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商品説明
ミステリの醍醐味と言えば、終盤のどんでん返し。中でも、「最後の一撃」と呼ばれる、ラストで鮮やかに真相を引っ繰り返す技は、短編の華であり至芸でもある。本書は、更にその上をいく、「ラスト一行の衝撃」に徹底的にこだわった連作集。古今東西、短編集は数あれど、収録作すべてがラスト一行で落ちるミステリは本書だけ。【「BOOK」データベースの商品解説】
あらゆる予想は、最後の最後で覆される…。ミステリの醍醐味である、終盤のどんでん返しの更にその上をいく、「ラスト1行の衝撃」に徹底的にこだわり抜いた、暗黒連作ミステリ。表題作ほか全5編を収録。【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧
身内に不幸がありまして | 5−39 | |
---|---|---|
北の館の罪人 | 41−92 | |
山荘秘聞 | 93−143 |
著者紹介
米澤 穂信
- 略歴
- 〈米澤穂信〉1978年岐阜県生まれ。2001年「氷菓」で角川学園小説大賞奨励賞(ヤングミステリー&ホラー部門)を受賞しデビュー。他の著書に「ボトルネック」「インシテミル」など。
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紙の本
最後の一撃にノックダウン!
2009/04/13 16:21
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:まめタロウ - この投稿者のレビュー一覧を見る
具体的な時代背景は描かれていませんが、昭和初期のようなどこか古めかしくじめっとした雰囲気。
それぞれ独立した短編ですが、「バベルの会」というキーワードで繋がっています。旧家のあるじと使用人という関係も共通するモチーフですね。「バベルの会」というのは読書サークルの名なので、たくさんの書籍名が出てきて、読んでみたくなりました。
米澤氏曰く「ラスト一行の衝撃にこだわり抜いた」とあって、ラスト一行にぞくりとさせられました。最後まで読むとタイトルの意味が分かり、思わずニヤリとしてしまいます。なかでも一番最初の「身内に不幸がありまして」が秀逸だな、と思いました。
怖い、けど面白い。恐怖には甘美の味がします。ドキドキしながら最後の一行まで気が抜けません。
紙の本
羊たちが弱者だとは限らない
2011/01/21 10:31
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ルルシマ - この投稿者のレビュー一覧を見る
面白かった。
帯書きにはこう書かれています。
『あらゆる予想は、最後の最後で覆される。
ラスト1行の衝撃にこだわり抜いた、暗黒連作ミステリ。』
ラスト1行の衝撃、というのは少し違うと思いますが、
かなりセンスのあるオチだと言えるでしょう。
いきなり来るショックより、最後数ページ前から読み手はじわじわ感じてくるものがあるのです。
「もしかして・・くるんじゃないか?」
そして、予告通り最後の1文での括り。
あの、青春まっただ中の古典部や小市民からは、想像できない・・・
収録は全5編。
「身内に不幸がありまして」
「北の館の罪人」
「山荘秘聞」
「玉野五十鈴の誉れ」
「儚い羊たちの晩餐」
連作ということで、共通するキーワードは「バベルの会」という大学に所属している読書会。
登場人物は、ある財閥(これはそれぞれ違う)の令嬢、もしくはそこの使用人を中心とし、なんらかの形で「バベルの会」に関係しています。
この財閥が生半可でなく、特別な時代設定は書かれていないのですが、
おそらく最後の1作以外は現代より少し前だと思います。
家や家長がとても重んじられていた時代のこと。
文字通りの深窓の令嬢が妄想の末にたどり着く世界観。
北村薫作品の「花村英子嬢」の暗黒版のような女性たちが次々と登場する、
ありそうでありえないお話が、すべて「バベルの会」と繋がっていました。
個人的には「山荘秘聞」と「玉野五十鈴の誉れ」がよかった。
S・キングを思い出させる狂気・・・怖いです。
紙の本
ミステリーの試み様々
2019/02/01 22:26
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る
米澤穂信の連作短編ミステリーである。5編の短編から構成されているが、いずれも大学の読書会である「バベルの会」に属しているという共通点がある。それ以外は何とも現実離れした設定である。
それぞれ主人公はいる。最初の「身内に不幸がありまして」は村里夕日という孤児院育ちの若い女性である。丹山家に使用人として採用される。その後は丹山家の人々の人間模様に翻弄される。
以降、「北の館の罪人」、「山荘秘聞」、「玉野五十鈴の誉れ」、「儚い羊たちの晩餐」と続くが、いずれもその地方の名家での話であったり、山荘の管理人であったり、使用人であったり、その役処は様々である。最後は富豪に雇われた料理人が主役であるが、バベルの会についての記述が前後に日記として書かれている。
そのバベルの会とはどのような集まりなのか、何をする目的で設立されたのか、明確には書かれていない。書く短編にはミステリーらしく江戸川乱歩らの日本のミステリーの系譜が書かれており、米澤ならではの読書家好みの知識が盛り込まれている。
推理小説が好きな読者向けの書であるが、興味がなくとも楽しめる。ただし、省略等が多くて読者に推理させることを狙っているのか、全てが書かれているわけではない。その点で解説などが必要な書であるかも知れない。
紙の本
題名と作品が見事にマッチしています
2009/01/09 19:11
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kako - この投稿者のレビュー一覧を見る
5編からなる短篇小説です、インシテミルの時と同様、軽くブラックな感じは健在です。
ラスト一行の衝撃とあったので、本当に一行に集約された衝撃を思っていましたが、さすがにそれは言いすぎでした。
ラスト2ページくらいが正しいかと(笑)。
結構話の筋を予想しやすくあまり衝撃も訪れなかったのは残念ですが、5編がきちんとまとまっていたと思います。
世間とは相容れない立場のお嬢様が所属する読書会「バベルの会」。
怪しく不思議な雰囲気のするその読書会が随所に出てきます。
バベルの会に実際に所属しているお嬢様、所属している方とお知り合いの方、または以前所属されていたお嬢様。
様々な立場の方が何らかの形で係わり合いを持たれています。
そしてもちろん読書会ですから、様々な本が登場する章もあります。。。
作者や作品から多種多様な受け取り方を感じ、自分の中に取り込んでいく様子がさらっと書いてあり、素直に面白いと感じました。
非常に作品の中に入りやすいと思いますので、時間が空いたときに読むのにはふさわしいのではないでしょうか。
紙の本
背筋が寒くなる短編集
2021/08/07 08:39
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:makiko - この投稿者のレビュー一覧を見る
お嬢様の読書会「バベルの会」に集うお嬢様それぞれの抱える闇が描かれた短編集。どれも最後にゾーッと背筋が寒くなる結末で、人間の持っている嫌な面を暴き出す著者の力量と人間観察眼に感嘆するやら嫌悪感を抱くやら…。好んで読みたい小説ではありませんが、たまに読む分には楽しめます。