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商品説明
バブル景気真っ盛りの1988年、東城大医学部剣道部の猛虎、速水晃一、帝華大医学部剣道部の伏龍、清川吾郎、剣の才能を持つふたりの男が、全存在をかけて戦う。そしてその戦いの陰には、帝華大から東城大佐伯外科に招聘された阿修羅、高階顧問の姿があった。医療ミステリーの旗手が放つ、初の青春小説。【「BOOK」データベースの商品解説】
手にした者は外科医として大成するという医鷲旗を巡り、東城大医学部剣道部の猛虎・速水晃一と、帝華大医学部剣道部の伏龍・清川吾郎が全存在をかけて戦う。「チーム・バチスタ」×「ジーン・ワルツ」メンバーの青春を描く。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
海堂 尊
- 略歴
- 〈海堂尊〉1961年千葉県生まれ。現役勤務医。「チーム・バチスタの栄光」でこのミステリーがすごい大賞、「死因不明社会」で科学ジャーナリスト賞を受賞。ほかに「医学のたまご」など。
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紙の本
シリーズとして楽しんだので★四つ。でも、単独の作品として読んだら★三つ半かな。収穫は朝比奈ひかり、そういっていいでしょう。コミックスにしても楽しめます。
2009/01/20 20:09
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
今、読んで一番面白い作家といえば、桜庭一樹と海堂尊じゃないか、って思うんです、私。無論、舞城王太郎も古川日出男も伊坂幸太郎も好きですよ。でも、誰もが楽しめる、っていう点に絞れば、現時点では桜庭と海堂の二人に敵う人はいないんじゃないか、そう思うんです、私。
でも、このタイトルは予想外でした。しかもこのカバーです、見てください、どうやってもイラストです。でも本には、デザイン 泉沢光雄、カバー写真 Jane Stockman/gettyimages てあります。げ、これって写真?それにしても古臭い、っていうかバタ臭いデザイン。
同じ人気作家でも桜庭に比べて海堂はブックデザインに恵まれないなあ、良かった、っていうか及第点と言えるのは『ブラックペアン』と『医学の卵』の二冊だけじゃん。ま、これはデザイン担当の泉沢のせいだけとはいえないでしょうね。彼が光文社の本ではもっとキレのいい仕事してますもの。やっぱり出版社の体質かなあ。勿体無いなあ、これが一連の東城大医学部と帝華大医学部のシリーズというのがすぐ分かるものだったら、もっと売れたのに・・・
初出は、オール讀物 2007年8月号、10月号、12月号、2008年2月号、4月号~8月号。全十六章の構成です。とりあえず文春のHPから内容紹介をコピペすれば
東城大の虎・速水と、帝華大の伏龍・清川がまだ医学生で剣道部員だったバブルの頃。2人のあいだに医鷲旗をめぐる伝説の闘いがあった
1988年、バブル真っ盛りの頃。いずれ医療の世界で悪戦苦闘する医学生も最初は医学の素人で、普通の大学生のようにサークル活動に部活に励んでいた、そんな時代。医学部剣道部の象徴的大会、医鷲旗の覇者は外科の世界で大成するという言い伝えがあった。その医鷲旗をめぐり、桜宮・東城大剣道部の猛虎・速水晃一と天下の官僚養成大学、東京・帝華大の臥龍・清川吾郎による伝説の闘いが繰り広げられる。
『チーム・バチスタの栄光』から続くお馴染みの面々が、メスの代わりに竹刀(しない)で鎬(しのぎ)を削る著者初の青春小説登場です。(SY)
となります。中身についてはこれで充分でしょう。一種のスポ根ものですが、レベル的にいえば三浦しをん『風が吹いている』、或は森絵都『ダイブ!!』には及びません。剣道、というところだけとっても高橋三千綱『青い空』に負けています。ただし、登場する人物たちの知名度(なんか変ですが)では、互角以上の健闘ぶりでしょう。
登場人物を大学別に紹介します。彼らが医学部剣道部の象徴的大会、医鷲旗大会で優勝旗である医鷲旗を巡って競い合います。
(東城大:総勢五名でしたが、前園が引退し、新入生の長村、清川が入ることでギリギリ大会出場枠をクリアしています。)
速水晃一:虎のように威圧し、王のように君臨する剣を使うことから、東城大医学部剣道部の猛虎といわれます。剣の道をまっすぐに追求する男で、東城大医学部剣道部主将で四年生、22歳。外科の成績だけ図抜けている男です。勿論、あのお話の主人公です。
小谷:副主将、三年生。
鈴木:二年生。
河井:二年生。
前園:医学部六年生ということで引退をする25歳の長老生徒。彼と速水の存在が東城大の剣道部を強くしたといえるでしょう。年齢ゆえに、あだなが、ご老体。
長村:中学の時剣道をやっていたというだけあって、上級生の座を脅かしす一年生です。
清川志郎:吾郎の弟で東城大の一年生。兄に似て軽い剣を使いますが、速度だけをみれば兄を凌駕しています。ただし、脆さをもつ、というのがミソです。
(帝華大:総勢17名ですが、医学部の部員は7名です。)
清川吾郎:あり余る才能を持ちながら、それゆえにその世界を疎んじている小手を得意とする奸雄で帝華大医学部剣道部の伏龍と呼ばれます。一生懸命、とか努力という言葉や汗が大嫌い。天才は努力しないくても天才、だと思っている節があります。医鷲旗大会でたった一度敗れたことがあり、そのときの相手が速水です。
新保主将:昨年、大会で前園に敗れている。
今井副主将:存在感ありません。
坂部:吾郎と同期の主将候補。
塚本女責:吾郎と同期で女子部責任者で、吾郎を信じています。
朝比奈ひかり:薬学部の一年生で、マネージャー希望の小柄な少女風の学生。薬殿院という寺の住職である祖父から手ほどきを受けた不思議な剣を使いますが、決して竹刀を取ろうとはしません。本のタイトルは彼女にちなみます。私は彼女と速水が結ばれると思っていたんですが・・・
(極北大)
水沢栄治:インハイ経験者で昨年の医鷲旗大会の覇者、極北大の業師と呼ばれます。
(崇徳館大)
天童隆:実力者の誉れ高い崇徳館大の暴れん坊。剛剣の使い手。
(東城大・帝華大)
高階顧問:あだなは阿修羅。帝華大学では、外科学教室の輝ける新星とも呼ばれる剣道の達人。10年前に医鷲旗大会で優勝し医鷲旗を帝華大学にもたらした30過ぎの男で、半年前に米国から帝華大に戻り、剣道部の顧問をしていたが春から東城大佐伯外科に招聘されました。「こうもり」のような動きをします。
面白いんですが、シリーズの一冊でなかったら、ここまで評価されたかどうか。ちなみに私は映画『ピンポン』のことを何度も思い浮かべました。この本に関しては悪い意味ではありませんが、小説よりはコミックスに近いかも・・・
紙の本
小一時間くらいで読み終わります
2008/12/05 06:21
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kako - この投稿者のレビュー一覧を見る
基本、青春小説やスポーツものに興味がなく手に取ることがめったにないのですが、「チーム・バチスタ」×「ジーン・ワルツ」の剣道対決とすれば見ないわけにはいかないですよね。
読んでいくとブラックペアンの登場人物も微妙に出てきたりして、シリーズを通して読んでいる読者にはたまらない感じでしょうか?
もちろんミステリーではないので事件も起こらず、ブラックペアンの時にも思ったのですが、高階先生が段々尋常ではないものすごい人となっていくような気がしないわけでもありません。
そして青春小説ですから、読んでいて胸がくすぐったくなるような恥ずかしさ満点の場面も・・・。
主役は帝華大医学部の伏龍・清川吾郎、ジーンワルツに出てきた種だけ取られた男性です(笑)。
学生の頃からのらりくらりとした感じですが、今回は彼が主人公。
それに対してライバルとして登場する東城大医学部猛虎・速水晃一。
清川を倒すためにある特訓をしますが、その特訓方法が「えっ?少年〇〇ンプですか?」と思ってしまうような方法。
本当に剣道ってこんな特訓方法があるのか教えてほしいです。
基本娯楽小説なので、突っ込むだけ突っ込みながら流れを楽しんで読むのがよろしいんではないかと。
そしてやっぱりこれ一冊を単発で読むよりも、シリーズを通して読んだ方がよいと思います。
紙の本
それなりに楽しめると思う・・・
2009/11/20 18:18
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゆこりん - この投稿者のレビュー一覧を見る
「医鷲旗」は誰の手に?
東城大学医学部剣道部の速水、帝華大学医学部剣道部の
清川は、おのれの全てをかけて戦う。その陰で、彼らを
見守るのは阿修羅と呼ばれている高階だった。はたして
勝負の行方は?速水、清川の青春時代を描いた作品。
「ジェネラル・ルージュの凱旋」に登場した速水、
「ジーン・ワルツ」に登場した清川、そのほかにも田口、
高階など、海堂作品に登場するおなじみの人物が登場する。
速水と清川の因縁の対決は、手に汗握る。剣道を経験して
いない者でも充分に楽しめる。けれど、どこか漫画的な
ところもあり、読んでいて「あり得ないでしょう!」と突込みを
入れたくなる部分もあった。特に速水の特訓の内容には驚か
された。「郊外にある城址」での特訓とあるが、銃刀法違反で
捕まらないのか?所持するだけでも大変なことなのに(^^;
ちょっと現実離れしすぎた感も否めないが、海堂作品に
登場するいろいろな人たちの若き日の姿を垣間見るのは
楽しかった。まあ、それなりに楽しめる作品だとは思う。