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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2008.11
- 出版社: みすず書房
- サイズ:20cm/266p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-622-07436-6
- 国内送料無料
紙の本
糸と痕跡
真実の歴史を物語ることはいかにして可能か。物語の糸と痕跡の関係とは。現代歴史学の第一人者が、フィクションと真実のあいだにある、偽って真実であると見せかけている歴史的素材を...
糸と痕跡
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商品説明
真実の歴史を物語ることはいかにして可能か。物語の糸と痕跡の関係とは。現代歴史学の第一人者が、フィクションと真実のあいだにある、偽って真実であると見せかけている歴史的素材を丹念に解きほぐす全6編。【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧
描写と引用 | 17−51 | |
---|---|---|
パリ、一六四七年 | 52−73 | |
寛容と交易 | 74−111 |
著者紹介
カルロ・ギンズブルグ
- 略歴
- 〈カルロ・ギンズブルグ〉1939年イタリア生まれ。ピサ高等師範学校専修課程修了。カリフォルニア大学ロスアンジェルス校勤務などを経て、ピサ高等師範学校教授。著書に「ピエロ・デッラ・フランチェスカの謎」など。
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紙の本
読むこと。
2022/11/09 11:39
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:L療法 - この投稿者のレビュー一覧を見る
高名な歴史家による短い報告をまとめた本の一部を翻訳したもの。
エッセイ的に読んでいけますが、高密度に様々な文献を踏まえて語られる文章は、教養とともに、ローカルな、イタリア(ヨーロッパ?)歴史学界の知識が求められます。
不足する知識を補うために、注が役に立つのですが、非常に重要なことに触れた書籍が、日本語訳がないという、翻訳の壁を突きつけられます。
この穴を埋めるためには、語学を身につけ原著にあたるのがいちばんですが、現実的ではないので、読書のみならず、日本も含めて、異論ンな国の文化的な事柄に、意識的に接することが大事でしょう。
少なくとも、日本で歴史好きと言って出てくる芸能人は、(メディアの求めに応じてるだけかもしれませんが)どうも特定の出来事と人物に、偏ってる人ばかりに思えます。
同じエピソードを繰り返し撫で回す、突飛な見解に飛びつく、そう言った楽しみだけが歴史の話ではないと、本書は確認させてくれます。
歴史学は、絶対に完結し得ない、タイムマシンができようとも完結し得ない学問の一つであると思います。
この途中経過と、注を読むことは、歴史学についてなにかを識ることであるとともに、読書という機構の働き具合を意識させるものでもあります。
本書は文芸批評のようにも読めます。
文献にあたる学問ということで、本質的な違いはないのだと思います。
歴史は考古学などの物的証拠も重要ではありますが、文芸批評に考古学(考現学・社会学)の知見を取り入れても問題ないように、全ては繋がって、今現在とは別の現実を織りなしていく。