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商品説明
様々な事情から、家庭では暮らせない子どもたちが生活する児童養護施設「七海学園」。ここでは「学園七不思議」と称される怪異が生徒たちの間で言い伝えられ、今でも学園で起きる新たな事件に不可思議な謎を投げかけていた。孤独な少女の心を支える“死から蘇った先輩”。非常階段の行き止まりから、夏の幻のように消えた新入生。女の子が六人揃うと、いるはずのない“七人目”が囁く暗闇のトンネル…七人の少女をめぐるそれぞれの謎は、“真実”の糸によってつながり、美しい円環を描いて、希望の物語となる。繊細な技巧が紡ぐ短編群が「大きな物語」を創り上げる、第十八回鮎川哲也賞受賞作。【「BOOK」データベースの商品解説】
【鮎川哲也賞(第18回)】死から蘇った先輩。非常階段から幻のように消えた少女。天使が囁くトンネル…。児童養護施設「七海学園」の7人の少女をめぐるそれぞれの謎は、“真実”の糸によってつながり、美しい円環を描いて、希望の物語となる−。【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧
今は亡き星の光も | 7−52 | |
---|---|---|
滅びの指輪 | 53−97 | |
血文字の短冊 | 99−126 |
著者紹介
七河 迦南
- 略歴
- 〈七河迦南〉東京都出身。早稲田大学第一文学部卒業。会社員。2008年、第18回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。
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紙の本
孤独な子供たちに居場所を
2009/04/13 12:14
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かつき - この投稿者のレビュー一覧を見る
鮎川哲也賞受賞作にしては、連作短編で
日常のミステリーという珍しいケースです。
しかし日常のミステリーとはいうものの、題材は重い。
児童養護施設を舞台にしており、
親との縁が薄い子どもたちが集まる場所のためもあり
「存在を問うミステリー」となっています。
第一話「今は亡き星の光も」では、死んだはずの玲弥が現れ
いじめっ子たちから葉子を助けてくれる。
そして「勇気」を与えてくれる。
第二話「滅びの指輪」においては、12歳まで、ほとんど一人で
生きてきた優姫(ゆうき)は戸籍もなく、いい加減な母親がいるだけ。
彼女の存在を証明するものはかろうじて出生証明書だけ。
重い話から幽霊話まで、さまざまな短編が並び
それを若手の養護教師北沢春菜と、
児童福祉司の海王(かいおう)さんが解き明かします。
あまり世間では大きく語られない分野を描き
ドラマとしても、おもしろい。
人の情と海王さんの穏やかな人柄、こなれた文章などから
宮部みゆきや北村薫を彷彿とさせ、
「読ませるミステリー」に仕上がっています。
しかも最終話の第七話では
これらの解決を見事にひっくりかえす大技。
完成度が高く、次はどんなミステリーを読ませてくれるのか、
楽しみな新人作家です。