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いにしえの婚約指南 (ヴィレッジブックス)
両親亡き後、ロンドンで暮らす双子の大おばのもとに引き取られた美貌の娘エリザ。イタリアに渡り画家になるという夢を持つ彼女にとって、間近に迫る社交界デビューは頭痛の種。だが、...
いにしえの婚約指南 (ヴィレッジブックス)
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商品説明
両親亡き後、ロンドンで暮らす双子の大おばのもとに引き取られた美貌の娘エリザ。イタリアに渡り画家になるという夢を持つ彼女にとって、間近に迫る社交界デビューは頭痛の種。だが、姪にふさわしい結婚相手を見つけようと張りきる大おばふたりは、『エンゲージメントのルール』と題された一冊の本を片手に、縁結び作戦を仕掛けてくる。ただし同じエンゲージでも、それは“婚約”ではなく“交戦”を意味する軍人向けの指南書!エリザは次々に降りかかるおばたちの指令をかわすため、舞踏会の夜知り合った魅力的な伯爵マグナスに、かりそめの恋を演じてほしいと持ちかけるが…。【「BOOK」データベースの商品解説】
【ゴールデンハート賞】【「TRC MARC」の商品解説】
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紙の本
ヒストリカル・ユーモア・ロマンスの傑作
2010/05/07 22:14
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:斜麓駆 - この投稿者のレビュー一覧を見る
少し前の翻訳になりますがキャスリン・カスキーの本書を一言でいうと,ヒストリカル・ユーモア・ロマンスとでもなるでしょうか。ヒーロー,ヒロインの陰で活躍するヒロインの二人の双子の叔母,レティシア・フェザートンとヴァイオラ・フェザートンが大活躍する,ハート・ウォーミングな作品です。
フェザートン姉妹の長女,エリザは美貌そっちのけで結婚する気はさらさらなく,イタリアに行って絵の勉強をしたいと考えています。妹のグレースは社交界にデビューしてハンサムで家柄の良い男性を見つけて結婚するのが人生の目的と考えている,当時としてはとても常識的な美人。三女はまだ社交界デビューには早いため今回はほとんど登場しません。
さて,フェザートン家の双子の叔母たちが長女エリザと次女グレースにすばらしい相手と幸福な結婚を望み,家に伝わる「エンゲージメント・ルール・ブック」を発見し,二人を社交界で成功させようと数々の企みをします。本書では「ルール1:一致団結した側が勝利する」に始まり,「ルール21:双方が互角なら交戦すべし」で終わる21のルール。実はこれは「エンゲージ」つまり「婚約」のルールではなく「交戦」のルールなのですが,そのごろ合わせが実に現実にぴたりと納まるのですから,結婚と戦争は本質は同じとでもいうように物語が進行していきます。まずは,その面白さが読者を引き付けます。
さらに,ヒーローとなるエリザのお相手は,兄の借金ごと爵位を引き継いでしまい,有り金を投資した貿易船も行方不明になり,領地を手放さなければならなくなりそうなギリギリのところに追い詰められたサマトン卿マグナス・マキノンです。自分の苦境を救うのは持参金をたっぷり持った社交界の女性を捕まえることですが,エリザにいくら惹かれても,結婚には結び付きません。愛をとるか便宜的な貴族としての結婚をとるか。究極の選択を何度も迫られるマグナスですが,さてこの苦境を救うのは一体・・・。
そんな二人が互いに惹かれあい,ロマンスを重ねていきますが,とてもさわやかに,しかも互いの苦境を思いやり,互いになけなしの財産をなげうってでも互いの窮状を救おうと行動を起こしていく様子にも読者は温かい気持ちにさせられっぱなしです。
このヒューマンな「フェザートンの姉妹」シリーズは原作はもう4作出されているようですので,翻訳が待たれますが,1年半たっても第2作の翻訳がなされないのは,とても残念です。
紙の本
双子の老婦人が周りを巻き込んで・・・。
2008/10/14 11:19
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:めるる - この投稿者のレビュー一覧を見る
両親の亡き後、ロンドンで暮らす双子の大おばのもとに妹ともに引き取られた美貌の娘エリザ。イタリアに渡って画家になるという夢を持つ彼女にとって、間近に迫る社交界デビューは頭痛の種。しかし、姪に結婚相手を見つけようとはりきる二人の大おばは、『エンゲージメントのルール』と題された一冊の本を片手に、縁結び作戦を仕掛けてきます。ただし、同じエンゲージでもそれは「婚約」ではなく「交戦」を意味する軍人向けの指南書!エリザはそのことに気づきますが、大おばたちを気遣い言い出せず。
エリザは大おばたちの指令をかわすため、舞踏会で知り合った伯爵マグナスにある協定を持ちかけますが・・・。
エリザは、結婚に興味を持たず、絵を勉強するためにイタリアに行くことを夢見ています。姪たちを結婚させようと奮闘する大おばたちを回避しながら、結婚の申し込みを受けずにシーズンを終えたいと思っていました。
一方、マグナスは兄が亡くなり、爵位を受け継ぎましたが同時に多額の借金も受け継いでしまったのです。そのため、おじから金持ちの令嬢を見つけて結婚しろと迫られます。しかしマグナスは乗り気ではなく、出逢ったエリザに心惹かれ、友人の船<プロミス号>に託した海運投資がうまくいくことを願います。
しかし、そううまくもいかず、船が嵐に合い行方不明になったという報せが…。
王道と言えば王道なストーリーなんですが、最後まで楽しい気分で読む事ができました。
全体的に、楽しい明るい雰囲気の作品になっており、それはやはり双子のおばたちの存在が大きいでしょう。
まるまる太ったレティシア、突然眠り込む発作をもつ柳のように細いヴァイオラの双子の大おばが周りを巻き込んで、指南書を参考に作戦を実行していきます。
マグナスに覗き見を見つかっても、手を振り返す茶目っ気のある二人。二人に仕える、フェザートン家の執事エドガーもそんな二人に振り回されます。ちょっと可哀想な気がしてくる場面も(苦笑)。二人とも憎めないキャラクターなんですよね。こんな二人が身近にいたらハラハラしつつも楽しいでしょうね。
双子の老婦人が活躍する作品は全4作刊行されているそうで、自作は最後の最後に出て来たエリザの妹メレディスなのでしょうか?