とても趣があって美しく、上品な作品集。表題作でもある2作品はいうまでもないが、P156以降につづく「ねぎ坊主」、「いいなずけ」などは、わたしの好きな作品だ。日本の若い女性作家でこれだけ中国の雰囲気を描ける人がいるのだと、目を開かされた気がするし、同時にうらやましくもなった。P.56からの「流刑」は、聊斎志異などに見る狐の話とくらべても、遜色ないように思う。名前を呼ばれて瓢箪におさまるラストの描写もいい。願わくば、話の並び順に何らかの配慮をいただければありがたかった。冒頭の「王冠とバナナ」は日本の山村の話だが、それ以降はP.174で「いいなずけ」が終わるところまで、ずっと中国(もしくはアジアのど…
|