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紙の本
狼と鳩 下 (SB文庫)
著者 キャスリーン・E.ウッディウィス (著),橘 明美 (訳)
自分を囚われの愛人にしている男なのに、エイスリンはいつしかウルフガーに惹かれ、その抱擁を焦がれるようになる。一方、ウルフガーもまた、ただの奴隷だと思っていたエイスリンへの...
狼と鳩 下 (SB文庫)
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商品説明
自分を囚われの愛人にしている男なのに、エイスリンはいつしかウルフガーに惹かれ、その抱擁を焦がれるようになる。一方、ウルフガーもまた、ただの奴隷だと思っていたエイスリンへの思慕にとらわれていく。エイスリンはその身に新しい命を宿し、愛するウルフガーの子であってほしいと願う。だが憎悪すべきラグノールの子なのか…?数奇な運命に翻弄されながらも、クライマックスへ。【「BOOK」データベースの商品解説】
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紙の本
何事にもめげないヒロイン
2008/11/05 23:27
8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:めるる - この投稿者のレビュー一覧を見る
ノルマン人の騎士に領主であった父を殺され、その父を殺した男に身を奪われたエイスリン。その後、やってきたウルフガーに愛人として囚われることに。そんなウルフガーに徐々に惹かれていき、その抱擁を焦がれるようになります。ウルフガーもまた、エイスリンへの思いを深めていくのですが、そんなときエイスリンは新しい命を宿します。愛するウルフガーの子供であってほしいと願うエイスリンですが…。
「炎と花」を読んですっかり、キャスリーン・E・ウッディウィスのファンになり、作品を手に入れたいと思っても古書ではなかなか手に入りませんでした。特に読んでみたいと思っていたのが「冬の薔薇」と今作「狼と鳩」だったので、今回新訳で出版されると知ってすごく楽しみにしていました。
期待していたとおり、上下巻合わせて900ページ近い長編でしたが、中断するのも惜しみながら一気に読み上げました。30年前に書かれていても、古くささは感じませんでした。
エイスリンのどんな困難にも顔を上げて、毅然と立ち向かう姿には感心しました。普通だったら挫けるところ、彼女は誇りを失わず、ウルフガーの妹・グウィネスにされる仕打ちにも耐え、時には言い負かすことも。そんな強さ、私も欲しいです。
ウルフガーはそんなエイスリンを奴隷と言って、優しさを見せたかと思うと冷たい態度を取ることも。けれど、彼女に対して欲望だけではないものを感じるようになります。「女に無駄な金は使わない」と言っていたのに、彼女にプレゼントをしたりと、エイスリンにメロメロになっていくウルフガーの姿は微笑ましくもあります。愛など信じていない彼が、どのようにしてエイスリンへの愛に気づいていくのかも丁寧に書かれているので、ページをめくるのをやめられませんでした。
脇役の意地の悪い(どうやったらこんなひねくれた性格になるのかと思える)妹グウィネスや、ウルフガーを手放した事を後悔している義父ボルスガー、エイスリンに執着しウルフガーを敵対視するラグノール、ウルフガーをずっと見守ってきたスウェイン…など脇役たちも個性的であり、作品を構成する重要な役割を担っています。
時代背景もあるのでしょうが、主人公たちにとっては辛い場面もありますが、飽きる事なく最後まで読める作品だと思います。
「冬の薔薇」も今後出版されるということで、すごく楽しみです!