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  • みんなの評価 5つ星のうち 4.2 174件
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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2008.11
  • 出版社: 早川書房
  • サイズ:19cm/345p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-15-208979-3

紙の本

予想どおりに不合理 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」

著者 ダン・アリエリー (著),熊谷 淳子 (訳)

偽薬は高価だと信じていた方が効き、2択に加えたおとりの選択肢で判断が変わる…。こんな不合理な人の行動も、実は系統的で予想可能!? 行動経済学研究の第一人者が、ユニークな実...

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予想どおりに不合理 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」

税込 1,980 18pt

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商品説明

偽薬は高価だと信じていた方が効き、2択に加えたおとりの選択肢で判断が変わる…。こんな不合理な人の行動も、実は系統的で予想可能!? 行動経済学研究の第一人者が、ユニークな実験で人を動かすものの正体を解き明かす。【「TRC MARC」の商品解説】

著者紹介

ダン・アリエリー

略歴
〈ダン・アリエリー〉カロライナ大学チャペルヒル校で認知心理学の博士号、デューク大学で経営学の博士号を取得。デューク大学教授。MITのメディアラボの客員教授。行動経済学研究の第一人者。

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みんなのレビュー174件

みんなの評価4.2

評価内訳

紙の本

予想以上におもしろい

2009/01/04 17:50

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:arayotto - この投稿者のレビュー一覧を見る

テレビの雑学番組でこんなことを言っていた。

薬の有効成分は、本当は3割程度の量で充分だが、それだけの量では薬を飲んだという満足感や安心感が得られないため、残り7割ほど(安全な)添加物を加え、飲み応えのある量にしているのだとか。

有効成分が一切ないのに、例えば小麦粉などを、白衣を着た権威ある医師(らしき人)から処方されると、よく効く薬と思い込み、病気も直ってしまうプラシーボ(プラセボ)効果というものもある。


まったくもって人間てのは、理性的合理的な顔をしながら、なんて不合理にできているのだろう。

でもその不合理は予想外なんかじゃなく、予想どおりでもあるのだ。


ダン・アリエリー「予想どおりに不合理」
2008年暮れから読みはじめ、2009年三が日に読みおわった、年越しの一冊。早くも2009年上半期「じつにおもしろい」本トップ3にランクインである。


この本に書かれてあること
~相対性の真理/ゼロコストのコスト/社会規範のコスト/予測の効果~などを、
漫才やコントのネタにある「あるあるネタ」の、行動経済学バージョン、なんて言ってしまっては経済を学ぶ人に怒られるだろうか。


でも本書に挙げてあるいくつかの例は、まさに誰にでもある「あるある」なのだ。

例えば、本書に書いてある事例に似たことで、こんな事はないだろうか。

アマゾンで1500円以上配送料無料につられ、今すぐ必要でない本を足し、1500円を超える価格にして配送料無料にしたが、ついでに買った本を未だ本棚の片隅に置きっぱなしの人、

明日からジョギングを始めようと決意し、翌朝起きたら雨だったので、さらに次の日をスタートの日に先延ばしにした人、

映像編集なんてやらないのにいつか子どもが生まれた時のためにと、映像編集ソフトをインストールした、膨大なハードディスク容量、最大メモリ容量のパソコンを買ってしまった人、

仕事に必要な本と一緒に好きな作家の新刊小説や趣味の雑誌を買い、合わせた金額の領収書を経費にしてしまっている人。

ひとつでも当てはまる人は、
この本を、読んではいけない。絶対に薦めない。
ショックを受けるからだ。


なんたって帯の文句からしてこうだ。
「あなたが無駄使いするのは、前もってわかっている!」

有無を言わせぬ断言だ。


怖いものみたさで人間の不合理さを知りたい人は読むがいい。むしろ一日でも早く読む方がいい。

じっくりと冷静になって考えてみればあの時あんな選択や行動を起こさなかったのに、なぜあの時は理屈に合わない不合理な選択や行動をしてしまったのか。
それらはすべて「予想どおり」だと本書は言う。

だから一日でも早く読み、不合理な行動を起こさないよう身を引き締めねばならないのだ。
特にこの未曾有の不況においては。



実は今も私は悩んでいる。
昨年の暮れ、新聞の折り込みチラシに誘惑的なものが入っていた。大手のスーパーのチラシだ。
2009年1月4日に、そのチラシを持っていけば、お正月特別割り引きとして、1000円以上お買い上げに300円、3000以上お買い上げに1000円割引となるのだ。

約1週間ずっと保管し、さあ、今日はその1月4日。
本書を読む前は、必ず足を運ぶつもりでいた。

特に今買いたいものはないが、こんなお得なチャンスはないと、「なにか」を3000円分買うつもりでいた。
しかし、本書を読み終えた今、悩む。
「予想どおりに不合理」な罠に引っかかるまいと理性と戦う2009年初頭の、私がここにいる。

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紙の本

「みんなが決断するときに規則正しい失敗をするなら、新しい戦略なり道具なり方法なりを開発して、わたしたちがよりよい決断をし、全体的な幸福感を増やせるようにしたらどうだろう」

2010/07/30 23:51

6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:wildcat - この投稿者のレビュー一覧を見る

縁あってtwitter上で楽しませてもらっている企画に『大人絵本会』というものがある。

この第6回のお題が『ペーテルおじさん』だったのだが、
このときに一緒に読むとよいと紹介されたのが、『フリー』の「第12章 非貨幣経済」だった。

『ペーテルおじさん』は書評済だったが、『フリー』は全く読んでいなかった。

必死に12章だけ読み、なんとか書評にして間に合わせたことが思い出される。

『フリー』は、ウィキペディアからの引用が多く、
参考文献リストを文末に持たないのだが、
何度も引用されていて気になったのが、本書だった。

引用部分からおもしろそうだとはおもったのだが、
なにせ私は、ビジネス書を読んだ経験が少なすぎる。

そこで、本書の先行評を書いているmarekuro氏に
本書をなぜ手にしたのか聞いてみた。

こんな答えが返ってきた。

  これは類書と比較して
  ・著者がしっかりとした権威であること
  ・テクニカルタームが少なく読み物として読みやすいこと
  ・実用的であること
  ・参考文献、引用文献がしっかりしていること
  ・ボリューム
  が良かったので購入しました。

  このジャンルの本を購入したのは
  ・流行っているから
  ・役に立ちそうだから
  ・自分自身が心理学的な知識を持っているから理解が容易

どうやら初心者でも読み物的に楽しめそうだと思って、安心して購入した。

本書は、次の13のテーマを取り上げている。
・なぜあらゆるものは―そうであってはならないものまで―相対的なのか
・なぜ真珠の値段は―そしてあらゆるものの値段は―定まっていないのか
・なぜ何も払わないのに払いすぎになるのか
・なぜ楽しみでやっていたことが、報酬をもらったとたん楽しくなくなるのか
・なぜ情熱はわたしたちが思っている以上に熱いのか
・なぜ自分のしたいことを自分にさせることができないのか
・なぜ自分の持っているものを過大評価するのか
・なぜ選択の自由のせいで本来の目的からそれてしまうのか
・なぜ心は予測したとおりのものを手に入れるのか
・なぜ1セントのアスピリンにできないことが50セントのアスピリンならできるのか
・なぜわたしたちは不正直なのか、そして、それについて何ができるか
・なぜ現金を扱うときのほうが正直になるのか
・行動経済学とは何か、そして、無料のランチはどこにあるのか

これらのテーマに関する行動経済学的実証研究を通して、
著者が伝えようとしているのは次のことである。

ふつうの経済学では、わたしたちは、
「決断に役立つ情報をすべて知っていて、
目の前のさまざまな選択肢の価値を計算することができ、
それぞれの選択による結果を何にも邪魔されずに評価できると想定して」いて、
「論理的で分別のある決断をするものと見なされる」。

実際はそうではなく、実際の経済学が仮定するよりも「はるかに不合理」だ。

だが、その不合理な行動は、でたらめでも無分別でもなく、
規則性があって予想することができる。

行動経済学は、
「多くの点でわたしたちがどれほど理想におよばないかを証明してみせ」るが、
「みんなが決断するときに規則正しい失敗をするなら、
新しい戦略なり道具なり方法なりを開発して、
わたしたちがよりよい決断をし、
全体的な幸福感を増やせるようにしたらどうだろう」と考えるのである。

本書を読み物的に楽しめると感じたのは、著者のお人柄にもあると思っている。

著者が行う研究は、よくもまぁ倫理審査が通ったものだと驚くようなものもあるが、
その根っこにあるのは、
「日々の決断に影響をおよぼしているものがほんとうはなんなのかを探ること」である。

このようなリサーチ・クエスチョンを常に根っこに持ちつつ、
この人は、不合理でしょうがない選択をしながらも、
よりよく生きようとする人間というものを本当に愛しているんだと思った。

だから、型破りな研究もみんなから協力が得られるのだと思う。

気になるテーマを実証するための研究の進め方はもちろん、
巻末の謝辞の書き方や共同研究者の紹介の仕方ひとつをとっても参考になった。

謝辞や仲間の紹介は内輪向けだから、
知らない者が読んでもわからないだけのはずなのだが、
彼の紹介の仕方だと、本当に彼の共同研究者の人となりが見えてくるようなのだ。

本も人もこんな風に紹介したいと思った。

さて、本書の13のテーマのうちに、どれも身につまされてしまったのだが、
ここでは、「相対性の真相」について触れてみたい。

ここで述べられているのは、私たちは物の価値をそれと似た何かと比べないと
決められないということである。

確かに、自分と他人との境遇を比較するとき、
最初から自分とかけ離れたものと比べてどうこうは思わない。

が、自分とほぼ同じくらいと思っていた人が
ちょっと自分よりいい目を見ていると思ったりすると
にわかに悔しくなるのはわかる。

比べるものがなければその価値が測れないのは、本の選択の時も同じだ。

私たちは本当に自分にとって価値がある本を合理的に選べているわけではないと思う。

特に影響されるのが、ベストセラーだとかランキング何位だとかいう謳い文句。

そして、そういった本が一時的に売れたりする。

こういった本を自分が本当に必要としているかどうかわからないのに
買ってしまったりすることはないだろうか。

本書も『amazon.com Best Books of 2008 ビジネス書部門第1位』
という言葉が帯に入っている。

先日買ったばかりの私の手元にあるこの本は、『2009年1月25日 4版発行』である。

初版発行は、2008年11月25日なので、
売り出されて2カ月はよく売れたということだろう。

本書の奥付の版表示を見ていると、
旬をちょっとすぎたビジネス書に見えるのだが、
取り上げられているテーマは、
人が「予想どおりに不合理」であるかぎり、腐らないテーマである。

今読んでもおいしかった1冊だ。

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紙の本

面白かった。読後は自分の行動の不合理さを認知した上で次の思考、行動へ向かうきっかけをくれる良書。

2010/03/21 22:24

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:marekuro - この投稿者のレビュー一覧を見る

人間の不思議な、そして合理的ではない特性を
各種の実験を通して説明してくれる一冊です。

行動経済学と呼ばれる分野の本ですが
経済学の専門知識を持たない私にも興味深く
読める箇所が多かったです。そういう意味では
読み物的に行動経済学という分野の
研究・実験成果を楽しめます。

類書はたくさん出版されているのですが
自分にとっては質・量共にちょうど良い
ボリュームでした。

本書の基本となるテーマは
「正しい答えがあっても人は不合理な決断をおこなう
 ものである」
というものです。

本書にはたくさんの知見が並べられていますが
上記のテーマに沿って以下の5つの主要な(だと思われる)
メッセージを投げかけてきます。

それは
・相対性の連鎖について
・「タダ」のコストについて
・社会規範と市場規範
・先延ばしの問題
・品性について ~企業の粉飾事件の事例から

というものです。いくつかを例として抜き出すと
例えば「相対性の連鎖」に関して
言うなら、入社時に10万ドルもらっていた自分も
30万ドルをもらうようになったら、もっと欲求が
出てきた。なぜなら同僚が31万ドルの報酬をもらって
からだ。というものです。

クラウンを買ってご満悦だったが隣人がベンツを買った
事が面白くないと話していた友人を思い出す記述でした。
この点に関しての著者の提案する解決方法は、「自分の人生と
比較するまわりの円を小さくすること」だと述べます。
わざわざ行動経済学の第一人者である著者に言われるまでも
ないことであるとは思いますが、同時に昨年末に話題になった
経済評論家と医師の論争が脳裏をよぎる記述でもありました。

『「タダ」のコストについて』は同じく昨年末位から
話題になっていたフリー
の方が内容的な質・量共に充実していますが本書では
食べ放題のビュッフェにて満腹なのに何度も料理を
おかわりするというような事例を挙げて「無料」という
価値に関して記述しています。

「社会規範と市場規範」に関しては
全米退職者協会が複数の弁護士に低価格で
退職者の相談に乗ってもらえるように依頼したのだが
ほとんどの場合、弁護士には断られたというケースを
挙げます。しかし、低価格では断った弁護士も無報酬で
ボランティアで相談に乗ってもらえるよう依頼した際は
快く引き受けたといいます。
社会規範と市場規範を混同することが良くないという
事を象徴するエピソードであると共に、社会規範と同等
レベルのコミットメントを市場規範にて適用させる
のは莫大なコストを必要とするという事を示している
ように思います。

要するにお金をもらうよりもボランティアの方が
一生懸命やる場合があるということでしょう。
そして、その場合のボランティアに市場規範を適用
(要するに金銭を介在)させると混乱と莫大なコストが
かかかるという事だと思います。

以上3つ程、事例をピックアップしましたが
本書のテーマは先に述べたように
「正しい答えがあっても人は不合理な決断をおこなう
 ものである」
というものです。そして、本書ではそんな事例をたくさん
挙げてくれています。
その点に関して著者は

「私達は経済学で想定するよりもはるかに合理性を欠いて
 いる。そして、私達の不合理な行動はでたらめでも無分
 別でもない。規律性があって、何度も繰り返してしまう
 ため予想も出来る」
と述べています。

不合理な自分や他者、組織や組織の決断を振り返り
その答えから別の対応を考えるきっかけを与えてくれる
本書は読みやすく、かつ有益な知見に満ちた良書だと
思います。
評者自身もそうなのですが自分の不合理さに気づきつつ
(気づいていたら良い方ですが…)それに目をつぶりがちな
方をはじめ、多くの人に一読をおすすめしたい一冊です。



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紙の本

合理的人間とはいったい何なのか?

2009/02/18 20:14

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:くにたち蟄居日記 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 経済学の前提が時として「人間は合理的判断をする」という点に置いていることに疑問を感じてきた。従い 本書の題名を見て すぐに購入した次第だ。

 本書から見えてくる人間は「合理的な」動物である。それは著者が展開した数多くのテストの結果で 基本的に著者が「予想した」結果が出ている点を見ても分かる。「不合理な動物」だったとしたら テスト結果はもっとばらばらになっていたはずだ。テストの結果に方向性が出たとしたら それは多くの人が ある種類の合理的な判断に基づいていたからだと考えるべきだと思う。

 要は「何が人間にとって合理的なのか」ということだと思うのだ。経済学では時として「人間は一円でも有利な方があったら 当然合理的にそちらを選ぶ」というような話が出てくるわけだが 他の要因があったら「100円不利な方でも そちらを合理的に選んでしまう」ということも多い。
 その「他の要因」は 例えば 見栄であったり 善意であったり 錯覚であったりするわけだが そんな「他の要因」をいかに発掘し 分析するのかが 次世代の経済学の一つの課題なのだと強く感じた。

 それにしても本書は読んでいて笑える。著者が 書き方に大変工夫して書き上げたことが良く分かり 非常に気持ちが良い。この著者のユーモアには 著者の人間への優しいまなざしを垣間見せるものがある。そもそも 人間への愛情が無い人に「行動経済学」というような学問は難しいのではないだろうか。

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紙の本

あの時はそれが最高の考えだと思ったの!

2009/06/15 16:26

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る

 伝統的な経済学は、人間に十分な情報を与えれば経済合理性に基づいた正しい判断を下す、と言う前提に基づいて議論を展開する。しかし、人間はどんな状況でも正しく合理的な判断を下せるわけではない、ということを主張するのが行動経済学だ。
 本書では、"無料"商品を目の前にした場合の判断の誤りや、性的興奮時の衝動、ビジネスとはあまり関係ない飲み会の費用を経費としてごまかす心理など、章ごとに身近な題材を取り上げ、実験により検証し、分かりやすく解説している。文体も読みやすいので、苦心なく読めると思う。

 本当に身近な題材なので、おそらく読者自身も経験したことがあるであろう不合理な判断を思い起こすことになるだろう。(ボク自身もそうだった!)
 冷静に考えることができれば絶対にしない判断なのに、何故かその状況に置かれると必ず間違ってしまう。そもそも人間はそういう風に出来ているという事を自覚することで、誤りを回避するための一助になると思う。

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紙の本

ヒトの行いは不合理だけれど予想は可能。実験と検証も可能。

2008/11/28 09:50

10人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:YO-SHI - この投稿者のレビュー一覧を見る

 これは、ためになる本を読んだ。著者はデューク大学の行動経済学の教授で、MITのメディアラボにも籍を置いている。不肖私は20数年前に経済学を学んだ者だが、「行動経済学」という研究分野のことを知らなかった。
 古典的な経済学では「人は合理的に行動する」ことを前提に理論が構築されている。しかし、現実を見ると人の意思決定は合理的ではない。必要ではないものを買ってしまうことの何と多いことか。そこで行動経済学は、人は合理的に行動するという前提をなくし、いわば心理学の見地を取り入れ、人の振る舞いを基礎に置いた経済を研究するものだそうだ。

 まずは、本書にあるちょっとした実験を紹介。日本でもハロウィンの行事が認知されるようになってきたが、著者がハロウィンの日に家にきた子どもに仕掛けた実験(イタズラ?)だ。キスチョコを3つ渡してこう言う「この他に、小さいスニッカーズをもらうのと、キスチョコ1個と交換に大きいスニッカーズをもらうのとどっちかいい?」
 小さいスニッカーズは約30g、大きいのは約60g、キスチョコは約4.5gだ。合理的に考えれば、大きいスニッカーズとの交換が得策だ。でも..この子は一旦もらったキスチョコを手放すのが惜しかったのか、小さいスニッカーズを選んだ。「予想どおりに不合理」だ。
 「子どもだから..」という理由付けをしてしまいがちだが、そうではない。比較のためにやった他の実験では子どもたちは、ちゃんと合理的な判断ができた。そして、何よりも同じような実験を大人(MITの学生が被験者になることが多い。頭の出来は保証付きだと言って差支えないだろう)を対象にしても結果は同じく不合理だ。そんな実験の数々が本書の中にはあふれ返っている。

 実を言うと本書で紹介されている実験結果は、読者にとっても「予想どおり」だ。何となく普段の生活で感じている通りのことで「まさかそんな!」というものはなかった。しかし私は、本書が優れて示唆に富む本だと思う。
 それは、私たちが思う「感じ」を本書はキチンと実験で証明し、その理由を分析しているからだ。理由が分かればうまく利用ができる。もっと大切なのは対策ができることだ。世の中には不合理な行動の結果の争いや悲劇も数多くある。著者はその対策にもいくつか言及しているが、実現することを希望する。そして、本書を多くの人にオススメする。

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