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投稿者:なつめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
つげ義春さんの代表作であるねじ式など、懐かしく読むことができて、よかったです。独特の妄想、幻想の世界に浸れました。
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いつの間にかちくま文庫から「つげ義春コレクション」が配本になっていた(現在、第4回まで配本)。というわけで、久々につげ義春の不条理ワールドに逃避。
いくつか読んだ記憶のない作品があって、中でも煽情的な妄想作品には秀作が多かった。僕が最初につげ作品を読んだのは高校生のころだけど、あの頃にこういった妄想作品に接っしていたとしたら、ずいぶん感じ方も違ったんだろうなぁ。本人に擬した漫画家の日常を私小説的に描いた一連のシリーズも興味深い。
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隠したい陰鬱で卑猥な欲望をあらわにできることが凄い。後ろめたさとか背徳心とか、形のないものをあの描写で表現できることが、凄い。
『雨の中の慾情』の、雨上がりの空のようにカラリとしたエロさが、暗さの中に引き立っていて良かった。
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何なんだろう?この感覚はとにかくシュール。
強く訴え掛けるようなものがありそうで実はなさそうなでたらめさ。
作者の夢の中を覗いているようなホント夢のような脈絡のなさ。
幻想的だが妙にリアルで…
何かを感じずにはおれない作品です。
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「ねじ式」のようなシュールな作品は、悪い風に言えばキチガイの脳裏に浮かんでは消えていく妄想の一コマ一コマを、そのまま原稿用紙に落とし込んだ感じ。もちろん、普通はできることではないし、作者の非凡さは疑いようがない。だが、果たしてこれがその評価に見合うほどの「表現」なのだろうか、と思わざるを得ないのも事実だ。
一方でそれなりにストーリーを創る動きが見られる話達は間違いなく面白い。日常やちょっとした出来事から膨らんでいった、エロチックで停滞した時間の流れが感じられる。特に住む部屋でもないのに女郎部屋を借りて怠惰に時間を過ごす、作者らしき漫画家の姿を描いた「退屈な部屋」などは個人的には好みだった。
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なんだか、揺るぎない。
「日常」がそう呼べる程文字通りの意味を成していないのに、
そもそも「日常」自体が曖昧な表現なのだけれど、それを揺るぎない世界観で描き出してしまった、というように感じる。
間違いなく才能を持ちながら、持て余して滅茶苦茶にしなかった、
色々な意味で怜悧な人だと思う。
傑作。
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ぞぞーうっ、とする。
支離滅裂なのに、一度見たら強烈に印象に残る。
芸術、娯楽、うーん…、
職人という感じ。ガロ周辺の漫画家は。
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狭いのか、広いのか、良くわからない、
空間の歪んだうす暗い部屋に窓ひとつ。
そこはいつでも開いていて、
出るも出ないも自由だが、
妙な居心地の良さを感じ、
出るに出られないのはなぜだろう…!?
同名タイトルの作品がはいった文庫を買うのは、
これで2冊目。
つげ氏の世界観にどっぷりはまりつつある…
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夢の大半は悪夢だという説があるが、つげ義春の漫画を読んでいると、なにか悪い夢でも見ているような気分になってくる。とくに、表題作の「ねじ式」に代表されるような、シュールな作品群がそうである。事実この作品は、作者自身が見た夢が元になっていたと記憶している。
主人公は医者を探しているのだが、助けを求めた相手はこう言う。「つまりきみの言いたいのはこういうことでしょう。医者はどこだ!」途中、生まれる前の母親(?)が出てきたりする。となり村へ行こうとして汽車に乗るが、元の村に戻ってきてしまう。挙げ句の果てに、主人公は腕を怪我しているのに、シリツ(手術)するのは外科医ではなく産婦人科医である。もうわけがわからない。
まさに夢とは、このようにわけのわからないものである。もちろん、作者は自分の見た夢をそのまま描いたわけではないだろうが、こうした作品に仕上げるのはじつは簡単ではない。私も夢から覚めたあとで、「この夢を小説にしたら面白いのではないか!」といった経験が何度もあるが、実際にやってみると全然うまくいかない。夢とは、まさに「話にならない」からである。
いくら夢を下敷きにしているといったって、こんな話は考えて作れるものではない。これはある種の文学的才能ではないか。著者の頭の中がどうなっているのか、気になって仕方がない。
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つげ義春コレクション全9巻のうち6巻以外を読んだ(6巻は漫画ではなくエッセイとスケッチらしいので見送った)。正直1巻以外はつまらないし、その1巻にしても『ねじ式』『夜が掴む』『ヨシボーの犯罪』辺りはやっぱりというか、作者が見た夢をそのまま描いてるだけのようで、そこに何か高尚なものは感じ取れなかったし、世間でもてはやされる理由もわからなかった。
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「つげ義春コレクション ねじ式/夜が摑む」つげ義春
夢想怪奇漫画。暗い色。
筑摩書房つげ義春全集より。
こんなに有名で、不可解で前衛的で、コアなファン層のある漫画のレビュー書く勇気、僕にゃあありません…。書くけど。
なぜもっと早く読まなかったんだろう。もっと早く読んでたら、人格形成に多大な影響を及ぼしていただろうに。
サングラスとワイシャツに下駄履きとかの学生になってたかも。
不安を煽る崩れた、頽廃的な構成に、引き込まれているという感覚も無く引き込まれている。
シュールレアリスムな心理的な奥底にあるモノの表現、と感じるんだけどどうやら凝りに凝った構成だってことは、この人何かが裏返しになってるって印象。
普通の生活を送る中で想起される超現実を自分の表現方法におもねて形にするところに理性的な構成力が働くなんて。
こう、ウゥーッて出てきた衝動の積み木があって、それを冷静に机の上に散乱して配置して、煙草吸いながら。気持ち悪…
『ガロ』って怖いワ。
あと、エロい。もう、純粋に剥き出しの欲望のエロスには芸術とか感じない。
いわゆるエロ本って要は多かれ少なかれ変態性というか、異常性を含むと思うけど、リアリティを超えた夢想としての色欲が、とどまるところを知らない。
「必殺するめ固め」で妻を奪われる男の、被虐的な立場、女の欲情、暴漢の精力。表向きは一切性感を表していない男にこそ、狂うようなエロへの執着を感じた。作者の。
おかしいだろうよ…
収録作は“夢もの”と“日常生活もの”に二分されていて、ねじ式/ゲンセンカン主人/夢の散歩/アルバイト/雨の中の慾情/夜が摑む/コマツ岬の生活/外のふくらみ/必殺するめ固め/ヨシボーの犯罪/窓の手/夏の思いで/懐かしいひと/事件/退屈な部屋/日の戯れ、の16篇。
どれも甲乙つけ難く印象的ですが、やはり初読のインパクトの「ねじ式」と、「外のふくらみ」かな。個人的には。
将来、子供に見せたくない漫画ナンバーワン。(5)
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「ねじ式」は本当に夢の中っぽい。出たはずが入ってたとか、行っても行っても目医者ばかりで見つからないとか、産婦人科やったはずのそこが金太郎飴工場やとか、この唐突さが本当に夢っぽい。
「ゲンセンカン主人」も好きです。分身は、大抵は本体に何か悪影響を及ぼす存在として描かれるけど、出会ってしまったこの旅人と主人はこれからどうなるのかな。
ただ、わたしは「夢を描きました」ってやつは夢ではないと思う派です(?)
つげ義春さんは夢日記も書いてて、それを元にこの「夢の作品群」を描いたらしいけど、もうね、文字に起こした時点で印象が変わると思うし、作品にしたら更に、作意がどうしても入ってしまうので、作ったお話や、と思う。
でも、そうやとしてもこれだけ夢がそのまま漫画になったように描けるんだからすごいよなあと思う。
「夢を作品にする」というのは、つくる上でのひとつの方法だと思います。
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初めてのつげ義春。超シュール。子供が考えるような無茶なストーリー展開でずんずん進んでいく。内容も下ネタだからまた面白い。
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裏表紙より。
つげ義春ワールドの極点「ねじ式」に始まる“夢の作品群”と、それと並行して書かれた若い夫婦の生活を描いた“日常もの”を集大成。
【収録作品】ねじ式/ゲンセンカン主人/夢の散歩/アルバイト/雨の中の慾情/夜が掴む/コマツ岬の生活/外のふくらみ/必殺するめ固め/ヨシボーの犯罪/窓の手/夏の思いで/懐かしいひと/事件/退屈な部屋/日の戯れ
解説 川本三郎
解題 高野慎三
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つげ義春を初めて読んだ。そろそろつげ義春を読んでも人生狂わされないかな、と思って。初めて読むつげ義春がこの本で良かったのかはわからないけど、僕にはまだ難しかった。10年おきに読んでみたら、そのうちわかるようになるかもしれない。「外のふくらみ」が気に入った。これだけ絵本にしてくんないかな。