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紙の本
民事訴訟法 (有斐閣アルマ Specialized)
著者 山本 弘 (著),長谷部 由起子 (著),松下 淳一 (著)
本来、生活に身近であるはずの民事訴訟。それは、いったいどのような手続に則って行われているのだろうか? 民事訴訟法を手続の進行に即して丁寧に解説した、新しい時代のスタンダー...
民事訴訟法 (有斐閣アルマ Specialized)
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商品説明
本来、生活に身近であるはずの民事訴訟。それは、いったいどのような手続に則って行われているのだろうか? 民事訴訟法を手続の進行に即して丁寧に解説した、新しい時代のスタンダード・テキスト。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
山本 弘
- 略歴
- 〈山本弘〉1958年生まれ。東京大学法学部卒業。神戸大学大学院法学研究科教授。
〈長谷部由起子〉1957年生まれ。東京大学法学部卒業。学習院大学大学院法務研究科教授。
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どうしようもない基本書が多い民訴の中で孤軍奮闘
2010/09/01 17:39
9人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:佐伯洋一 - この投稿者のレビュー一覧を見る
アルマシリーズは秀逸だが、中には憲法のように秀逸とはいえないものも存在している。本書民事訴訟法は、記述は簡潔ながら要を得ている。思えば、民訴の基本書にはロクなものがない。ゆえに学生は書記官本を使わざるを得なかった。伊藤眞、高橋和之、そして新堂こうじなどがメジャーだったが、これらはまるで凶器であり、これで殴ったら殺意を認定されてもやむを得ないほどの不適切なボリュームである。辛うじて上田民訴を使う人が多かったものの、記述はやけに難解であり、学生向けではない。
問題は、本書が果たして書記官本に代わりうるのかということ。結論として、代わり得るといってよいだろう。書記官本のよさは、平易な記述で要点を述べている点で、少数説にぐちゃぐちゃ拘っている女々しさがないところだろう。本書もそれを満たす。
ただ、書記官本も決して良い基本書とはいえない。概念の説明は書かれているが、民事訴訟法の問題解決、答案作成力が付くような概念の運用法があまりにも書かれていない。例えば、既判力が作用する場面を123と書くのは当然だが、訴訟物が同一とは具体的にどういうことをどういう場合をいうのか、矛盾対立関係とは物権的関係でなければいけないのか、先決関係とは。そして、この3つにはまらなければ既判力というのは認められないのか。実は、この部分、そもそも訴訟物をどう考えるかという優れて実体法の知識を要求される場面なので、学者は総じて逃げている。唯一真正面からふれているのが、書記官本の著者で元判事の藤田教授である。
他にもたくさん足りない点はある。というか、問題を見てここに帰ってきて読んでもまだ意味不明なんていう場合、基本書としてはおかしい。例えば、刑法や刑事訴訟法、民法、そして、とくに会社法などは結構基本書を見ればわかる問題がほとんどである。民訴と憲法は非常に出来が悪い基本書が多いのである。
とはいえ、出版されている民訴の基本書としては上の中くらいには位置づけることができるので、お勧めできる。ちなみに、新堂・伊藤・高橋・上田の大御所の本を真正面から読んだ場合、民訴の体系的理解に3年はかかるだろう。