紙の本
やさしい目で読みましょう
2008/11/22 06:05
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kako - この投稿者のレビュー一覧を見る
長編の推理小説を初めて書いた新人作家さんの作品です。
新人さんらしく、読者にばれないようなトリックの設定方法に苦笑。
いやぁ、確かに想像もつかないですけどものすごいトリックです、まったく思いつきませんでしたよ・・・。
今年度最大級のどんでん返し!の帯に嘘はなかったのですが、嘘はなかったのですが・・・微妙?
納得~という満足感を得ずに、これはありなん?というのが正直なところです。
推理小説でトリックを見破ることが得意な方には是非是非チャレンジしてみてほしいです。
豊かな想像力と柔軟な考えをもってすれば、解かるのかもしれません。
全体としてはもちろん初めて読む作家さんなので、物語の構成の仕方や癖が全然解からなくて素直によむことにしました。
文章自体は読みやすかったです。
構成は転換が二回。
おっ?これは刑事コロンボ方式なのか?という箇所と探偵登場という箇所。
最初の場面はネタバレになってしまうので伏せますが、探偵さんはいわゆるちょっと変わった人。
シリーズ化するには最適の人なりに仕上がっていました。
惜しむらくは周りの登場人物の設定です。
探偵さんを目立たせるあまりに刑事さん無能すぎるんです。
少しぐらい警察も頑張らせてあげましょうよぉとつい本に問いかけてしまいました。
そしてクライマックスではすべて和解。
万事OK!・・・って。
初長編作品ということで、星甘めにつけて三つくらい?
これからの作家さんです。
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図書館の新刊棚で見つけて借りてみました。いわゆる本格モノです。なかなか読みやすくて悪くないんですが、一部のトリックについては若干の苦しさを感じました。結末についても「ご苦労様でした」って感じでしょうか。
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ミステリーリーグ作品。帯コメントは島田荘司。
本格派のド直球。
不可思議な殺害方法や遺体の状況...うーん。
久々に読んだ王道です。凄く面白く読めましたよ。
全ての犯行も辻褄は合っていそうだしね。
ただ探偵登場あたりからなんとなく興ざめし、惰性で
読んでました。これは自分の問題でしょうね。
一つ気になるのが犯人の動機にいたる部分が
未解決...?のような気が...。
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設定は好きな感じなのに、読みにくかった。トリックもそれはないだろうって感じ。探偵さんもあんまり魅力を感じなかった。。
2009.7.3
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あらすじ読んだだけで「面白そう!」と思ってしまった本作。死体のある光景が絵になりそうな、派手な仕掛けのある殺人(笑)が好きな人にはお薦めです。
犯人は……なんとなく雰囲気で見当つけたら当たっちゃいました。そう意外ではなかったです。でも一見無茶に思えるほどのトリックが見事。特に木のてっぺんに刺さった死体の謎は実に見事でした。想像すると、なんとも恐ろしい光景です。
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静岡に君臨する宇津城家当主の妻が不審死を遂げた。
が、警察はこれを自殺として捜査を打ち切ってしまう。
それが始まりだった。
その妻の一周忌には円錐形のモニュメントに真上から突き刺さった少女。
三回忌には木に括りつけられさらに首を切られた少女。
七回忌には唇だけ切り取られた少女。
と忌まわしい殺人が続いていく。
そして十三回忌を迎える。。。
気になる小島さんの過去作品。
今回も不可能状況のオンパレードでわくわくしながら読みました。
こういう作風なのですね。改めて大好きになりました。
今回は合間に犯人の独白が入っていたにもかかわらず、しっかり騙された私。
もちろんトリックなど見破れるはずもなく、海老原の推理を堪能させていただきました。
しかしかなりの大技ですね。
デビュー作は島田荘司さんとの共作とのことですが、御大の影響を受けてらっしゃる?
これだけの不可能状況をロジカルに解明してくれる手腕は今後も期待大です。
楽しみにしています。
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島田荘司と共作した後に独り立ちした長編デビュー作。
素封家の妻が不審死を遂げて自殺と判断されたが、その一周忌、三回忌、七回忌に一人ずつ一族が殺されていく。犯人がわからぬままに十三回忌が訪れ…という話。
登場人物が少なく、幕間に犯人らしき人物の独白も挟まっているが、謎は盛りだくさんで一筋縄ではいかない。
樹のモニュメントのてっぺんに突き刺さった死体、首を斬られた死体など殺され方がとにかく派手で、それだけではなく真冬に雪が降って列車が脱線したり、仮面だらけの離れで死者の声が聞こえたり仮面が光ったり。怪しい雰囲気も大盤振る舞いである。
まあトリックに関してはかなりバカミスといっていいものが多く、犯人は苦労しただろうなと思う。
デビュー作だからか少々力みすぎの印象もあるが、このサービス精神には脱帽した。
ちなみに中盤でコウモリと虫がいっぱいの洞窟が登場するが、これは虫嫌いの人間にとってはかなりホラーである。
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面白いんだが、今一歩下がる。
トリックもいくつか積み上げ、幕間でミスリードさせる手法もこてこての推理小説を走っている。
んー、ただ登場人物多すぎる。
それは刑事サイドの話もものすごくおまけくさくて、ぶっちゃけ無くてもよい話になってることに起因していて、そこが残念。
後、犯人の思惑通りに進みすぎて、恒蔵氏ならとうの昔に刑事たちをクビにしててもおかしくないぜ!?そういう都合のよさもスルーされてるのがなぁ。
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少し前に同じ著者の「龍の寺の晒し首」の投稿を読んで興味を持って図書館で探しました。その作品はありませんでしたが変わりに2作おいてありました。そのうち実質的なデビュー作である本書を借りました。借りたときには気づかなかったのですがその後読もうとページをめくってみて奇妙に感じました。何か読んだ記憶があるのです。そう図書館で借りて読んでいました。もちろん犯人も覚えています。どうしようか迷いましたが再度読んでみました。
非常に力量はあります。次々起きる不可能犯罪を合理的に解いていきます。もうしばらく読んでみようかなと思いました。
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これがソロデビュー作なのかな。
魅力的なネタを提示してくれているんだけど、
いろいろ粗い。
この古くささが持ち味なんでしょうね。
でも、文体を突然変えるなど、古さを徹底しきれてないところが残念。
「扼殺のロンド」は力技で押し切られて面白かったな。
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宇津城家当主の妻が不審死を遂げた。
その一周忌には円錐形のモニュメントに真上から突き刺さった死体、三回忌には木に括りつけられさらに首を切られた死体、七回忌には滝に打たれ唇だけ切り取られた死体……と続いていく。犠牲者はいずれも当主の愛人の娘たちだった。
そして十三回忌を迎える。やはり事件は起こった。
と紹介文。
今回は海老原さんのお茶ら気振りがイマイチでしたが、いつものように、怒涛の解決が待っている。
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うーむ、良い。最初倒叙物?と思ってすっかり犯人を該当者の中から外してしまっていた。トリックというか仕掛けはえーっ!?て感じもあるけど(笑)最近読んだ中ではかなり良い。どうもやっぱ自分は犯人に暗い情念がある話が好きなようです。
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海老原初登場?一周忌、三回忌…と不可解な殺人が。大胆トリックがあってざっくり解決はいいけど、犯人の動機がいまいちかな…どうでもいいけど、知ってる地名が出てると不思議な感じ。
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好きな人にはたまらない感じのガジェット満載な作品。かなり大仕掛けのトリックには賛否あるでしょうが、なかなかに力作だと思います。
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島田御大との共作「天に還る舟」後の
独り立ちしてからの実質的な長編デビュー作。
本格ミステリーとして楽しめたかといえば、◎。
序盤に夏澄殺しとして出てくる大掛かりな仕掛けは
島田氏を彷彿とさせるもので、物語の導入としては
これ以上ない出来。期待が高まりました。
第2の殺人であるゆかり殺しも、
同時期に発生する不可思議現象とあわせて
これも島田作品への傾倒を感じさせるもので
良かったと思います。
が、、これ以降の殺人事件は力尽きた・ネタが付きた感があり
トリック・仕掛けともにイマイチな印象を受けました。
夏澄・ゆかり殺しのトリック・仕掛けも
正直納得感は薄いといえば薄いのですが、
最初の驚き・何が起こったんだ感が重要なのであって
トリックの整合性・論理性はまあ
多少苦しくても大目に見るようにいつもしているので。
作品の舞台としての宇津城家及びその周辺地形も◎。
惜しむらくは、幕間として章ごとに挿入される
犯人の独白がミスリードの範疇を超えて
反則の域に達していたこと。
特に、幕間(四)はイエローカードかと。
ちょっとショックだったのは、探偵役の海老原浩一が
前作執筆中の島田氏との書簡のやり取りで
諌められていたにも関わらず、
天才ひらめき型の変人おちゃらけ人間になっていたこと。
前作との性格のギャップが激しすぎて興ざめしてしまいました。
昭和60年に言うとは思えない「◯◯っすね」を
連発する体育会系刑事がでてきたり、
キャラクター設定はあまり上手くないですね。
総論としては、前作の「天に還る舟」では
強引になりそうなところ、偶然によってできた産物に
島田氏がチェックを入れて、修正・調整されていたのだけど
今作では、そのチェックがないので、
やや強引・無理目なところが残ってしまったなあ、
という印象でした。
ただ、島田氏の流れを継承する
驚天動地の大仕掛けトリックを用いた本格ミステリーを作る
という意気込みと力量は確かに感じさせる作品で
その点はすごく評価したいと思います。
警察に対する見方など、島田氏の悪いところも
一緒に継承してしまっているのはどうかと思いますが。