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- カテゴリ:一般
- 発売日:2009/05/01
- 出版社: 紀伊國屋書店
- サイズ:20cm/220,30p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-314-01055-9
紙の本
ミラーニューロン
著者 ジャコモ・リゾラッティ (著),コラド・シニガリア (著),柴田 裕之 (訳),茂木 健一郎 (監修)
鏡のように他者の行為を映すことから“ミラーニューロン”と名付けられたこの神経細胞の発見は脳科学のみならず様々な分野に衝撃を与えた。ミラーニューロンの秘める可能性を、発見者...
ミラーニューロン
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商品説明
鏡のように他者の行為を映すことから“ミラーニューロン”と名付けられたこの神経細胞の発見は脳科学のみならず様々な分野に衝撃を与えた。ミラーニューロンの秘める可能性を、発見者自らが科学的に解き明かす。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
ジャコモ・リゾラッティ
- 略歴
- 〈ジャコモ・リゾラッティ〉1937年生まれ。世界的に有名な神経生理学者。パルマ大学人間生理学教授、神経科学科長。
〈コラド・シニガリア〉1966年生まれ。ミラノ大学科学哲学准教授。知覚の現象学と行為の哲学を研究。
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著者/著名人のレビュー
ミラーニューロンと...
ジュンク堂
ミラーニューロンとは、自分がある行為をしているときも、他者の同じ行為を見ているだけのときも、まるで鏡のように同様に活性化する脳の神経細胞のこと。社会的知性の本質を理解するのに役立つと期待されている。
意外なところから発見されたその発見過程、実験や仮説などを発見者自ら解き明かす。近年最も可能性を秘めたミラーニューロンの世界を是非お楽しみ下さい。
紙の本
乱用された専門用語の正確な記述
2018/05/16 16:52
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:病身の孤独な読者 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「ミラーニューロン」という言葉が独り歩きしているように思われる。この言葉は、本来神経科学の専門用語なのだが、なぜかビジネスマンも知っている人がちらほらいるくらいだ。しかし、ミラーニューロン本来の定義や意味や意義を正確に知っているのはどれくらいいるのだろうか?本書は、まさに「ミラーニューロン」を発見した著者が自身の研究も含めて、ミラーニューロンにまつわる研究をわかりやすく解説している。ミラーニューロンの範囲が広い一般向けレヴュー論文のようなものである。
紙の本
発見者の著書なので期待したのだが・・・。
2009/08/15 08:01
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
他の個体の行動に対して、まるで自身が同じ行動をしているかのように"鏡"のような活動をするニューロン、ミラーニューロン。この「ミラーニューロン」という言葉を、脳科学や行動科学の話の中で聞くようになった。この本は、その「ミラーニューロン」の発見者が一般向けに説明を、と書いた本である。
「はじめに」の冒頭、演出家ピーター・ブルックのミラーニューロンへのコメントが書かれている。その昔、斬新な演出のシェークスピア劇を観て感動したことがあるので、この導入にはかなり期待を高められた。「ミラーニューロンの発見によって神経科学は、演劇界では長らく常識だったことをようやく理解しはじめた。・・・」。そう、演技を観て一緒に泣いたり笑ったりすること、他人を理解したりすることの神経基盤の説明がこのニューロンでできるかもしれない、と考えられているのである。
ミラーニューロンはどうやって発見され、どんな性質がわかっているのか。ミラーニューロンの発見者が書いてくれた本だし、この導入部の切り口は期待させてくれる。そう思って読んだのだが、少々はずれたか、というのが正直な感想である。
大変大きな発見なのだが、まだ未知の部分が多すぎて一般にわかりやすくまとめるのは難しい、ということもあるだろう。しかし、よい研究者がよい解説者では必ずしもない、ということでもあるような気がする。研究者が真面目に一つ一つの実験を追って説明していると、素人は重箱の隅に目を向けさせられているような気になり、本筋がだんだんわかりにくくなる、ということが往々にしておきるのではないだろうか。どんな意味があるのか、という大枠の位置づけなどは第三者の方がわかりやすく書くことができるというところもあるかもしれない。この本はそんな感想を持たせる本の一冊であった。
冒頭の、ピーター・ブルックの導入だけでなく、「コーヒーカップをつかむ」という行動を例にとっての脳活動の説明にも、わかりやすい例で、という著者の努力は感じる。しかし、たしかに、「コーヒーカップをつかむ」というだけでも様々な脳の機能が関与していることはわかるのだが、そういった基礎の大脳生理学の話が結構長く、主役のミラーニューロンが登場するのは本文も半ば、第四章からなのである。
そしていよいよ登場した主役の、発見の状況やその性質についても、著者が書いた本文内の説明よりも数ページの解説、訳者あとがきの方がポイントを捕まえられる気がした。理由は、上に書いたように、あまりに真面目に一つ一つの実験を説明するので、大要がみえにくいのである。
と、いったことで、著者の努力はわかるが、あまり一般向けにわかりやすい本にはならなかったような印象である。解説者は「長く読み継がれるべき、古典がここに誕生した」と絶賛しているが、少々これには疑問を呈しておきたい。
ついでに解説者への苦言を一つ。偶然見つかったということから、解説者はこれをセレンディピティの例としてあげている。しかし、そのセレンディピティの説明に「偶然の幸運に出会うことをセレンディピティと呼ぶ」というのはちょっと説明不足ではないだろうか。「偶然の幸運」に出会うだけならばただの「ラッキー」である。偶然の出会い中に画期的なものを見いだす能力がセレンディピティだ、と思っているので、その意味ではミラーニューロンの発見もセレンディピティだとすることには賛成できるのだが。