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・地球科学者による気候変動の総説。現時点での決定版と言える内容で、地球科学関係者は言うに及ばず広く一般にも読まれるべき本である。
・とにかく読んだ方がいいと思う!
・古環境解析を専門とする著者が,専門知識をわかりやすく書かれています.記述もシンプルで,大変勉強になります.また,有名な研究者の裏話などのトピックが盛り込まれており,研究の歴史を身近に感じることができます.
・地球の気候システムや古気候変動に関する科学研究の営みについて 各分野でブレークスルーをもたらした研究者及びその業績を軸に 研究にまつわるエピソードまで紹介されている. 全体で400ページを超えるが 物語調で展開されており読みやすい. 地球温暖化を直接的に扱っているわけではないが この問題を理解するための基本や背景を学ぶには丁度よいと思われる.
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気候変動について学ぶべく読んでみたけど、科学的な単語が多く(当たり前だけど)腹落ちまで至らず・・・。地球は何万年単位というとても大きな周期で寒くなったり暖かくなったりを繰り返しており、その変動は短期的に突然変動したりする場合もある、と。
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地球温暖化を考えるには、まず地球の歴史とそしてその背後にある「からくり」を理解しようと説いています。
文系人間には地質学的なことは非常に敷居の高いことに思えてくるのですが、「研究の現場で起こる人間臭い出来事」も混ぜてドラマチックに気候変動の科学の発展を描いたともなると、興味を惹かれます。
重版かかってます。
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344ページイッキ読みした。地球の気候変動の歴史を探る科学者たちの営みを描いた科学史であり、人間ドラマであり、古気候の状態を解明するための科学技術とその原理についての解説書であり、かつ地球の気候という複雑なモデルを考える際の基本的な知見を教えてくれる教科書でもあるという一粒で何度も美味しい1冊。もちろん著者の文章力・構成力に負うところ大で、読み物として面白い。
地球温暖化と聞かない日はない昨今、もっと長期的な気候変動の枠組みの中で現在の状態を議論したり、そもそも「風が吹けば桶屋が儲かる」的な感のある地球の気候システムの骨格が何であるのかといった本当の意味での科学的知見を欠いた報道が多い中、この本は気候変動のしくみについての本質的な知見を与えてくれる。
過去十数万年まで遡ってかなり正確な気候変動を把握することが出来ている、それも20世紀中葉以降の60年くらいの間に、というのは驚きだった。将来を知るために過去を知ることはとても大事なことだと改めて思った。
本書では地球温暖化についての具体的な事柄ついてははほとんど触れられていない。しかしながら温暖化を巡る玉石混合の報道なり言説を自分なりに捉えていくのに、本書は貴重な視座を与えてくれるはずだ。良書。
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本書により第25回講談社科学出版賞を受賞した著者が,読売新聞の「顔」欄で紹介されていたのを見て,興味を持ち,手に取った。
本書は,数万年前から現在に至るまでに起きた気候変動の詳細を明らかにし,そのメカニズムの本質に迫った一般向けの科学書である。
著者は,本書を書くために,10年以上も前から準備をしてきたというだけあって,豊富な資料に裏付けられた解説は,とても説得的である。分かりやすい図表が随所に散りばめられているので,文系の私もストレスなく読み進めることができた。
硬質なテーマを扱いながら,決して無味乾燥な記述となっていないのは,「気候変動の科学が発展していく過程や人間ドラマもブレンドして,より親しみやすく,より理解しやすくした」という著者の親切な配慮と,それをまとめ上げる圧倒的な筆力によるのだろう。
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読売新聞2011.02.20朝刊、科学面で紹介。
出版されたときにかなり気になった本です。
いまだ読んでいませんが。
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地球環境や温暖化ってトンデモ本が大いいようなイメージがあるけど、これはバイアスがかかっていないのに読み物としても良質という稀有な本。他の書評みると日本人の書いたものでこれだけ読ませるサイエンスノンフィクションはないんだと。へー。
地球レベルでの気候変動についてざっくりアバウトではあるけれど理解が深まったので良。
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現在言われている温暖化とは、いつの年代からみての温暖化なのか。
どのように気温は上昇するのか。
現在を知るには、過去を読み取る。
海がキーワード。
NHKのドキュメンタリーを観るつもりで予約したけど、私にはキビシかった・・・。
「恐怖の存在」など、環境テロって?なんて思い出しつつ。
途中で挫折。
返却期限がきてしまった。
続きはまた今度・・・
(3/4)THE NIKKEI MAGAZINE紹介本
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古い時代の気候変動についてどんな風にして 調べているのか丁寧に説明してあって わかりやすかったです気候に 海 が 深く関わっていること気候の変動は ある日 突然 激しくはじまることいままで よくわかっていなかったところもよくわかりましたそうはいってもどのくらい理解できてるか怪しいんですが現役の学生さんが 読まれるといいかな
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氷を1000〜3000メートルもくりぬいて、酸素や炭素の同位体から昔の気候を推測するアイスコア技術。その発展により、長期間に起こるとされていた、気候変動が数十年スパンでも繰り返していることがわかってきた。そして、それは、地球規模でのアイスコア技術でも確認されていることに驚いた。さらに、二酸化炭素と温暖化は密接に関わりがあることがわかる。
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地球温暖化の根源に潜む、気候変動の謎に迫った科学ノンフィクション。第一線で活躍している地球古環境変動研究者によるもので、緻密なデータに基づいて気候変動のメカニズムに迫っているが、あくまで過去の傾向を解き明かしたものであって、ここに将来の展望的な解はない。ちょっと食傷気味な1冊。成毛眞さんオススメ図書。
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気候変動に関する科学者のこれまでの取り組みをまとめた本として読みやすい。年代測定法の仕組みについての解説も詳しくてよい。ただ、肝心の気候変動のシステムというか、きっかけというか、重要な部分の科学的に解明されている点とされていない点の区別がわかりにくい。
地球システムは氷期と間氷期という2つの安定解をもつ。これはよくわかった。でもその間を行ったり来たりさせる力は何?
解説書でありながら小説風に仕上げようとしているから、もどかしさを感じてしまうのか。
でも、環境問題について一歩深く理解するためのきっかけを作ってくれた重要な本。
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気候変動に関わる科学的、学術的な内容を、広い視野から詳細によく解説し、しかもスリリングなストーリー展開をしているあたり、若い著者ながらその筆力は相当なもの。勉強になります。
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自然の気候変動が起こるメカニズムの入門書としては過去読んだ中でベスト。入門書と言いながらかなり高度なことも書いてあるが順序良く説明されていてわかりやすい。また、地質学者や古気候学者がどうやって過去の気候変動を推測していたかと言うエピソードが満載でそれぞれ興味深い。南極の氷に閉じ込められた空気、サンゴ礁は過去の二酸化炭素を閉じ込め、同様に海底の堆積物にも記録は残る。
長期的な変動は地球の自転や公転に揺らぎが原因と考えられる。面白いのは氷期と間氷期では地球が受け取る太陽のエネルギーは変わらないと言うこと。
題名の由来は海洋の大循環が気候変動のスイッチになっているところから来ているのだろう。メキシコ湾流のおかげでヨーロッパは緯度の割に暖かい。この海流は塩分濃度が高くグリーンランド付近で冷やされ重くなって沈み込む。深層流は逆に南下し1000年かけて北太平洋にやって来る。この流れが止まるとヨーロッパは数十年と言う短期で寒くなる。地球平均ではわずか0.2℃の気温低下であっても夏に氷河が溶けず次第に発達するため実際には耕作面積の現象など影響は大きいと言う。
著者は人為的地球温暖化についてはほとんど触れていないが、気候変動が必ずしも連続的ではなくジャンプすることから危機感を持っているようだ。先に読んだ「地球温暖化神話」では自然の気候変動に比べ人間の活動による影響は小さいと切って捨てていたがこの本の内容と比較すると乱暴な説である。
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地球のメカニズムと、それを解こうとしてきた人たちのストーリー。
温暖化系は陰謀論のほうが読み物としては好きなのだけど、研究の積み重ねとわかりやすい表現で、素直に楽しい。
気候の安定解と不安定解、正と負のフィードバックの話が心に強く残りました。さあ、どっちに転がるか。