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商品説明
くすんでいた毎日が、少し色づいて回りはじめる。錆びついた缶の中に、おじいちゃんの宝物を見つけた。幼馴染の結婚式の日、泥だらけの道を走った。大好きな、ただひとりの人と、別れた。ただ、それだけのことなのに。看護婦、OL、大学生、母親。普通の人たちがひっそりと語りだす、ささやかだけど特別な物語。【「BOOK」データベースの商品解説】
終わらない毎日に奇跡のようにおとずれる、小さな「気づき」の瞬間…。看護婦、OL、大学生、母親など、普通の人たちがひっそりと語り出す、ささやかだけど特別な12の物語。【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧
アンデスの声 | 7−23 | |
---|---|---|
転がる小石 | 25−41 | |
どこにでも猫がいる | 43−59 |
著者紹介
宮下 奈都
- 略歴
- 〈宮下奈都〉1967年福井県生まれ。上智大学文学部哲学科卒。「静かな雨」で文學界新人賞佳作に入選、デビュー。他の著書に「スコーレNo.4」など。
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紙の本
読む前に抱いていたイメージを良い意味で裏切ってくれた実力派作家の登場。その心地よさは万人受けするものだと信じています。愛情に溢れた読者の背中を押してくれる作品集。
2009/05/11 17:21
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:トラキチ - この投稿者のレビュー一覧を見る
初出「旅」を加筆・修正。
12篇からなる短編集。連作というわけではないが少しずつ話の関連性があります。
その関連性が少しリラックスできますね、まあ読んでのお楽しみということで。
宮下奈都、初読みです。イメージというものは怖いですね。作者の名前だけで抱いていた若々しいイメージとは違っていた。
しかしながら老成した文章でもない。瑞々しいけど完成度も高い文章を堪能できる作品だと言えますわ。
なにより一字一字丁寧に書かれた文章という印象ですね。
ちょっと前後するが作者について簡単に紹介しますね。
1967年福井県生まれ。上智大学文学部卒。
2007年長編『スコーレNo.4』でデビュー。本作は2作目となる。
人生はまるで旅のようだ。
これは実際の旅(旅行)だけでなく、日常から離れること(想像上も含む)をも意味する。
私がこの作品から一番感じ取ったことですね。
主人公はまるで私たち読者の分身のような普通の人々。
OLに始まり、看護師、主婦、大学生、母親などなど。
まあお決まりのようにそれぞれが少しですが鬱屈した部分を持ち合わせてます。
その鬱屈した部分というのは、私たち読者と大同小異。
作者はまるで読者の胸の内を知ったかのように語りかけてくるのですね。
そして少し日常から離れてみることで、自分自身を振り返ったり出来ます。
日頃いろんなことに振り回されて生きている主人公たち。
でも読み進めるごとに作者はいろんな味付けを施すことによって、主人公達に変化を与えます。
その味付けは読者にとってはまるで“暖かい眼差し”にほかならないのですね。
そこがこの作品集の一番の心地よさであり、他の作家に負けない手腕なのでしょう。
まず最初の「アンデスの声」に度肝を抜かれた。
死に間際にわかる祖父の架空の旅先、遠い南米です。
そして祖父の生き方を肯定している作者に共感しない読者はいないであろう。
まず物語にどっぷりつかることを余儀なくされるのである。
全部素晴らしいのですが、一篇だけ選べと言われたら「白い足袋」かな。
田舎に帰って幼なじみの結婚のために足袋をはいて走るシーンはとっても印象的。
自分の足の裏も痛む感覚、忘れられませんわ。
本作を読み終え、この心地よさに浸れた短い時間を心から喜びたいなと思う。
再読する時は旅のお供に携えたいな。
そうだ、タイトル名の素晴らしさは読み終えたあとに実感できたことを最後に付け加えておきたい。
たまには遠くの街に住むあの人に想いを馳せるのもいいですね。
活字中毒日記
紙の本
ごく普通の女の子達のフツーの人生…でもそれが眩しい
2012/08/19 20:35
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:桔梗 - この投稿者のレビュー一覧を見る
すこし不器用な女の子達が 迷い傷つきながらも 自分の足で立とうともがいて
そして前に一歩を踏み出す
そんな彼女達のごく当たり前の平凡な日常を切り取った12の短編集
12コの話はすこしずつ繋がっていて
いろいろな女の子達を見つめるやさしい視線がどの章にも流れ
読み終わると 短編集というよりはひとつの長編作のようだとも思う
自分は何をどうしたいのかもわからないまま でもこのままじゃいけない なんとかしなきゃと思い 一歩踏み出す
こだわってたことを流して 歩き出すのに必要なのは“自信”
大事なのは自分を信じること
簡単なようで難しいことなんだけど ちゃんと自分を信じてあげたら
何があってもきっとまた前に進めるし 怖くなんかない
そう思う
派手な女の子や優秀な女の子 くるくると要領良く世渡り上手な女の子でなく
普通の女の子が 地に足をつけて懸命に生きようとする姿に共感を覚えるし とても眩しい
フツーの人生だって すっごくキラキラしてるよ!と思える そんな本だ
紙の本
読み終えるやまた読みなおしてみたくなる
2016/05/04 17:38
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:koji - この投稿者のレビュー一覧を見る
どう手に取ればいいのか思案してしまう
綺麗で繊細だけれど存在感のある
薄く透明なガラスで作られた
ワイングラスを思わせるような作品でした。
ステムもボウルも気をつけて
力加減して持たないと壊れてしまいそうなのだけれど
本当は見た目以上の強さと許容を持ったグラスたち。