「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
商品説明
北前船の着く湊町は賑やかで慌ただしい。銭と汗の匂いのする町を舞台に、想い人を待ち続ける元遊女や、三十年間、敵討ちの漂泊の果て、故郷に戻ってきた絵師、飢餓から逃れ数十年、行方の知れなかった兄と邂逅する古手間屋、米相場の修羅に生きる男など、心を打つ六編の物語。【「BOOK」データベースの商品解説】
北前船の着く湊町は賑やかで慌ただしい。銭と汗の匂いのする町を舞台に、想い人を待ち続ける元遊女や、敵討ちの漂泊の果てに故郷に戻ってきた絵師、数十年行方知れずだった兄と邂逅する古手間屋など、6編の物語を収録。【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧
海上神火 | 5−55 | |
---|---|---|
海羽山 | 57−101 | |
木洩陽の雪 | 103−141 |
著者紹介
北 重人
- 略歴
- 〈北重人〉1948年山形県生まれ。「超高層に懸かる月と、骨と」でオール讀物推理小説新人賞、「蒼火」で大藪春彦賞を受賞。
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
6つの短編小説。しかもすべて江戸時代の水潟という港町を舞台にしたもの。
2010/03/07 08:59
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:龍. - この投稿者のレビュー一覧を見る
6つの短編小説。しかもすべて江戸時代の水潟という港町を舞台にしたもの。
主人公は、元遊女、商人、相場師、武士など様々ですが、すべてに懸命に生きる生き様と故郷に対する愛着とが描かれています。
著者である北さんは山形県酒井市出身ということもあり、その風景描写はすばらしいです。北国ということで暗いイメージがありますが、なぜかさわやかな感じを受けます。
しかも登場する人々の心理状況などが、繊細に描かれているため、読み始めるとすぐに物語に引き込まれます。
6つある物語どれもよいのですが、特に最初の「海上神火」はおすすめ。
元遊女と幼馴染の思い人の船乗りの話ですが、現在と過去、記憶の中の思いと現在の心情が繊細なタッチで表現されています。
どの物語も小説である以上、フィクションなのですが、自分の中にある懐かしい感情がそこかしこに表現されています。
ついつい感情移入してしまいます。
あっという間に読めてしまう本です。
紙の本
静かな筆致で描く人々の情感
2009/01/10 17:56
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かつき - この投稿者のレビュー一覧を見る
水潟(みなかた)という架空の東北の町を舞台に
(おそらく酒田がモデルになっているのでしょう)
題材も情緒も豊かに描く時代短編集。
遊女の30年以上にわたる恋がじんわり沁みる「海上神火」
50年前に生き別れた兄弟の再会に涙する「海羽山」
男の子ばかりを亡くしてきた祖母を描く「木洩陽の雪」
兄の仇を討つ武士の行く末を描く「歳月の舟」
娘の浮気がかつての夫の浮気に重なる「塞道(さいど)の神」
堂島の噂で沸騰する米相場に感動する「合百の藤次」
これらの短編を通して
北前船が着く湊町の活気、商人の算盤勘定と心意気、
北国の厳しい自然により訪れる飢饉などを
幾度ともなく描写します。
どれも違った話ですが、根底にはきちんと生きようとする
人間がいて、湊町がとても身近に感じられます。
静かな筆致のなかに、人々の情感を感じる珠玉の作品集。