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- カテゴリ:一般
- 発売日:2008/08/08
- 出版社: 文藝春秋
- サイズ:20cm/349p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-16-327300-6
紙の本
リーシーの物語 上
有名作家だった夫スコットを亡くして二年。いまだ悲しみの癒えぬリーシーは、ようやくスコットの遺品の整理をはじめた。ナッシュヴィルの大学でスコットが撃たれて瀕死の重傷を負った...
リーシーの物語 上
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商品説明
有名作家だった夫スコットを亡くして二年。いまだ悲しみの癒えぬリーシーは、ようやくスコットの遺品の整理をはじめた。ナッシュヴィルの大学でスコットが撃たれて瀕死の重傷を負った日のこと。辛い少年時代について聞かされた雪山での午後…。思い出をかみしめるリーシーは、やがて、スコットが何かを自分に知らせようと、「道しるべ」を遺品に忍ばせていたことに気づいた。夫は何を知らせようとしているのか?頻発する謎と怪事のさなか、スコットの未発表原稿を狙うストーカーが身辺にあらわれはじめ、リーシーへ魔手を伸ばし—。【「BOOK」データベースの商品解説】
有名作家だった夫の遺品を整理しはじめたリーシーは、夫が何かを自分に知らせようと、「道しるべ」を遺品に忍ばせていたことに気づいた。頻発する謎と怪事のさなか、夫の未発表原稿を狙うストーカーがあらわれはじめ…。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
スティーヴン・キング
- 略歴
- 〈スティーヴン・キング〉1947年アメリカ合衆国メイン州生まれ。作家。教職のかたわら執筆活動を開始。著書に「キャリー」「呪われた町」「グリーン・マイル」など。
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紙の本
代表作、とはいえません。でも老人の痴呆のことを気にかけたり、ストーカーに悩まされている人には少しは希望を与えてくれるかも。でも、私ならほかの作品を読むことを勧めます。キングだって傑作ばかり書いているわけじゃあない
2009/01/21 19:37
5人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
少なくとも年一冊は届けられるキングの大作です。カバー装画は何故か藤田新策から松尾たいこ、に変わっています。悪との対決、という要素がいつもより少ないせいかもしれません、キングの作品をファンタジーとして受けとめれば、この選択も悪くはないでしょう。明るい印象のキング本というのもいいもの。装幀は文春御用達とも思える大久保明子です。
内容紹介はカバー折り返しのことばで充分でしょう。
有名作家だった夫スコットを亡くして二年。
いまだ悲しみの癒えぬリーシーは、ようやくスコットの遺品の整理をはじめた。
ナッシュヴィルの大学でスコットが撃たれて瀕死の重傷を負った日のこと。
辛い少年時代について聞かされた雪山での午後・・・・・・。
思い出をかみしめるリーシーは、やがて、スコットが
何かを自分に知らせようと、「道しるべ」を遺品に忍ばせていたことに気づいた。
夫は何を知らせようとしているのか?
頻発する謎と怪事のさなか、スコットの未発表原稿を狙う
ストーカーが身辺にあらわれはじめ、リーシーへ魔手を伸ばし――。
スティーヴン・キングが濃密な筆致と緻密きわまる構成で贈る大作。
圧倒的な感動をもたらす結末へ向けて、精緻な伏線がひそやかに紡がれてゆく。
となっています。読むのに時間がかかるのはキング本にはよくあることですが、もう一つ話に入って行きにくい要素は主人公が老人らしい、ということだと思います。老人なのかどうか、それがはっきりしない、それが気持ち悪いのです。話の流れからいえばレイプされると思ったりする以上、40代だろうな、と思うんですがでもそうではなさそうです。
しかも、この主人公、影が薄い。ま夫の盛名の陰に埋没している、っていうのがピッタリなんですが、ゆとり、というよりは鈍感さを感じてしまう。姉たちとも仲が良さそうではない。それと亡き夫が遺したものを整理もしない。分かるんですよ、悲しさのあまり手もつけられない、っていうのは。でもそういう悲しさは伝わってきません。だから自分を同化させにくい。
それは最後までついて回ります。でも、押し付けがましい大学教授や暴力的な男が現れることで、盛り上がることも事実です。そして思うんです。これって老人のための小説なんだって。認知症の人に希望があるって訴えようとする。でも、読者にはそれが物語の結末に関係なく、絵空事であるとわかってしまう、それが寂しいです。
悪くはありませんが、読み終わって快哉の声をあげにくい本ではないでしょうか。やはり50歳前後の人間を主人公に据えると、必然的に人間は死と向かい合うことになります。「死」は文学の大テーマの一つではありますが、こういった形で示されることがベストである、とは私は思えません。キングとしては並みの上、くらいの出来といえるでしょう。
最後にデータ的なことを羅列しておきます。まず各巻の構成ですが
上巻
第一部 プール狩り
第二部 SOWISA
下下巻
第二部 SOWISA
第三部 リーシーの物語
作者あとがき
訳者あとがき
と、三部構成になっています。登場人物を書いておけば
リーシー・ランドン:主人公。夫の陰に隠れて目立たない存在だったが、夫に誰より愛されていたことを知っている50歳を迎える幸せで裕福な老女。夫の死の衝撃からいまだ抜けきらず、遺品の整理もできないでいる。どこかボーっとしたところがあり、姉のアマンダにはそれをよく指摘される。
スコット・ランドン:リーシーの夫で、ピュリッツァー賞と全米図書賞を受賞した有名作家で二年前に病死。妻をこよなく愛するが、絶対にこどもを設けようとしないなど謎の多い存在。彼の遺稿を狙う学者やマニアが多い。
アマンダ・デバッシャー:リーシーの長姉で、秋に60歳になる。チャーリー・コリヴァーに捨てられたばかり。自傷癖があり、高圧的で人にしかれる存在ではない。妹たちに迷惑をかけるが、それを気にする風でもない。突然、痴呆状態になり施設にはいることになる。
ダーラ:リーシーの姉。性格的にはアマンダに似ているかもしれない。ズケズケものをいい、優しさをほとんど見せない。とはいえ、全く仲が悪いかといえばそうではない。
カンタータ(キャンティ):リーシーの姉で、ダーラと仲がよい。
ジョドーサ(ジョディ):リーシーの姉だが、存在感は薄い。正直、登場させる必要はなっかたのではないかという気さえする・
ポール・ランドン:スコットの兄で、弟を父親の暴力から守ろうとし続けたが・・・
スパーキー・ランドン:ポール、スコットの父。時々、息子たちを殺すのではないか、と思えるような暴力をふるうが・・・
ジム:ドゥーリー:リーシーに脅迫的言辞で迫る謎の男で、スコットの原稿を狙う変質者と言い切れない邪悪な存在。別名ザック・マックール。
ジョゼフ・ウッドボディ:スコットの原稿を狙うピッツバーグ大学文学部教授。ただし、無礼なだけで邪悪、というよりは愚かな男。
ノリス・リッジウィック:キャッスルロック郡保安官。新婚旅行中なので、名前がでてくるだけの存在。
アンディ・クラッターバック:キャッスルロック郡保安官助手で、リーシーの訴えに応じてボークマンを派遣する。
ダン・ボークマン:リーシーの家を見張ってくれる巨漢の保安官助手。