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コンラッド・ハーストの正体 (新潮文庫)
あの4人を消せばいい—。殺し屋コンラッドはある日、自分の変わり果てた姿に初めて気づいた。最愛の人を失ってから9年間、彼は指示されるまま無慈悲に殺しを重ねてきたのだ。自由に...
コンラッド・ハーストの正体 (新潮文庫)
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商品説明
あの4人を消せばいい—。殺し屋コンラッドはある日、自分の変わり果てた姿に初めて気づいた。最愛の人を失ってから9年間、彼は指示されるまま無慈悲に殺しを重ねてきたのだ。自由になるのに邪魔な男は4人だけ。だが、始末に取りかかった彼は、驚愕の真実を知る。自分は誰のために殺してきたのか。自らの人生を取り戻すことはできるのか。哀切のラストが待つ絶品サスペンス。【「BOOK」データベースの商品解説】
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紙の本
「コンラッド・ハーストの正体」次作も読みたい作家発見!
2009/10/02 16:53
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:soramove - この投稿者のレビュー一覧を見る
「イメージは映画版の
ジェイソン・ボーン、
違うのは記憶喪失ではなく、
自ら自分の仕事の幕引きをしようと
黒幕に近づいていくことだ、
そして、読んでいる間中感じる
このもの悲しさは何だろう」
ヨーロッパで9年もの間、
ある男の指令を受けて
様々な人物を殺してきた凄腕の
殺し屋が主人公、
しかし冷酷な人物というより、
冷酷であろうという心情が伝わる。
映画的な小説だ、
緊迫のシーンがいくつも作れそうで、
その具体的なイメージが
読みながら浮かんでくる。
ただし異色なのは、
自分を直接知る者を殺すことで
主人公が今の仕事を辞めようと
孤独な戦いを始めたことだ。
死んでしまった、かつての恋人への
ラブレターのように時折挿入される
自分の心情を吐露する部分では
普通のアクションものとは違い、
その落差に人間的なものを感じて、
いい形で終わって欲しいなと
願わずにはいられない。
面白い形式だけど、
感情を吐露する部分があることで
アクションの勢いのようなものが
そがれてしまっていることも確かだ。
そしてラストまで読んだとき、
主人公の悲しみの本質を知って、
深い喪失間を共有することになる。
330ページということもあり、
休日の午後の一気読み、堪能しました。
★100満点で75点★
http://yaplog.jp/sora2001/
紙の本
ノワール物かと思いきやスパイ物へ変身。
2009/10/09 01:45
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみ丸 - この投稿者のレビュー一覧を見る
なんとなく、読んでみました。
設定というか、プロットと聞いた段階では、
ノワール物かと思いましたが、実は、、、。
コンラッド・ハーストは、ドイツの犯罪組織から仕事を請け負う殺し屋。
この稼業がやめるためコンラッド・ハーストは、自分のことを知っている
4人の人間を殺すことを計画。
一人を殺害するのですが、その一人からすべては嘘だったと告げられます。
彼は、自由に成ることが出来るのか、!?。
このすべてが嘘だったという辺で、ノワール物として、すごい面白そうだ!!。
と思ったのですが、ここから、
小説としては、思いがけない方向に向かいます。
さる情報部を巻き込んだ、スパイ物となっていきます。
章前にコンラッドの彼女への手紙が叙情的に語られているものの、
基本的には、ノンストップ物で、どんどん話が進んでいきます。
このノンストップで非情な(途中からちょっと優しくなります)
コンラッドとその手紙の内容が、ちょっとアンバランスな感じもしました。
設定や展開上、ラドラムの「暗殺者」を上げないわけにはいかないのですが、
こっちのほうが、やや作品として一押し足りないというか、
もう一パンチなにかあってもよかったかな、、と。
面白くないわけでは、ないのですが、全体として惜しい感じ、、。
最初からスパイ物として読んだら
もうちょっと感想は違ったかもしれません。
紙の本
”ジェイソン・ボーン詐欺”にご注意を
2009/03/03 09:12
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:APRICOT - この投稿者のレビュー一覧を見る
コンラッド・ハーストは、ある犯罪組織おかかえの殺し屋。長年命じられるままに殺しを行なってきたが、ある日突然嫌気がさして、足を洗う決意をする。そのためには、彼が殺し屋だと知っている4人の人間を消す事。だが事情は、彼が思ったほど単純ではなく…。
.
珍しく本屋で見かけてその場で購入してしまった。あとがきでロバート・ラドラムの「暗殺者」(映画名「ボーン・アイデンティティ」)が引き合いに出されていたのも一因だろう。だが、誇大広告を通り越して詐欺だと思った。「暗殺者」のジェイソン・ボーンは、たとえ過去に手を血で染めていようとも、根はまっとうな人間だと感じさせるものがあった。だからこそ、ヒロインは危険を承知でボーンを助けたし、読者も心からボーンを応援した。それに対して、本書のコンラッド・ハーストは、自分がこんな人間になったのは***のせいだ…と自己憐憫にひたりきり、自分を正当化できないと言いながら正当化している、何とも不愉快なキャラクターで、全く共感できない。
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それでも、コンラッドと敵組織との、プロ対プロのシビアな戦いが展開されたなら、悪くはなかっただろう。だがコンラッドは、命じられるまま何も考えずに殺すだけのロボット人間で、ボーンのような超一流のプロはもちろん、並のプロからもほど遠い。そして敵組織も、コンラッドに合わせてレベルを下げたがごとく、考えられないほど隙だらけで甘っちょろい。おかげで、話がすっかり生ぬるいものになってしまった-しかも血なまぐさい、不快な生ぬるさである。
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読む価値がないとまでは言わないが、”ジェイソン・ボーン詐欺”に警告を発する意味もあり、評価は思いっきり低くした次第である。