己の統一的イメージを視覚的にもたないという点で、
  自己の輪郭や主体のありようにおいて常人とは異なるだろう。

  それはシャーマニックな資質のもちぬしに、
  盲人が多いことの理由でもある。

  そして自己の輪郭を用意に変化させうるかれらは、
  前近代の社会にあっては、
  物語・語り物伝承の主要な担い手でもあった。

  (p.11)

平家物語が、どういう性質のものなのかについても興味深い。

平家物語は、「伝承」の過程をへた文章で、
語りの真の発話者が、語り手の<個>を超えた超越的な存在であり、
声を発しているのは眼前の語り手であっても、
声の本当の主体はべつのところにいる、
「視点のない語り」であるというのである。

平家物語テクストは、盲僧・琵琶法師の座を配下に組みいれた
寺院の周辺に伝来したらしく、
本所(領主)が管理した平家物語テクストは、
配下の琵琶法師の語り伝承にも取り入れられた。

応安四(1371)年3月、「平家」語りの最初の正本として
覚一本が成立する。

これが今日一般に読まれている平家物語テクストである。

正本は、覚一から弟子に相伝されていく。

「秘曲」扱いで、当道座の上層部の盲人為特権的に伝授されたのだ。

平氏、源氏、北条氏(桓武平氏)、足利氏(清和源氏)と
源平交代史だった時代、
平家物語は、現実の政治史の推移にたいして
神話的に作用していたのだという。

「平家一門の鎮魂の物語は、源氏将軍家の草創・起源を語る神話」であり、
「足利政権にとって、当代まで続く秩序。体制の起源神話」だったのだと。

ところで、本書を読んでいて『1Q84』を思い出した。

ディスレクシアである「ふかえり」の「好きな小説」は、
『平家物語』である。

たとえば、「壇ノ浦の合戦」と言われると、それが暗誦できるのである。

ふかえりの普段のしゃべり方は平板でそのもので、
アクセントやイントネーションがほとんど聞き取れないのに、
物語を語り始めると、まるで何かが彼女に乗り移ったように思えるという。

彼女を普通のディスレクシアの十代の少女と見ると、
とても不自然な設定に思えるが、
『1Q84』を読了し、『琵琶法師』も読了した今、
村上春樹がふかえりにどんなものを付与させたかったのかが
わかるような気がするのである。

彼女も、琵琶法師のような「異界を語る人」だったのだろう。

そして、彼女の語った物語がテクストの存在により知れ渡ったのと同様に
平家物語もテクストがあったからこそ、
琵琶法師がいなくなってしまっても残っているのだ。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

2022/10/21 00:59

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2011/04/27 06:17

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2012/10/13 13:32

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2009/11/02 20:02

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2012/02/22 15:26

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2012/03/31 16:03

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2012/06/07 08:37

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2013/10/27 02:10

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2015/08/01 00:57

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2015/11/06 13:10

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2019/07/07 10:48

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2022/07/03 19:37

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2023/07/29 06:51

投稿元:ブクログ

レビューを見る

×

hontoからおトクな情報をお届けします!

割引きクーポンや人気の特集ページ、ほしい本の値下げ情報などをプッシュ通知でいち早くお届けします。