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商品説明
キャリアながら息子の不祥事で大森署署長に左遷された竜崎伸也。異例の任命で、米大統領訪日の方面警備本部長になった彼のもとに飛び込んできたのは、大統領専用機の到着する羽田空港でのテロ情報だ—。【「BOOK」データベースの商品解説】
キャリアながら息子の不祥事で大森署署長に左遷された竜崎伸也。異例の任命で、米大統領訪日の方面警備本部長になった彼のもとに飛び込んできたのは、大統領専用機の到着する羽田空港でのテロ情報だった…。シリーズ第3作。【「TRC MARC」の商品解説】
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紙の本
愛すべきエリート(只今、寄り道中)
2009/07/27 16:35
8人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:カフェイン中毒 - この投稿者のレビュー一覧を見る
警察小説が大好きなのですが、初めてシリーズ1冊目を読み始めたとき、
あまりにも鼻もちならない男の描写に「この人が主人公?」と驚いてしまいました。
善人というのを胡散臭く思う私ですら、この男でいいのか?と心配になるほどで、
それがシリーズ主役、竜崎伸也の第一印象でした。
エリート街道を順調に歩き続けるキャリアで、息子の進学先に東大以外は認めません。
家族も息が詰まるでしょう。
典型的な憎まれキャラを描こうとしているのかと思いきや、
この男、じつは信じられないほどの真面目人間なのです。
国家公務員として、警察官として、何を犠牲にしても国のために働くことを信条としています。
そのために合理性を追求、出世はより大きな発言権(権力)を得るために必要と、
見栄でもやせ我慢でも建前でもなく、本気で思っている。
そんなストイックな男、惚れずにいられましょうか。
本人はどこまでも本気なのに、周りはそうは受け取ってくれません。
彼の行動、発言は常に意表を突く形となり、
キャリアならではの傲慢さととられることも少なくはないようです。
しかも言葉足らず。
説明しても意味がないと思うのか、弁解もしない、相手に対する気遣いも不足気味です。
東大進学があたりまえというのも、彼には理由があるのですが、
息子にそんなことは伝わらず、いらぬ反感を買ってしまいます。
まあ、不器用でもあるわけです。
取り繕おうとしないのが、この場合、良いのか悪いのか。
そんな竜崎ですが、シリーズ1作目で、息子の不祥事により降格。
現在、大森署署長に収まっています。
キャリアが左遷されてまでも警察に残った時点で、これまた周りは不審に思うらしい。
本人はいたって真面目、目の前の職務をこなすことで国を守るつもりでいるのにです。
腐ることもなく淡々と、けれど国家公務員としての責務を感じながら働く姿は感動的ですらあります。
シリーズ2作目、そしてこの3作目では、その彼の能力と資質が、
舞台が変わってもいかんなく発揮されることで、周りを黙らせてしまうお話です。
3作目にあたる今回、訪日するアメリカの大統領のための警備にあたることになります
テロの計画が漏れてくる中、空港を閉鎖しろと迫るアメリカ側のシークレットサービス。
危機管理にかなりの温度差がある日本警察。
最終的に、諸々の責任は竜崎のところに押しつけられてしまいます。
彼の失脚を願っているであろう人物たちとの共同作業、好き勝手に動こうとする部下。
困難な仕事ではあるけれど、今までの彼なら絶対にありえなかったはずの「あること」で、
心身ともに激しく消耗することになり、集中力さえも欠いてしまいます。
まさに竜崎のピンチなのですが、同時に彼の人間らしさも存分に描かれることになります。
竜崎はキャリアとして当然の能力は持ってはいますが、けっしてずば抜けているわけではありません。
彼にあるのは、いかなるときも冷静に大局を見、現場に指示をあたえて任せるという、
まさに上に立つ人間に必要な資質、そしてそれを発揮しようとする努力です。
無愛想で、言葉足らずの冷たい変人に見える彼に、
べったりではないけれど、多くの人が魅了され、ついていくようになります。
そんな彼のいちばんの理解者である妻の言葉が奮っています。
家のこと(娘の結婚がらみの問題)を気にかけつつも帰宅できない彼に、
「だいじょうぶ。あなたは、国のために働きなさい」。
まるでおとぎ話のような、それでいてこういう人物の存在を信じたくなる、
すこぶるおもしろい警察小説です。
大好きなシリーズで、できればもっと頻繁に新作を読みたいのですが、
それで質が落ちるのは勘弁というジレンマもあります。
紙の本
恋に悩み苦しむ主人公
2020/10/18 12:17
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:トッツアン - この投稿者のレビュー一覧を見る
常に原理原則に従って信念を曲げず邁進する主人公、妻からは唐変木と言われる主人公だったが、恋をしていること気がつき、悩み苦しむ姿が好ましい。同僚の伊丹に相談する姿など中高生かと思ってしまい笑ってしまった。これまでの作品の中では怜悧・薄情とも思えるほどクールだっただけに、人間臭い面もあり好ましく読んだ。主人公の中にも痛みとの友情が無自覚ながら有るように感じた。
相変わらず、妻の冴子がいい。何でも知っているわよという感じで知らぬふりをしているようで、よい夫婦だなぁ