ＣＯＶＥＲＳ Ｋａｍｕｉ Ｆｕｊｉｗａｒａ ＆ Ｓｔｕｄｉｏ ２Ｂ Ｐｒｅｓｅｎｔｓ

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投稿者：みなとかずあき　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

「この本は単なるカバーというより、メイキング付きリメイク作品といった趣です」と、作者自身が「POSTSCRIPT」で書いていることですべてを表していることになります。
なので、楽しみ方としては何通りかあるかと思います。
まずリメイク作品をマンガとして楽しむこと。「ガンダム」「鉄人28号」「８マン」「八犬伝」と、ある年齢以上の人たちには懐かしいマンガ・アニメたちが藤原カムイのペンによって描かれるとどうなるのか。それぞれがあまりページ数がなく、ストーリーも十分ではないので評価しにくいところはありますが、まあともかく楽しめるのではないでしょうか。
次にマンガをマンガとして楽しむこと。オリジナルは知らなくても、純粋に藤原カムイのマンガとして楽しむこともできるでしょう。しかも大判でオールカラーで読むことができるのですから、それだけでも十分と言えます。実際、実書店でこの本を見つけた時には表紙だけでわくわくさせられました。しかもこのカバー（本のタイトルでなく、本当に本のカバーのことですが）が凝っているのです。写真ではそのあたりがわからないのが残念です。
そして、何と最近の藤原マンガの作画術まで載っているのです。作者曰く「メイキング付き」とはこのことなのですが、「こんなことまでしてしまうの?!」という気持ちと、「こんなの誰が読むんだ?!」という気持ちがないまぜになって読んでしまいました。マンガ家志望であったり、イラストやデザインを志す人たちには非常に参考になるのかもしれませんが、一読者としてはここまで公にしなくてもいいのではないかとも思います。それでも読んでしまうということは、少なくとも私はこの手のものが好きですね。藤原カムイは以前から設定資料や制作過程を見せることがあったので、その延長と思えばいいのかもしれません。
というわけで、幾通りにも楽しめる１冊で、本棚のどこにしまっておこうか十分吟味したいと思います。