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商品説明
新選組二番隊々長・永倉新八は死去する2年前、小樽新聞に新選組の体験談を語り残した。池田屋事変では、近藤勇らとともに池田屋に突入。佩刀が折れ、敵の方を拾って戦った−。永倉新八の曾孫が語る、知られざる秘話が満載。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
杉村 悦郎
- 略歴
- 〈杉村悦郎〉1950年北海道生まれ。明治大学文学部卒業。タウン誌編集者、広告制作会社勤務を経て、フリーライター。新選組の永倉新八のひ孫にあたる。著書に「新選組永倉新八外伝」など。
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紙の本
新八をめぐる見えない糸のようなもの
2009/02/12 02:11
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:のんの - この投稿者のレビュー一覧を見る
隊士のなかでは永倉新八に興味があるので、なんとなく買ってしまった一冊だ。個人的には、人物伝は一通り読んでしまうと、よほどの史実的な新発見や着眼がないかぎり、驚きが生まれなくなってしまうもの、と思っていた。固定されたイメージを堂々めぐりすることが多い。しかしこの著者は歴史研究家ではないし、本書もいわゆる人物伝ではまったくない。子孫が語るというタイトルだが家族史でもない。曽祖父・新八が残した言葉を糸口に、新八とつながる人々を、過去と現代を縦横に追いかける全20話からなる短編集なのである。そこで出会った、加納鷲雄の子孫との会話や、新八とはまったく別の道で、同じ北海道に生きた隊士の話、新八を取材した謎の多い新聞記者の話など、脈絡のない章立てなのだが、その時代の匂いのようなものを著者は、現地に赴いたりしながらの地道な取材から感じ取り、書き上げている。人物伝というジャンルにはおさまりきらないし、またこれをなんと呼ぶのかも私は知らない。ただ歴史の表であろうと裏であろうと、これほど多様な生き様があるのかと、想像力をかき立てるものがあったし、歴史を今に引き寄せること成功している一冊だと思う。新八は隊士のなかでも唯一人、またあの時代にあっては珍しく、自分の生き様を素直に書き残した人だったと思うのだが、ひ孫にその血が受け継がれているのかもしれない。