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- カテゴリ:一般
- 発売日:2008/10/13
- 出版社: 文藝春秋
- サイズ:20cm/543p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-16-327470-6
紙の本
スリーピング・ドール
著者 ジェフリー・ディーヴァー (著),池田 真紀子 (訳)
キャサリン・ダンス—カリフォルニア州捜査局捜査官。人間の所作や表情を読み解く「キネシクス」分析の天才。いかなる嘘も、彼女の眼を逃れることはできない。ある一家を惨殺したカル...
スリーピング・ドール
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商品説明
キャサリン・ダンス—カリフォルニア州捜査局捜査官。人間の所作や表情を読み解く「キネシクス」分析の天才。いかなる嘘も、彼女の眼を逃れることはできない。ある一家を惨殺したカルト指導者ダニエル・ペルが、脱獄、逃走した!捜索チームの指揮をとるのはキャサリン・ダンス捜査官。だが、狡知な頭脳を持つペルは大胆に周到に裏をかき、捜査の手を逃れつづける。鍵を握るのは惨殺事件の唯一の生き残りの少女テレサ。事件について何か秘密を隠しているらしきテレサの心を開かせることができるのは、尋問の天才ダンスしかいない…。ハイスピードで展開される逃亡と追跡。嘘を見破る天才ダンスvs他人をコントロールする天才ペルの頭脳戦。「言葉」を武器に悪と戦うキャサリン・ダンスの活躍を描くジェフリー・ディーヴァーの最新作。ドンデン返しの魔術師の超絶技巧がまたも冴えわたる。【「BOOK」データベースの商品解説】
他人をコントロールする天才ダニエル・ペル。カルトを率い、8年前に一家を惨殺したその男が、大胆かつ緻密な計画で脱走した。美貌の「人間噓発見器」キャサリン・ダンスは、言葉と頭脳を武器に、怜悧な脱獄犯を追う−。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
ジェフリー・ディーヴァー
- 略歴
- 〈ジェフリー・ディーヴァー〉1950年シカゴ生まれ。記者、弁護士を経て、「汚れた街のシンデレラ」で作家デビュー。著書に「ボーン・コレクター」「ウォッチメイカー」など。
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紙の本
殺人鬼対人間ウソ発見器、「スリーピング・ドール」を読め!
2011/10/19 18:28
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オクー - この投稿者のレビュー一覧を見る
リンカーン・ライムシリーズで大人気のジェフリー・ディーヴァー。
最近ではなんと007の新作を出したばかり。この作品は週刊文春や「こ
のミス」でベスト1に輝いた同シリーズの傑作「ウォッチメイカー」に
登場した人間ウソ発見器キャサリン・ダンスを主人公にした物語。今ど
きの言葉でいえばスピンオフ作品である。
ディーヴァーの小説は主役はもちろん脇役に至るまでしっかりとキャ
ラが立っているので実におもしろい。この作品では犯人役で「マンソン
の息子」(チャールズ・マンソンは知ってますか?)と異名をとる元カ
ルト集団の殺人鬼ダニエル・ペルの造形がいい。この男、8年前に富豪
一家を殺害し、終身刑になっていたのだが脱走、女と2人逃げ回ってい
る。他人を「コントロール」する能力に長け、そのことに喜びを感じる
のがペルという男。それを追うダンス捜査官は人間の所作や表情を読み
解く「キネシクス」分析の天才。ダンス対ペルはまさに頭脳戦!これは
もう、たまらないほど盛り上がる。しかも、ディーヴァー得意のドンデ
ン返し!さらにもうひとつ裏返し!そして、ラストはいつも気持ちよく
終るのがディーヴァー流。ちよっとぶ厚い一冊だが秋の夜長にはぴった
りの長編ミステリーだ。
紙の本
新しいシリーズ誕生?
2008/12/14 00:20
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:さあちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
新しい本のページを開くときのときめきは久しぶりに合う恋人との逢瀬に似ている。出会えた喜びと期待そしてひょっとして心変わりしているのではないかという不安。ディーヴァは私にとって最強の4番バッターだが今回はライムシリーズではない。そんなことを思いながらページを捲り始めたが冒頭からの炎の脱獄シーン。たちまちいつものノンストップジェットコースターが走り始めた。
今回の主人公は前作のライムシリーズ最新作[ウォッチメイカー]に登場した人間の仕草や表情から心理を読み解くキルシクス分析の天才キャサリン・ダンス。対するは8年前マンソンの息子と呼ばれ残虐な一家殺害事件を起こしたダニエル・ペル。嘘を見抜く天才と他人を操る達人が繰り広げる追跡劇。徹夜必須の面白さだ。
ライムシリーズと異なるのは主人公の武器が言葉であるということだろう。ライムは徹底的な物証主義で微細な物質から事件を読み解くがキャサリンは言葉や表情の変化や何け゜ない仕草などから人間の内側に入り込んでいく。それも直感ではなくきちんとした科学的な根拠に基づいて。一見正反対に見える二人だが実は背中合わせの人物造形になっているのではないのだろうか。そして人間との関わりという店でライムシリーズにはない葛藤も描かれている。魅力的なヒロインの誕生だ。
それに加えいつもの息もつかせぬ展開。あらゆるところに伏線がはられているので気が抜けない。そしてわかっているのに見事に騙されるどんでん返し。ほんと見所満載で今回も大満足の一作でした。
紙の本
本を開いたときに二段の文章だとちょっとだけ心がへこみます
2008/11/27 08:20
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kako - この投稿者のレビュー一覧を見る
ウォッチメーカーを読んでからダンスの小説が刊行されるのを待っていました。
海外の小説は向こうで刊行されてからこちらで刊行されるまでのタイムラグが長いので、忘れた頃にやってくる感じがどうもしてしまいます・・・。
さて今回のディーヴァーの作品は、他人の動作や表情を細かく分析するキネシクス分析の専門家、「嘘を見破る専門家」であるキャサリン・ダンス対「他人をコントロールする天才」ペルのお話。
ライムシリーズ同様頭脳・経験という非武力的なものを武器に犯罪者を追い詰めていきます。
人の発する小さなシグナルからその人物の思考を想像し展開させ発展させていく様子が本当に爽快・・・であると同時に怖くもありました。
こちらのシリーズでは未亡人であるダンスとその子ども達の葛藤なども描かれているのですが、自分の子どもたちの心情を思わず推測してしまう場面や、仕事のベストパートナーや好意を抱き始めている男性の所作からささやかな隠し事を読み取ってしまう場面がでてきます。
私は基本的に知らない方が幸せなことって多々あると思います。
また、わからないからこそ面白いってこともまたあるんだと思うんですよね。
そういうことに耐えうる主人公ダンスの強さがまた魅力的なのかとも思います。
それに対して今回ダンスと敵対するぺルですが、ダンス同様人を観察する能力に非常に長けています。
その能力を駆使し人の持っている弱みを鮮やかに読み取り、その弱みに同調し心の奥底まで入り込んで調教をしていきます。
徐々に求めるもののハードルをあげ、自分への依存を高くしていくぺル。
ペルの社会でしか生きることができなくなってしまった人間には、ペルが全てでありペルこそが社会であるのです。
この二人によって繰り広げられる頭脳線。
もちろんディーヴァーですから、裏をかかれてまぁた裏をかかれてと今回もやられてしまいました。
ディーヴァーの作品で犯人がしっかりわかったやつって1作品しかないんですよね・・・。
今回も惨敗です。
紙の本
ジェフリー・ディーヴァーの作品はどれも追いつ追われつのパターンは似ているのだが、それぞれに独自の趣向を凝らしてついつい手を出してみたくなる魅力がある。この最新作もいつもの疾走感と新たな工夫を楽しもうと読み始めた。
2008/11/30 11:13
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:よっちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
「カルトを率い、8年前に一家を惨殺したその男が、大胆かつ緻密な計画で脱走した」
カルトのリーダーとは日本であればすぐにあの麻原某を思い浮かべられるし、マインドコントロ-ルという特異な才能というか雰囲気を身につけていることも周知で、この作品の犯罪者・ダニエル・ベルが他人をコントロールする天才であり、また逆に自分がコントロールされる立場になると耐え難い苦痛を感じる性格の持ち主であることは容易に理解できる。
「巧みに警察の裏をかいて逃走を続けるベルを追うのはキャサリン・ダンス。いかなる嘘も見抜く尋問の達人」
『ウォッチメイカー』で活躍した美貌のキネシクストである。キネシクスとは「容疑者や証人のボディランゲージや言葉遣いを観察し、分析する科学」。あえて「科学」と言わずとも古今東西に共通した尋問の基本ツールであろう。
ベルもキャサリンも人間の深層心理にコンタクトする卓越した人間観察眼の持ち主だといえよう。リンカーン・ライムの徹底した物証主義とは異質である。二人の飛びぬけた才能がぶつかり合いながらのディヴァーが得意とするマンハントチェイスストーリーだ。キャサリンが気づいた間一髪で実行にうつされる冒頭、火だるまの脱獄シーンから迫力があった。
これまでのリンカーンライムシリーズとは大きく異なる趣向がある。リンカーンライムシリーズは事件そのものに焦点をあて、一直線に迫るゲーム感覚の乾いた緊張感が読みどころだったのだが、この作品では二人が接触する多くの人々の人間性に焦点があたる。ウェットな人間関係がドラマの中心になっている。主人公であるベルもキャサリンにしろ、ライムシリーズに登場するような超人性は薄らいで弱点を多く持っている人間くさい人格なのだ。ベルの「元ファミリー」であった複数の女たち、あるいは「スリーピング・ドール」と呼ばれる重要証人、捜査陣を構成する捜査官たち、またキャサリンの家族などなど。これら登場人物の生い立ちや個性がキャサリン、ベルの目を通して詳細に語られる。
だからライムシリーズに慣れた私は途中、「えらくまわりくどいな」と感じるところが多かった。ベルも「知能犯」というよりはどこか抜けているし、それに捜査陣がとてもお粗末。だから「たまたま」すんでのところで取り逃がす。これが繰り返されるのにはうんざりするところもあった。ただしさすがディヴァーで、こうした回り道の中にはラストに向けた伏線が仕掛けられているところが多いのだ。
人間ドラマである。夢破れた何人かの男と女の鎮魂のセレナーデと言ったメロドラマの風情が漂ってくる。ラストのどんでん返しもまるで趣が異なっていた。
ただ、正直なところ、この作品の人間ドラマは類型的なそれであって、ライムシリーズのほうがディヴァーらしさでは成功しているような気がする。