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商品説明
頭の5倍の大きさの口をもつ魚ってどんなの? 雄が雌に寄生する魚がいるって知ってた? 奇妙な姿のモンスターたちが大集結。特異なパーツごとに260種の深海魚を分類・解説し、300点超の貴重な写真を収録。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
尼岡 邦夫
- 略歴
- 〈尼岡邦夫〉1936年生まれ。京都大学大学院農学研究科博士課程修了。農学博士。北海道大学名誉教授。日本魚類学会名誉会員。アメリカ魚類・爬虫類学会外国名誉会員。専門は魚類学、魚類分類学。
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紙の本
暗黒の世界で生きる生物
2024/01/14 11:16
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投稿者:DB - この投稿者のレビュー一覧を見る
「暗黒街のモンスターたち」というサブタイトルが目を引きましたが、普通に深海魚の生態標本の図鑑でした。
光が届かず水圧がかかる過酷な暗黒の世界で独特な姿に進化したのが深海生物ですが、その中でも特異な形態や生態を示す種が最も多くいる魚類に絞って掲載しているそうです。
なので最初はチョウチンアンコウの仲間からはじまります。
確かに鋭い歯と大きな口を持つチョウチンアンコウの顔をアップで見れば「モンスター」だ。
深海魚の中でも知名度ナンバーワンのチョウチンアンコウですが、アンドンモグラアンコウ、ローソクモグラアンコウ、ペリカンアンコウ、ユメアンコウ、シダアンコウと仲間たちが並んでいる。
それぞれ姿が違うのはよくわかるが、釣り竿のような突起物がついているのが共通している。
しかしチョウチンアンコウ研究の大家を「ユメアンコウにそっくり」と本に書いてしまうのは言われた本人的にどうなんだろう。
エソの仲間やイワシの仲間が続きますが、どれも発光を利用して採餌をしたり、繁殖時のアピールにしたり、身を隠すのに使ったりとさすが暗闇の世界だ。
その発光方法も種類によって違うようで、進化の道筋って面白い。
標本の写真集なので光っている姿が見れないのが残念です。
深海ザメもいろいろと出てきますが、まずはダルマザメ。
この「クッキーカッターシャーク」と呼ばれるサメが獲物に噛みつき肉を齧り取る方法が詳しく説明してあった。
舌の吸引力と体の回転で肉を齧り取るのはアイスクリームスプーンに似ているそうで、「クッキーカッター」というよりも「アイスクリームスプーン」の方が名が体を表すには合っているとか。
サメが餌を探すのは嗅覚なのか他の感覚なのかを調べる実験の話が紹介されていた。
カレイが隠れている水槽にトラザメを放すと、砂を吹き付けてカレイを探し出し食べてしまうそうですが、カレイを寒天の箱に入れて匂い付きの水が他の場所から出るようにしてみたり、ポリエチレンのシートで覆って匂いを遮断したり、カレイが体内で発生するのと同じ弱い電気を発生する電極を砂の中に埋め込んでみたりといった実験だ。
その結果トラザメは獲物を探すのに電流を使っていることが分かったそうです。
他にもラブカやミツクリザメといった有名な深海ザメや、水族館で見たことのあるミドリフサアンコウも紹介されていた。
標本なので皮がむけてしまっている部分もあって生きている姿は想像するしかないが、眺めているだけで深海の世界がイメージできる図鑑だった。