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書店員レビュー
新井英樹作品は、とか...
ジュンク堂書店岡山店さん
新井英樹作品は、とかく心を揺さぶる魔力を持っている。それは誰もが隠してしまいたい、人間の汚い本性や恥ずかしい行為や行動を、これでもかと言わんばかりに赤裸々に暴き、描き殴っているからだ。フィクションでありながらも、リアリティを感じ、突き進められる。そして読みだすと止められない。
社会人として未熟な宮本は、社会の中における自分の居場所や、意味が見いだせずに無気力だ。そんな彼が、先輩の神保と営業をするようになってから、やがて熱い男としてがむしゃらに立ち向かうようになっていく。
しかし、そこで、「順風満帆」に進まないのが新井作品。
想像の域をはるかに超える幾度の壁と困難が立ちふさがり、そのたびに打ちのめされている。
「本当に宮本に幸せな時など訪れるのだろうか?」と疑うほどに。
けれど倒しても倒れない起き上がり小法師の精神で、満身創痍傷つきながらも、立ち向かう姿に感動以外の何を覚えるというのだろう。
がんばれ、宮本!!!
様々なことに息詰まりを感じるとき、思いのほか効力を発揮する1冊だ。
コミック担当 Y本
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2016/03/06 17:43
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投稿者:メロリーナ - この投稿者のレビュー一覧を見る
序盤はひたすらキッツい。宮本の恥ずかしいくらいの青臭さや真っ直ぐさ、の事ではなく、文具メーカーサラリーマンの営業の仕事描写が。いつのまにか引き込まれて行ったのはキャラクターの豊かさや新井さんらしいストーリーには直接必要ない雑踏やユーモアある書込みの魅力だと思う。特に女性のキャラたちは男性作家ではこんな風な書き方する人少ないよなってくらい、意地悪で皮肉でとっても上手い!しかし、この定本、辞書なみの厚さなので一気読みしたらめちゃめちゃしんどかった。手と腕しびれて、肩と首凝った。持っておく本としては最適だと思うけど。