紙の本
あなたはジョブズと仕事ができますか?
2009/01/09 23:05
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:JOEL - この投稿者のレビュー一覧を見る
スティーブ・ジョブズは言わずと知れた現代のカリスマのひとりだ。きっと特異な才能の持ち主に違いない、と読む前に思っていた。ただし、私のアップル体験はiPodに限られているので、熱狂的な信者というわけではない。その意味では、あくまで冷静に本書を読み通すことができたと思う。
私の知るジョブズは、スタンフォード大学での卒業スピーチやアップルの新製品プレゼンテーションを通じてのものだ。だから、飾り気のない、それでいてスマートな印象を与える人物といったところだった。
本書は、たぐいまれな才能の全貌を教えてくれるものと予想していたが、期待に反して、ジョブズのおそるべき側面を知ることになった。いわく、完全主義者、すべてをコントロールしないと気が済まない性格、社員を面前で罵倒する、才能のないものは即座にクビにするetc。
ひょっとすると、ジョブズやアップルの素朴な信奉者は避けた方がよい書かもしれない。iMacやiPod、iPhoneといった製品が生み出される過程で、ジョブズの歯に衣を着せぬ言動のために、少なからず社員が傷つき、当惑し、会社を追われている。もっとも、ジョブズ自身もアップルを追い出された経験があるのだが。
ユーザーが手にしている最終製品は、ジョブズが満足いくものになるまで、何度も関門をくぐり抜け、そのたびに社員たちがこき使われている。アップルでは、だれしもハードワークを強いられる。そうしてみると、これまで使ってきたiPodが違う製品に見えてきた。
私は触らないが、職場にはたくさんのウィンドウズマシンに囲まれて、Macが孤高のマシンとして、ぽつりおかれている。しかし、ウィンドウズマシンとはひと味違って、とてもオシャレな雰囲気を漂わせている。操作する人まで、かっこよく見えたりするものだ。
これはジョブズがいたからこそ、この世に存在しているマシンなのだ。普通ならば妥協してしまうところを、徹底的にデザインと機能の関係を洗い出し、磨き上げられているからこそ、特別な存在になり得ている。
本書には多くの元アップル社員が登場するが、ジョブズと仕事をともにした期間が決して長くはないことに気づかされる。ジョブズと一緒に仕事をすると、常に恐怖と隣り合わせでいなくてはならず、消耗が激しいのだ。評価がジェットコースターのように変わり、だれもが明日をも知れない身でいる。
こうして書くとジョブズのシビアな側面が目立ってしまうが、本書は、よくも悪くもジョブズの姿をありとあらゆる確度から検証している労作と言える。ジョブズの健康がすぐれないという噂が立つと、たちまちアップルの株価が下落する、というのもうなずけるくらいには理解が進む。
ジョブズをそのままハイテク・エンターテイメント製品に「変換」すると、iMac、iPod、iPhoneになる。私たちは、そうした製品を通して、ジョブズを体験していることになる。
ジョブズを支える有能な社員がたくさんいるのも確かだが、すぐれた指揮者なくしてアップルがアップルでありつづける保証がないと考えるのも妥当だろう。
まだまだジョブズを体験するために、元気に社員にゲキを飛ばして、クールな製品群を生みだしていってもらいたいものだ。
もっとジョブズが見たい、もっとアップルの製品を手にしてみたい。そんな渇望に似たものが自分の中から自然と湧いて出てきた。
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アップル社CEOのスティーブ・ジョブズの仕事の仕方、ものの考え方について書かれた本
一度はアップルから追放された身だが、アップルが危機に瀕したときその凋落から見事立ち直らせた手腕は見事だと思わせてくれる一冊
ただ、そこそこコンピューター関連の専門用語が出てくるので知識がないと?が何個も出てくるかもしれない
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フォーカスとは『ノー』と言うことである
http://www.touchingword.net/detail.php?id=858
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ジョブズ本3冊目くらい。ジョブズ本はその人生を書くだけで、そこらの小説よりも読み応えがある。
なので、読んでて楽しさはあるのだけれど、自分の人生にとって役に立つかは微妙なところだった。
この本もそういう意味では面白いけど、それでおしまいな部分が大きい。
ただ、今までに読んだ本より良かった点がある。
ジョブズの実務的な面が具体的に記されているので、
ジョブズ(Apple)の考え方はどのようにして行われているのかが垣間見える。
個人的に感じた点としては、製品の開発レビューの方法だ。
技術部隊だけでなく、外部デザイン・販売部門も基本デザイン部から関わり、
何度も「やり直し」が行われるという方法。
どう考えても時間がかかって非効率であるとは思うのだけど、
それが最高の製品を作るエンジンであるという事実。
最も興味深いところだった。
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Macは家電を目指してたんだねー。なるほど。
アップルを復活させた手腕はすごいと思いました。コアな部分の再生にフォーカスして、それ以外は思い切って切り捨てて身軽にしていくこと。実際にそれを実行して成功させるというのは、並大抵の事ではないと思う。読み応えのある一冊でした。
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これ、外面はビジネス書みたいなかんじだけど内容は全く違う。
ジョブズの仕事について今までの評伝よりも、淡々と描いてある。
というのも今までのジョブズ本で出所不明のうわさ話に基づいた、礼賛本か批判本しかなかったからね。
にしても、彼の徹底的な拘りには驚嘆すべきものがある。
で、そのやり方が章ごとにまとめて箇条書きされている。そこがビジネス本っぽいんだが、世の経営者の皆さん、これをそのままやってもうまくいきませんよ(笑)。
ジョブズだから許されてるんだから。こんなのやられたら従業員がかわいそうです。
ちなみにこの本読んで、次はMacにすると決めた僕います。
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Macユーザの人はもちろん、それ以外の人にもお勧め。
Appleの成功を決して大げさな表現ではなく、事実を淡々と述べている感じが好印象。
目指すべきスタンスと方向性がぶれていないのは、やはりすごいと思います。
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クリエーターってのはこうゆう人の事を言うんでしょうね。
まさに芸術家がコンピューターメーカーの社長をやっているという感じ。
ジョブス氏の作品が世界中にあると思うとそれはそれで面白い。
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ジョブス本を読んだのはこれが初めてで、雑誌とか
製品のプレゼンとか、あとかの有名な大学卒業式の
講演を聴いて、とても興味があって読みました。
・自分の思いを何がなんでも形にする力
・選択と集中
・完全主義的な細部への拘り
・イマジネーション(製品イメージというか構想力というか)
・リーダーシップ、執念、粘着質
などなど。
この本を読むと、あれほどのユーザビリティを持った製品を作ることは日本企業には絶対に出来ないと確信してしまいます(笑)
遠慮なんてくそ食らえ・・・
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かれこれ1年近く、仕事中にPC起動を待っている間にコツコツ読み続けた。
ジョブズは大好きだ。
彼の言葉に火をつけられてしまう。
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こんな本があったんだ...
読み始めたものの、これまたちと飽きてきた感じ。その昔に読んだ本の総集編+内容校正、と言う印象が強いからかなァ。なぁ、あまり悪い方向性に書かれてないので、結構良い方なんだけど...(ーー;)
長い間読んでなかったので、再読中。
だけど、自宅に存在が確認できないので、図書館で借りてきた。BookOffに出しちゃったのかなぁ〜???
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(K) スティーブ・ジョブスのすごさは、やらない事に対して細心の注意を払い決心をしていけるところにあると思った。確かに、アップルの製品にはシンプルという言葉が似合う。余計なものが全くと言ってもよいほど付いていない。
やらないということを決心するのは、大きなリスクと伴うためなかなかできない。安全策を取れば取るほどあれもやる、これもやるということになる。実は、この判断が失敗を導いているのではないかということを感じさせてくれる。
また、スティーブは設計の細部にまで入り込んで、決して妥協をすることが無いというところもすごい。猛烈な熱意でテーマに入り込み、周りの人のモチベーションを究極に高めていく。カリスマという一言で納めてしまうとその魅力が見えなくなってしまうが、実のところリスクを取った決心と、実行へのこだわりがスティーブの魅力を醸し出しているのではないかと感じた。
アップル信者として下駄を履かせた評価になっているかもしれないが、「名経営者とは」という問いに一つの答えを示してくれる本である。
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Macユーザーではありますが、時々
「すごい使いやすいし、機能も抜群だけど、
…お高くとまってやがんなー」
と思ってしまう動作やら性能やら
「自分としては使えないな」という部分があるなー
と思ってました。
まだ途中なんですが、これを読んですごい納得。
ちょwwwwジョブズwwwwうけるwwww
無駄を省いて本質を求める事に忠実で
製品それぞれの役割にフォーカスした機能だとか
「この製品に何故この機能を使う必要があるのか」という
妥協一切無しのレベルの高すぎる品質管理に
ベンダー知識とビジネス(マーケティング)とデザインの
最高峰の知識と経験をもって挑む人だったのね
(まだ途中だけど。※レビューは変更する場合もあります)
このやりかたって、手塚治虫先生に似てると思った。
たまたま次に買った光文社の「手塚治虫大全3」の
アニメーション制作黎明期のあたりで
ほぼ同じ様な事書いてて、
やっぱこういう考え方や行動力もたないと
優れた工業製品やらプロダクトデザインなんて生み出せないよね
って思いました。
ジョブズは感情的で(端から見れるユーザーの立場なので)面白い。
人間味あるなー。
まぁiPadにFlashPlayerは入れて欲しかったですけどね。
HTML5が一般化するまでどんだけかかるのさwwww未来観すぎ
ジョブズAdobe嫌いすぎるwwww
「おまえ力あんのになんでやんねーんだよ!」
熱い。
googleには
「ウチのシマに勝手に入ってきやがって!クソが!!」
熱い。
Adobeがアーティストだとしたら
Appleはプロダクトデザイナーかな?
腐思考をもつおじょうさんがたには
別の意味でもお楽しみ頂けると思いますが
各ベンダーの企業イメージに関わる様な事は
ネットでは言えませんので自粛します。
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Appleの失敗から成功への道のりが集約されている。
スティーブ・ジョブズに関しての本は、彼がいかにエキセントリックでクレイジーか書いているものが少なくないけれど、この本では中立的で客観的な視点で書かれている。
それだけでも十分に評価される価値のある一冊。
もしスティーブ・ジョブズがうちの会社の取締役だったらどんなことを指摘するだろうか?
また、もしスティーブ・ジョブズが新聞で話題になっている日本のメーカーの取締役だったら、どんなことを指摘するだろうか?
そんなことを考えながら、この一冊をじっくりと読めば、見えてくるものがいっぱいあるはずだ。
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コンキチが教祖様とあがめるSteve Jobsのビジネス手法をフィーチャーした本です。
この本を読むと、ジョブズは偉大なストラテジストであり、偉大なイノベーターであり、偉大なマーケターであり、偉大なCEOであることが解ります。
例えば、スティーブは次のようなことをよく熟知しています↓
a) 集中戦略(集中と選択)を理解している
b) サンクコストの愚を知っている
c) 顧客体験を重視している
d) 顧客は自分が何を欲しいのかを知らないことを知っている(コンキチの尊敬する鈴木敏文会長も同様のことを述べていたと思ったな)
e) プロモーションが上手なのは、AppleのCMをみれば分かるでしょう
f) イノベーションを熟知している
g) オペレーションには細部が重要であることを熟知している
etc.
実際、ジョブズがアップルに復帰してからの同社の飛躍は、素人目にも凄いと思う。確かにG4 Cubeでは失敗しちゃったけど、それ以外の成功は素晴らしいばかりと思います(失敗しても、固執して引きずらないしね)。
で、特にイノベーションに関する造詣深いとコンキチは思いましたね、ジョブズは。
例えばジョブズは、
「創造性というのは物事を結びつけることにすぎない」「クリエイティブ担当者にこれはどうやったのかと訊けば、彼らは少々罪悪感にとらわれる。実際には何もしていないからだ。彼はただ見ただけだ。見ているうちに彼らにははっきりする。過去の経験をつなぎ合わせ、新しいものを統合することができるからだ。それが可能なのは、彼らがほかの人間より多くの経験をしているから、あるいはほかの人間より自分の経験についてよく考えているからだ。•••••不幸にも、それはごくまれにしか起こらない。この業界の多くの人々はあまり多様な経験をしていない。だからつなぎあわせる点の数が足らず、問題に対する幅広い視野が欠けた直線的な解決策に終わってしまう。人間の経験に対する理解が広くなればなるほどデザインは向上する」
と語っています。
ちなみに、Macの極めて美しいGUIも、もともとはゼロックスで開発されたものだし、iMacの登場で一躍有名になった(と思う)USBもインテルが開発したものだ。Wi-Fiもアップルが普及したようなものと思います(本書でもそのように言及されている)。iPodのスクロールホイール(という発想)も、エレクトロニクスの世界では当たり前だったという(マウス、PDAの側面についたサムホイールとか)。
イノベーションに関するコンキチの好きな言葉↓
希代の天才が、「何もないところからアイデアを生み出す」というイメージはロマンがあって魅力的であるが、危険なフィクションである。イノベーションや創造性というものは、そのイメージほどミステリアスなものはない。すでに開発されたアイデアを取り入れ、それを新しい状況に適用しているにすぎない。
see http://ameblo.jp/researcher/entry-10021727060.html
とも合致していると思う。
あと、ちょっと驚いたんだけど、Appleって2007年、SCMについて世界第2位だそうです(ARMリサーチという市場調査会社のリサーチ結果。1位はノキア。当然トヨタよりも上位にランクされている。)
最後にコンキチの琴線に触れたジョブズ語録をメモ↓
デザインとは見かけのことだと思っている人がいる。だがもちろん、もっと掘り下げれば、それはじつは機能のことだとわかる。
自分が何をほしいかなんて、それを見せられるまでわからないことが多いものだ。
イノベーションは研究開発予算の額とは関係ない。アップルがMacを考え出したとき、IBMは最低でも100倍の研究開発予算を使っていた。イノベーションとはお金ではない。人材であり、彼らをどう導くかである。それをどれだけ理解しているかである。
イノベーションについて意識したことがあるかと訊かれて↓
ない。私たちが意識するのはすぐれた製品をつくることだ。『革新的になろう!勉強しよう!これがイノベーションの五ヵ条だ。全社に掲示しよう!』というふうには考えない。(イノベーションを体系化しようとするのは、)かっこよくなろうとして、かえってかっこ悪い人間みたいなもの。見ていて痛々しい。•••••マイケル•デルのダンスを見るようなものだ。本当に痛々しい。
http://query.nytimes.com/gst/fullpage.html?res=9C02E7D8113BF933A05752C1A9659C8B63
それにつけても、凄いね。スティーブ・ジョブズって。
本書の邦題が「ああ、教祖様」だったらもっと愉快だっらのになんていうことを考えてしまう、二流大出のMac信者なのでした。